好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.58
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本棚登録 : 2232
レビュー : 299
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760812

作品紹介・あらすじ

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 石原慎太郎がこのタイトルに対して酷評してたけど笑、読んでみて
    、このタイトルに感激してしまった。もう一度読みたいと思ってるんだけど…。内容は結構ライトで、私小説的…というか小説家としての、あるいはそれより一歩前の、個人としての脳内での様々な気持ちや判断のせめぎ合いが丹念に書かれている感じ。
    このだっさい迷いと、泣きたい思いと、泣いてる自分恥ずかしい馬鹿じゃない、って思ってる自分、ってどうなのっていう、永遠にメタ化されていくような、「ぐちゃぐちゃ」。
    考え出せば出す程ネガティブになっていくようなこれらの問題を前にして、内容としてカタルシスを与えるようなものに仕上げるのではなく、タイトルでここまでポジティブに、強固に言い切ったところに、ぐっときた。ここで例えば「世界の中心で愛を叫」んじゃうことだって出来ると思うんだけど、それじゃだめで、本当
    そんなんじゃだめで、そんな実体のない言葉じゃ駄目で、だけど舞城王太郎のこの浮かれた飛行船のような「好き好き大好き超愛してる。』には、実はものすごい沢山の重石がついていて、下へ下へという力がある。「それでもやはり」という、重力を感じさせる意志の言葉だ。

    だから、いーじゃん、好き好き大好き超愛してて!

    言ってみたいもの、「(色々あるけどそれでもやはり)、好き好き大好き超愛してる。」って。

  • まさにタイトルがぴったりな作品。
    好きとは、愛とは、気持ちに徹底的に向き合った作品だと思う。繰り返し読みたい。

  • 合うか合わないかと聞かれたら合わない
    私は馬鹿なので理解が追いつかない
    頭カラッポが読めるような内容ではなかった

    例えどんなに理不尽な状況でもハッピーエンドを望むくらい私の頭はハッピーだし、納得できない内容は「私には合わない!」と批判するくらい馬鹿なのだ

    しかし、タイトルは最高。
    中身のインパクトを含め、スッパリ忘れることはないでしょう。
    舞城王太郎氏、侮り難し。

  • んーむ。舞城さんの、現実と真っ向から取っ組み合ってる感じ、好きだなぁ。で、取っ組み合ってすんごいボコってでもそれ以上にボコられてる感じが好きだなぁ。こういう言い方もどうかと思うけど(笑)。

    現実は現実でしかないモンスター。抵抗するしないに関わらず、僕たちはその現実で生きている。人は死ぬし、殴られれば痛く、悲しいことがあったら泣く。愛する人といたら嬉しい。楽しい。その人のために何かしたいと思う。
    この世界で、その人のために、自分ができることは何だろう。
    でもそうやって考えた時、現実の壁に直面する。私達ができること、目の前にいるただ一人の人、その人を守るためにできることを考えて、本当に考えたら、怖くなってしまう。ならない? ならない人もいるかもしれない。でも、なる人もいる。

    ミスター・シスターが出てくる砂漠の話が一番好きだ。この話をことあるごとに思い出す。「親切にすると夢は直る」。ふーん。「夢を見る、女の子を探しに行かなくちゃと思う」。ふーん。「でも会いたいよ」。ふーん……。抽象的で、意味不明な話なのに、思い出すと切なくなる。どこかにいる、僕の好きな女の子。会ったことのない女の子。でもその子はもう死んでる。会いたいけど、会えるけど、でももうその女の子は僕の好きな女の子とは別人なんだ。会ったことないけど……。

    それにしても、内容にぴったり合ったタイトルだこと。
    好き好き大好き超愛してる。

  • 文庫版で再読。相変わらず、読後感がよい。鬱に効く処方箋。死は、存在が過去になった時に始まる、というのは医者としての実感としてもある。予後不良の烙印を医療者が押した瞬間に、部屋の雰囲気が変わるのだ。存在しているのに死がそこにはある。死とは不思議なもので、生物学的な死は瞬間なのに、生者にとっては、生き続ける限り死がある。しかし、死に行く者にとっては、生きながらにして死は始まり終わるのだ。関係する者との関係が切れることが「死に終わること」なのだとすれば、ちゃんと看取ることの重要性が改めて問われることになる。それは医療者とて同じ。  そんなこんなで、相変わらず舞城は鬱に効く。

