ガール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.70
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本棚登録 : 6363
レビュー : 845
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762434

作品紹介・あらすじ

わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。滝川由紀子、32歳。仕事も順調、おしゃれも楽しい。でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう(表題作)。ほか、働く女子の気持ちをありえないほど描き込み、話題騒然となった短編集。あなたと彼女のことが、よくわかります。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は30代の女性OL。
    結婚、出産、マンション購入、出世などなど、社会で女性が生きる上でふいと考えずにはいられない事柄が詰まった4つの短編集。

    働くアラサー女性へおすすめの1冊。
    女性の30代というのは、自分の立ち位置や今後のことをふと省みる時期でもあると思います。
    男女平等なんて言われて社会進出を進めていても、女性ならではの悩みや課題は確実に存在していて、どれもこれも一筋縄ではいかない。
    それらを重苦しくなく、爽快に書き飛ばしているところがまたいい。

    今の30代って、ある意味若い。
    とくに子どものいない30代なんて特に。
    かといって、年相応が求められる年齢でもある。
    いつまでガールでいられるか、というのは痛々しく響くものの、うまいところをついているように思いました。
    あとがきにもありましたが、女性のファッション描写が細かく書かれているところも楽しめました。どれか1つと選べず、どの主人公も素敵でよかった。

  • 30代半ば、仕事は順調だけれど、若いといわれる年代からはいつの間にか押し出されていた女性たちが主人公。
    奥田英朗さんはどうしてこんなに女性の心がわかるの?とびっくりしてしまうようなエピソードが多く描かれていて、これは自分がこの年代ど真ん中だったらむしろしんどいかも、と思うくらいのリアリティ。でも愛があるんですよね、描き方に。だから、彼女たちを応援したくなるし、憎めないし、最終的には元気がもらえる。
    んー、でもやっぱり奥田英朗さんは実は女性なんじゃないか?と疑ってしまうほどの心理描写だよなぁ。

  • 自分の中で戦って、自分なりに答えを出して生きていく女性たちは、勇ましくて、読んでいて清々しい気持ちになりました。
    なんでこんなに生々しく女の気持ちがわかるのだろう。
    女性の望んでいるものや、心の葛藤が手に取るように書かれている。
    心がすっきりして、笑顔になれます。

  • 働く30代女性の短編集。冒頭からぐっと掴んで、心を何処かへ飛ばしてくれる。ちょっと疲れていても、頁を開く気持ちにさせる。読後はすっきり。澱んだモヤモヤが少し晴れた気持ちに。愉しかった。

    こねくり回した表現や、押しつけがましい作者のメッセージなどを感じることなく、登場人物が自然に動いて、話す様は無理なく、そこには巧みな筆致があるからだと思う。

    特に女性たちが身に着ける衣服やアクセサリー等のとても細やかな描写によって、その女性の雰囲気や価値観の輪郭を浮きだたせる技巧に驚き。なるほど、すでに映像化されている。

    初出が2006年とのことなので、時代はもう少し変わっているかもしれないが、30代の女性たちが昇進、男女格差、結婚・出産、マンション購入、子育てとキャリアの両立、そして何よりも女性同士の内なる闘いに悩み、道を切り開いていく様子が心地よい。

    「女は生きにくいと思った。どんな道を選んでも、ちがう道があったのではと思えてくる」本文177頁より。

    女性作家が描く働く女性ものよりも、爽快かつリアリティを感じた。奥田さんの作品をもっと読みたい。
    旅先本にぴったりかな。

  • ★3.5

    ・ヒロくん
    ・マンション
    ・ガール
    ・ワーキング・マザー
    ・ひと回り

    「ガール」より
    わたし、まだオッケーかな。
    ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのなか。
    滝川由紀子、32歳。
    仕事も順調、おしゃれも楽しい。
    でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう…。

    働く女子の気持ちをありえないほど描き込んだ短編集
    それぞれのお話は、独身だったり結婚して共働きだったり
    シングルマザーだったりと、仕事にやりがいを感じながら
    男性と肩を並べながら一生懸命に働くある程度年齢を重ねた
    女性達の姿を描いている。

    皆、ガールを卒業しかけだけどガールの気持ちを失わずにいる。
    30代の女性の微妙な葛藤や焦り…面白かったです。
    奥田さんどうしてこんなに女性心理描写が巧みなんだろう。
    全ての女性が私と違っているのに、全ての女性の心理が
    わかる!わかる!そうだよねって凄く感じた。

    立場は違えど、プライベートに仕事に色々と悩みながら
    進んでいく5人の女性達。
    頑張ってるガール達の働きぶりにはとても及びませんが、
    私も頑張ろうって思えた。
    どの作品も読後感が爽やかで良かったです。

  • すごいなぁー。
    世の中の独身三十代女子、働くママの真相を知りたい人は、ガチでこの本読めばいいんじゃないかな。。と思ってしまう、一生ガールでいたいと頑張る女子たちの葛藤が描かれてます。
    ムカつくくらい(笑)。

  • 働くことに疲れたときに読んでよかったです。元気とやる気がでます。仕事を言い訳にして自分を曲げるのはやめよう。たくましいガールたちにエールをもらいました。

  • 30代の働く女性いろいろ
    女の子じゃない、大人の女性にならないと...ていう狭間
    30代は難しい

  • ネットのどこかで「女性心理がここまで正確に描けるなんて」と絶賛されていたので読んでみたのだが、女性ならぬ身としては、単なるステレオタイプが描かれているだけで、「ふーん」という感じ。ちなみに登場する年下部下男や秘書室を喜び組扱いしている役員男もステレオタイプ。解説の吉田伸子によれば「女性のファッション描写が素晴しい」とのことだが、そちら方面にはとんと疎いため、これも面白さが判らず。『イン・ザ・プール』を読み返した方がまだ良かった。強いて好みを言えば、滝川由紀子、お光こと光山晴美、安西博子、三者三様の女っぷりを描いた表題作『ガール』か。

  • 三十代の働く女性を主人公にした短編集。表題作『ガール』の一説に「女は生きにくいと思った。どんな道を選んでも、違う道があったのではと思えてくる」という言葉が出てくる。そうそう!ここ日本では、働いても家庭に入っても、子供がいてもいなくてもほかの女性と比べられていろいろ言われて、不安になることがある。でも何をしていても胸張っていこう!そう思える一冊だった。

    ちなみに、ここまで女性をうまく書ける作者、奥田英朗さんっていくつだ?とふと思ったので、そばにいた父に生まれ年を聞いたらなんと同い年だった。わお。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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