白洲次郎 占領を背負った男(下) (講談社文庫)

  • 講談社 (2008年12月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784062762601

作品紹介・あらすじ

少年のようにスポーツカーをこよなく愛した一方で、戦後いち早く日本の経済的独立を目指し通商産業省創設に奔走。ところが創設後はすっと身を引く。 全てが次郎の「紳士の哲学」であった。エッセイスト白洲正子とともに過ごした彼の人生を膨大な資料を基に解き明かす必読の白洲次郎評伝。(講談社文庫)


少年のようにスポーツカーをこよなく愛した一方で、戦後いち早く日本の経済的独立を目指し通商産業省創設に奔走。ところが創設後はすっと身を引く。 全てが次郎の「紳士の哲学」であった。エッセイスト白洲正子とともに過ごした彼の人生を膨大な資料を基に解き明かす必読の白洲次郎評伝。解説・櫻井よしこ。

みんなの感想まとめ

戦後の日本における白洲次郎の生き様を描いたこの評伝は、彼の魅力的で格好いい生き方を浮き彫りにしています。占領下でのGHQとの対立や、経済的独立を目指す通商産業省の創設、さらにはサンフランシスコ講和条約...

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    GHQが「従順ならざる唯一の日本人」と本国に報告している通り、占領者のGHQという強い相手に対しても卑屈にならずに立ち向かって行った白洲次郎の後半生が描かれている。GHQ民生局のケーディスとの国家主権をかけた血みどろの争い、通産省の創設、只見川電源開発、サンフランシスコ講和条約締結など、戦後の日本復興のために吉田茂と二人三脚で力の限りを尽くした白洲次郎の生き方は誰にも真似できない魅力的で格好いい生き方だなぁとつくづく思った。
    エピソードもたくさん書かれていて読み応えがある。特に、調印式の前日に吉田茂が講和条約の受諾演説をする草稿が英文であることを白洲次郎が見て、日本語で書き直させたエピソードが面白かった。
    去年、町田市の鶴川にある白洲次郎の邸宅だった「武相荘」に行ってみた。茅葺き屋根の母屋と納屋が公開されていて、白州次郎が乗っていた車や実際に使っていた古びた農機具などが置いてあってとても興味深かった。

  • 人間性のかっこよさは晩年に根強く出てくるのだろう。上巻と比べても明らかに魅力的だ。
    この人生の流れを観れるのは貴重である。
    人に好かれるというか恵まれる生意気さ。かわいさであり貴重なんだろう。良いも悪いもプリミティブな信念は人を納得させる。
    ここに"野心のなさ"があるのだからかっこよさしか残らない。推しやすいということだ。

    かっこいい。

    "「ジャパン!」  とアナウンスが入り、吉田首相以下六人の全権委員が登壇した。吉田は調印の際にサイン用として新品のペンを渡されたが、わざわざ胸ポケットから自分のペンを出してサインした。その光景を見た次郎の両目に涙があふれてきた。(そうだ、じいさん。よくやった!)  独立を回復した日本は、再び自分たちの力で国際社会を生き抜いていかねばならない。吉田が自分のペンを使ったということが、いみじくもその意気込みを表しているように思えて胸を打ったのである。昭和二六年九月八日午前一一時四四分。ついに日本は独立国家に復帰した。"

    "この協定の交渉は米国と対等の立場で進めていきたいということを先方にしっかり伝えてくださいよ」  と強く言い聞かせて送り出した。帰国後次郎が、「ちゃんと言った?」  と尋ねると、岡崎は、「向こうから言ってきた」  と答えた。それを聞いた次郎は急にべらんめえ調になり、「なんでこっちから言わねえんだ。こっちから言うことが大事なんだよ」  と荒っぽい言葉をぶつけて怒った。岡崎は大臣だし終連では次郎の上司だったこともあり、おまけに五歳も年上なのだが、こうなるとどっちが偉いのかわからない。"

    "「自分よりも目下と思われる人間には親切にしろよ」  とも言っている。運転手にでもキャディにでも必ず「ありがとう」と言った。「すみませんと言うのはダメだ。 Say" Thank you!"」  運転手つきの社用車に乗るとき、次郎は好んで助手席に座った。理由を聞かれると、「後ろでふんぞり返っているやつはみんなバカだ!」  ということらしかった。食事のため店に車で来ると、「天丼でも何でもいいから、先に運転手に食べさせてやってくれ」"

    "晩年は正子のエッセイストとしての名が高まり、白洲次郎というと〝白洲正子の夫〟という形で紹介されることが多くなったが、次郎は白洲正子の名が世に出ていくのをたいへんに喜んだ。特別な敬意を抱いていたらしく周囲の人に、「うちのカミサンはえらい」  とよく口にしていたという。ところが正子の作品をほとんど読んでいない。"

    "あなたのモットーはと聞かれ、「キリスト教徒が聞いたら怒るかもしれんが」と前置きしながら、「死んだらクサルということだ」  と言い放った。生前、彼が何度も口にしたこの言葉が、〝葬式無用、戒名不用〟という遺言につながったらしかった。「次郎が思う存分生きてくれたことを心底知っていたから、子供たちもカラッとしていた」  そう正子は語っている。"