  • なんせ読みにくい。この人の文体は私には合わない。が、舞城氏はそういう評価の外側にいる人物かな。この人の愛をこの人独特の表現方法で見せているっていう感じで、読みやすいか読みにくいかで判断してはいけないのだろうと思う。が、やっぱ読みにくい!舞城ワールドって勢いがすごくて髪の毛ひっつかまれて砲丸投げみたいにぶんぶん振り回されて放り投げられる感じになる。冒頭の「愛は祈りだ。僕は祈る…」の部分でぐっと引き込まれたけど。軽い文体からは想像出来ない深みがあるのかなという気はする。夢の話は結構好き。

  • 出だしにこんなに引き寄せられた本ってあるだろうか?というくらいに好き。設定がすこし難しいから記憶があいまい。もっかい読み返したい。

  • デビュー作とは違った作風に感じるが、得意のドライブ技法を駆使した恋愛小説です。 率直な感想は意味不明。 ただ読み進めるうちに心理描写が上手く描かれていること、ドライブが掛かっているにも関わらず読みづらくない構成に感心させられる。 技術的には難易度の高い本だと思います。 内容はもう少し現実性のある方が、私自身は取っ付きやすかったです。 

  • □内容
    愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。僕は世界中の全ての人たちが好きだ。(amazonより抜粋)

    □感想
    個人的に小説作品において重視することとして、文体のリズムや勢い(抽象的ですみません)があります。また、荒唐無稽であったり突拍子もない世界観を持つ作品ないし作家を好んで読んでいます。

    舞城王太郎は、その点において秀でた作家であります。文章の持つスピードが尋常ではなく、プロットの破綻や現実感のなさもおかまいなしに物語が怒涛の勢いで進み、気づけば読み終わっている。
    「舞城ワールド」と形容されるような、独特の世界観も魅力です。
    「意味不明」「読み辛い」と批判されることもあるようですが…。

    本書はタイトルが示す通りラブストーリーであるとは思いますが、やはり一筋縄ではいかない。読み進めていっても「?」の連続だと思います。ただ、読了した際に、プロットについても、テーマについても、「ああ、そういうことか」と妙に納得できたことを覚えています。他にも著者の作品はいくつか読みましたが、本書が1番読み易く、また1番面白い作品だと思います。
    気になった方は手に取ることをお勧めします。

    (たけい)

  • 聞くところによると、かの「セカチュー」へのアンチテーゼとして書かれた物語らしい。したがって、先の作品と同じ読者層を想定している。
    作者の主張と純愛小説としてのとっつき易さを折り合わせるために、一定のラインまで「降りてきている」。つまり、ふにゃふにゃに見えて、全て計算づく。
    構成は凝っており、その点、「前衛」とも言えるが、言葉や主張のひとつひとつに普遍的な力があるのがミソ。
    邪な見方だけれど、「前衛」「普遍」「通俗」の三要素を取り入れることでクールになるのかもしれない。舞城王太郎はスノッブな層にもウケている印象。
    かつての村上龍みたいに。

  • 名作。

  • 途中挫折。
    この甘えたような文体が好きになれない。

  • 芥川賞候補になったとか、そう言った話題を抜きにして素晴らしすぎる小説。

    作家を主人公に据えた物語と、その作家が書いたと思しき短編小説が交互になった形式で、まるで主人公が体験した事をベースにその短編が発表されているかのようなつくりになっている。

    「病気による恋人の死」を通して「病気」「パートナー」「死」についてそれぞれ綴られる短編と、恋人を失った作家自身の生活を読み通すと、まるで自分まで大切な人を失ったかの様な、心にポッカリと穴が空いた気分になる。

    そしてこの小説が絶大な支持をうけているのはただ単に恋人の死を書いた泣ける小説に収まらず、「物語」とそれに対する批評をメタ的な視点で語っているからだ。

    恋人の兄弟に自分の姉が小説のネタに使われたと激怒して、主人公に電話をかけるシーンの会話のやり取りは「小説に対する批評」についてが的確に語られていて、尚且つリアリティのある会話として成り立っている。

