ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

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  • 講談社 (2009年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (520ページ) / ISBN・EAN: 9784062763301

作品紹介・あらすじ

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)


「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、<逃げない>ということ。――私の自信作です」――辻村深月

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。

みんなの感想まとめ

心の傷を抱えた幼なじみを救うために、特殊な能力を持つ少年が奮闘する物語が描かれています。主人公は、学校での陰惨な事件をきっかけに心を閉ざしたふみちゃんのため、彼女の心を取り戻す方法を模索します。物語は...

感想・レビュー・書評

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  • 祝辻村深月作家デビュー20周年
    限定愛蔵版ぼくのメジャースプーンが
    6月に発売されている模様
    愛蔵版は凍りのくじらと2冊のようですから
    辻村作品の中でも人気作なのでしょう

    ストーリー自体は 主人公の男の子の
    同級生で幼なじみの大切な女の子が
    学校で起きた陰惨な事件の発見者となってしまい
    心を閉ざしてしまう

    彼が持つ特殊な能力を使って
    彼女の心を取り戻したい
    そんなお話

    その同じ能力を持ち「条件ゲーム提示能力」と呼ぶ
    叔父に 能力の使い方や使う言葉の意味合いを
    教えてもらいながら
    正義、罪、罰 等について哲学していきます

    能力を遺伝的なものとしながら
    人に対する言葉の重み 物事の判断の是非は
    能力とは関係なく日常的課題と思われ ファンタジーで味付けしながら 辻村さんの道徳観を読める作品かと思う

    • きたごやたろうさん
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      辻村さんの作品大好きですが、今年そんなキャンペーンが…。
      教えて頂いてありがとうござ...
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      辻村さんの作品大好きですが、今年そんなキャンペーンが…。
      教えて頂いてありがとうございました♪
      2024/12/10
    • おびのりさん
      たろうさん
      私もこの本検索して知りました

      今年が安部公房生誕100年
      来年が三島由紀夫生誕100年
      っていうか これから毎年 どなたかは生...
      たろうさん
      私もこの本検索して知りました

      今年が安部公房生誕100年
      来年が三島由紀夫生誕100年
      っていうか これから毎年 どなたかは生誕100年を迎えそうなんですけど
      読みきれませんわ
      2024/12/10
    • きたごやたろうさん
      そうですね。
      アニバーサリーイヤーですね。
      宮沢賢治も銀河鉄道の夜を書いてから100年です笑。
      そうですね。
      アニバーサリーイヤーですね。
      宮沢賢治も銀河鉄道の夜を書いてから100年です笑。
      2024/12/11
  • 小学生が主人公ということもあり、最初は子供向けの作品かと思っていた。しかし実際にはまったく違い、途中から“正解のない問い”を突きつけられる、非常に哲学的な物語だった。
    主人公は特殊な能力を持っているが、その力が「言葉」に由来しているのが面白い。どんな言葉を選び、どんな“言霊”を使うのかが気になり、どんどん読み進めてしまった。
    読みやすい文章でありながら、扱っているテーマは重く深い。
    主人公がどんな答えを出すのか、最後までハラハラしながら読めた。
    読みやすさと深さを両立した、素晴らしい一冊だった。

  • 特殊能力を持つ小学4年生の主人公ぼくが幼馴染のふみちゃんを救うために、特殊能力を使う。切なくなる部分もあるが、読み応えも面白さもある。物語に入り込めみやすく、最後には希望を感じさせてくれて、日常が愛しくなった。

    ぼくがふみちゃんの心を救うために、罪を犯した者にどんな復讐を与えるか先生と一緒に考える。小学生がこんなことするのは少し現実味がないけど、ぼくのふみちゃんに対する思いには感動した。

    動物を殺すという罪を犯すことは勇気がいるが、それに対して相応しい罰を考えて、与えることも同じように勇気がいることが分かった。この物語は罪と罰に関する哲学的な面もあり、興味深い本だった。

