妖怪アパートの幽雅な日常 1 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761697

作品紹介・あらすじ

共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなくうまいご飯を作ってくれる「手首だけの」賄いさん-十三歳で両親を失った俺が高校進学と同時に入居したのは人呼んで"妖怪アパート"!次々と目の当たりにする非日常を前に、俺の今までの常識と知識は砕け散る。大人気シリーズ、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は稲葉夕士、高校一年生。
    13歳で両親を亡くし、親戚の家で暮らしていた。
    ずっと肩身の狭い思いをしてきたが、寮のある高校に合格し、晴れて進学!と思った矢先に寮が火事になる。
    で、暮らすことになったのが、妖怪アパート!
    本当は「寿荘」と言うのだが、オバケの館だから、通称・妖怪アパート。
    そこには、多種多様な幽霊たちが暮らしていて、その理由も様々。
    賄い担当のるり子さんの作る料理は、本当に美味しそうで羨ましい。
    朝食から豪華で、お弁当まて作ってくれる。
    るり子さんも、幽霊(笑)
    他にも魅力的な登場人物や幽霊が沢山!
    一応、児童文学だからか、メッセージ性のある台詞も多いかな。
    続きも楽しみ。

  • 好きな人からの強い薦めもあり
    やっと読了。


    両親のいない中学三年生稲葉夕士(いなば・ゆうし)は
    寮のある高校に合格し、
    親戚の家をやっと出られることに
    ワクワクしていた。

    しかし合格発表の二日後に
    火事で寮は全焼。

    途方に暮れる夕士は
    ひょんなことから
    お化けが出るという
    いわく付きのアパートに入居することになるのだが…



    いやぁ〜面白かった!

    サクサク読める文章と
    含蓄ある深い台詞が
    妙に響く。


    それにしても、
    妖怪が出たって
    構わず住みたくなるくらい、
    アパートの住人たちがみな
    いいキャラしてるんです。


    有名詩人や
    女子高生の大食い除霊師、
    バイク好きの画家、
    (すべて人間)

    お掃除おばさんやお色気たっぷりの美女や
    子供や犬の幽霊に、

    超絶に美味い賄いを作ってくれる
    手首しかない(笑)お化け、

    スタイリッシュな美男子霊能力者、
    (多分、人)


    などなど
    あの一刻館(めぞん一刻ね)を上回る
    怪しくもあり、
    妖しい住人たち(笑)。


    また地下にある温泉風呂が魅力的やし、

    思わずヨダレが出ちゃうほど
    愛情たっぷりで美味そうな
    るり子さんの料理には
    毎回悶絶させられること必至です(笑)



    本が好きで
    早く一人前になることを願う
    主人公の少年のキャラは、

    親父を亡くし
    母親に置き去りにされ施設で育った自分の心とシンクロしたし、

    世間にも自分にも負けたくなかった
    自分の少年期の、
    悲壮とも言える決意と
    どうにも重なるんですよね。



    人間たちが合理性や便利さを優先させるため
    一方的に切り捨ててしまったもの。

    それは緑や森などの自然は勿論、
    不思議や曖昧なもの。


    見えるものしか信じられないって
    スゴく寂しい人生だし、

    世の中には見えるものより、
    見えないものや
    解らないものの方がまだまだ圧倒的に多いんやもん(笑)

    それを知ろうともせず
    人間が見えるものがすべてだという考えは、

    人間こそが一番で
    理屈ですべて解決できると思ってる、
    『傲慢さ』からくるものなんじゃないのかな。


    だから不思議万歳!

    『余計なこと』こそが
    人間が人間であるために
    本当は必要なこと。


    お化けも住めないような窮屈な世界なんて、
    面白くもなんともないって思いませんか?