    本作を読めば分かるように、主人公は
    決して自分の体験をベースに、「病気の恋人が死ぬ物語」を書いてない。
    ただ上記で挙げた「病気」「パートナー」「死」についてそれぞれ書かれた短編を読み返すと、主人公の悲痛な、「愛している」と言う叫びが聞こえてきそうだ。

    しかしこんな文を読むより、舞城作品は分かりすぎるくらい伝えたい事が親切に書かれているので、手に取って読んでいただいた方が手っ取り早い。

  • 『愛は祈りだ。僕は祈る。』

    『僕はだから、皆のために祈る。祈りはそのまま、愛なのだ。』

    『祈りは言葉でできている。言葉というものは全てをつくる。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。』

    『過去に起こり、全て終わったことについて、僕達が祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。』

    『人はいろいろな理由で物語を書く。いろんなことがあって、いろいろなことを祈る。そして時に小説という形で祈る。この祈りこそが奇跡を起こし、過去について希望を煌めかせる。ひょっとしたら、その願いを実現させることだってできる。物語や小説の中でなら。』

    『でも命と比べてみれば失うことも可能なものも、大事さがなくなるわけはないんだ。智依子の左腕は大事だ。智依子にとっても。僕にとっても。僕が幾度となく握ってきた智依子の左手。それが失われて右手だけになったとき、智依子が自分のバックを右手で持ってる時には僕はどの手を繋げばいいんだろう?』

    『ねえ、奪うこと、失うこと、奪われること、なくすこと、分からなくなること、分かろうとしなくなること、見なくなること、見えなくなること、こういうことって悪いことじゃないよ ー 与えること、見つけること、見つけられること、もらうこと、自分のものにすること、自分のものであると分かることも、悪いことじゃないけどね』

    『祈りとは、ただ、何かを求めていると、それをくれるわけではない誰かに、あるいは誰でもないものに、訴えかける行為なのだ。』

    『全ての気持ちがそうであるとは言わないけれど、僕達の気持ちの中には、絶対に言葉にしないと、何と言うか、自分を蝕んでしまうようなものが紛れ込んでいる。』

    『柿緒が何を聞きたかったかが問題なんじゃない。柿緒に何を言うべきだったかが問題なんじゃない。僕が柿緒に何を言いたかったのかが問題なのだ。』

    『無駄と知りながらも言うべき言葉は一つの祈りだ。』

    『誰かを好きになるときには条件も留保も約束もなしにとことん好きになった方が気持ちいいのだ。』

    『言葉には人間の意識と無意識の両方が作用するだろうからね』

    『無意識から出る言葉が必ずしも本音で、意識から出る言葉は必ず装飾されてるってわけじゃなくて、無意識は意識にも無意識にも両方に働きかけるんだろうし、だとすれば無意識によって無意識が装飾されてしまうことも多々あるだろう。』

    『人間の本音なんていくつもあるのだ。どれか一つじゃない。人間の無意識も複数あって、それがせめぎあってるに違いない。』

    『一人の人が一つの夜に見る夢は大きな一つの物語の破片で、全世界の全員の夢を繋ぎあわせると長くて面白くてびっくりする物語が出来上がるらしい。』

    『夢の外?そこにその女の子いるの?』
    『いるやも』
    『いるやもってどういう意味?』

    『好きだという気持ちはどうやって生まれるんだろう? それは「欲しい」から来るのか? 「欲しい」につながるのか? 違う。僕はその女の子のことが欲しいわけではない。今僕の中にあるのは…会いたいという気分だ。会いたい、顔を見たい、話をしたい、声を聞きたい、手をつなぎたい、身体に触りたい…。』