  • とても清々しい気分になる。
    こんな風に格好良く生きてみたかった。
    男としてとても憧れる。
    モヤモヤしたら再読したい。

  • 日本人としてとても学びのある良書だと感じた。戦後のマッカーサー率いるGHQ占領下で日本の将来の為暗躍し、外交の場においても前に立って奔走。特にGHQ民政局との憲法作成のやり取りは悔しささえ覚える。米との関係性は今でも通ずる部分があるんだろうな。

  • 英語勉強したいなぁ

    電気 エネルギー 鉄鋼 通産省
    おいおいおい 日本を動かす人って本当にいるのか

    それにしても 政治家 2世3世が多いなぁ

  • この本は白洲次郎の伝記的小説ではあるけれど、日本国憲法(象徴天皇)、日米講和、日米安保の背景を知ることができるとてもよい歴史教科書だと思う。

    そう思えるのも、これらをまとめるために次郎が深く貢献しているからに他ならない。

    これだけ日本の復興と外交政策について「今」どうあるべきかを考え、実行して来たにも関わらず、結局大臣にもならず、公職にも就かなかった。

    そうしなくても一国の総理を動かし、国の舵取りをできるのだから、金や権力が欲しいのでなければそんな必要は無かったのだろう。

    坂本龍馬や勝海舟と同じダンディズムを感じる。

    しかし歴史や物語はケイディスのようなヒール役が登場すると俄然ドラマティックになるものだな。

  • プリンシプルを持って生きていれば、人生に迷うことは無い。プリンシプルに沿って突き進んでいればいいからだ。そこには後悔もないだろう。上巻とは違い、下巻は次郎の活躍が満載。特にGHQとの闘いは感動さえする。吐き出されるセリフは的を得て、そしていちいちカッコいい。自信を失った時は、喝をいれる為再読したい。

  • 自分が思うに、世の中の全ての漢の模範となる生き方を貫いた漢です。
    考え方、物や人へのこだわり、未来を見据える力、どれを取ってもカッコいい!
    GHQとの駆け引きや、日本側に不利な条件と知り、それでも血と涙で作り上げた憲法と、それに伴う苦渋の決断。酸いも甘いも経験しながら、それでも自分を貫き通す意志の強さ。
    白洲次郎、カッコよすぎです!!
    3、4枚目は、武相荘に行った時の写真です。

  • 「能力主義」「実践主義」「作品主義」こそプリンシプルとすべきと留意。
    次郎という男から生まれる一種のダンディズムを、エピソードと共に書いている。
    怖気付いている、人間関係の軋轢などは、プリンシプルに従えばそれは取るに足らないものだよにゃ。

  • ブックオフ一宮尾西店にて購入

  • カッコいい の一言

  • 久しぶりにこういった本を読んだ。
    あまり詳しくなかったが白洲次郎という人物像と過去の歴史を知ることができてよかった。
    想いを持った行動でなければ世の中は変わらないと言う良話

  • 生き様がカッコ良すぎて、他の本も読みます

  • 小説を読んだ限りでは、現在の日本の政治の舞台にも、次郎のような存在が必要であると感じる。

  • 白洲次郎という人のことを知ったのはいつだったのかな。

    政治やビジネスで具体的に何をしていたかはよく知らず、「お金持ち」で、日本がまだまだ田舎だった時代に「おしゃれに生きる」「ライフスタイル」という概念を持って生きた洒落人である、ということだけ印象にあって。

    この本を読んで、ずいぶん日本の近代史に関わってきた人なのだな、それをまったく知らなかったなんてと驚いた。

    明治、大正、昭和と大きな時代の変わり目に時代の最前線に立っていたのに、その功績が周知されていないのは、表舞台に立つことよりサポート役として立ち回ることを好んだ人だからか。

    自分の正義や主義をまげることなく最後までかっこよく生きた人。

  • とにかくかっこいい。今こんな人いない。マネもできない。
    サンフランシスコ講和条約ですごくやり切った感が出る

  • プリンシプルに生きる

  • 面白かったので、下巻を一気に読了。白洲次郎のカッコよさ、「紳士の哲学」をもっと学びたくなった。他にも白洲次郎の本が読んでみるつもり。
    そして我が家からそう遠くない場所に武相荘があり見学できることを知ったので、近いうちに行ってみよう。

  • 白洲次郎の評伝の下巻。

    政財界を縦横無尽に駆け回り、国際舞台でも活躍した伝説の人物。
    一方で側近政治と揶揄された事も確か。
    物事は、見る場所によって見え方が違うもの。
    歴史的な出来事も、なるほど白洲次郎側からは、こんな風に見えていたのか…と考えさせられました。

    ダンディでかっこいい人だった事は確か。
    だいたい表紙の写真がかっこいい。
    こんな素敵なおじさまいたら、モテるに決まってる。
    でも、奥様があの白洲正子という時点で誰にも勝ち目はないか。

    晩年のあたりは人間味あふれていて、ちょっとジンとしてしまいました。

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著者プロフィール

昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』『佐治敬三と開高健 最強のふたり』(以上、講談社)、『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)、『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』(WAC)、『胆斗の人 太田垣士郎―黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六―若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。

「2022年 『稲盛和夫伝 利他の心を永久に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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