    • nobo0803さん
      円軌道の外さん

      こんにちは♫おひさしぶりです。
      体調を崩されていたとか?もう大丈夫でしょうか?
      私も今年の夏はあまりの暑さに、本を読む気力...
      円軌道の外さん

      こんにちは♫おひさしぶりです。
      体調を崩されていたとか?もう大丈夫でしょうか?
      私も今年の夏はあまりの暑さに、本を読む気力さえ奪われてました(>_<)
      気持ちは若いままですが、どうも体力がついてきていない??信じたくはないですが・・(笑)

      この本、次男がすごくはまっていて彼の強い勧めで読みました。
      面白かったです。一気にシリーズ読破しました。
      最近、また続編が出てるみたいですね♫

      るり子さんのヨダレが落ちそうなほどの素敵な料理まだまだ出てきますよ!(^^)!

      「不思議万歳!!」
      「お化けも住めないような窮屈な世界ってつまらない!」
      同感です!!
      見えないもの、解らないことの方に実は素敵なことがいっぱいあったりしますよね。
      この本はそんな素敵なことや考えさせられることがたくさん詰まっていたように思います!(^^)!
      2013/08/25
    • 円軌道の外さん
      ゆりさん、
      コメントありがとーっ(^O^)


      最近文庫で新刊出てたけど
      もう読みました?


      臭いものにフタをする日本...
      ゆりさん、
      コメントありがとーっ(^O^)


      最近文庫で新刊出てたけど
      もう読みました?


      臭いものにフタをする日本人的発想に危機感を抱いている作家さんって
      ホンマに多いんやけど、
      自分もその意見に共感同感です。


      親が選んだ
      綺麗なものや安全なものしか見せない
      「偽物のクリーンな世界」で育った子供が
      どんな大人になるのか、

      そっちのほうが自分は
      コワいって思います。


      自ら選びとって
      間違ったり
      怪我をしたり
      汚いものを知るから
      自然と子供は
      価値観を学んでいくわけですからね。


      そういう意味でも
      不思議なものや
      ワケありの普通じゃない人たちを描いた
      この作品は
      子供の時にこそ
      是非とも読んで
      感性を磨いて欲しいですよね(^_^)v


      2013/12/01
    • 円軌道の外さん
      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      いやぁ~
      最近体力がついていかないのは
      自分も同じくです(汗)(^_^...
      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      いやぁ~
      最近体力がついていかないのは
      自分も同じくです(汗)(^_^;)


      コメントが遅れたのは
      仕事が多忙過ぎて
      本を読む時間がとれなくなったのと、

      環境の変化や
      愛猫が死んだこともあり、
      活字自体が
      なぜか読めなくなっちゃったんですよね…


      nobo0803さんは
      そういう時期ってないですか?


      それにしても
      いい親子関係ですよね(笑)

      親子で同じ本を共有して
      意見を言い合えたりって、
      スゴい憧れます(^_^)


      まだまだ世界には
      科学で解明されてないことの方が圧倒的に多いわけやから、
      nobo0803さんの言う
      「見えないもの、解らないことの方に
      実は素敵なことがいっぱいある」って考え方には
      自分も激しく共感しました(笑)o(^-^)o


      まだこれから
      二巻を読むところですが、
      どんな結末を迎えるのか楽しみに
      シリーズ制覇したいと思ってます(笑)





      2013/12/01
  • 多分中学生くらいの時に購入してずっと積読になっていました。
    登録してびっくり表紙が全然違う笑

    必要としてるタイミングで本って選ばれる的な話があると思うのですが、そうだったのかなと思いました。
    いろんな人と中身のある会話ができてはじめて価値観がつくられていくことを改めて感じました。

    とても読みやすいので朝読書とかある学生さんにおすすめです。

  • 2017年増刷のものを読みましたが、49刷でびっくりしました。人気シリーズなんですね…!!

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    両親を不慮の事故で亡くした主人公の稲葉夕士は、伯父家族に引き取られ、中学校時代を過ごします。
    伯父も伯母も悪い人ではなかったけれどそこに馴染むことはできず、いとこの恵理子とも良好とは言えない関係…
    「とにかくどこかへ行きたかった」夕士は、高校では寮に入ることを決めます。
    商業高校に合格し、寮に入れる!と喜ぶ夕士でしたが、なんとその寮が火事で消失、再建まで半年かかることに…
    途方に暮れる夕士でしたが、そこに寮費とほぼ変わらない額で借りられる破格のアパートを紹介されます。
    そう、「出る」妖怪アパートを…

