考える技術 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762946

作品紹介・あらすじ

世界経済は急激に変化している。これまでの原則がまったく通じない新しい経済状況の中で、ビジネスマンに求められるもの-それが「考える技術」だ。論理思考を身につける具体的方法、アイデアの生み出し方、先見性を磨く術…。「思考力格差」の時代を生き抜くための、大前研一流・知的パワーアップ法を開陳。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    大前研一の自叙伝をよく読むが、読むたびに自身とのレベルの違いに絶望してしまう・・・
    皆そう思うかもしれないし、確かに元々のスペックの違いもあるかもしれないが、1つ言える事は、「大前研一は自身が向上するための地道な努力をひた向きに行なっている」ということだろう。
    勿論、人間である以上は上手に息抜きもしているだろうし、ダラけている時間もあるだろうが、、、
    問題の根底と向き合っている頻度や深度、愚直さが他と比較にならないから、今の大前研一があるのだと思う。

    考えてみれば、高度な要求をされているわけではないように思う。
    問題点を洗い出し、解消法を仮説として挙げてひたすら検証し、間違いがなければ策を実行する。
    質も確かに必要だが、量をこなせば自ずと実行できるタスクだと、個人的には思う。

    結局は、やるかやらないかなんだよなー


    【内容まとめ】
    1.ビジネスマンに求められる思考回路とはどのようなものか?
    端的に言えば「論理的思考」、論理的に考える頭脳回路である。

    2.仮説と結論を混同するな。
    仮説を証拠で裏付け、結論を導き出す。
    重要なのは、仮説ではなく結論を導き出すことである。
    いかなる問題にも、別の着眼点からの解決策は必ずある!

    3.往成績の悪い営業ほど「いかに製品が悪いか」という説明がうまい。
    売れている営業は言い訳をしない。
    すぐにメリットを切り返せるカウンタートークを持っているもの。

    4.膨大なデータと積み重ねられた事実をもとに極めてシャープな結論を出し、提言する。
    過去のデータを見せながら、細かい提案まですぐに出せる。
    トップよりも直近の現場を知り、裏付けるデータに基づいた提案だから、相手はぐうの音も出ない。


    5.「提言は一つ」が原則だ。
    「とにかくこの一つだけをやってください」と言われれば、気持ちが動きやすい。

    6.プレゼンテーションの構成
    ・自分がやってきた作業を最初に。(根拠を実感)
    ①業界の動向
    ②競合他社の動き
    ③当社の状況分析
    ④改善機会のための条件
    ⑤解決への道
    ⑥提言
    ⑦実行計画「いつまでに何をやるか」

    7.中途半端に時間を使うな。1年100時間のコースで何かをやること。
    一番困るのは、何事も中途半端な人間だ。
    週に2時間だけでと問題解決や自己成長に関するトレーニングを行うこと!



    【引用】
    ・思考力の差が生み出す収入格差
    新しい経済、見えない大陸でビジネスマンに求められる思考回路とはどのようなものか?
    端的に言えば「論理的思考」、論理的に考える頭脳回路である。

    新しい経済はマルチプルだから、思考力の差によって経済格差もマルチプルになって現れる。
    お金はボーダレスに世界中から流れ込んでくる。
    時代は、「思考力格差」なのだ。


    p16
    ・本当の解決策を生み出すための思考回路
    問題に直面した際、ろくに考えずに単なる「思いつき」でしかないことを解決策と称している場合がえてして多い。

    問題解決の根本にあるのは、論理的思考力である。
    問題をどのように解決していくか。
    真の意味での解決策を導き出す思考回路を持たなければならない!


    p19
    ・仮説と結論を混同するな。
    仮説を証拠で裏付け、結論を導き出す。

    和服業界のマーケット縮小について。
    →売上が半分以下に減っているから、マーケットは縮小している。
    →売上そのものは落ちているが、単価が安い夏の浴衣の販売点数は減っていない。
    →着物は衰退業界だが、若者中心に潜在的需要はある。

    重要なのは、仮説ではなく結論を導き出すことである。
    経営コンサルタントの中には、仮説でしかないことを結論として示す人が多い。
    いかなる問題にも、別の着眼点からの解決策は必ずある!


    p22
    原因になっている部分を直さない限り、問題解決は望めない。
    大切なのは、「様々な現象の中で本当の原因は何か」を考えること!

