魔王 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761420

感想・レビュー・書評

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  • 解決しない部分を残したまま物語は終わるので、好き嫌いが分かれる作品かも知れない。「モヤモヤする…」と受け取る人もいるだろうし、「深く考えさせられる」と感じる人もいるだろう。私は、読み終わったばかりの話を思い返し、それなりに楽しんでいます。
    紙を25回折ると富士山と同じ高さになる。という指数関数的な増え方のエピソードはワクワクする反面、ウィルス感染者数の増え方を暗示しているようで怖さもある。
    大勢の意見に流されない強い意志を持つ事はとても大切。魔王からは感動と気づきを貰った。
    ありがとうございました。

  • 正直、消化不良。
    え、結局、犬養首相は?マスターは?
    弟くんのお金は?

    その昔、まだオンデマンド動画サービスがなかったころ、ずっとみていたテレビドラマの最終回を見逃して絶望したときと似た気持ちだ。面白く上り詰めてきたのにー。

  • 『モダンタイムス』の前段階の作品とあったので、こちらを先に読んだ。これはなかなか深い。「錯綜する大量の情報のどれが正しくて、どれが誤っているのか、俺たちは選択できているのか?」「世界の問題よりも、目の前の自分の問題だ」など政治をどう考えるかも問題提起されているが、堅苦しくなく物語に練り込まれている。バーのマスターももしかしたら超能力が?と思わせつつ、そこは明らかになっていない。賛否あると思うが、散りばめられたピースをかき集めて想像するのも面白い。首相が襲撃される場面では、昨年の現実の事件が思い出されてしまう。

  • 与えられた超常現象的能力を持つ人々が、戦後日本全体の停滞と平服の世の中でさまざまな葛藤と見えない戦いが繰り広げられていく物語。この話の続きらしき話は、「モダンタイムズ」だということだったのでいつか読んでみようとは思っている。
    正直推測の域を出ない展開が数多くあった、におわせているところはところどころあるが、そもそもすべての登場人物の言っていることが真実なのか、語っていることが事実なのかの各省が取れない。非現実的な展開ということでただの精神異常者の幻想なのではないかと思う場面も多くあった。
    何とも言えず不完全燃焼で終わってしまったので、「で、結局どうなったのよ、何がどうなってるの?」としか言えなくて、少し物足りなかった。

  • 政治的な話は軽く読み進めたが、1人は無力でも集団になると大きな力になることが怖いと思った。仲間がいなくても、1人で自分を信じて立ち向かう兄がかっこいいと思った。兄の意思を引き継いで、お金の力で大きな集団や権力に立ち向かおうとする弟もかっこよかった。私には到底できないと思った。

  • 人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する…。未来にあるのは青空なのか、荒野なのか。世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語。

  • 少し難しかった。わたしには。
    わからない部分がおおかったな。
    読み進めるのに時間がかかった。

  • 内容は難しかったけど、ゆっくり考えながら読めてよかった。 なんとなく生きてるのがもったいない 

  • ちょっと消化不良
    よくわかんなかった
    なぜ安藤は死んだのか?
    潤也は何をしようとしてるのか?

  • 群集心理(人が集まったときに形成される集団特有の心理状態)に1人抗おうとする男の話

    物語は、腹話術という特殊能力を持っていることに男が気づくところから始まる
    そのあたりはコミカルで軽く読めてしまうが、思わぬうちにずるずると物語は大きな問題へと向かっていく
    景色を楽しみながらトロッコに乗って進んでいたら、実はやんわりと上り坂になっていて気づいたときにはジェットコースターのてっぺん!みたいな感じ

    集団心理の特徴として
    匿名性、被暗示性(雰囲気にのまれる)、力の錯覚(自分が強い力を持っているように感じる)があり
    それらの恐ろしさが一貫して描かれている
    特にロックバンドのライブのシーンはそれを端的に表しており、思わずぞっとする

    その集団心理に立ち向かうために、男は必死に考えるが1人の力では(超能力をもってしても)対処するのは難しい

    魔王、呼吸ともに
    楽しげなシーンはあるものの、全体として暗いオーラをまとっており「どこかで回り回ってでも報われてくれ」と祈るように読んでしまう

    もやがかかったまま終わってしまう部分もあったが、そのあたりは魔王の50年後を描いたモダンタイムスという作品を読んで理解できた

    「考えろ考えろマクガイバー」は、今後1年ぐらいは日常生活の要所要所で(心の中で)使おうと思っている

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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