不当買収 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 165
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761116

作品紹介・あらすじ

メガバンクから買収ファンドへの転職。最初の仕事は、恋人の実家を買収すること――。
「彩、待っていて。僕たちは僕たちなりのM&Aをやるんだ」

「俺がやりたかったのは本当にこの仕事なのか」。2つの銀行が合併したメガバンク、WFB銀行に勤める松下遼。旧態依然とした体質、派閥同士のいがみ合いが蔓延する行内。ある事件をきっかけに、遼は買収ファンドへの転職を決意する。ところが最初の仕事は、婚約者の父が経営する会社へのTOB(買収劇)だった――。

感想・レビュー・書評

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  • 銀行が バブル崩壊以後では、
    面白みがなくなっていく 姿が明らかにされる。

    時価総額、株主のための企業と言うことがいわれる。
    株価を上げるための グリーンメーラー。
    TOB とは、具体的にどんなことをするのか?
    それに対応する ポイズンビル。
    MOB とは、そして ホワイトナイト。
    買収をめぐって、専門的用語の言葉を学ぶためには いい小説だ。

    エノモト加工をめぐって 人間模様が。
    松本遼、榎本綾、そして中川浩正。
    大沢幹夫と桜田兵一、江角。
    松本遼の正面からぶつかるという清々しさ。
    しかし、TOBとMOBの両者が意見交換するって、それいいの?
    榎本社長の古典的にがんばる経営者。
    経営自体も大きく変わらざるを得ない。
    株式上場が 企業の目標ではない。

    シェークスピアーのハムレットとリア王が下敷きとなる。
    村上ファンドとホリエモンが モデル化されて なるほどと思う。
    企業を商品とするという 時代には、それなりの人が登場する。

    ステークホルダーと言う考え方が 浸透していくだろうね。
    儲ける は 人を信じさせること というありきたりが
    いまいち 平凡な作品にしている。

  • 普通

  • エノモト加工をめぐり、TOBをかける。それにMOBで対抗する。しかし、元銀行の同僚同士で裏で情報交換し、最終的にはホワイトナイトをお願いし、それで、決着する同士いう話なのだが、ストーリーが出来すぎてて、微妙な感じで終わってしまうのが残念である。

  • 238
    まあまあ面白かったが、買収される側と買収する側が、裏で情報交換する辺りが、ありえないと思ってしまいました。
    同著者、読了2作目。

  •  何だか 説明書を読んでいる気がしましたが・・・

  • ライブドアと村上ファンドを思い出す。

  • 時期的にもM&Aが盛り上がっていたし、内容も悪くない。結論に向けた流れはありがちでも、よくかけているように思う。けれど、何か後に残らなかった。。。

  • 会計監査や企業内部から見る数字とは違った視点で会社を見る事ができた。(本来はそうあるべきではないのだろうけど。)
    欧米型経営を輸入しようとする日本人マネジャー率いる外資系ファンドに対して、日本型経営とその社長を防衛しようとする日系銀行系ファンドの持分争奪戦。
    個人的にはトービンのqが低くても一向に焦らない経営者が多いというかつての日本の実情には強く賛同しました。それだけ、株式会社制度が形骸化しており、日本は資本市場のモニタリング機能が脆弱であることを露呈していたんだと思う。
    なるほど、外資系ファンドにもこうした理念を持ったマネジャーがいると夢も膨らみます。

  • こういう結末でよかった。

    やっぱり、M&A絡みの話は面白い。

  • 2008.10.12 読了

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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