魔王 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761420

感想・レビュー・書評

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  • 「魔王」と「呼吸」の2部構成。
    著者、お得意の特殊能力系ではあるが、他作品と少し毛色が違い、ややメッセージ性に比重を置いているように思える。
    結末はモヤっとしたが、続編があるようなので楽しみ。

  • 熱狂の渦に飲み込まれず、立ち尽くす一本の木になるのは至難だと感じました。
    考え貫くのは難しいです。

    「ずるずると、磁石に引っ張られるみたいに、物騒な方向に向かっていくんだ。」

  • 2005年初版。著者の作品は比較的読みますが、今までと少し違う感じがしました。まだ終わってないような。解説を読んでみて、「モダンタイムス」と言う作品が続編ぽいようなので読んでみようと思っています。特殊な能力を持つ兄弟、世の中の流れに抗おうとして、結果的に何もできなかった兄と行動を起こそうとする弟。弟のその後がどうなるのか興味があります。それが「モダンタイムス」なのかなあ。

  • 2020(R2)10.24-11.3

    特殊な能力に気付いた兄弟が、世の中の流れに立ち向かう物語。

    これは評価が分かれる作品だと思う。

    平和ボケしている日本に現れた若きカリスマ政治家と熱狂する国民。

    「平和ボケしている今の私たちに対する伊坂幸太郎からの警鐘」とも受け取れるのだが、ここから山場かって時に終わってしまう。

    特殊な能力に気付いた兄弟が、世の中の流れに「立ち向かいかけた」物語、なのだ。

    どうもこの話には続きがあるらしい。
    とすると、本書は、その物語に入っていくためのエピローグ的な位置付けなのか?
    それならそれで、なかなかニクい演出ではある。

  • 伊坂幸太郎 著
    「魔王」とは誰なのか?何を象徴しているのか?
    小説を読みながら…ずっと考えていた。
    先読みの政治論を語りながら、予知出来ていたのは、あまりに変わらない世の中を模索していたのだろうか?
    政治に興味がない というより 政治をよく知らない自分は
    もっと考えろ!なんだろうけど…多分 政治に関心を持てなくなってるのは 国の首相に選ばれるのは 結局 国政選挙で
    国民投票で選ばれたものではないから…って感覚がいつもあり 諦観気味に傍観してる感じだ。
    「呼吸」の章では 国民投票が人々の関心を誘っている
    でも、誰も なかなか 選択出来ないのだ!何が真実で その姿は よく見えないから…。
    「魔王」の章で 考え過ぎる安藤の兄が 今後の世の中を変えようとする 一種独特とも言える思想の「犬養」に 立ち向かってゆく…彼は何を変えようとしたのか?それが知りたくて 思わず前のめりになって 安藤兄を追っていたのに こと切れるとは…。結局 犬養が宮沢賢治の詩(やはり、宮沢賢治の詩は説得力ある)をプロパガンダに用いる事で、大衆を煽動し、権力を奪取する 犬養の自信を持って言い切ることには 危険な匂いもするが 惹かれる。誰しも 世の中を引っ張ってくれるリーダーを求めているのだろう 安藤兄が何とかリーダー的な存在となり 犬養に感じる危険な要素を取り除いて解明してくれないだろうか…という期待を持ってしまった 何かを選択しなきゃ 何か世の中を平和な方向に持ってゆく為に何が必要で 何を選ぶべきか?読んでる者に問いを投げかけられている
    安藤 兄は政治を直視し、考え続け 弟は情報と距離を置き 小さな平和を愛し見出している「呼吸」では こちらも一呼吸出来た気分になった。
    対照的にも見える安藤兄弟の共通点は「大きな洪水に流されないだけ」の強さを持っていること
    何かを変える事も変わらない事も恐いし、大切な事
    考えろ、考えろ!でも まず 自分の意思を持ち関心を持つことから始めなければ…。ついつい、伊坂幸太郎さんの小説の中に答えを求めてしまう自分がいた。

