魔王 (講談社文庫)

著者 :
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本棚登録 : 22667
レビュー : 1974
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761420

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な能力を手に入れた兄弟が、独裁政治をしようとする犬養に立ち向かう話。

    相手を言い負かして幸せになるのは、自分だけってことに気づいてないんだよ

    このセリフはハッとさせられた

  • 伊坂作品の感想を書くといつも言及してしまう「某作家さんの呪い」。
    伊坂作品は、最初に『アヒルと鴨のコインロッカー』を読んだのだが、その時にその「呪い」をふっと感じてしまって、なんとなく他の作品に食指が動かなかった。
    何年かしてから、『グラスホッパー』と『重力ピエロ』を読み、好みのタイプではあるんだけどまだなんかもうちょっと……ぐらいに思っていたのだが、『終末のフール』を読んで、あ、ちょっと呪いが薄れてきたのかも、と感じた。ってことは、07~08年くらいから?なんて思って、読んでみた。

    あと、単純に、TVドラマでやってた『魔王』の原作だと思っていて(とはいえ、ドラマのほうもあまり見ていなかったので筋は把握していない)、半端に2~3回しか見なかったドラマの筋を知りたくて読んでみたら違う作品だったというオチもあるんだけれど。

    気になる「呪い」に関して言えば、このあたりがひょっとしたらボーダーラインかと思えるあたり。
    作品自体は読みやすく、面白い。独特の世界観をわかりやすくシンプルに描き出そうとしているのがいい。
    文庫版の解説者は、作品内の政治状況と、出版当時・執筆当時の政治状況、それらを見比べてドキドキしていたようだが、それはちょっと穿ちすぎかなと思った。作者はそういう状況を設定したかっただけで、特に社会的な風刺を込めたりはしてないんじゃないかしら。

    さらっと読める、ただ、続きが知りたくなる作品(だからとりあえず『モダン・タイムス』は買ってきた)。何らかの前夜とか、サイドストーリー的な印象を持った。なので、面白くはあったけれど、単体としてのアピール力には欠ける印象かも。

  • 事故で両親を失った二人の兄弟、突如目覚める超能力、それと現代日本の政治の在り方についてのお話って感じかな。

    収録されている話は「魔王」と「呼吸」
    魔王はお兄ちゃんが中心の話で、呼吸はその弟と彼女が中心の話で、「モダンタイムス」の前身となる話。

    つまり、モダンタイムスを先に読むんじゃなかったぁ、と、とても後悔してるって話。

    ストーリーはまさに現代日本にメスを入れるって内容で、武力とは、自衛とは、アメリカに依存しきっている日本は果たして本当に一つの国と言えるのか、ってとこから始まり、総理がころころと変わり、リーダー不在の日本に明るい未来はあるのか、また逆に、カリスマ的なリーダーが現れた時、国民達はムッソリーニの独裁政治よろしく、右へ左へ、意志を持たない人形の如く操られてしまうのか。てな感じで、2005年に出版された本ながら、ドンピシャリで今の日本の状態を言い当てているような話でした。

    とは言っても、政治の知識が限りなくゼロに近いオレがキャッチできなかったところもいろいろあると思う。
    逆に政治に全く関心が無いオレにでも分かるほどの、ある種の危機感みたいなものも伝わってきたので、それはそれで良かったのかなぁとも思うけど。

    物語の中で、ある事件がきっかけで日本に反アメリカ感情みたいなのが起きて、アメリカ絡みの建物がいろいろと被害に遭ったりするんだけど、この感じ、誰一人としてアメリカに直接的な恨みがあるわけでもないのに、
    世の中のうねりというか雰囲気にまかせて行動するこの感じ、とても怖い。

    最近、テレビとかで韓国あたりの反日どーのこーのを目にするけど、これと同じような事が日本にも起こりうるよなぁ、むしろ日本のほうがそういうことになりやすい国だよなぁ、って思うし、北朝鮮の拉致うんぬんの報道を見て、北朝鮮に行ったこともないし、北朝鮮の人と話したこともないオレが「コノヤロー北朝鮮」って思うこの感情も、情報操作されて飼い慣らされた感情なのかなぁとか思ったりして。

    ゾクっとしますわ。

  • 流されているのに考えてるつもりになっている、そんな人は多い気がする。考えろ、考えろ。考えるということはきっと生きているということ、そして考えることは楽しいと思う。
    宮沢賢治の詩が印象的でした。最後は消化不良気味なので続編読みたいなぁ。

  • なんか...政治の恐ろしさを体感しました。人間って怖い!

  • 現代社会への警鐘ともとれる内容。水に流されないで、立ち尽くす一本の木、に自分も含め一体どれだけの人がなることができているんだろう、と。何も本著に書かれているようなイデオロギーだけに当てはまることではない。家族、友人、職場、いろいろな場において、"自分の考えを信じて"というスタイルが重要視されなくなり、"同調"、が重要視される昨今、その問題性を指摘したかったのでは?と思えた。

  • 楽しく読ませながら、だんだん背筋が寒くなる怖さがあります。
    魔王はもうフィクションじゃない。

  • 内容は柔いのに文章が硬い。へたではないけどうまくもない。結局それにつきる。
    情景が入ってこないし、行間から染みだしてくる空気がない。
    伝えたいことっていうのは、直球で言っちゃだめなんだよな。
    読後の余白がないというか、考えさせられるものがないというか。

    みんなどこに魅力を感じて読んでるんだろうなぁ。
    嫌味とかじゃなくて、純粋な疑問。

  • 続編モダンタイムスを読むために再読。
    怖いんだ、この作品。
    続編ですっきりするのだろうか。

  • モダンタイムスの前編

    読み終わった後の ”結局どういうことだったんだろう?” が、いつまでも心に残って心地よくもやもやする。いつまでも心の中に、頭の片隅に残る作品。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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