    解決策を出す事を急ぐ前に、まず原因を明確にするための思考回路を働かせなければならない。


    p26
    往々にして営業成績の悪い営業マンほど「いかに製品が悪いか」という説明がうまいものだ。
    一方、売れている営業マンは言い訳をしない。すぐにメリットを切り返せるカウンタートークを持っているものなのだ。


    p34
    問題解決に至るまでには、仮説・検証・実験が無限に繰り返される。
    最後には必ず「結論」があるが、それは実験によって検証されたものでなければならない。
    「これだけの実験をしているから絶対に間違いない」という事がわかるようにするわけだ。


    p42
    経営コンサルタントとしてもズブの素人の私が、60歳を超える企業トップに提言するのは、今にして思えば恐れ多いことだ。
    しかし、仮説・検証・実験の繰り返しで「絶対に間違いがない結論」を出して提案しているから、私は臆することがなかった。
    特にフィールドインタビューによって得た事実の積み重ねは、大変な重みを持っていた。

    膨大なデータと積み重ねられた事実をもとに極めてシャープな結論を出し、提言する。
    過去のデータを見せながら、細かい提案まですぐに出せる。
    何しろ経営トップよりも直近の現場を知っているし、それを裏付けるデータに基づいた提案だから、相手はぐうの音も出ない!!


    p46
    大前流 思考トレーニング法
    →問題解決の思考回路を組み立てるためのトレーニング。

    毎朝の通勤時間28分を利用し、テーマを決めて問題解決のプロセスを組み立てていく。
    吊り広告を題材に、「この会社の社長に売上を伸ばしてほしいと頼まれたら、自分ならどうするか?」を考える。
    「こうすれば売れる」という仮説を立て、そのためにどんなデータを収集し、分析しなければならないかなどを頭の中で組み立てる訓練をするのである。


    p51
    ・「提言は一つ」が原則だ。
    「とにかくこの一つだけをやってください」と言われれば、気持ちが動きやすい。
    またその提言の背景に膨大なデータ収集や分析、フィールドインタビュー、提示された結論が否定しようのないものならば、相手は行動を取りやすい。


    p59
    ・プレゼンテーションの構成
    自分がやってきた作業を最初に。(根拠を実感)
    ①業界の動向
    ②競合他社の動き
    ③当社の状況分析
    ④改善機会のための条件
    ⑤解決への道
    ⑥提言
    ⑦実行計画「いつまでに何をやるか」


    p104
    ・問題の本質が見抜けない日本人
    本質を見抜くとは、その問題の本当の原因は何かを見極め、正しい解決法を導き出すことと同義。
    逆を言えば、問題の本質を見抜くためのプロセスをたどれば、正しい結論を導き出すのはそう難しいことではない。


    p116
    問題の本質に基づいた思考プロセスで論理的に結論を出していくと、相手に逃げ道がなくなる。
    こうした思考プロセスは、これからの時代を生きていく上で、非常に重要である。
    論理的思考力、本質を見抜くプロセスを身につければ、日本の国は勿論、個々の人生も良くなる!


    p127
    世界のマーケットで競争力を持っている日本の優良企業は、同質性のぬるま湯にひたることなく、社内で挑戦的な目標を掲げてやっている。
    それは言い換えれば「自己否定する勇気」である。
    「まだ駄目だ」という自己否定によって、常にベストを求めて変革する力が働いているのである。

    強くなっても、リラックスする兆しを自らがもたない!


    p167
    ・非線形思考のすすめ
    ほとんどの人は、いまだに世の中のことをニュートン力学で考えている。
    ところが実際には、経済そのものはリンゴではなく、葉っぱがどこに落ちるかという複雑系に入っている。


    p177
    ・中途半端に時間を使うな
    1年100時間のコースで何かをやること。
    一番困るのは、何事も中途半端な人間だ。
    週に2時間だけでと問題解決や自己成長に関するトレーニングを行うこと!