  • 【感想】
    とても面白かった。
    現実に近い設定でありながら、この世とは似ても似つかぬ世界観にハマり、ページを捲るのが途中から止まらなくなったなぁ。

    ただ、読んでる途中、
    『え、後100ページしかないけど、こんなのんびり進んでていいのか?』
    『あと60ページしかない!いけるのか?』
    と、カウントダウンが進むにつれ、広げられた風呂敷がどう包まれるか心配になり、、、
    案の定その風呂敷が包まれる事がなかった(=伏線が回収されなかった)のがとても残念…

    自分で蒔いた種をしっかり回収しない投げ槍なところは、伊坂幸太郎の大きな欠点だと思う。
    発想や構成はユニークで面白いんだけど、責任を取ってほしいなぁ。笑

  • 思ったほど悪くなかった(笑)
    変なテンポの語り口や、無駄な描写もなく、シンプルに楽しめました。
    表題でもある「魔王」と「呼吸」からなる中編連作です

    ストーリとしては
    会社員の安藤は弟潤也とその彼女と暮らしています。
    ある日、安藤は自分が念じると、自分が思った言葉を相手に言わせることができる能力に気が付きます。
    安藤はその能力を使って、日本を世界を変えようと行動します。
    その結果は?といった展開が魔王

    さらに、その5年後の弟潤也の物語。
    潤也も、ある能力があることに気が付きます。
    その能力は、勝負事に負けないこと。
    ある条件の中なら競馬は100発100中。
    兄同様に、その能力を使って、やはり闘おうとしています。

    彼らが闘うものは何か?
    世の中の流れや日常に流されてしまうこと?
    ファシズム?
    魔王とは何を引喩しているのか?
    いろいろ考えさせられる物語です。

    そして、そういった能力はだれにでもあるのか?
    面白いテーマだと思いました。
    しかしながら、残念なのは、すっきり終わらないところ。含みを持たせる終わり方は嫌い(笑)

    どんでん返しも、謎解きも、泣かせるヒューマンドラマもありませんが、本書で語られる内容自体も考えさせられるものでした。

    伊坂ワールド全開じゃない物語はOK(笑)

  • 不思議な物語。政治、群衆や集団の心理の描写には考えさせられることもあった。自分も流されてしまう人間だな…

    考えすぎる安藤兄、直感力の安藤弟、で言ったら自分は弟派。賭け事への超能力も羨ましいったらない。

    解説で、「大きな洪水に流されないだけ」の強さは、考え続けることによって、また情報と距離を置くことによってのみ得られる、とあった。この時代にあっては、どちらにしても相当に難しいことだと思う。

  • 念じると相手がその言葉を発するという不思議な<力>を持った安藤兄。その力を使って痛快に政治を動かしていく物語と思いきや、ファシズム的群集心理に真っ向立ち向かい、力尽きる。
    安藤弟もまた、兄亡き後不思議な力を身につけ、世の中の流れに立ち向かおうとする。
    統率や団結は、一見まとまりがあって良いもののように思われるが、群れることで知らず知らずのうちに流され人々が暴走するリスクを孕む。安藤兄弟は、そんな波の恐ろしさを悟り1人抗おうとする。しかし群衆の波は大きく、不思議な力を持っても堰き止めることは難しい。<魔王>は不思議な力を持った安藤兄弟でも、政治家犬飼でもなく、群衆なのかもしれない。
    簡単に読み流すことのできないストーリーと、回収されない伏線。放り出されたような読了感だが、こういうもののほうが、心で反芻するので印象に残るんだな。