  • 悲しいけど心が温まるそんなストーリーでした。

    ぼくやふみちゃんのまわりにいる大人たちが温かい人たちでそれだけで少し救われたような気持ちになりました。
    そしてぼくとふみちゃんの関係性がとっても素敵で最後涙が出そうになりました。

  • 全体的に読みやすい文体で、さくさくよみすすめられる作品なんですが、ふみちゃんみたいな良い子が、悪意で病んでしまうシーンはかなり辛く自分ごとのように感じて、何とかしてあげたい! むずむず みぞみぞします。

    メジャースプーンって何?って思ってましたが
    なるほど、計量スプーンなのね。

    いくら特殊能力があるとはいえ、小学生の主人公が犯人に、立ち向かうのは無理があるなあと思いますが、ぼくとふみちゃんの優しさが滲みでている読後感のよい作品です。

    ワタシにもこんな姉さん的な友達、いた気がします。遠い記憶だけど。
    あの子は今どーしてるだろう?

  • 辻村深月さん(1980~)の作品、ブクログ登録は5冊目になります。

    本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかったー。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。

    ---引用終了

  •  辻村深月さん26歳の作品。物語に引き込む力の凄さを、改めて強く感じました。

     小学四年生の「ぼく」と幼なじみで同級の女の子、ふみちゃん。この二人の姿・人となり・関係性が、学校の諸々のエピソードを絡めながら、実に巧みに描かれ、目の前に映像が立ち上がるようです。
     前半のこの描写が優れているが故に、発生した事件の衝撃は、子どもたちはもちろん、読み手にも度合いが大きく、深く刺さります。そのきっかけにもなった「車椅子のうさぎ」のTV放映やネットの闇サイトの設定もよく、展開がスムーズです。

     事件を目の当たりにし、ショックを受けたふみちゃんは、重度のPTSDに陥ってしまいます。ここから「ぼく」の闘いが始まります。
     どうすれば犯人に反省させられるか、どんな罰が相応しいか、納得を求めて考えに考え抜きます。
     繰り返される親戚である大学教授との対話内容(思考・理解力)は、やや小学生離れしている感がありますが、知らず知らずに、「ぼく」に同調しながら苦悩し、判断しかねる自分がいました。心が揺さぶられ、どうなるの? という思いがどんどん積み重なり、ページを捲る手が止まりません。

     もうこれ以上は書けませんね。軽々しくミステリーなの、小学生の純愛なのとは言えません!
     特別な「力」なんかなくても、一生懸命に必死にその人のことを想う気持ちがあれば通じる! ということを教えてくれる素晴らしい物語でした。

  • 最後まで主人公の名前が出てこない作品。その『ぼく』の視点の物語。小学4年の『ぼく』が、大切な友達のために、『ぼく』にしかできない『復讐』の答えを探し求めるストーリー。

    小学4年生という設定からか、とにかく読みやすい圧倒的な読みやすさを感じた作品でした。『どうして蠅やアブラムシを殺してもいいのに、蝶やとんぼは殺しちゃいけないの?』、「子どもたちは夜と遊ぶ」から引きずるこの命題が再び登場します。私自身も小さい頃同じようなことを考えたことがありましたが、いつかしら積極的に考えることはなくなり、でも未だに人に説明できるような答えを持ち合わせていないという難題です。『人の生命は地球よりも重い』福田元総理が40年以上も前に使った言葉として伝えられるこの言葉もそうですが、命の価値ってなんだろう、この作品の中盤での『ぼく』と先生のいつまでも続くかのような問いかけを読んでいて、かつての私自身が経験したある事を思い出しました。

