忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2008年7月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784062761055

作品紹介・あらすじ

本格ミステリーとホラー融合の愉悦 “作家三部作”第一作。後日譚「西日」収録。主人公は“三津田信三”! 奇妙な原稿が、ある新人賞に投稿された。“私”は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。そのころ偶然に探しあてた洋館を舞台に、“私”は怪奇小説を書きはじめるのだが……。本格ミステリーとホラーが見事に融合する三津田信三ワールドの記念すべき最初の作品が遂に登場。


幻のデビュー作、待望の文庫化!
本格ミステリーとホラー融合の愉悦 “作家3部作”第1作登場
主人公、“三津田信三”は“武蔵名護池”で“竹の向こうに見え隠れする洋館”に辿り着き……

奇妙な原稿が、ある新人賞に投稿された。“私”は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。そのころ偶然に探しあてた洋館を舞台に、“私”は怪奇小説を書きはじめるのだが……。本格ミステリーとホラーが見事に融合する三津田信三ワールドの記念すべき最初の作品が遂に登場。

みんなの感想まとめ

本作は、本格ミステリーとホラーが見事に融合した物語で、主人公が怪奇小説を書き始める過程で現実とフィクションの境界が曖昧になっていく様子が描かれています。読者は、主人公が辿り着いた洋館での不気味な体験を...

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家さんなのでやっとデビュー作を読めた。最初からこのテイストだったことに驚き。ホラーとミステリーの境界、現実と虚構の虚構を行ったり来たりする展開でこっちがクラクラしてくる。古今東西のホラーやミステリーウンチクの合間にしれっと「東城雅哉」の名前が入ってて著者ファンの自分はニヤリとしました。

  • 作家って凄いとまた思った。
    真実味を読者に与える為に乱歩や様々な作品を
    散りばめて、解説する。
    そこに嘘を潜ませる。
    作品内の本が読んでみたいと探し始めたら、
    その作家の勝ちである。
    どこまでが本当なのか?
    罠だらけで、そこかしこで恐怖を抱きながら、
    罠にどっぷりハマってしまう。
    まんまとハマりながら、三津田ワールドを楽しみ、
    恐怖の罠に浸かった。
    本当に人形荘はあるのだろうか?
    今では、道も坂も整備されている様だが、
    作品中の場所は存在する。
    あなたは、この罠から退け出せるのだろうか?

  • じめじめした今の時期のようなホラー。
    家自体に憑かれてしまう、現実と作品の境が溶解していく感じが怖かった。

    余談ですが、
    私も実はずっと気になる空き家があり、私はトトロに出てくるような家と思うのですが…、みんなは怖い感じといってるんです…

    この本を読んで、あまりその家を気にするのはやめようと思いました…

  • デビュー作。著者の分身のような主人公が、武蔵野の竹林に隠れた洋館を見つけ出し、そこに住んで怪奇小説を書き始めると自らも怪異に巻き込まれていくという話。
    ミステリとホラーが融合しているのが著者の作品の魅力だが、これは現実とフィクションの境目が徐々になくなってゆく感覚が素晴らしい。三部作らしいので全部読んでみたい。

  • 作家読み。
    デビュー作である『忌館』を改題した本作を読んでみる。

    やはりどこまでが現実なのかが分からず、巻末の解説にある“~そのほとんどが“嘘”だ、もちろん。”という言葉に安心するも実際に『ワールド・ミステリー・ツアー13』等の編集者でもあるようなので、そこら辺がうまく融合させてあるということか。

    しかし物語としては、綺麗に真相が判明しなかったのでモヤモヤが残るところ。
    これがリアルということか?

    ミステリやホラーの作品名が多数出てきたのでそちらもぜひ手を出さねば。

  • 1番オススメ出来る、ホラーミステリ作家のデビュー作。氏はホラー寄りにも、ミステリ寄りのも自由自在に書き分けますが今作は前者。デビュー作から読んでもらいたいという気持ちと、安定して楽しめるミステリ寄りの刀城言耶シリーズからを勧めるべきか迷います。
    今作は結構心に重いです。主人公は出版社でバリバリ働きながら自分でも小説を書いています。当然毎日数多くの人と接するでしょうし、知り合いも多くなります。しかし特に今作では同僚とのやり取りとか仕事で他人と話すシーンは最低限。友人にしても同様で、続編では友人との時間にホッとすることも多いのですが、今作は電話で軽く話す程度です。
    では決して少なくないページ数が何に割かれているかというと、自分が体験する怪異とかそれを元に執筆をしている作品の内容。それから趣味の散歩(と言っても昼間から暗い坂道などの描写が多い)とホラー小説やホラー映画のうんちくなどです。
    この作品の特長の1つに、主人公にとっての現実と、主人公が書く小説との境界が曖昧になることで何とも言えない不安を感じるという点があるのですが、ここに慌ただしく騒がしく過ごす時間が多いはずの主人公の孤独な時間がクローズアップされるというギャップが加わる事で「賑やかな日常はまやかしなのでは」という不安が加わります。それが文章として直接示されるわけではないのですが、だからこそ染み込んできます。
    もちろんそこまで引き込まれてしまうのは、文章の上手さがあってこそです。読んでいて違和感や引っ掛かりがないので、すっと主人公に入り込んでしまいます。