    『私の言葉が治のところに届くということ自体が、私の喜びなので。』

    『けれどもその正しさを罰する為に、僕はここで間違えて、誓う。僕を罰するために、正しい言葉を言う。』

    『恋愛とはそういうものなのだ。結果としてどうなったかではなく、ほんの一瞬でも気持ちが通じ合ったかどうかなのだ。』

    『イブが死んでどんなに悲しくても、その悲しみが心臓を止めるわけではない。』

    『痛いときに痛いと言って悲しいときに泣いて辛いときに喚いて不安を口にして愚痴と不満ばかりで何が悪いんだよ。』

    『恋愛ってもちろん呼んでいいんだよ ー これ。私らの。これ恋愛って呼ばなかったら、他に何て呼ぶの?これが恋愛じゃなかったとしたら、もう私何がそうなのかホント分かんないよ』

    『人は心臓が止まったり脳が動かなくなったりして死ぬんではない。死はもっと、誰もが思ってるよりももっとずっと緩やかに始まり、終わるのだ。』

    『それが本当の本心だった。彼氏だからそう言ったんじゃない。同情してそう言ったんじゃない。愛情から言ったのですらない。逆のことはあっても、愛情によって言葉は演出されない。』

    『…でも愛情と物語は、ひょっとしたら同じものなのかもしれない。そう、愛とは祈りで、物語も祈りだ。』

    『なんだか分かんないけど、危ないことしないでよ?マジ心配だから』
    『やだよ。心配して』

    『僕は一人で小説を書いている。女の子をふったりもする。バカだなと思う。でもバカでいい。間違いばかりでいい。愛しすぎるというのはそういうことなのだ。そしてそれぐらいで、人を愛するにはちょうどなのだ。』

  • 愛について書かれた短編集。といってもつながりはある。
    永遠の愛はあるのか?存在は否定できないけど、継続して人間は過去や経験に長い残りの人生を縛られていくのか?といった問いに人間らしい回答が提示されています。苦しくも温かく冷たい炎を感じる。柿緒の話とかアダムとイブの話とかとてもすてきです。血や暴力もほとんど皆無で珍しい。
    王太郎さん、また好きになりました。

    • かりんさん
      このレビューを読んでフォローさせていただきました。
      フォロー返しありがとうございます!
      かぶってる本の評価が近かったり、レビューが素敵な...
      このレビューを読んでフォローさせていただきました。
      フォロー返しありがとうございます!
      かぶってる本の評価が近かったり、レビューが素敵なので今後本を選ぶときの参考にさせていただきます。
      よろしくです。
      2010/02/25
  • セカチューのアンチテーゼとか言われている本。

    タイトルと作者の性格を考えると
    「愛してるとかばかくせーぜ。
     きもちわるく書いてやる〜」
    みたいな感じの印象だし、そんな感じかなぁと思って読んだ。

    結果、そんな予想は完全に裏切られて、

    「好きな人が死んじゃって、悲しい」

    そんな悲しみを徹底的に追求したものが
    大勢の人が読んで涙するベストセラー
    「世界の中心で愛を叫ぶ」だとすると、

    この小説は
    「好きな人が死んじゃって、悲しい。
     けれど一番悲しいのは、この先僕が行き続ける中で
     彼女に変わる“愛する人”を見つけるかもしれない。
     見つけてしまうかもしれない。それが、悲しい。」

    死で分かたれた彼女を忘れてゆく“悲しみ”がひたすら繰り返される。

    現状のとてつもない愛ゆえの喪失感だけでなく
    その後、その愛すらも喪失されていく喪失感。

    そこで味わう一段階高次とも言える喪失感が、描かれている。

    だから、
    「ひたすら彼女の死を悲しんで、冷静になんかなれなくて」
    といったありふれた(語弊があるが)恋愛モノとは違った
    「静かな悲しみ」みたいなものが伝わってくる。

    でもそんな静かな悲しみは、小説の世界だけの話じゃなくて
    そこら中に溢れてる。
    そんなセカチューとは違った“ありふれ性”が、
    バカみたいなタイトル「好き好き大好き超愛してる」と
    可愛すぎるカバーデザインに現れていると思う。
    (だから表紙は文庫本のものが一番いいと思ったり)

    だから泣かされるわけではなく、なんか少し泣けてきちゃう。
    そんな小説で、不思議な感じ。
    舞城嫌いにも、オススメできます。
    この本読むまで、自分も舞城は敬遠していたので。