    小学校低学年のある夏の日、蝉がカマキリにつかまっている場面に出くわしました。ジージーと鳴き叫び暴れる蝉、放すまいと抱え込むカマキリ。咄嗟にしゃがんでカマキリを掴んで蝉から引き離した当時の『ボク』。その後、蝉を近くの樹の幹に放ちました。そうしてしばらくした後、蝉は飛び立って『ボク』の頭上をクルクルと回った後、遠くへ飛んで行きました。圧倒的な時間の経過にも関わらず未だによく覚えている光景です。『ボク』が生まれて初めて命を意識した瞬間でした。当時は自分は『正義だ』『正しい事をした』、蝉は『ボク』にお礼を言って去っていったんだ、そんな風に思っていましたが、本当にそうなんだろうか、食物連鎖という言葉を知ったのはそのずっと後のことです。何かが生きるためには何かが死ななければならない。でもその何かが...と繋がっていく世界。命には優劣があるのだろうか、この作品を読んであの時のことが頭に浮かびました。この作品の『ぼく』が『ぼく』にしかできない『復讐』の答えを探し求めていく時間、自身もすっかり虜になって命題に対する自分自身の答えを考えてしまいました。

    人は生きていく中で、いろいろな命と触れ合わずには生きていけません。そして、様々な瞬間でそれらを比較し、優劣をつけることを求められます。それは計量するのと同じ、みんな自分の中にそれぞれの『メジャースプーン』を持ってさじ加減の具合を調整している。かつての『ボク』は蝉を逃がしましたが、万人がそうはしないでしょう。この作品で『ぼく』が持つそれは、『ぼく』のさじ加減を褒めるふみちゃんからもらったものでした。そんな小さな『ぼく』が出した精一杯の真っ直ぐな『ぼく』にしか出せない結論。今の私には全く思いもよらなかった何ら打算のない、ふみちゃんのことを心から思いやって導き出した強い決意、それがわかるからこそそれを落としてしまった『ぼく』にふみちゃんは再びメジャースプーンを届けようとする。

    彼らも、そして私も、さじ加減を模索する旅は続きます。日々無数の答えの中から正しいと思うものをこれからもずっと探していかなければなりません。色々な経験、体験を通して、自分のメジャースプーンとともに生きていく毎日。自分のメジャースプーンは自分にしか測れないから。

    小さい頃に結論を出さずに置き去りにしたことを通じて、今の自分自身を見つめなおす時間が持てました。かけがえのない作品に出会えました。

    • さてさてさん
      yukari12023さん、
      はじめまして、こちらこそありがとうございます。私もこの作品大好きです。いわゆる”辻村すごろく”のど真ん中、要...
      yukari12023さん、
      はじめまして、こちらこそありがとうございます。私もこの作品大好きです。いわゆる”辻村すごろく”のど真ん中、要の位置を占める作品ですし、何よりもその世界観が大好きです。レビューもお褒めいただきありがとうございます。読了後6年が経ちましたが改めて感想を読み返して当時の思いが蘇ってきました。今では1,000冊以上のレビューを書いてきた私ですが、2019年12月がその起点ですのでこの作品のレビューを書いた当時は間違いなくブクログ初心者でした。懐かしいです。
      これからブクログの場でよろしくお願いします。
      2026/03/30
    • yukari12023さん
      お久しぶりです。
      いいねをありがとうございました。
      辻村すごろくは実はまだ途中でして、全て読み終えた後に「ぼくのメジャースプーン」の辻村...
      お久しぶりです。
      いいねをありがとうございました。
      辻村すごろくは実はまだ途中でして、全て読み終えた後に「ぼくのメジャースプーン」の辻村作品の中での立ち位置や他の作品との関連性や、そこから立ち上がる感動に出会えるかと思うと今から楽しみです!
      こちらのレビューはブクログ初心者の頃の投稿なんですね。6年も継続して文章を綴る姿勢から文学へのリスペクトと同時に、さてさてさんご自身がセカンドクリエイターとして作家さん達クリエイターの方々の魅力を余すことなく伝えたいという意欲を感じました。私も継続して精進して参りたいと思いました。
      2026/04/26
    • さてさてさん
      yukari12023さん、
      こちらこそありがとうございます。ご無沙汰しております。
      辻村すごろくはじっくりと味わられるということで良い...
      yukari12023さん、
      こちらこそありがとうございます。ご無沙汰しております。
      辻村すごろくはじっくりと味わられるということで良いと思います。終わってしまうと、ただただ寂しいです。
      手前味噌のようなことを書くのは若干憚られるのですが、「家族シアター」のレビューに
       ・辻村深月さんの作品はこの順番で読もう!ver1.1
      という企画を入れています。どの順番で読めばよいかということを私なりに詳述させていただいています。お時間がおありの時にでもご覧いただけましたら幸いです。
      辻村さんの作品、再読したいものがたくさんあるんですよね。でも、ページ数が多いものばかりで躊躇してしまいます。その分、読んだ後の充実感もあるのですが…。
      レビューは6年を超えましたね。飽きっぽい性格の自分自身驚いています。10年続けられたら良いな…と思っています。
      どうぞよろしくお願いいたします。
      2026/04/26
  • 辻村ワールドすごろく6マス目。
    前回の『子どもたちは夜と遊ぶ』から半年ぐらい経っていた(汗)
    頼りない記憶力でうろ覚えになってるけど、あの秋先生が再登場するとあって、記憶を辿りながら一気に読んだ。

