ひな菊とペパーミント (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 196
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760782

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の結花が今は一緒に住んでいないお母さんを家に来させようと音楽をかけながら一生懸命掃除をしたり、気分が沈んでしまったために、入浴剤を入れてお風呂に入ったりしている姿に勇気や元気をもらった。
    結花は中学2年生の女の子だけれど、大学生の私が読んでも共感できる部分が多くて、葛藤や不安といったものはまっすぐ伸びようとする木には必ずあるものだと感じた。 2018.7.1

  •  寝る直前に読み出したので、ゆっくり読み進めようかな、と思っていたのですが、さくさく読めて、面白かったので、つい眠らず最後まで一気に読んでしまいました。主人公が中学生だったので、ちょっと若いかな? とも思ったけれど、気にせず読めました。なんとなく、色々気になることがあって終わってしまったので、ちょっと物足りない部分もあり、☆5には届かず…。

  • 読みやすくてさくさく読めました
    女の子の友情あり、淡い初恋ありで少女漫画(≒恋愛もの)好きな中学生の女の子にオススメかも
    色んなタイプの男の子が出てくるから誰がタイプか話すと楽しそう
    私は小川くんが好きでした
    この歳で読むとみんなかわいいなーって印象だったけど(笑)

  • キュンキュンするー
    涙出るー


    解説によれば、大人は子どもを意識しないけど、子どもは大人を意識するそうだ。
    私は、思考回路がどうも子どもののままらしい。

    いい本だなぁ。

  • 中学生。こどもとおとなの境目で、まだまだこども。そんな微妙なラインが可愛らしく描かれている。主人公の義理のお兄さんになるかならないか決着がつかないままの松岡くんのともだち小川くんが、バンビみたいな容姿ながら少しおとなびていて、きっといい男になるとおもう。

  • 「話したことなかったっけ?ママが育ったおうちには、猫がいたのよ。三匹も、四匹も。多いときには、七匹くらいいたわね。家猫なんだか野良なんだか、わかんない感じで、ふらりと出かけて何日も姿が見えなかったり、そうかと思えば、当たり前みたいな顔をして帰ってきて、ゴハンをねだったり。外をさまよっているときの猫って、どこでなにをして過ごしているのかしらね?ママは猫たちが羨ましくて、しょうがなかった。のらくらしていて、自由で、孤独に強くて。思いっきり勝手気ままに行動しても愛される、そういう存在に憧れてたの。だけど、よほど性根を据えなければ、ああいうふうには生きられないわよね」


    欲しいもの?たくさんあるような気がする一方で、なんにもないような気もする。お金で買えるものは、欲しがっていたら、きりがない。お金で買えないものは、お店には並んでいない。どこに行ったら手に入るのかもわからない。


    みんなと私とのあいだに、距離がある。遠慮がある。不信感みたいなものもあったかもしれない。だれかが訊ねてくれたなら、私は今度こそ、なにもかも話してしまうつもりだった。でも、だあれも松岡くんのことには触れようとはしなかった。私から積極的に話しだそうにも、それを許してくれない雰囲気もあった。みんなの中に混じっていても、私ひとりが目には見えないバリアで隔離されてしまったような。
    そのバリアを張ったのは、彼女たちなのか。
    それとも、私なのか。


    「・・・帰ろうかな?」
    私はぽつんとつぶやいていた。
    「もう旅は終わり?」
    そう小川くんは言った。彼の声も表情も優しかった。
    「うん」


    じたばたせずに、なりゆきに任せてみよう。
    なにがどうなっても、私はだいじょうぶ。
    パパもママも幸せになれる、ぜったい。


    「ありがとう」
    ようやく声が出たとき、私は言った。
    「なにが?」
    松岡くんの声はそっけない。
    「わかんない。でも、なにもかも」
    「うん」と彼は小さく言った。
    「こちらこそ、ありがとう」


    だれかに出会えたことの喜びは、神さまからのなによりの贈り物だ。

  • 明日という日を迎えよう。
    あまりに悲しく、きびしい、
    すぅすぅとしたペパーミントの風が吹いたとしても。


    みずみずしい文章。
    さわやかな読了感。

  • 少女マンガにありがちな思春期の色恋沙汰や友情

  • 『ひな菊とペパーミント』(野中柊、2008年、講談社文庫)

    中学生のほんのり淡い恋の物語。
    離婚した両親を再び近づけたいと願う結花は、「思いもよらないこと」から知り合った男の子にだんだん惹かれていきます。
    その過程で、人の幸せを願う純粋な心と、しだいに膨らんでいく恋心を両立させていく少女のたくましさも感じられました。
    とてもみずみずしい恋物語ですね。

    (2010年1月25日)

  • 私ってもう年だ

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著者プロフィール

野中 柊(のなか ひいらぎ)
1964年生まれ。立教大学卒業後、ニューヨーク州在住中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』、『銀の糸』、『公園通りのクロエ』、『波止場にて』『猫をおくる』など、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』など、童話に「パンダのポンポン」シリーズ既10巻(長崎訓子 絵)、『ようこそ ぼくのおともだち』(寺田順三 絵)、「本屋さんのルビねこ」シリーズ既2巻(松本圭以子 絵)、絵本に『赤い実かがやく』(松本圭以子 絵)など著書多数。『すてきなおうち』(マーガレット・ワイズ・ブラウン 作/J.P.ミラー 絵)など翻訳も手がける。

「2020年 『紙ひこうき、きみへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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