魔王 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.38
  • (1018)
  • (2450)
  • (3872)
  • (918)
  • (192)
本棚登録 : 22738
レビュー : 1977
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761420

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 伊坂幸太郎の小説の中で一番すきな作品です。

  • 解明されない部分だらけで終わった気がしませんでした。

    ただ、見方を少し変えたとき、鳥肌が立ちました。

    主人公のストーリーばかり追い掛けてたのですが、
    ふと他のモノに対象を変えたとき、
    少し怖くなったのです。

    それが“集団”という存在なわけです。

    読み方を問われる作品かも。

  • 何気なく過ぎてゆく日常。無自覚に、無為に「ただ、生きている」国民。彼らは簡単に流され、統一させられる。「まだ大丈夫、まだ大丈夫」。まるで「注文の多い料理店」の二人の紳士のように、彼らは知らず知らずのうちに破滅へと向かっていく。
    「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決していけば世界は変わる」。常に考えを巡らす会社員、安藤は、一人の政治家の言動に、ファシズムの兆候を感じ取る。ある日、偶然にもある能力に目覚めた彼は、国家の暴走を止めるため、その政治家の元へと向かう。
    一方で、鋭すぎる直感を持つ安藤の弟、潤也は、兄の死後、その能力を活かし、ひそかにあることを企む・・・
    憲法改正案、そして国民投票―――激動の世界の中、周りに流されることなく、国家の暴走に立ち向かう二人の兄弟の物語。

  • 少年サンデーで見かけたのがきっかけ。

    サンデーで読んだときは、超能力バトルという感じを受けたのだが、原作はだいぶ印象が違った。

    均質化し、一つの「正しい考え方」以外認められなくなりつつある社会への警鐘?それも違うように思う。「呼吸」での展開を読むと、そして何よりも作者が「文庫あとがき」ではっきり否定している。

    それよりも、もっとも印象に残ったのが「漠然とした不安感」、かな。爽快感とか切なさとか、そういったイメージが残る作品と違い、「不安感」を感じた作品は珍しいと思う。

  • 面白かった…!しかも、考え方にだいぶ賛同しちゃう。
    わたしもどちらかというとお兄さんのように色々と考えてしまうほうなのだけど、考えれば考えるほど世の中は考えないように出来てるんだなあと思う。陰謀説みたいなことを言うつもりはないけど、考えない方が楽に生きてけるように世の中は出来てるし、世間のたいていの人はそれに疑問を感じてないように思える。それが当たり前とされてる社会が時折すごく気持ち悪くなるんだけど、これ読んですこしすっきりしました。続編もぜひ読みたい。

  • クールな主人公と対極するようにウィットに富んだ文章で、魅力ある作品を送り出していた伊坂氏ですが、「魔王」は、今までの作風を覆すかのような、読者に、魔王の奔流に押し流されていないか。と投げかけてくる力強い作品でした。

    超能力と思えるような特殊能力を備えた殺し屋たちのバトルロイヤルを描いた「グラスホッパー」に、死者の判定を行う死神の生活を描いた「死神の精度」に、未来を予言できる案山子が殺される「オーデュボンの祈り」といった、通常の人たちとは異なる能力を有した人物を主人公にした作品を多く排出しているので、タイトルを見ると、本当に魔物を支配する魔王が出てくるように思えるのですが、そのような異形の眷属が登場する訳ではありません(特殊能力は出てきますが)。

    魔王が何者であるかは、主観となる人物により異なる。
    安藤兄にとっては、深く考えずに大勢に流されてる個人が群集となる姿が魔王と映り、安藤弟には、兄が恐れていた群集をまとめる急先鋒に立っている犬養首相が魔王に映っている。
    地球は一つでも、人の数だけ世界観があり、人の数だけ魔王が存在するのだと訴えてくる。

    諦めが充満する日本で、安易な答えに乗ることで考えているフリをしていることを退ける内容に、改めて考えることの大切さを痛感しました。

  • 文庫を読んだんだけど…
     単行本は05年、連載は04〜05年。
     解説によると、05年というとまだ小泉さんが首相。時代背景は似ているどころか未来を暗示していたそうだ。
     ゴールデンスランバー、魔王、モダンタイムスと、3つは、社会に流れてる大きな流れに対しての、個人の行動の話で。そこには、流れを利用しながら自分の持って行きたい方に方向づけようとする人、知らないうちにどんどん流されちゃってた人、流れから離脱することを選んだ人など…たくさんでてくるけど、「悪」「正」そのものの姿は見えなかった。この本の解説がうまいこといってた、潤也でさえ、流れを利用して何かを企てる人に見えてくる。個人を見たら、賛成できるし同意できるんだけど、数が集まると、どう判断すべきなのかわからなくなる。犬養についてだって、はっきりいって「悪」とは思えない、私には。

     正直言って、安藤兄 編を読んでる時はちょっとうんざりしてきてた。
     兄編 では、後ろに大きな流れがあるのかも?誰かが糸を引いているのかも?と疑いながらも、ゴールデンスランバーのようには明らかにはならず。
     考えスギじゃね?   って思っていたんだけど。

     弟編 を読み出して、むっちゃ面白く思えてきた。
     妻が、潤也がふとした時に遠くに行っちゃったような気がするって、ドキッとしちゃった。通帳見つけたとき。それを口にはしてなくても、きっと見つけたこと見破られてる、ってわかったとき。ドキドキ、ドキドキ。
     だけど、そんな中で、ふだんと同じ彼を感じて、安心するところ。
     彼が何をしようとしているのかはわからない。
     でも、信じてついていけば、大丈夫だ。
     瀬戸際にはいたけど、でもちゃんと彼を信じられる。二人の仲、うらやましいなぁと思った。

     フツーの人なら、目の前にある自分の問題に忙しくて、憲法がどうの、平和がどうのなんて話、考えてはいられないよな…って話で
    『ってことはさ、逆に言えば、世界とか環境とか大きいことを悩んだり、憂慮する人ってのは、よっぽどヒマで余裕がある人なのかもしれない』

     そうだ。
     一見、なにが「悪」でなにが「正」か明記はされていないんだけど、兄編で「魔王」のことがでてて、なんか知らないけどぞわぁっと怖くなった。
     そういえばあったなぁ、小学校の時習ったよ!

     息絶えていた。

  • 2009.11.14読了。
    シューベルトの魔王。死神の千葉の仕事だったのかぁぁぁ。「考えろ考えろマクガイバー」「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決していけば世界は変わる。」群集心理の怖さ。

  • う~ん、考えさせられます・・・。
    私はあんまり、だったかなぁ(・ε・`*)

    • るぅさん
      私も、あんまりでしたw
      フォローありがとうございます
      私も、あんまりでしたw
      フォローありがとうございます
      2010/04/29
  • 伊坂幸太郎の本だ!と思って喜び勇んで読んだけど、うーん、つまらなかったなぁ。
    なんというか、終始何が言いたいのかよく分からないというか…
    文章としてはやっぱり書き方が上手いのでこの先面白くなるのかもとずっと期待して読んだが、結局最後まで何がしたいかよく分からない話だった。
    ファシズムと何も考えてない日本人の話?
    特に驚きもなかったし…
    二度と読みたくない!って怒るレベルのつまらなさじゃないけど、なんか時間無駄にしちゃったかもなって思うレベルにはつまらなかった。

全1977件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

魔王 (講談社文庫)のその他の作品

魔王 単行本 魔王 伊坂幸太郎
魔王 (講談社文庫) Kindle版 魔王 (講談社文庫) 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の作品

ツイートする