『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.45
  • (37)
  • (95)
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  • (27)
  • (10)
本棚登録 : 761
レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761468

作品紹介・あらすじ

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む-『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。ここに集まった探偵たちが、チェスの駒のように次々と殺されていく。誰が、なぜ、どうやって?全てが信じられなくなる恐怖を超えられるのは…。古典名作に挑むミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった後、確かに物理トリックは素晴らしい。
    それとは反対に犯人の正体がわかったとき「こんなの反則だろ」と思いました。

    ※以下ネタバレ含みます。
    何故なら犯人は一度も登場していない人物だと思ったからです。
    しかし、よくよく読み返してみると、確かに登場していると思われる場面が。
    見事に騙されました。
    ただひとつ疑問なのが、犯人は事件終わりまでどこにいたのか?
    犯人だけいないと周りの人も普通怪しむでしょ。

  • トリックには自己紹介でん?と思い、気付いた

    最後まで読んでも何もすっきりしない、これは駄目…
    雰囲気が好きなので☆2つだけど、率直に言うとこの本はフェアじゃないと思う
    不自然すぎる

  • 読んでもよくわからない話でした。ネタバレや解説サイトを読んで理解できるようになるんですけど、ネタバレを見ずに理解できないのは作者の書き方が悪いのか読者の理解力が悪いのかという疑問に辿り着きます。そこが1番のミステリーでした。星1かなぁと。

  • 孤島に建つ「アリス・ミラー城」に集った探偵たち。
    ルイス・キャロルやクリスティなどミステリファンならにやりとしてしまう要素をふんだんに含んだクローズド・サークル物です。

    このシリーズは世界の終り、世紀末というような終末思想の世界観がとても好きです。
    本作も前二作と同様、そうした世界観が前面に出ています。
    特徴の一つでもある物理トリックもこれでもかというほど登場しました。

    メイントリックに関して賛否両論あるようで、わたしも以下ネタバレに言いたいことをいろいろ書きますが、そんなことはどうでもいいじゃん、と思わせる勢いがあったのも確かです。とにもかくにも最後まで楽しく読めた1冊でした。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












    結局アリス・ミラーについてあやふやなままだったのは残念です。
    動機についてもあまりにも非効率、非常識でスッキリしません。
    変わった建物なのでまったく構造を理解出来ず、何がどこで起きているんだか分からないのは読みにくかったです。
    メイントトリックは確かに難しいですが、会話、話し方、チェス盤などのヒントも後から見るとありますし、アンフェアという気はしませんでした。わたしは叙述トリックには興味がないせいもあって甘いです。
    ただ、登場人物が「犯人を見た」と言ってるのに、いくら錯乱状態だったからといって無視したのはどうかと思います。

    異様な城で起きる異様な殺人状況は非常に楽しく、仮説の繰り返しもおもしろいです。
    優秀な探偵たちが協力プレー出来ない混乱状況の作り出し方も良い。
    一人ひとり殺されていく静かな恐怖があるクローズド・サークル物で、突然海上によって虐殺が始まりパニックになるのにはワクワクしました。元刑事の海上の思想はおもしろく、皆殺しという判断も突飛ですが感心。この行動は犯人にとって一番困るのではないでしょうか。
    しかし海上も犯人を見たのだから、一番に手錠をかけたり追いかけて殺すべきだったのはそっちだろう、と思いました。

    わんさか出てくるやりすぎと言いたいくらいの物理トリックですが、これらが探偵をおびき寄せる為の撒き餌であり、探偵の推理によってその行動を把握するというのも斬新だと思います。
    誘蛾灯に引き寄せられるように事件が起きれば現場に向かい調査に乗り出す探偵を、犯人は昆虫採集のように扱っているみたいでした。

  • まず、またシリーズ物を途中の作品から手をつけてしまうというミスが悔しい。文庫版解説にあるように、最初の作品から読んでいればまた印象が違うのかも。
    そして何より、叙述トリックにまんまと騙されたことが悔しくてたまらない。違和感を感じる描写を深く考えなかったから…というのは言い訳で、完敗だった。ここまで真実に気づかなかったのは久々な気がする。
    ただ、不可解な点、納得いかない点が多々あるので、悔し紛れに言及したい。以下ネタバレ











