アジアの隼 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (728ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762205

感想・レビュー・書評

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  • ベトナムを中心とした、1997年アジア通貨危機当時の東南アジア各国の状況が、金融の世界を通して描かれている。金融だけでなく、主人公の真理戸をはじめ、舞台に登場する人間模様も丁寧に描かれており、ドラマとしても楽しく読み進めることができる。非常に密度の濃い金融小説だった。

  • 話がとても金融に専門的、かつ長くて読むのが大変でした。話の背骨がしっかり見える作りであれば、
    専門的でももっと没入出来たかと思うのだけれど。

    それにしても、東南アジア。
    大変ですね。

  • ベトナムのことがよくわかって面白かった!
    ペレグリンが頂点に駆け上がり崩壊していく姿と、邦銀銀行マンがベトナム発電プロジェクト入札を巡って米国投資銀行と繰り広げる暗闘がいい!

  • 1

  • 1997年のアジア通貨危機と山一證券・長銀破綻を代表とした一連の金融崩壊を題材にした小説。

    兎に角、筆者の豊富な国際金融知識に圧倒される。黒木氏は相当のディールを積んだことが窺える一方、巻末に専門用語解説があるものの、金融知識に乏しい読者には少々つらいかもしれない。

    金融小説としては良い出来はまずまずだが、長銀とペリグリン、ハノーバー・トラストの物語が並行して進むが伏線とはならずほぼ交わることなく重厚感に欠ける面は否めない。また実話部分と野浦証券など創話部分が中途半端で、通貨危機にある程度詳しいものからするとテンポを崩しているようにも感じる。

    とはいえ楽しみながら白熱した金融ドラマを楽しめる作品といえよう。

  • 全て架空の話かと思いきや、ペレグリン倒産の話は本物らしいですね。。。
    思わず、たくぎんが潰れたときを思いだし、ウィキってしまいました。
    アジアの情景はいったことがあるので、しみます。

    しかし、それにしても最近会社の倒産ものをみることが多い。

  •  共産主義国ベトナムのドイモイ政策下で日本の銀行マンの活躍を小説にしている。ベトナム国営企業からの仕事を受注するために奔走する銀行マンはいかにもまじめな日本人を描いている。だが、もはやビジネスの主導権は優秀な人材で溢れる香港に奪われているのが実情である。最後にはアジアの通貨危機で話は混沌としてくるのだが、読んでいて時間を忘れるぐらい楽しめた。

  • ベトナムにハノイ事務所を開設するため孤軍奮闘する長銀の真理戸、米投資銀行で金と出世のために謀を行うシン(松本)、本作の作品名にもなっているかつて実在した証券会社ペレグリンとその経営陣が、アジア金融危機を跨いだ栄枯盛衰の物語。
    メイン主人公の真理戸と国籍微妙なシンという設定や対決などは『トップ・レフト』に非常に似ている。その戦いぶりなどは『トップ・レフト』の方が上だと思う。
    ペレグリンは実在していただけに、主人公達との絡みもなく、小説としては必要かな?と思わされた。

  • ベトナムを舞台にした政府発注のプロジェクトファイナンスを巡って、投資ファンド、商社、メーカー、銀行がそれぞれの立場からあの手この手を使って落札しようとする小説でした。

    現場にいた人間にしか書けないような情報もあり、とても勉強になりましたが、話に抑揚がなく、盛り上がりにかけるまま終わった感じです。

    情報としては面白いけど、小説としては、といった感じですね。

  • アジア通貨危機に巻き込まれていく中、日本でも金融危機が発生する。1990年代後半の金融の荒れ具合を丁寧に追える。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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