魔王 (講談社文庫)

著者 : 伊坂幸太郎
  • 講談社 (2008年9月12日発売)
3.38
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  • 本棚登録 :21675
  • レビュー :1924
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761420

作品紹介・あらすじ

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

魔王 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「モダンタイムス」が文庫化されたので、もちろん買いました!
    すぐに読みたいのはやまやまだけど・・・
    「モダンタイムス」は「魔王」の続編で、「魔王」から50年ほど経った後の物語。
    ということで、先に以前読んだ「魔王」を再読しました。

    前に読んだときは、なんだか後味の悪い話でイマイチかな?
    と思っていたのですが、改めて読むと新鮮でした。
    久々の伊坂幸太郎だからかな。

    兄の安藤が主人公の「魔王」と弟の潤也が主人公の「呼吸」の二部構成。
    安藤の”腹話術”という能力や、後半の潤也が身に付けたちょっとした能力など、
    不思議な超能力(?)が出てくるところが伊坂さんらしい感じ。

    若者から絶大な人気を得ている未来党党首の犬養は、
    力のある言葉でぐいぐい引っ張っていくけど、確かに・・・なんだか不気味。
    何も考えずについて行っていいのだろうか・・・?アイツは危険だぞ?と。
    危機感を持つ安藤。
    「考えろ、マクガイバー」と、何度も自分に言い聞かせながら、
    自分の能力を使って犬養と対決することを決心。
    安藤の考えすぎなところはちょっと行き過ぎやろ~と思いながらも、
    何も考えずに流される恐ろしさみたいなものも感じました。
    私も普段政治のこととか、あんまり考えてないからなぁ^^;
    おそらく流されるタイプです。。(笑)

    一方の弟の潤也はのほほんとした感じ。
    恋人の詩織ちゃんとのやり取りは癒されました♪
    そんな彼も、兄の意志を受け継いでどうも立ち上がるっぽい・・・
    というところで終わっていたので、
    「モダンタイムス」がどういう展開になってるのか楽しみ♪

  • 「大衆のムードに流されてないか?自分で考えられているか?」を考えさせられる。
    全体としで謎が謎のままなのが気持ち悪いところだが、
    読者に「自分で考えること」を促すための仕掛けかもしれない。
    なんてね。

  • 淡々とストーリーが進み、読むのに根気がいる作品でした。いろんなことに関して種明かしがない。憲法改正という内容も盛り込んでいるのにも関わらず、尻切れとんぼみたいな終わり方でなんだか消化不良です。

  • 作中の台詞回しなどは如何にも著者らしいが、読後に「?」と疑問が残る点が珍しい。伊坂幸太郎の作品は気持ちいい程全ての伏線に落ちがつくことが多いがこれは例外か新機軸か。

  • 魔王とは一体何を指していたのだろうか。国の先導者となった犬養なのか、もしくは大衆、はたまた主人公達なのか。最近p5をプレイした事もあり私は大衆だと感じてしまう。自ら考える事を放棄し、ただただ大きな流れに身をまかせることは危険で愚かなことだと思う

  • 「相手を言い負かして幸せになるのは、自分だけだってことに気づいてないんだよ」(潤也)

    「スカートがめくれてるのくらいは直してあげられるような、まあ、それは無理でも、スカートを直してあげたい、と思うことくらいはできる人間ではいたいなって、思うんだよね」(蜜代)


    グラスホッパーでもそうだったけど群集心理は怖い。

  • 何も考えずに生徒会の信任投票に丸を書く私みたいなのが大衆の役割を忘れてしまった大衆なんだろうなーーーー

    大衆が賢くないと、世の中が腐るんだろうなーー


    山勘でも「賭けてもいいよ」って言うと信頼されやすいよね私もよく使います

  • 今の政治状況に似ていてびっくりした。裏を返せば、少し勉強すれば政治家が何をやりたいかは予測できるということ。

    自分の信念を持った人間でいたいと感じた。

  • ストーリー自体はもやもやが残りました。
    けれど、内容は濃かった。10年以上前に書かれた本なのに、まるで今書かれたような錯覚に陥りました。
    そして、自分も潮流に流されているんじゃないかと怖くなりました。
    どんな時代でも、せめてスカートを直してあげられる人間でいたい。