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    小難しい言い回しはまったくなく、ストレートかつ明朗な話運びで、スラスラ読めます。
    正直、わたしにはちょっとライトすぎる文章でしたが、「産経児童出版文化賞フジテレビ賞」を受賞した作品ということで、なんだか納得。
    タイトルから心霊奇譚ミステリー?かとおもいきや、人情(いや幽情?)話であり、稲葉夕士の成長物語でした。
    人間と幽霊どちらも出てくるので(しかもどっちかよくわからないヒトも出てくるし)、登場人物の人数は1巻にしてかなり多めです。

    人間は外見が育っても中身が育たなければ、オトナの皮をかぶった自分をもたない人でしかなく、そんな人に子どもができてしまった悲劇を書いたのが、この本の中の「クリとシロ 」というお話。
    こういう人間社会の渇いた部分、やるせなくて本当につらい…なんでよ…

  • 私は香月さんの作品と相性がとてもよく、読むスピードが普段のペースをはるかに上回り、『早く二巻を手に入れて読まないと』とあせってしまうほどです。
    『僕とおじいちゃんと魔法の塔』同様、主人公の男子生徒が歩むべき道をおじいちゃんだったり(魔法の塔)、妖怪だったり見守ってくれて、それに答えるように成長し自立していく姿に、『君ならやり遂げれる。よく一生懸命がんばってるよ』と毎回頷きながら読んでいます。
    素敵な本を見つけるきっかけをいただいた、あやたんに感謝です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それに答えるように成長し自立していく」
      香月日輪の本は「妖怪アパート」しか読んでいないのですが、熱くて真っ直ぐ面白くてサクサク読めて良いで...
      「それに答えるように成長し自立していく」
      香月日輪の本は「妖怪アパート」しか読んでいないのですが、熱くて真っ直ぐ面白くてサクサク読めて良いですね!
      2012/10/26
  • ちょっと合わなかったです。
    まず、主人公に全く好感が持てませんでした。
    また登場人物のノリや、時に著者のエゴの代弁以上のものとは思えない展開や台詞に、作品そのものとは乖離したような違和感を感じてしまいました。

    次の巻も読んでみましたが、やはり私は駄目でした。
    申し訳ない。

  • 漫画化、アニメ化された人気作の第一巻。全10巻プラス外伝1巻だそうなので、導入編と言ったところか?主人公夕士が妖怪アパートに住むようになったきっかけが描かれている。
    個性的な登場人物。淀みなくすすむストーリー。そして妖怪。メディアミックス向けの、卒無くよく出来た原作本だなぁと思いながら読んでたけど、それまで大して目立たなかった佐藤さんをあっちの世界を選ぶキッカケに、そして決め手となる最後の一押しに恵理子を選んだ点は秀逸。
    「そんなの当たり前だよね。あんただって普通の人間だもん。楽しいとか幸せとか思うわよね。あたし、そんなこともわからなかった。」
    理解しあえた事で、敢えてあちらの世界に行く事を決心する。今後の夕士くんの成長が楽しみな青春小説です。

  • 以前から気になっていたシリーズ1冊目を先日友人から借りた。読みやすい文章と軽めの内容で一気に読み終わった。
    中学一年の時に事故で両親を亡くした主人公が、高校生になりとある理由で妖怪アパートに住む事になる。様々な不幸や悩みが主人公に襲いかかるが、神は乗り越えられない試練をお与えにはならない。まさにそんなストーリーだった。読み終わると自分にも意欲が湧いてくる感じがした。色々あっても腐ってたらダメだよね!

  • ゆるい温かな物語を想像して読み始めたら、予想を超えるハードな内容。結果、ハードで温かな物語…に自分の中でジャンルを変更。
    久しぶりに先が楽しみなシリーズに出会えました。
    「今が一番幸せ」という るり子さんの手首 が、ずっと幸せでありますように。

  • 人生のバイブル
    「君の人生は長く、世界は果てしなく広い。肩の力を抜いていこう。」
    このフレーズ読み返すとなんかもう何とかなるだろ人生って気持ちになって前向きになれます。ここの住民たちみたいに深みのある大人になりたい…

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著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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