  • 政治的なアレコレはこの本の大筋のテーマではないのだろうけど、それにしてもタイムリーというか、それとも日本が変わりばえしないのか、しかし確実に世界は「強い」リーダーを求め始めていて、少しずつだがきっと時代は変わっているのだろうな、とぼんやり考えさせられた。この移ろいが骨身に沁みない私は、集団の中の無個性な個々のひとつで、いやしかし本流に身を置いていたとしても集団であるには変わりなく、やっぱりその暴力性からどうすれば抜け出せるのかは分からないけど、潤也が言うように洪水に流されないで立ち尽くす一本の木にはせめてなりたいなと思う。でもやっぱり少なくとも、スカートを直す勇気は金では買えないんじゃないかなあ。

  • タイトルからゲーテの詩を夢想するも、あぁシューベルトね。千葉さんが出てきた時点で○○フラグ立っちゃってます...。解説が斎藤美奈子さんというのも贅沢だなぁ...。自身の芯を今一度、考えさせられる。

  • 30m以内の人間に言いたい事を言わせられる能力を持つ兄が、政治家とバトルする。

    政治家は野党の小さな党首だが、煽動力が強くファシズムを推し進める。

    恐らく暗殺能力を持つバーのマスターに殺される。

    その弟が主人公となった、兄の死から5年後を描く呼吸。弟は10択以下の選択なら間違えない能力を持つ。じゃんけんで負けないし、10頭までの競馬なら勝つ。
    競馬で密かにお金を作り、乱世に備えつつ、たまに兄が乗り移ったかのような発言をする。

    ここから50年後のモダンタイムスに期待。

  • 伊坂さんの本で星3は珍しいかも。期待しすぎたかもしれない。

    政治家が賢いのとは馬鹿なのではどっちが怖いんだろうという一文が強烈に刺さる、頭がキレる政治家が出てくる作品。犬養首相となってから、本人に反対する人はなぜか脳溢血などで亡くなるというファシズムそのもので、物語全体暗くて、ラストもすっきり感がない。
    同調圧力に負けず自分ができる方法で行動しようとする兄弟に力強さを感じた。

    次作モダンタイムズでこの暗さやモヤモヤが晴れるといいなとおもう。

  • メディアや考え方、自分を取り巻く環境について考えさせてくれた。

  • 自分が念じれば、相手がその言葉を話す。特別な能力に気がついた安藤。だが、そのような特別な能力をもった人間は安藤だけでない?物語はファシズムだとか、憲法9条だとか、今までのギャング的な話とはかけ離れ政治色が強い。でもって、別の本の千葉が脇役で登場する。この本自体は主人公の違う『魔王』と『呼吸』で構成されているが、気になるあのキャラが主人公の話がない。すっごい気になるけど?っておもったら、この物語、モダンタイムスにつながっていくのねぇ。

    相手を言い負かせて幸せになるのは、自分だけだ
    って、むむっ!深いな、おぬし。

  • 二人の兄弟が主人公として描かれ、兄のエピソードが表題の『魔王』。弟のエピソードが『呼吸』という2部構成で語られるお話。始めは政治物?次は思想物?、心霊ホラー物?えっ、SF?と思える程に、お話のポイントがパズルのピースのように散りばめられているパターンは後の名作『ゴールデンスランバー』の良い意味での“習作”ともいえる趣があります。人が生きる社会において、多くの人の思想を冷静に見つめて自分を失うことの無い生き方という『社会を生きて行く為の指標』と考えさせられるラストは兄の存在が胸に熱い物を感じさせてくれます。

  • やっぱり『魔王』を読んでから『モダンタイムス』を読めば良かったな…と後悔。

    とても怖い、不安をかき立てる小説だなと思う。
    安藤兄弟、詩織ちゃん、アンダーソンの4人にとても好感が持てる。
    彼らの日常にはほっとする一瞬が確かにある。
    私もあの虫のことは「せせらぎ」って呼ぼうかななんて考えてみるととても楽しい。

    そして政治(とそれによって引き起こされる周囲の人々)の変化は、その愛すべき日常を飲み込み、破壊するものに見える。
    自分が攻撃の対象になることも怖いけれど、自分がその変化に気づかずに飲み込まれて熱狂してしまうことも怖い。