  • 2018年1月9日読了

  • 「考えろ考えろマクガイバー」の安藤兄。
    「考えない考えない」の安藤弟潤也。
    斎藤美奈子さんの解説にもあるように、「読者にも小さな問いを投げかける」小説。おもしろかった。

  • 2018/01/04

  • 終わりがあっけなかった…

  • 敵があまりに強すぎない??!?!
    そんな小説でした。

    軽くあらすじを述べるなら
    エスパーvsエスパー、
    そこに政治色が絡まりつつ……
    という感じ。

    それで、一言感想を言うならば
    「敵、強すぎないか?!??!」
    です。(笑)

    あまりにも敵が強すぎるので
    主人公たちでさえ
    上手く近づけないのです。

    主人公たちは、魅力的な超能力を
    持っているのですが、
    ビギナーだからか使いこなせない…
    個人的にはもっと
    主人公たちの「イイトコ」が
    見たかったな〜?

    政治、集団意識の問題を
    さらりと盛り込めるあたり、
    法学部出の伊坂さんの強みが
    生かされているように思います。

    でも、それは「味付け」で
    良かったのではないか……、
    これでは、調味料ばかりで
    素材の味がしてこない、
    そんな料理と同じような気がします。

    作家さんの中では、
    未完の意識でしょうか……。
    『モダンタイムス』が連なる作品である
    と文庫あとがきにありました。
    そちらも読めばすべてが明らかになる、
    のかもしれません。

  • 久しぶりの読書!

    これって続編があるんでしたっけ…?
    話自体は読みやすくて面白かったですが、結末が何ともぼんやりしてますね〜( ̄∇ ̄)
    国民投票の結果はどうなったかとか気になりますけど、大切なことは別にそこじゃないのかな?

    みんなと違う考えを持ったとしても、自分が正しいと思ったことは勇気を持って実行できる人間になる、、
    安藤兄がそんな人だったように、潤也くんもそうあろうとしているところが素敵でした。

    伊坂作品の男性キャラは魅力的なひとが多いですね〜!!

  • 友人の薦めで読んだ。全体主義を扱った小説。兄視点と弟の彼女視点の二編結果として、有意義というか面白かった。小説として……というニュアンスだと村上龍の「愛と幻想のファシズム」に及ばない。ただ、状況を説明する中でいろいろと考えさせられるキーワードが出てくるのでそういう話に巻き込まれるのは面白かったかな。宮沢賢治を読んでみようと思うきっかけになったのもきっと有意義な起点になったと後々言えるかもしれない。個人的には、全体主義観みたいな部分で、自分とは違うな。っていうような予感めいたものがある。考えるってことについてとか。面白かったかも。「愛と幻想のファシズム」を読み返したくなった。

  • 自分のアタマでしっかり考えなきゃいけないなー。
    わたしは大きな流れに飲み込まれるタイプの人間なので、色々考えさせられた。
    スカートを直してあげられるような自分になりたい。

  • 2017年12月6日読了。
    2017年110冊目。

  • 過去に読んだのを忘れて再読。
    お兄さんの力、政治の話。

  • 2017.11.12
    再読。

  • 面白くて一気に読みました。魔王が兄の話、呼吸がその5年後の話、ということで、まず兄のキャラが面白い。変な能力に目覚めた兄が、個人の力ではどうしようもない、でもやらずにはいられないと画策。そこに現れる意味深なこと言うマスターが気になる。というところで弟の話。この弟とそのお嫁さんが最高でした。かわいい。その弟も変な能力に気づく。兄のいなくなった世界で、でも何かできないかと考える姿がすごくいい。モダンタイムスがその続きものらしいので今から読むのが楽しみ。時代に流されないで考えたい。と思わせられるお話でした。

  • 安藤が読者に「考えろ」と語りかけているように感じられた。
    魔王を読んだ段階では終始安藤視点で犬養の姿が描かれているので、あたかもファシズムへと誘う悪のように感じられ、その一挙一動に恐怖を覚えた。
    呼吸では一変して、自分自身を信用するのではなく「考えろ」と投げかける犬養が実は必ずしも悪じゃないのでは?と思わせる余白があった。
    犬養の言動の意図や本当にファシズムへと傾倒させるために行われているのか、潤也はこの先どのような選択をして兄の意志を継いでいくのかが気になる終わり方をする。