    p187
    将来とは突然やって来るものではなく、過去の延長線上、今日の延長線上にある。だから予兆は必ずある。
    私の場合、予兆の段階から観察し、そこに働いている色々な力を見て結果的にどうなるかを見抜くという癖がついている。
    仮説、検証、実験という問題解決のノウハウを徹底的に身につけ、その思考回路が血となり肉となるようにしていけば、どんなものを見てもその将来が予見できる。


    p204
    ・「考える」とは、自分に質問することである。
    歩いている時も、決してボケっと歩かずに考えている。
    「考える」とは、常に質問をし、自分で答えを一生懸命に見つけるということだ。
    「今ここで答えを出さないと殺される」という強迫観念のもと、自分の持っている数字やデータを頭の中から引っ張り出して計算し、「なるほど」と思える解答を見つけ出す。


    p224
    「先見性がある」ということは、今それに働いている力がずっと働き続けたときにどうなるかを見抜く能力。
    今の傾向がますます強くなっていくのか、そうはいかないのか、またいくつもの要素の中で将来はどの部分が大きくなるのかも見通さなければならない。

  • 相手の心を動かすのはあくまでも論理構成
    知的に怠惰な人間は生き残れない:日本の教育の弊害(①対価のないものに対して努力しない悪癖がつく、②答えのある問題だけを解いてきたためにすぐに忘れてしまう)
    新しい世界観(インターネット共和国)と新しいルール:国境とは関係なく、一つのコミュニティを形成し、その中でのルールが次々に作られ、各国の法律を越えた力を持つようになっている
    プレゼンテーションの要点:言いたい順序ではなく、相手が納得する順序で
    現象の羅列ではなく、原因とその解決策を探る力を
    一番困るのは何事も中途半端な人間。時間の使い方も中途半端になりがち。
    21世紀に専門家は存在しない
    仮説をぶつけあえる友人を持つべき
    教師は本来の仕事に戻れ(知識の部分はより効率のよい教育手法(オンライン、塾etc)に委ねて、子どもたちが人間として成長していくことを手助けする事に注力する)

  • 2004に書いたとは思えないほどの予測精度。

    検証フェーズにおける、フィールドインタビューの重要性。現場の情報。

    経営コンサルティングとは、企業が自分ではどうしても解決できないような問題の解決策を見つけ出し、提案として提示することだ。

    2個上のポジションの思考。

  • さすがの内容。
    人を納得させるための論理構成、前提条件、境界条件の設定、教育のあり方など参考になった。ちゃんと日常生活で使っていきたい。

  • 外資出身でもあった、大学の某客員教授にも該当することだが、どこか自分の功績を多く語るところがあるように見受けられた。その点は鼻に付くことが多かった、がしかし、内容としては、「常に証拠と結論が結びつくまで考えろ」という重要なメッセージが顕在していて、読む価値に値する。

  • ●「仮説と結論を混同するな」という言葉は身に沁みる。ほとんどの場合、検証することなく、「結論だと思い込んだ仮説」を振り回して議論をしている。これでは本当の問題解決には繋がらない。

  • "論理的な思考を自然にできるようになりたいと思ってこの本を買ったようです。古本屋で購入。
    1.思考回路を入れ替えよう 論理的思考法
     仮説、検証、現象、原因、結論
    2.論理が人を動かす
     ピラミッドストラクチャー
    など、など、深めるスキルがいっぱいありました。"

  • 論理的思考の実例が盛り沢山。方法論が解説されているわけではないが、本書の分析の事例を自分なりに咀嚼すれば、類推で、他の事例の分析も行なえると思う。
    いつもながらの、筆者の自信家ぶりと,他人を見下す表現は、もはやご愛嬌?スティーブジョブズまで馬鹿にしているのには、もはや笑うしかなかった。

  • 初回は参考になったと思ったが、数年後に再度読んだ時にはいまいち?と感じた。

  • 本読んで圧倒された。未来予測が当たりすぎて怖い。

    「様々な問題の多くは現象で、原因は1つであることがほとんど。」

    が大きな学び。現象ではなく原因の解決策を探す。

    p.38
    間違いとわかれば、すぐにオールクリアしてまたやり直せばいいのである。自分の立てた仮説が間違っていたら、新たな仮説を立ててスタートすればいい。人生を悔やんでばかりいることは間違った仮説に固執し続けているのと同じでまったく無意味だと思う。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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