    でも今そうなっていないなんてどうすれば分かるのか?
    生まれた時から飲み込まれているかもしれないのに、どうやって気をつければいいのか?
    何を基準に見ればいいのか分からないから、余計怖い。
    そしてこの恐怖もしばらくすると薄れて忘れてしまうんだ。
    どうしようもなく。

  • 再読。
    続編としている『モダンタイムス』を読もうと思い、手にとる。
    選挙いこう!って改めて決心。

  • 兄と弟の、最後まで自分の信念に基づいた超能力の使い方に考えさせられる小説だった。1/10まで確実に当たりを引けるという競馬でお金もいくらでも手に入る弟の能力、相手に自分の思い通りに喋らせることができる兄の能力。どちらも自分のために使おうと思えばいくらでも使い道のある能力なのに、最終的に私欲を満たすのではなく、自身の政治的信念を貫くために用いたというのがすごいと思った。また、その点でこの兄弟と犬養首相は似ていて、ともに政治家になるべき、信念を貫くために目先の利益を捨てられる人間なのだと感じた。

  • 伊坂幸太郎さんの作品は大好きだ
    だけどこれはちょっと主題をうまくつかめなくて…読解力不足の自分のせいで星3つ

      作中『ファシズム』って言葉がよく使われていて
    さて ファシズムってなんだったっけ…とネット検索する
    ああ そういえば世界史で習ったなと思い出す
    私はもう一回 歴史を学び直した方が良さそうだ
    何もかも忘れているのに 私は歴史が作った現代社会を平気で生きている…と反省

      おそらく ファシズムであるところの全体主義的統治VS安藤兄弟の 微力ながら特殊能力でそれに抗う個人の力というのがこの物語のベースとなっているのだと思う
     世の中が選挙で右往左往する中で 安藤兄弟の兄弟愛や弟潤也君とその彼女(後に妻になる)詩織ちゃんが 個々に それに流されずに自分らしく生きようとする姿が生々しくて好きだ

     やはり 作中にはキラリと光る名文や ああ伊坂幸太郎さんの知識をまたひとつ得ましたよ!というエピソードが散見された
    以下は本文より引用したもの


    『他にはあれだ。正座していると足が痺れるだろ。びりびり。兄貴はあれをさ、コーラとかの炭酸と同じだと考えていたんだ。炭酸の泡も放っておくと、消えるだろ。
    足の痺れも一緒だ。だから、コーラは足の中の細胞から作られているんじゃないかって、真面目に考えていたんだ。』


    『向かって右側には与党の議員が、古株、中堅、若手、という順に並んでいる。別の表現で言えば、老獪、安定、熱気、という並びかもしれない。』


    『この世の中で一番贅沢な娯楽は、誰かを赦すことだ』
    『それ、誰の言葉?』
    『ノーバディ・グッドマン』
    『誰それ?』
    『昔、アメリカで二十人を殺して、死刑になった男、だったと思う』
    『そいつだけは赦しちゃ駄目だよ』



    『子供の頃から潤也は、「ごきぶり」という名称が嫌いで、もちろんあの虫自体も毛嫌いしていたが、とにかく、
    「ごきげんようおひさしぶり」と回りくどい呼び方を選んだ。最初と最後の文字を繋げると「ごきぶり」となるわけだ。』


    『マザー・テレサの、「愛の敵は、憎しみではなく、無関心だ」というあの有名な言葉を思い出した。



    『ほら、おかしいですよ。憲法で戦力放棄を謳っているくせに、軍隊を持ってるなんて矛盾ですって。どこの国も笑ってますよ。戦争放棄の憲法を持った国が、平然と軍隊を持ってるなんて、大掛かりな冗談じゃないですか。
    憲法が前振りで、自衛隊がオチですよ』
    (本文より)