    1)探偵たちを集めたルディの真意
    城にあるアリス・ミラーの捜索、という名目であるはずなのに、これから連続殺人が起こることを示唆するようなあからさまな言動をしているのが意味不明。なぜ「生き残った者」?不自然。
    2)物理トリック講釈の無意味さ
    各探偵がもし自分が殺されたときに物理トリックが使われるなら…といくつか条件を出してたんだが、作中でこれを満たしているかの言及もないし、条件付けした意味がないんじゃないかと思った。
    3)犯人の行動の無意味さ
    そもそも、犯人の動機から考えれば、広大な城の敷地内で探偵をおびき出すためというだけの理由であそこまでの労力を使い密室を作り出す必要があったのか。まあ密室はまだいいとして、犯人が誰かをミスリードするための嘘のトリックのためだけに、死体をバラバラにし(犯人の究極の目的のためにはバラバラにするのは必要な行為だったが、全ての犯行後に行えば目的は十分達成されるのであるから、全員を殺していない段階でバラバラにするのは合理的でないと思う)、人形に隠し、糸を結びつけたり、夜中に人目を忍んで扉を増やす(これが一番無駄すぎる)という行為はあまりにも無駄が多すぎる。作品の雰囲気作りのためだけに、作者が大仰な仕掛けを犯人にさせただけにしか思えない。というか、扉を付けたり外したりって1人で一晩に何枚もできるのかがそもそも疑問。そんな暇があるのなら皆が寝ている各部屋にこっそり訪問して…ってやっていくほうが効率的なはず。
    さらに、最初の殺人では鏡の国のアリスの見立てをやっておきながら途中からほぼ皆無。見立ても探偵をおびき出す材料、としてもお粗末では?密室というだけでその目的は達成できるのだから、中途半端なことをする意味がない。
    4)探偵たちの無能さ
    連続殺人の最中、海上が犯人を目撃したと言い出すのだが、探偵たちは全く考慮に入れないところが納得いかない。まあ海上が錯乱状態だったってのもあるし、作者が叙述トリックをやりたいがために意図的にしなかったのだろうが、通常のミステリー作品の流れならばあそこで犯行が起こった時間、どこで何をしていたのかを全員、少なくとも名前を挙げられた者に質問すべきだ。何の検証も行わないのはおかしすぎる(まあ海上の暴走中にそんなことできないとかなるんだろうけど)。というか、みんなアリバイを調べたりしなさすぎる。深夜に行われたからといってそういう質問タイムがないのは不自然すぎる。そもそも、今回作中でアリバイは殆ど問題視されないのが不自然。密室作り、死体の運搬、解体作業、扉の増設など時間のかかることをたくさんやっているのだから、いくら城が広いからといって何も検討しないのは(ミステリー小説における)探偵としてどうなのだろうか。
    5)叙述トリックのアンフェアさ
    ミスリードがひどい。確かにいろいろヒント(チェスの駒、ルディや海上、窓端の発言など)あったみたいだけど、途中で気づくのは至難の技だよ。まあこれは気付かなかったから負け惜しみなんだけど。ただ、登場人物たちが殆ど触れないというのはおかしすぎる。作者が登場人物たちの思考の描写を恣意的に操作しすぎな気が、というか叙述トリックを完成させる恣意が(よくよく考えれば)描写の端々に、前面的に出過ぎていると思う。第三者視点で物語を進行するより、場面場面で登場人物たちの主観で話を進めていくほうが良かったのではないか(そのほうが描写の偏りについても、あくまで主観だからというところで納得がしやすい気がするから)。


    読み込んではいないので浅はかな指摘が多々あるかもだが、ここまでいろいろ考えさせてもらったということで面白かった。ちゃんとシリーズの最初から読んでみようかな。

    • gregglesteinerさん
      ちなみにクロック城な
      ちなみにクロック城な
      2013/01/24
    • t-maruyamaさん
      あんな解説読む気がしないわ
      クロック城出だしちょっと読んだけど読む気しねえ
      あんな解説読む気がしないわ
      クロック城出だしちょっと読んだけど読む気しねえ
      2013/01/24
    • gregglesteinerさん
      そうかーまあ確かにクロック城は苦痛かも
      無理強いはしない
      そうかーまあ確かにクロック城は苦痛かも
      無理強いはしない
      2013/01/25
  • 途中の雰囲気は☆5、オチは☆1。
    孤島作品を上手くまとめ上げることの難しさを再認識する一冊でした。