  • いわく付きの洋館を舞台に怪奇小説を書き始めた"私"に徐々におこる奇妙な出来事の数々…。現実と小説が入り交じる。

    作中作と現実が交互に流れてきて次第にリンクしていく感じが面白かった。
    オカルト寄りのミステリホラーって感じでオチも薄め。

    途中の乱歩や作家達について語るシーン、作者の趣味なのかな。ほぼ読んでない作品だから気になる。

    ちょっと冗長感あったかも。途中で妙に長い気がしてしまった。

    にちゃりとした笑いがすごくイメージしやすくて不気味だったな。

    気付いたら一月経ってるとか普通に困るだろうなとか思ってしまった笑

  • 処女作とのことだが、三津田らしい作品だった。
    本作のジャンルはホラーだが、後発のホラー作品よりもミステリー(刀城言耶シリーズみたいな)に寄っていると感じた。それでいて刀城言耶シリーズを"裏返し"(; "逆さま"ではない)したような感触も受けた。
    刀城言耶シリーズが「オカルトに見える事件を推理・論理でミステリーとして解く」のに対して、家シリーズは「オカルトに見える事件を推理・論理でオカルトとして解いた」ように見える。
    本書で物語は完結しているように見えるが、あと2冊ある家シリーズの続編はどんな内容なのだろうか。
    また、三津田作品のなかに"逆さま"の「ミステリーに見える事件を推理・論理でオカルトで解く」ようなホラー作品はあるのだろうか。

    三津田作品としては刀城言耶シリーズだけでなく「誰かの家」のようなオーソドックス(?)な形のホラーをすでに読んでいたので、著者の文章の書き方の多彩さは知っており、本作を楽しむことができたが、もし、本作から時系列に沿って読んでいたのなら、刀城言耶シリーズの2作目くらいで「幅が狭い」として読むのを止めていたかもしれないと思った。

    余談だが、カバー表紙の絵はそれだけでも怖いが、読み終わると意味が分かる。読むまでは不気味な女性だと思っていたが、読み終わると女装のようにも見える。不思議。

  • 現実世界の話と連載小説の話が交互に展開されていくの私にとって新鮮な展開だった。

    一家惨殺のあったと噂のある洋館に住みだしたホラー作家が少しずつおかしくなっていく・・最高でした

    1ヶ月以上記憶が飛んでいた三津田信三だが、その間彼はどう生活していたのか。
    そして何が真実なのか。
    ただ洋館に魅入られ、事件繰り返させる要因にされただけなのか、覚えていないだけで事件を起こしていたのか。
    綾子がその結論に至ってしまったのも無理もない

    そして「西日」で新たに洋館を借りた男はどこにいってしまったのか・・

  • 名前はよく見てたけど、初めまして、な作家さん。

    途中うだうだ長かったので、流し読みして最後もよく分からんうちに終わった…。
    なんか解決した?

    取りあえず、ハーフティンバーて単語は覚えた

  • 刀城幻耶シリーズをついに読もうと思い、その前に手に取った作品。
    メタ的な手法を上手く使っており、デビュー作としては非常にレベルが高いように感じる。

    あまりホラーを読んだことはないのだが、まさに(?)ホラーといった展開で物語は進み、陵子の正体が明かされるあたりから徐々にミステリ色が強くなってくる。伏線を仕込みながらホラーを描き、そして終わった後にミステリのような解釈を提示しており、ミステリとホラーの融合としてはそこそこ上手くいっているように思う。

    だが、正直ホラーの部分はそんなに怖くはなかったし、ミステリ部分だけ見ても弱いし、どうしても勿体ない作品という評価になってしまう。
    16年前のイギリスでの事故という伏線はお見事。
    途中の乱歩や連城三紀彦に関する談義も楽しめた。

  • ・燠火(おきび)火勢が盛んで赤く熱した炭火。おこし火。薪が燃えたあとの赤くなったもの。おき。
    ・澱(おり)液体の中に沈んで底にたまった滓。
    ・嚆矢(こうし)「荘子在宥」より。昔、中国で合戦の初めに、かぶら矢を敵陣に向けて射かけたことから、物事のはじめ。最初。
    ・斟酌(しんしゃく)相手の事情・心情などをくみとること。
    ・窃視(せっし)こっそりとのぞき見ること。

  • 「作家三部作」 一作目
    ------------------------------------------------------
    読んだ後、「にちゃり」が頭から離れないw
    作中作の「忌む家」が家シリーズと似た構成だったので、「成る程、その後『三津田信三』氏はこの話をシリーズ化したという設定なのか!」 とか思ってしまった私は既に作者の術中に嵌まっているのだと思いますw