    本作は小学4年生の「ぼく」を主人公に据えながらも、「罪と罰」という重たいテーマを突きつけてくる物語だった。

    ある日、幼馴染みのふみちゃんを襲った残酷な事件。心を閉ざした彼女を前に、特別な「力」を持つぼくは、同じ力を持つ秋先生から力の効力やルールを学びながら、事件に対する罪と罰について一歩踏み込んで話し合う。その力で犯人に復讐するのか、それとも憎しみの連鎖を断ち切るため何もしないのか。相手の人生を左右する力の重みと、それを使うことの代償。自分だったら、どうするか、と自問自答させられる。

    起きてしまった犯罪や事件に対して、これは本当に難しい問題。小学4年生の子どもにはあまりにも酷な選択だけど、主人公のぼくは、決して逃げないと決めていた。何度も怖いと言いながらも、その決心と覚悟に胸を打たれた。精神的な成長の途上にある子どもだからこそ、葛藤や機微がより純粋に刺さる。

    辻村先生らしい子どもたちのピュアな描写と、それを取り巻く社会の闇。その対比の中で、一つの希望ある答えを示す作品だった。読後、「頑張ったね、ぼく」と声をかけたくなった。

  • 「正義とは何か」「罰は誰が決めるのか」を問いかける物語だと思います。

    世の中は誰かに「〜した」「〜された」で成り立っていて、悪いことを「した」人は「加害者」、「された」人は「被害者」となる。
    「被害者」の方が立場上強いが、手を出すと「加害者」と同じレベルになってしまう。
    こと復讐においては、このあたりがネックとなる。
    しかし、感情には抗えないのが人間。
    「被害者」がただ黙って忘れようとすることは難しく、罰を与えたくなる人がほとんどではなかろうか。
    倫理と感情のアンバランスな性質を持つ人間が上手く描かれた作品でした。

    また、「愛」についても。
    人間は自分のためにしか泣くことができない。
    他人に同情して泣くことができない。
    (大切な人が傷ついても、それは自分のせいで結果起こってしまった、自分の責任に耐えられないから泣いているんだ。)
    しかし、これが「愛」なのだと。
    他人に起きた事象で自分に嫌な気持ちが生じるのは、自分と他人が結びついている証拠なのだ。
    他人のために泣くとはこういうことなのだなぁと思いました。

  • すごく良かった。特にこの物語は辻村さんあるあるのリンク集を感じさせられる物語だった。重要人物のふみちゃんは凍りのくじらで少し登場したあのふみちゃんだったり...
    小学生の男の子が言葉で相手を縛り付けることが出来る超能力を使ってあるひどい事件で心を閉ざし、喋ることの出来なくなってしまった幼なじみのふみちゃんを助ける話。ざっくり要約するとこんな感じですかね?
    すごくよかったです。主人公が小学生と言うこともあり、読みやすかったし、内容も最高だった。次は名前探しの放課後を読んでみたいです。

