好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2228
レビュー : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760812

作品紹介・あらすじ

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 石原慎太郎がこのタイトルに対して酷評してたけど笑、読んでみて
    、このタイトルに感激してしまった。もう一度読みたいと思ってるんだけど…。内容は結構ライトで、私小説的…というか小説家としての、あるいはそれより一歩前の、個人としての脳内での様々な気持ちや判断のせめぎ合いが丹念に書かれている感じ。
    このだっさい迷いと、泣きたい思いと、泣いてる自分恥ずかしい馬鹿じゃない、って思ってる自分、ってどうなのっていう、永遠にメタ化されていくような、「ぐちゃぐちゃ」。
    考え出せば出す程ネガティブになっていくようなこれらの問題を前にして、内容としてカタルシスを与えるようなものに仕上げるのではなく、タイトルでここまでポジティブに、強固に言い切ったところに、ぐっときた。ここで例えば「世界の中心で愛を叫」んじゃうことだって出来ると思うんだけど、それじゃだめで、本当
    そんなんじゃだめで、そんな実体のない言葉じゃ駄目で、だけど舞城王太郎のこの浮かれた飛行船のような「好き好き大好き超愛してる。』には、実はものすごい沢山の重石がついていて、下へ下へという力がある。「それでもやはり」という、重力を感じさせる意志の言葉だ。

    だから、いーじゃん、好き好き大好き超愛してて!

    言ってみたいもの、「(色々あるけどそれでもやはり)、好き好き大好き超愛してる。」って。

  • まさにタイトルがぴったりな作品。
    好きとは、愛とは、気持ちに徹底的に向き合った作品だと思う。繰り返し読みたい。

  • 合うか合わないかと聞かれたら合わない
    私は馬鹿なので理解が追いつかない
    頭カラッポが読めるような内容ではなかった

    例えどんなに理不尽な状況でもハッピーエンドを望むくらい私の頭はハッピーだし、納得できない内容は「私には合わない!」と批判するくらい馬鹿なのだ

    しかし、タイトルは最高。
    中身のインパクトを含め、スッパリ忘れることはないでしょう。
    舞城王太郎氏、侮り難し。

  • んーむ。舞城さんの、現実と真っ向から取っ組み合ってる感じ、好きだなぁ。で、取っ組み合ってすんごいボコってでもそれ以上にボコられてる感じが好きだなぁ。こういう言い方もどうかと思うけど(笑)。

    現実は現実でしかないモンスター。抵抗するしないに関わらず、僕たちはその現実で生きている。人は死ぬし、殴られれば痛く、悲しいことがあったら泣く。愛する人といたら嬉しい。楽しい。その人のために何かしたいと思う。
    この世界で、その人のために、自分ができることは何だろう。
    でもそうやって考えた時、現実の壁に直面する。私達ができること、目の前にいるただ一人の人、その人を守るためにできることを考えて、本当に考えたら、怖くなってしまう。ならない? ならない人もいるかもしれない。でも、なる人もいる。

    ミスター・シスターが出てくる砂漠の話が一番好きだ。この話をことあるごとに思い出す。「親切にすると夢は直る」。ふーん。「夢を見る、女の子を探しに行かなくちゃと思う」。ふーん。「でも会いたいよ」。ふーん……。抽象的で、意味不明な話なのに、思い出すと切なくなる。どこかにいる、僕の好きな女の子。会ったことのない女の子。でもその子はもう死んでる。会いたいけど、会えるけど、でももうその女の子は僕の好きな女の子とは別人なんだ。会ったことないけど……。

    それにしても、内容にぴったり合ったタイトルだこと。
    好き好き大好き超愛してる。

  • 文庫版で再読。相変わらず、読後感がよい。鬱に効く処方箋。死は、存在が過去になった時に始まる、というのは医者としての実感としてもある。予後不良の烙印を医療者が押した瞬間に、部屋の雰囲気が変わるのだ。存在しているのに死がそこにはある。死とは不思議なもので、生物学的な死は瞬間なのに、生者にとっては、生き続ける限り死がある。しかし、死に行く者にとっては、生きながらにして死は始まり終わるのだ。関係する者との関係が切れることが「死に終わること」なのだとすれば、ちゃんと看取ることの重要性が改めて問われることになる。それは医療者とて同じ。  そんなこんなで、相変わらず舞城は鬱に効く。

  • なんせ読みにくい。この人の文体は私には合わない。が、舞城氏はそういう評価の外側にいる人物かな。この人の愛をこの人独特の表現方法で見せているっていう感じで、読みやすいか読みにくいかで判断してはいけないのだろうと思う。が、やっぱ読みにくい!舞城ワールドって勢いがすごくて髪の毛ひっつかまれて砲丸投げみたいにぶんぶん振り回されて放り投げられる感じになる。冒頭の「愛は祈りだ。僕は祈る…」の部分でぐっと引き込まれたけど。軽い文体からは想像出来ない深みがあるのかなという気はする。夢の話は結構好き。

  • 出だしにこんなに引き寄せられた本ってあるだろうか?というくらいに好き。設定がすこし難しいから記憶があいまい。もっかい読み返したい。

  • デビュー作とは違った作風に感じるが、得意のドライブ技法を駆使した恋愛小説です。 率直な感想は意味不明。 ただ読み進めるうちに心理描写が上手く描かれていること、ドライブが掛かっているにも関わらず読みづらくない構成に感心させられる。 技術的には難易度の高い本だと思います。 内容はもう少し現実性のある方が、私自身は取っ付きやすかったです。 

  • □内容
    愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。僕は世界中の全ての人たちが好きだ。(amazonより抜粋)

    □感想
    個人的に小説作品において重視することとして、文体のリズムや勢い(抽象的ですみません)があります。また、荒唐無稽であったり突拍子もない世界観を持つ作品ないし作家を好んで読んでいます。

    舞城王太郎は、その点において秀でた作家であります。文章の持つスピードが尋常ではなく、プロットの破綻や現実感のなさもおかまいなしに物語が怒涛の勢いで進み、気づけば読み終わっている。
    「舞城ワールド」と形容されるような、独特の世界観も魅力です。
    「意味不明」「読み辛い」と批判されることもあるようですが…。

    本書はタイトルが示す通りラブストーリーであるとは思いますが、やはり一筋縄ではいかない。読み進めていっても「?」の連続だと思います。ただ、読了した際に、プロットについても、テーマについても、「ああ、そういうことか」と妙に納得できたことを覚えています。他にも著者の作品はいくつか読みましたが、本書が1番読み易く、また1番面白い作品だと思います。
    気になった方は手に取ることをお勧めします。

    (たけい)

  • 聞くところによると、かの「セカチュー」へのアンチテーゼとして書かれた物語らしい。したがって、先の作品と同じ読者層を想定している。
    作者の主張と純愛小説としてのとっつき易さを折り合わせるために、一定のラインまで「降りてきている」。つまり、ふにゃふにゃに見えて、全て計算づく。
    構成は凝っており、その点、「前衛」とも言えるが、言葉や主張のひとつひとつに普遍的な力があるのがミソ。
    邪な見方だけれど、「前衛」「普遍」「通俗」の三要素を取り入れることでクールになるのかもしれない。舞城王太郎はスノッブな層にもウケている印象。
    かつての村上龍みたいに。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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