    さて本作ですが、自身が書いた小説と現実が次第に曖昧になって行く、しかもその小説は勝手に一人歩きして行く、というのがなんとも気色悪くていいです。
    もの凄く怖いわけじゃないんだけど、物語全体に「不穏さ」「忌まわしさ」「厭らしさ」が満ち溢れていて、ホラーを読んだなぁという充実感が味わえました。(ミステリー要素もありますが)
    あと、乱歩をはじめとする、ミステリーやホラー作品の蘊蓄もとても面白かったです。
    紹介された幾つかの作品、いずれ読んでみたいですね。

  • 中盤は間延びする展開。何かが起こりそうで、なかなか事件が起こらない。
    ただ、最後の方は怒涛の展開で、描写も怖い。最後まで読めば、満足できる。
    ホラーっぽいミステリーかと思ったが、ミステリーっぽいホラー。

  • 嘘の配合比率が絶妙。

    ホラー系の編集を生業とする主人公が住んだ館は
    イギリスから移築された幽霊屋敷だった。

    この小説は現実から
    次第におかしな出来事が起こり
    ホラーへと進んでいく。
    その嘘の配合比率が絶妙だ。

    そもそも、小説とは
    リアルに嘘を混ぜたもの。

    その配合比率で以下のように分類できる。

    リアル>嘘
    リアル=嘘
    リアル<嘘

    例えば。
    ある解剖学書で
    骸骨の上に蠅が止まっている
    細密画があった。
    その蠅はもちろん、フィクション。
    嘘なのであるが、
    このハエがいっそうのリアルさを生んでいる。
    少しの嘘はリアルを高める。

    さらに嘘の配合比率がリアルと同じくらいになると
    読者は今がリアルか、嘘がリアルかわからなくなってくる。

    さらに言えば
    リアル<嘘
    は嘘がリアルを追い越していく。
    アンチリアルという新たな地平を拓くものといえる。
    フィクションの世界こそが人生。
    今いる人生はフィクション、仮想現実。
    オタクの立ち位置はここだと思う。
    そういった意味でオタクが
    アイドルやSF、アニメに傾倒するのは
    アンチリアルへの多いなる志向だと言える。

    この嘘の配合比率の順番に
    一番上がノンフィクションであり
    二番目が一般の小説であり
    三番目がホラーやSFという考え方もできる。


    さて、この小説。
    作者の三津田信三は
    本物のミステリー系の編集者。
    さらに作家が住んだ家の周辺も
    実際に存在する。
    作中に出てくる作家が応募した小説も
    本当に応募されたものだという。

    こうしたリアルを重ねて
    いつしか登場人物である作家は
    迷宮魔界へと足をそっと踏み入れる。

    その足の踏み出し方が絶妙で
    読み終えた後でも
    この屋敷は本当にあるのではないか。
    あってほしいと願う自分に気づく。

    「にちゃり」という笑いの繰り返し。

    イギリスの木の家、その中に置かれた家と瓜二つなドールハウス。

    愛読者が次第に変質していく様。

    この小説は多彩なホラーとサスペンスの要素をミックスして
    読者を夜眠れなくさせてくれる。

  • いや~怖かった。
    引っ越した直後の深夜に一人で読むもんじゃないです。

    道具立ては典型的といってもいいくらいで、パーツがそろった段階で全体の絵は大体想像がつくんですが、
    それを、登場人物が気づいてないという辺りは、いかにも古典ホラーを踏まえてます。
    そっちいっちゃ、ダメだ!的な。

    作中作がカットバックで交錯していって、最終的に今日実の境目があいまいになる構成はなかなか。

    編集者が主人公で、実在する現役作家の名前が出てきたり、乱歩や正史に関する薀蓄話を盛り込むなど、現実に片足が突っ込んでる分、虚実混沌が怖かったです。

    最後も、結局どうなったのか良くわからんまま閉めちゃうし。
    ハッピーエンドで青空の見えないホラーって反則。

  • 面白かった。少しずつ繋がりがわかってくるとじわじわと怖くなっていく。

  • 今まで刀城言耶シリーズしか読んでなかったが、おもろい長編ホラーやったらこの人で間違いないやろと考え手に取る。
    初期の三津田氏でありがちな蘊蓄の羅列や冗長な考察は見られるが、ミステリ的なパズル感と日本ホラーの融合という手法はすでにハイレベル。あくまでホラーなので全てが論理的に解決されることはないが、現実と虚構が渾然一体となった怪奇幻想な世界でありつつも一定の解釈(もちろん衝撃的な)が示唆されるバランス感覚はやはり非凡。
    序盤は若干の読みにくさがあったが、舞台が整うにつれ物語が加速しページを繰る手が止まらず。

    でもやっぱり厭魅の如きが個人的にはトップ。作家はデビュー作に限る、ということも多いが今回は当てはまらず。

  • 結構面白かった。
    出てきた本の話、全部読んでみたい。

  • 三津田信三氏の本は『厭魅の如き憑くもの』と『首無の如き祟るもの』の刀城言耶シリーズしか読んだ事なかったのだけどこちらも面白かったなー。ミステリとホラーの融合だけどこちらはホラー寄り。色々な蘊蓄も面白い。小説と現実が交差していくどこまでが現実でどこまでが小説なのかわからなくなっていくような独特な感じ。たま、らんよね。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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