白洲次郎 占領を背負った男(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762199

作品紹介・あらすじ

日本でいちばん格好いいといわれている男・白洲次郎。明治三五年に兵庫県で生まれ、英国へ留学。戦後、吉田茂の側近として日本国憲法制定の現場に立会い大きく関与した。しかし、彼は表舞台には立たずに、在野精神というダンディズムを貫き通すのであった。初めて知る方にもお勧めの白州次郎評伝決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 彼のことを記した書物はずいぶん沢山あるけれど、これは順を追って、その時、その時の政治状況なども比較的丁寧に説明してあって分かりやすい。白洲次郎という人の、そもそもの家柄や周囲の人々の生い立ちに至るまで丁寧に記されている。
    上下巻のうち上巻にあたるこちらは、1902年に彼が誕生してから、敗戦しGHQと憲法についてすったもんだのやりとりをするところまでが取り上げられている。白洲次郎という人物の数々のエピソードもさることながら、現在進行形で問題になっている政治のさまざまなことの事情が改めて理解できて面白い。
    別に文部省のせいにするつもりはないが、普通に公立の学校の義務教育で歴史の授業を受けていると、小、中、高校といつも原始人からスタートして、江戸時代か、せいぜい明治にかかったあたりで卒業してしまうのだ。私が社会科の嫌いな生徒だったせいもあるけれど、近代史は未だに特に苦手で、疎い。でも、こういう歴史を知らずに選挙権を持っているというのは本当は大問題だと改めて痛感。選挙に行かない無関心さは勿論けしからんと思うけれど、これまでの日本の生い立ちや経緯を知らずに闇雲に投票する人が増えても、それはそれで、その場だけクチの巧いスタンドプレーに騙される人が増えるような気がして恐ろしい。
    ・・・もしや、近代史を学校で教えないのは、ワザとだったりして。

  • 戦後の日本を支えた人物、白洲次郎。
    戦後の日本を彼の生まれと軌跡を絡めて、物語のように見れる。

    特に、GHQとの闘争には文面からだけでも凄まじ闘気と、無念の想いを感じる。
    日本の先人達が、後世の私達にとっても、出来るだけ良い形で、日本有史以来初めての敗戦国となり、他国の占領下となる日本を、残そうとしたことが、この軌跡を通じて感じることができる。

    マッカーサーを筆頭としたGHQ側の首脳陣に対し、白洲次郎を筆頭に善戦してくれたことがよく分かる。


  • 長谷部の『心を整える』に出てきてて、本田も読んでいたということで興味が湧いて読んでみた。
    マッカーサーを怒鳴りつけたエピソードが一番印象に残った。
    誇りを持ち、自分の考えをはっきり伝えられるところが凄い。
    憲法が駆け引きでこんなドタバタして創られたものとは知らず、敗北を感じた。

  • 白洲次郎という人のことを知ったのはいつだったのかな。

    政治やビジネスで具体的に何をしていたかはよく知らず、「お金持ち」で、日本がまだまだ田舎だった時代に「おしゃれに生きる」「ライフスタイル」という概念を持って生きた洒落人である、ということだけ印象にあって。

    この本を読んで、ずいぶん日本の近代史に関わってきた人なのだな、それをまったく知らなかったなんてと驚いた。

    明治、大正、昭和と大きな時代の変わり目に時代の最前線に立っていたのに、その功績が周知されていないのは、表舞台に立つことよりサポート役として立ち回ることを好んだ人だからか。

    自分の正義や主義をまげることなく最後までかっこよく生きた人。

  • 下巻が特に面白かった。


    敗戦〜占領中〜日本独立の時の、米国側(マッカーサー・民政局・米政府)と日本側(吉田茂・白洲次郎・官僚)の駆け引きに惹き込まれた。米国側同士や日本側同士でひと悶着あるのも、人間らしくて好き。


    日本に、米軍基地無しでの独立の道もあったことは初めて知った。

  • 只々 感服するのみ

    生まれが違うと言ってしまえばそれまでかもしれないが、
    ここまで突き抜けてくれると、憧れになる。

    自分は無理だけど、孫ぐらいにまでには こうなって欲しい。

  • 次郎さんかっこよすぎです。

  • 面白かった。信念•意志の強さですね。
    モチベーションあげるためにビジネス本の間に挟みましたが、こういった本のジャンルは初めてでした。
    下巻読みます。

  • 自分の信念のためにどこまでもまっすぐな人ってかっこいいし、ついていきたくなるなと思った。
    後編も楽しみ。

  • 評伝なるジャンルを読んだのは初めてかもしれない。この本が面白いのは白洲次郎についてだからか、著者の力量か?

    さて、著書を読む前の白洲次郎のイメージは政治家?で、イケメンで、あの麻生太郎の頭が上がらない、ドラマになっている(NHK:伊勢谷友介)、くらいのものであった。(2020年に映画『日本独立』で浅野忠信が演じているらしい)

    いざ読んでみると、まずとにかくお金持ち!ケンブリッジ大学留学時代の(月の?!)お小遣いが今で言う3,000万円だと言うから驚きである。芦屋にある実家にいた頃からネイティブによる教育を受けていたようなので、英語は本当に堪能だったのであろう。(英語だったのか米語だったのか気になる)

    冒頭にある天皇からのクリスマスプレゼントを渡す際にマッカーサーに怒鳴り文句を言うシーンが痛快である。総じて日本人はコンプレックスからいわゆる白人にへこへこしがちだが、白洲次郎はNOと言える貴重な日本人であったようだ。有難い。やはり世界一流の教育を受けていて、身長もかなり高く、裕福だと自己肯定感が高いのか、アメリカ人に全く劣等感等抱かないのかもしれない。華族であった樺山正子ともあっさり結婚するし、白洲次郎の恐れるものとは何なのか?神か仏か老いか?下巻に期待。

    GHQが急いで日本国憲法を成立させたがった理由に、アメリカ以外の連合国による関与を防ぐため、と言うのが興味深かった。もし憲法作成にロシアやイギリスなども参入してしまっていたら、昔のドイツのように日本が東西に分断されていた可能性があった等思いもよらなかった。そうならなかったのは不幸中の幸いに違いない。

    白洲次郎と麻生太郎のエピソードは、麻生太郎の祖父に当たる吉田茂の娘吉田和子の婿探しを吉田茂直々に依頼され、麻生家を紹介し仲を取り持っていたようだ。意外なところで思わぬ人物とが繋がっていて、歴史の面白いところだ。

    吉田茂が内閣において冷遇されている時代も変わらず慕い続けていたエピソードも白洲次郎という人間の魅力の真骨頂ではないだろうか。人情味があって素敵だ。君子危うきに近寄らず。得てして人間はそういう人間との付き合いは避けるものだし、政治の世界においては反旗を翻すなど常套であろう。吉田茂も心強く、可愛かったに違いない。

    Kindle Unlimited

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著者プロフィール

昭和35年(1960)12月24日生まれ。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)(講談社) 、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)、『胆斗の人 太田垣士郎 黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)などがある。

「2022年 『本多静六 若者よ、人生に投資せよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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