  • エピローグの衝撃。
    彼は本当に恐ろしい相手に立ち向かっていたのだと気付く。
    自身の「力」ひとつで。
    「ぼく」のメジャースプーンで。

    たとえば、それを「悪」と呼ぶのであれば、悪とは過剰なものではなく、むしろ欠落であるような気がする。
    愛や敬意や美意識、その他いろいろな生活や心を豊かにする感情。
    人間を人間足らしめているものの欠落。

    主義や主張、方向性の違いで衝突するのであれば理解できる。
    でも、何かが足りない人と向き合う自信はない。
    極道の親分は恐いとは思うが、まだ話せばわかる気がする。
    それよりも、たとえば花壇にカップラーメンの食べ残しを容器ごと捨てていく人間のほうが、僕は恐ろしい。

    小学校二年生にして、すでに心に「メジャースプーン」を持つ少女、ふみちゃん。
    もし僕が同級生であったとして、彼女のその魅力に気付くことができるかといえば怪しいところだが、いま身近にこんな娘がいたら確実に好きになっていただろう。
    それだけに「犯人」に、ふみちゃんのことを「萌える」「萌えない」といった尺度で判断された瞬間、煮えたぎった液体が胸までこみ上げてくるようだった。

    透明な石がついたキラキラに輝く三本のスプーンと、百円ショップで叩き売りされているような安物のスケール。
    大切なのは生きてきた時間の長さではない。
    その時間をどのように使ったかということだろう。

    哲学の基本は対話であるというが「秋先生」と「ぼく」の一週間のレッスンは、まさに師匠と弟子のそれである。
    罪と罰、生命とは、裁判と量刑など正解のない問答に、読んでいる僕まで深く考えさせられた。
    ミステリ、エンタテインメントとして単純に読んでも面白いのに、この趣向の中に深遠なテーマを織り込んで、尚かつどちらの魅力も損なわない辻村深月は本当に凄い。

    ふみちゃんからメジャースプーンを譲り受けていた「ぼく」は、すでに認められていたはずだ。
    それを持つ資格があると。

    料理の苦手な人ほど調味料を量らない。
    腕のいい料理人でも最初はきっちり計量カップやスプーンを使い、しっかりと基本を身体に染み込ませていく。
    そうして身体の中に自分なりの尺度を作り上げていった上で、はじめて「適当」や「いい加減」ができるのだ。

    僕のメジャースプーンは輝いているだろうか。
    欠けて狂ってはいないだろうか。

    • kwosaさん
      まろんさん!

      コメントありがとうございます。

      『スロウハイツの神様』で辻村深月さんを知り、次は短めなものをと図書館で予約。
      手に届いた順...
      まろんさん!

      コメントありがとうございます。

      『スロウハイツの神様』で辻村深月さんを知り、次は短めなものをと図書館で予約。
      手に届いた順番で、この本を読みました。
      次に『凍りのくじら』が控えていますよ。

      おすすめされた『子どもたちは夜と遊ぶ』も『名前探しの放課後』も絶対読みます!
      読むのにベストな順番というのはあるのでしょうが、ああ、どれから読んでいいのか悩みます。
      でも『名前探しの放課後』を一番最後にというのがいいんでしょうかね?
      2013/05/02
    • まろんさん
      kwosaさん!

      次に『凍りのくじら』が控えているなんて。。。
      ベストな順番です!
      さすがkwosaさん、本の神様に愛されていますね♪

      ...
      kwosaさん!

      次に『凍りのくじら』が控えているなんて。。。
      ベストな順番です!
      さすがkwosaさん、本の神様に愛されていますね♪

      辻村さんの作品は、できるだけ発表順に読んだほうがいいとは言われていますが
      私としては、『凍りのくじら』のあとは、メジャースプーンの感動が冷めやらないうちに
      『名前探しの放課後』を読んでいただきたいなぁと思ってしまいます。
      というか、正直に告白すると、辻村さんの本の中では
      『名前探しの放課後』が飛びぬけていちばん好きなので
      kwosaさんがどんなふうに読んで、どんなレビューを書いてくださるのか
      気になってしかたがないのです。

      でも、メジャースプーンのエピローグに思ってもみなかった深い解釈をしてくださったkwosaさんなので
      『子どもたちは夜と遊ぶ』のラストをどんなふうに読み解かれるのかも
      とてもとても気になっていたりするのですが。。。
      2013/05/03
    • kwosaさん
      まろんさん!