  • すごく分かる。
    タイトルはバカみたいだし、文章は変だし、改行が少なくて読みにくいけど、絶対に最後まで読んでほしい。人を好きになったり、身近な人を亡くしたりした経験のある人だったら(ほとんどの人はそうでしょう?)、すごく分かると思う。そういう言葉にしきれない気持ちを文章の形にした作品だと思う。
    作中の小説家自身がそうだったように、舞城王太郎自身にも同じような経験があったのかもしれない。
    また、小説を書くことに対する、舞城王太郎の態度の表明のようにも読める。

  • 唐突に始まるファンタジーが全く頭に入ってこない。
    話が進むにつれて何を言っているのかわかってくるけど、空想と現実を切り替えて読み進めるのが苦痛でした。

  • ニオモが良い。脈絡のないさまざまな世界観の男女の別れだと思ったら。
    ぶっ飛んだ愛のようでいて、あるのは悲しさと切なさとやっぱり愛なんだなぁ。舞城さんの本は、好きずき。題名がとても良いと思う。

  • 愛は祈りだ。僕は祈る。
    独特の文体と設定だが、読んでいるうちに馴染んできてとても楽しかった。

  • 2019.6.3
    溢れ出る愛。
    繋がったストーリーでもっと爆発させてくれるのが好み。

  • ロマンチックな情景、情けない感情など、この作品あるいはこの作者ならではのタッチや視点がとても気に入った。表紙や本文のフォントにもこだわりを感じて非常に良い。

  • 前から気になっていた作家さんで、今回初めて読んだ。
    恋愛をテーマにした短編からなる一冊。

    小説家治とその恋人で骨肉腫に冒され死んでいく柿緒の三つの物語の間に、SFチックな設定の短編が挟み込まれている。
    例えば、ASMAという虫が体内で繁殖し、食い荒らされていく恋人の智依子を見舞い続ける「僕」の物語が冒頭にある。
    独特な妖しさ、美しさを持つ一編。
    一冊読み終わるころには、これは柿緒と治の物語をデフォルメしたものではないかと感じられてくる。
    もしかして、これは治の書いた小説なのか?とも思えるけれど、そうだとは書かれていない。
    短編間の関係を、いろいろと考えてしまう。

    肋骨融合なる技術でペアリングされた男性が、女性を操って「神」と戦う「ニオモ」も、運命を共にするほど強く結びついた二人が、しかし恋愛関係になることからは疎外される、悲しい物語。

    いずれも美しい物語なのだけれども、女性の死、または不在が条件になっているということか。

    文体は思ったより癖がない――と思ったら、独特のオノマトペが出てくる。
    肌の感触が「すへすへ」とか。
    なんか説得力があって、面白い。

  • 舞城王太郎2冊目。ほとんど抵抗というものを感じずダッシュで読めるけど言葉選びも良くて怒濤のカタルシスがポコポコやってくる。凄い。凄いなぁー。高橋源一郎と何か近い気がする。ゲンちゃんはジェットコースター的なエモーショナルとはちょっと距離があるけど、体裁とかニュアンスに、真似たといういやらしさがあるのではなく、近いものを感じる。テーマとしては三文的でありながら、読後の温かさがほんとすごいですね。

  • 好き好き大好き超愛してる。:
    男の子たちが、彼女のことを本当に愛しているんだけど、なおかつ「彼女を愛している自分」を周囲に知らしめたいという承認欲求を満たすためジタバタする連作短編。

    ドリルホールインマイブレイン:
    母親の浮気相手にプラスドライバーを頭に刺されてしまった加藤秀昭。
    その頭の穴を通じて、同じように頭に穴のある「世界を守る全能のヒーロー村木誠」と意識がドッキングし、村木誠として暮らすことになるが…。


    管巻いてる感じが好きです!
    第131回芥川龍之介賞候補、R18性描写注意。

  • 難しい。

  • 今作の題材は恋愛小説
    変わらず良い文章芸

  • 2016-6-25

  • 愛は祈りだ。

  • 愛は祈りだ。僕は祈る。

    純度の高い愛の物語です。語りの物語。
    主人公と死んでしまった恋人の物語です。章組が若干の難解さを感じさせるものの、愛を軸に物語ることの意味を強く描いています。そして読後感は心地よく、温かい気持ちになりました。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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