      シューベルトの「魔王」を聴いてみようかな
    宮沢賢治の詩集を読んでみようかな
    何か私も特殊な能力が開花するかもしれない

    そうそう『死神の精度』の千葉さんが出てた
    彼がこの物語のキーマンなのかも知れない
    安藤さんについて情報を多く知りすぎた読者の読解能力までひっくるめて調査してたかも知れない
    あぶない あぶない…






  • すっきりとする内容ではなかったが、競馬の話が出たとき、「重力ピエロ」の春のお母さんのくだりを想像したが関連はなさそうではあった。

    この世の中は便利になり過ぎている。

    「栄養ドリンクも、ライブのチケットも、電球だとか避妊具もコンビニで、味気ない。コンビニで売ってないようなものを買いたくなったんだ。じゃないと何だか、コンビニに支配されているみたいだし」

    「もし万が一、おまえの考えが、そこらのインターネットで得た知識や評論家の物言いの焼き回しだったら、俺は、お前に幻滅する。おまえは、おまえが誰かのパクリではないことを証明しろ」

    あたかも自分の言葉のように話しているが、これは誰かの情報操作により、発しているのではないだろうか。まるで安藤の力のように。この世は見えない何かに支配されているのかもしれない。

  • 正直難しかった。読みながら思考があちこちにいってしまうし、今自分が考えていることが、自分で考えていることなのかもあやふやでとても不穏な感情になった。インターネットが普及して、嫌でも色々な情報が目に映る。その情報が本当かどうか、どこまでを明記しているのかも当事者じゃなければわからない。現代社会で生活するにあたって安藤兄弟の生き方は極端ではあるが、充分我々にも与えられた選択肢のようにも思える。レビューってなんだろな。

  • 不思議な本だった。

    何より不思議だったのは安藤兄弟の不思議な能力よりも、本作「魔王」の単行本が発売されたのが2005年10月だが、初出は2004年12月。

    小泉自民党が郵政改革を叫び、歴史的な圧勝を収めたのは2005年9月11日で、この選挙で与党は戦後初の衆議院で2/3位上の議席(改憲を可能にする議席数)を確保したという事実。

    本作では新しいリーダー、改憲や、ファシズムなどの政治色も色濃く描かれているが、本作はまるで未来を予想していたかのような作品であった。

    著者の洞察力というか、感覚こそがまさに「魔王」だと感じた。

    説明
    内容紹介
    魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
    世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。

    会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。
    内容(「BOOK」データベースより)
    会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

  • 正直、消化不良。
    え、結局、犬養首相は?マスターは?
    弟くんのお金は?

    その昔、まだオンデマンド動画サービスがなかったころ、ずっとみていたテレビドラマの最終回を見逃して絶望したときと似た気持ちだ。面白く上り詰めてきたのにー。

  • 少し難しかった。わたしには。
    わからない部分がおおかったな。
    読み進めるのに時間がかかった。

  • 内容は難しかったけど、ゆっくり考えながら読めてよかった。 なんとなく生きてるのがもったいない 

  • 気づかないうちに集団が操られていく怖さを感じた。政治の話やはっきりしない結末から読了後のスッキリ感はあまりなかったけど、色々と考えさせられる大人向けの本だと思った。
    世界を変えるために自分が動かないと、という兄の雰囲気や考え方が、砂漠の西嶋とすごく似ていた。

  • 難しいようでいてとてもシンプルな話な気がした。
    見方を変えれば、能力のあり方も変わる。
    どこに主体を置くか?なのかも。

    この本を読んで『死神の精度』と『モダンタイムス』へと繋がる。


  • えー!死ぬのー!?
    って思った。

    弟の潤也が結構好きだなと思った。
    ちゃっかり後日能力使ってお金儲けするのがとても人間らしいと思った。

  • 兄弟がお互いに尊敬しあっている関係が良かった。

    考えるタイプの兄と考えずに直感で行動する弟との対照的な性格が、それぞれ自分の生き方を貫くストーリーに面白さを感じた。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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