ボクの彼氏はどこにいる? (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 212
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762939

作品紹介・あらすじ

アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり-著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記。

感想・レビュー・書評

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  • この本が2000年代のゲイ青少年像をつくったといってもいいんじゃないだろうか。そのへんの街にいる、悩んだり苦しんだりしている、オネエってわけでなかったりする、カッコよかったりするんだって。
    パソコンとの出会いから世界が広がっている様とその喜びを書いてあるところは胸が熱くなる。若い頃って多くの人が閉塞感に取り巻かれたりするけれど、中身が何であるかに限らずそういう気分でいる人たちには共感をもってもらえると思う。また、同性愛者の権利などに注目しながら法律学者になろうと思っていた大我さんが、そのこと(学者や知識人の立ち位置になること)に逃げのような思いを感じるようになり、市井の人々のなかで生きていこうと思うようになるくだりもすばらしい。多くの人に、特に若者に読んでもらいたい。

  • 本書は石川大我さん(以下、石川)という方の自伝である。
    彼は同性愛者である。そんな彼のゲイとして生きていくことを自覚するまでの過程の話である。
    本書の中に、次のような文章がある。
     「「タイガくん、彼女いないの?」
      日々の生活で何気なく交わされる言葉。こんな質問にも常に気  をはっていなければいけない日々の生活から解放されて、自分  の思うこと、考えることを思う存分話せるようになりたい。」  (P.12)
    ここからわかることは、私たちが日常はなす言葉の端にも、性への規範が染みついているということであろう。石川が男であるということで、相手は女性であることが強制されるのである。なぜ相手は女性でなければならないのであろうか。
    そもそも、男性とは何か。女性とはなんであろうか。男性と女性の違いというのは身体的な特徴の違いである。その違いしかない。
    違うということとはなんだろうか。
    違いということが成立するためにはなにが必要なのであろうか。それは、同じということが必要である。違いということは同じということがその存立には不可欠であるということである。違うことと同じことは根底は分割不可能である。なぜなら、相互がお互いの概念が存立において必要だあるからである。であるのならば、違うことも同じことも「同じこと」であるのではないだろうか。
    ただそれだけのことでしかないのだ。

  • 考えさせられます。

  • 【状態】
    貸出中(予約0)

    【内容紹介】
    アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり―著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記。

    【キーワード】
    文庫・ゲイ・同性愛・青春・エッセイ


    ++1+1
    ++1

  • 単純にゲイの人のいきづらさを綴った本というよりも、いかにインターネットが社会的なマイノリティである人々にとって強い見方であったかを示している本。若干ベタつく感じのする文章ではあるが、それほどアクが強いわけでもなく、そこそこ読みやすいのは良いところ。また、過度に感傷的過ぎるわけでもなく、自らの存在に対する社会の無理解や拒絶といったネガティブなシーンを冷静に描写し、反論している部分も良かった。

  •  主張は分かるのですが、読み物としては特段のインパクトはないように感じました。
     ある程度、BL小説を読みふけり、リアルゲイやらビアンやらの知識をそこそこ持ち合わせておいて読むと感動にはかけるという印象。
     カミングアウトの三か条(自己肯定感の有無、経済的自立、仲間作り)や、カミングアウトの必要性についての思考を促すところ、カミングアウトは終わりではなくて理解しあう対話のための始まり、というまとめ方には納得しました。セクシャルマイノリティが幸せに生きられる社会作りを、人と人との繋がりを、という主張も前向きです。

  •  同性愛をオープンにしている政治家の石川大我が苦悩していた過去とオープンにするに至った過程を記す。

     ゲイに限らずマイノリティの人達が本当の自分を出せずに苦しむ姿がとてもリアルに感じられた。当たり前のことが違うことがどれだけ苦しくどれだけ孤立感を感じるか。ネットを通してコミュニティとつながり自分らしい人生を得ていく姿もとてもリアルに感じられた。
     文庫版にはさらに両親へのカムアウトの様子なども語られている。

     マイノリティが自分らしく生きる為には自己肯定感が必要であり、その為には同じような人とのつながりが欠かせないのだと思う。さらにそれらが進む為には社会が理解を示すことがとても重要だと思う。

  • ずっと読みたいと思っていて、ようやく読めました。

    マイノリティって当事者にしか分からない葛藤があります。日常の何気ない会話の中でも些細な一言に傷ついて、神経を尖らせて、疲れて、悩んで、苦しんで。中でも隠し通せてしまうマイノリティはより一層に辛い思いをします。
    本書はセクシャルマイノリティの方々が希望を持てるよう、前向きで明るい文章を一貫している気がします。ただご本人はとても苦しかったんだろうなと思います。

    読んで良かったです。

  • 読んでなかった、読んどこうというところで。
    インターネットは、マイノリティをつなげるのに大きな力を発揮するなぁと。
    最近、実感していたところもあるから、そうだよなぁととても共感しました。
    相対数が少ないと、自分の手の届く範囲の世間にいる可能性は確実に低くなるので、日本全国、世界中どこでもつながれるってすごいです。
    自分と同じように感じていた、同じような状況の人がいるんだ、と知ることは、とてつもない力になる。
    使い方を間違えたり、極端な考え方を増長させたり、とかデメリットは当然あるけども。

    実名で、写真を表紙にして、という決意で作られたところが、多くの人の心の支えになったと思います。

  • 何年か前にテレビかなんかでこの本を知って、読んでみたいなぁと思っていた一冊。
    ちなみに私は「普通の」人だと思う。だから、なるほど同性愛者の人はこういったことに不安を感じるのか、これほど悩むのか、と勉強になった。

    私には同性愛者の友人がいる。
    だけどその友人は異性と寝ている。同性とは付き合ったことも寝たこともない。じゃああなたは異性愛者なんじゃない?と聞いたことがある。
    だけど友人は「本当に好きな人には好きだと伝える勇気がない」のだと困ったように言った。
    私はよく理解できなかった。なんちゃってじゃないの?とも思ってしまった。
    でも、友人は本当に同性愛者なのかもしれない。繋がる勇気を持てないだけでね。私はそれを否定するべきではなかったし、疑うべきではなかった。

    友人へ
    あの時はごめんね。疑ってからも連絡をくれて、飲みに誘ってくれてありがとう。あなたがカムアウトしてくれたことも今になって嬉しく思います。
    いつかこの言葉を直接あなたに伝えたいです。

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プロフィール

1974年、東京都・巣鴨生まれ。明治学院大学法学部卒業。NPO法人ピアフレンズ代表理事。
2002年、思春期からの道程をつづった『ボクの彼氏はどこにいる?』(現・講談社文庫)で、ゲイであることを実名カミングアウト。
同年より仲間とともに、ゲイユースのための友だちづくりイベント「ピアフレンズ」を継続的に開催、2009年、NPO法人化(http://www.peerfriends.jp/)。10代・20代当事者のための交流イベントや電話相談などをおこなっている。全国の大学や高校などでの講演多数。共著に『同性愛って何?』(緑風出版)などがある。
千葉県人権施策推進委員会委員。NHK教育テレビ「ハートをつなごう」ゲイ/レズビアン編、LGBT編に出演中。

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