    現時点で続編であるモダンタイムスの上を読了し、下も半ばまで読み進めているが、未だにその明確な答えが見えてきていない。
    しかし人生において明確な答えなんてものはないので、答えが明確でなくてもこの物語らしくていいのかなとも思ったりする。
    モダンタイムスを早く最後まで読んで、自分なりの答えを見つけたい。

  • 昔読んだはずなのに,ほとんど覚えてなかった。今回読んだのは忘れない気がする。昔読んだ時は,そこまで現実味を感じられていなかったからかな,と思う。
    斉藤美奈子さんの解説で2倍トクした気分。

  • 伊坂の作品は当たり外れが大きい。これは外れ。小説というよりはエッセー的な展開、世の中をちょっと斜めから見るみたいな。薄っぺらな大衆批判という感じ。前半は消化不良で終わり。後半は中身がないし、伊坂らしいセリフ回しもない。こういう作品を若い人が読むのでは、ろくな大人にならないと思う。

  • 大きな事件も無く終わる。
    超能力の設定も必要だったのか、なにが言いたいのかよく分からなかった。



  • 本文中、印象に残る台詞。
    「未来は政治家の老後か」
    「この世で一番贅沢な娯楽は、誰かを赦すことだ」

    さて、ファシズムや諸々政治的な事柄が織り成された本作。
    プロパガンダ、群衆心理についてが最も印象的だった。
    元来、日本人、いや日本民族が得意とする空気を読むという行動習慣。近年、若年層のその傾向は顕著だ。更にそこに一過性の熱と、諦観。
    ネット社会の高度により、情報が氾濫。正否善悪、玉石混淆。
    いつ頃だったか、現代は検索の時代であるなんて言ってた奴がいましたね。検索の時代になってしまい、そこには思索がない。
    何でも手軽に調べられ、考えることをしなくなってしまった。与えられた、落ちているものを拾うだけで、本物かどうかも分からずに、伝播、流布する。

    一冊の中に、正に現代の抱える諸問題や疑念、懐疑が凝縮されている。

    空気、雰囲気、潮流。自らの信念や思考がない、まあ、そんな感じで良いんじゃね?が恐ろしいくらいに、刷り込みレベルで蔓延している昨今です。

    2017年9月現在。首相の安倍さん、解散するってね。小池さん出るってね。
    さあ、日本の若き世代は何を思い何をするのでしょうか。
    2005年に書かれた本作では、何もしない、期待しない、知らない、興味ない、でもカリスマみたいなのが出てきたら、面白そうだから、とりあえず乗ってくっしょ!になると描かれている。

    リアルタイムに読んでしまったので、何だかな。怖い。

  • 中学生の時に初めて読んだ時は全く意味が分かりませんでした。
    しかし今読むと最高に面白い。
    まさに今の世の中、政治をバッサリと表しているよう。

  • ブクログさんのキャンペーンで頂いた本。
    安藤兄弟の超能力が物語の中心で、兄のそれが中心になっている表題作と、5年後の弟の超能力が中心になっている「呼吸」の二作品からなっている。
    登場人物を通して著者の政治的考えが吹き込まれているのかな?と思いながら読んだ箇所がいくつかあったが、あとがきで否定されていたので、少し安心した。
    この本の50年後を描いた「モダンタイムス」もすでに発売されているとのことなので、そちらも読んでみようかな、と思っている。

  • 再読。
    マンガ版魔王を読み終わったので
    原作も気になって。
    集団に属してるそれぞれに
    大きな悪意とかがあったわけではないのに
    流されるままに集団心理に飲み込まれ
    予期せぬ方へ向かっていく様子は
    やはり怖いものだと感じました。
    知らず知らずそういった行動を
    している可能性もあるので
    よくよく考えて生きていかなければ、
    と思いました。

  • 難しいなぁ
    と、思って読み終えたら皆そんなレビューだったので、少し安心。

    競馬のシーンの詩織ちゃんはリアリティーがあった。
    と、いうか詩織ちゃんだけが現実で、お兄ちゃんも潤也くんもどんどん遠くに行くようでこわかった。

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