    序盤の説明口調、かつ明らかに違和感を感じさせる記述(伏線ですが)は本を読みすすめる気力を削がれましたし、オチを知ってから読みなおしても「フェアじゃないなぁ…」としか思えなくてイマイチ。
    個人的には、推理小説には読者を騙し驚かせるだけで他にさしたる存在理由の無い叙述トリックは意味が無いと思います。
    作品中で『必然性のない物理トリックは意味が無い』などと言っていますが、叙述トリックも同じではないでしょうか。

    しかし殺人が始まってからの流れと独特の雰囲気に関してはかなり面白かったので、その点は評価できます。

  • ジャケ買いならぬタイトル買い。
    なんとなく興味引かれるあらすじ&経歴によりメフィスト賞受賞者、ということで最低ラインは保障されてるかなと。


    隔絶された孤島に奇妙な屋敷、怪しい言い伝えと謎の主人、そして密室、探偵、殺人…これでもかとミステリの要素てんこ盛り。

    下敷きは『そして誰もいなくなった』。
    ひとり、またひとりと死体になっていく。
    各殺人に関するトリックと、『犯人は誰?』という謎が絶妙に折り重なってます。

    が、が、が。。。
    後半のスピード感に対して前半は説明が多くてとてもくどい。
    加えて地の文の書き方がくどい。



    結末は、謎解きをしない主義の私にはともかく、犯人あてをミステリを読む目的の一つにしている人にとっては壁に本を投げつけたくなるようなものだったでしょう…。
    いや、だから最初から最後まで『鏡の国』なんです。
    …そういうごり押しを解説者がしていました(笑)


    なかなかに、面白かった。
    残念ながら他の著作を買いに走る気には、なれません。。


    イヤミのつもりはないけれども、綾辻行人がデビュー作として『十角館の殺人』を上梓した、その才能のすさまじさを改めて知らしめてくれたことが、この本の一番の功績かもしれない…。

  • 図書館にて。
    本屋で見かけてタイトルに惹かれたので。

    「アリス・ミラー」を探すために孤島に集められた探偵たちが、チェスに準えて次々に殺されていく(チェス盤には白の駒10個と黒のクイーンが置いてあり、各章の頭で次々に黒のクイーンに白の駒が取られていく図が挿入されている)。
    クリスティの「そして誰もいなくなった」を話に出したりと、孤島には10人しかいないと見せかけておいて、実は11人いましたよ、その黒のクイーンが犯人ですよ、という話。ルイス・キャロルの物語上のアリスの話をしているように思わせて、実は実際にその場にいる「アリス」という人間の話をしていたと。読み終わってみれば、「アリス」が出てきている場面はいくつもあってミスリードがうまいなとは思ったけれど、どうも探偵たちがみんな「アリス」の存在を意識していなさすぎて(描写の問題か)ちょっと違和感。あと、犯行の動機があまりにもぶっとんでて個人的にはイマイチ。異常に酸性化した島を中和させるためにアルカリ性である人間を殺す、環境破壊を行っているのは人間だからその人間を殺す、という二つの目的があったというけれど、さすがに前者の理由はちょっと・・・。こういう環境テロリストってすごく思い込みが激しいというかある意味いくところまでいっちゃってるイメージ。
    アリスをモチーフにしてると期待してただけに納得行かない箇所がいくつかあって残念。

  • 雪の降る孤島に複雑な形のお城、みんな大好きクローズドサークル!
    散りばめられた気付きにくいトリックがお見事でした。
    若干フェアじゃない気もしたんですがそれでも面白かったです。

  • 読み終わると必ず「えっ?」どういうこと?
    となる北山猛邦先生の城シリーズ第三弾です。

    ぶっちゃけます。ネット解説を見るまで、全然トリックの意味が分からなかったです。解説を見て初めて「なるほど〜」と理解しました。

    この作品に関しましては、まず最初に思ったのは「誰が主人公なの?」から入ります。各登場人物の視点から物語が進むため、終盤まで誰が主人公が全く分からなかったです。(ずっと主人公だと思っていた人物が最初の被害者でした。)
    また、クルーズドサークスの中では滅多にないドタバタな展開のオンパレードでした。(そこがメイントリックの伏線でもあるからです。)
    どう説明すれば分からないですが、とにかく読んでみて下さい!
    意味が分からずともきっとあなたもメイントリックに仰天するはずです!

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビューする。代表作として、デビュー作に端を発する『『瑠璃城』殺人事件』(講談社ノベルス)などの一連の<城シリーズ>などがある。

「2020年 『ステイホームの密室殺人 1 コロナ時代のミステリー小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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