小説 金融庁 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761963

感想・レビュー・書評

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  • 2013/12読了。
    面白かった。半沢直樹がなかったら読もうとは思っていないジャンルだ。

  • UFJ銀行の末期(2004年,2005年)をモデルに書かれた作品。大東五輪銀行は再建中の大手スーパーのエコー(モデルはダイエー)に対しメインバンクにも関わらず他行よりも少ない引当金しかあてていない。行内は合併後の派閥争いに明け暮れている。その大東五輪銀行に検査に入った松嶋哲夫と、銀行で働く弟の直哉を主人公にしている。
    平易に書かれているので一気に読みきることができる。派閥争いなど、銀行文化に触れたことがある者から見ても、真実味がある。

  • 方や金融庁の査察部、方や民間銀行のエリートと立場を違えた兄弟それぞれの目線から綴られるUFJ銀行が崩壊していくまでの様子。もちろん小説なのでだいぶ脚色はあると思うのだけど、きっと似たようなことが当時の銀行内でも起こっていたのだろうなぁと推測するのはあまりにも簡単。一気に勢い良く読むことが出来ました。

  • バブル崩壊後の金融庁対銀行の構図を、検査官とエリート行員という兄弟のフィルターを通すことで見事に描き出している。

    江上氏の経済小説は専門知識に裏打ちされたリアリティがあり、特に銀行の内幕はノンフィクションではないかと思わせるほどの取材力と筆力です。

    検査官は志高き君子、銀行幹部は私利私欲の強欲者、そんなステレオタイプな描かれ方がされているので、対立関係は深みに欠ける点は否めませんが、兄弟の苦悩がそれを補う形で物語が展開されています。

    「バブル」の盛衰を招いた金融庁と銀行がどういうものだったのか、それを知ることができる本だと思います。

  • 【小説 金融庁】 江上剛さん

    金融庁の辣腕検査官・松嶋哲夫。
    彼が金融庁へ入ったのは銀行が嫌いだからだ。

    哲夫の弟・直哉は兄の気持ちを知りつつも
    五輪銀行への就職を決めた。

    バブルがはじけ、不良債権問題が銀行を直撃した。
    不良債権に押しつぶされそうになった銀行は巨大化
    することで生き残りをはかった。

    異なった風土の銀行同士が合併するのだ、権力争いは
    ガバナンスを無視して激化し内部に様々な軋轢を生んだ。

    直哉の務める銀行はその巨大化に乗り遅れ、望んでいた
    銀行との合併はかなわず、大東銀行と合併することになり
    大東五輪銀行と名前を変えた。

    大東五輪銀行の中では五輪銀行の行員が幅を利かせ
    大東銀行の行員は形見の狭い思いをしていた。

    そして、大東銀行の得意先であった企業への
    「貸し渋り」や「貸しはがし」なども行われつつあった。


    その大東五輪銀行へ金融庁から哲夫が統括検査官として
    査察を行うことになった。


    大東五輪銀行の専務・倉敷は支店勤務だった直哉を本部へ
    呼び戻し金融庁の検査対策を練る。


    融資先の格付けが下がれば銀行の引当金が増す。
    引当金が増せば、決算で赤字になり、役員は責任を
    取らなくてはならなくなる。

    融資先の格付けが下がらないようにするには、資料を
    改ざんをし金融庁の目をごまかさなければならない。

    銀行を守るために手段を選ばない倉敷。
    しかし、倉敷のやり方は問題を先送りする過去の検査回避
    の常套手段で、そのために現在の不良債権問題に苦しめら
    れているのだ。倉敷のやり方に疑問をいだく直哉。

    そして私憤を入れずルールに則り原則に検査を遂行する
    哲夫。

    哲夫は銀行の膿を出し切ることで、銀行に立ち直ってもらい
    本来あるべき姿に戻ってほしいと願っていた。



    「かばん屋の相続」につづく金融小説2冊目。

    原理原則にのっとり、一切の妥協を許さない哲夫
    上司の倉敷と哲夫の間で苦しむ直哉

    銀行と検察官の駆け引きや、内部告発など
    長編ですが、おもしろくて一気に読み切りでした。

     

  • 『・単行本『霞が関中央合同庁舎第四号館 金融庁物語』(日本之実業社)の文庫版
    ・著者は銀行員から作家に転職した人
    ・金融庁、銀行の内情についての詳細な描写が秀逸
    ・大人の世界の厳しさ、社会の荒波について考えさせられる
    ・割と歯ごたえのある本 』

  • 江上氏の本を読むのはこれがたぶん最初。随筆は何度か読んだけれどだいぶ印象は違った。フィクションではあると思うけれど、いかにも当時あったようなテーマで、興味深く読めた。

  • 内容
    金融庁検査官・松嶋哲夫に
    メガバンクへの査察命令が下った。
    そこは、弟が勤める銀行だった。
    組織の闇を描く、金融庁VS銀行のドラマ。

    感想
    この10年の政治・経済・金融の
    なんとなくの流れを知ることが出来たかなと思う。

    読み応えはあるが、
    “結局、みんな悪い人じゃない”的な終わり方は、
    ちょっと・・・、どうなの!?

  • 2009年4月15日読了

    小説としては全然面白くない。金融危機当時の状況を理解しやすくなる点で多少意義があるか。

  • 職業柄興味を持ち、読みました。
    しかし、ちょっと古い感じがするのと、私がメガバンクではないから
    ふーんという印象です。

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著者プロフィール

江上 剛(えがみ ごう)
1954年、兵庫県生まれの作家、コメンテーター、実業家。本名、小畠晴喜(こはた はるき)。元日本振興銀行取締役兼代表執行役社長。元(旧)みずほ銀行築地支店長。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、1977年から2003年まで旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)に勤務。2002年『非情銀行』で作家デビュー。2004年から2010年までは日本振興銀行に関わっていた。 
代表作に『隠蔽指令』、『庶務行員 多加賀主水が許さない』、『ザ・ブラックカンパニー』、『ラストチャンス 再生請負人』など。それぞれドラマ化されている。

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