      辻村深月を全部読みたい! はやく読みたい! でも読み尽くしてしまうのはもったいない!
      そんなジレンマに陥りそうです。

      でも...
      まろんさん!

      辻村深月を全部読みたい! はやく読みたい! でも読み尽くしてしまうのはもったいない!
      そんなジレンマに陥りそうです。

      でも、しっかり読んで、まろんさんを始めブクログのお仲間達がどんなレビューを書いていらっしゃるのかをはやく知りたいです。
      これほど感想を語り合いたくなる作家はなかなかいないです。
      2013/05/03
  • どうしようもない「悪意」と戦える力があると分かった時、その力を本当に正義の為に使えるのか。果たしてそれは本当に正義なのか。

    読み返したらまた切なくなるのに、その感情の揺れ動きを、小学生目線だからこその表現に学ぶ事が多くてまた読み返す。
    辻村深月さん初期の傑作だと思う。

  • めちゃくちゃいい。
    めちゃくちゃ泣ける。
    こんな素敵な物語を作れるって素晴らしすぎる。

    主人公の僕は四年生ながら、落ち着いて見えると作中でもよく言われていたが、本当にとっても賢い。
    私も純粋な子どもの彼にすっかり騙され共に泣いた。
    考えを捻り出して市川を縛る方法を思いつけるのも、そういう物語を作れるのもすごいよ。

    あんなにも大事に思える友達がいるって素敵なことだ。
    あんなにも友達を大事に思えるって素敵なことだ。

    私の息子も自分の命を投げ打ってまで友達を守ろうとしていたら、母としてはあまりに辛すぎる。
    二人とも助かって本当に良かった。

    そして秋先生がめちゃくちゃ紳士で良い先生!
    二人の会話はすごく重たく考えさせられる。
    大人で、冷静で、残酷で、温かい。
    正解のない、けれどきちんと考えたくなる内容。

    サンタの件も泣けたー

    かがみの孤城、ツナグと並ぶ辻村作品トップ3!
    いや、オーダーメイドも良かったしなぁ、
    トップ4?!

  • ぼくと幼馴染のふみちゃんが巻き込まれた事件。ぼくの力で犯人に対して闘いを挑む小説。読み終わった後でのぼくの心情を思うと切ない。どれだけの孤独と絶望を味わっていたのか。それでも闘いを前に決意して立ち向かう姿に感動した。

  • 辻村先生の作品は、世界が繋がっている。気づいた瞬間心が震えた。嬉しさと、感動と。
    そしてぼくが出した答えは予想外のものだった。
    誰の考えも誰の答えも何が正解で何が不正解というものはないのかもしれない。それでも、自分の中に正解を持っているということ。それが大切なことだと気付かされた。
    秋先生の言葉の続きはなんだったのだろうか。

  • やっぱり辻村さん、すごいなぁ。私の拙い言葉で感想を述べるのがもったいない作品。主人公と秋山先生の道徳的会話をじっくり読んだ。ぼくは小学4年生ですか。なんて立派な小学生なのだろう。どんな大人ななるのだろう。

    • ヒボさん
      あささん、こんばんは♪

      辻村さんの作品、積読もたくさんあるんですが、本書はまだ持っていないんです...

      あささんのレビュー読ませて頂いて...
      あささん、こんばんは♪

      辻村さんの作品、積読もたくさんあるんですが、本書はまだ持っていないんです...

      あささんのレビュー読ませて頂いて興味津々。

      きっとそのうち読みま~す(^-^)/

      暑い日が続いてますが、体調気をつけてくださいね☆
      2023/08/02
    • あささん
      ヒボさん、こんばんはー♪

      辻村作品、分厚い上下巻が多いですもんね。辻村ワールドすごろく順ですと「子どもたちは夜と遊ぶ」の方を先に読むのを推...
      ヒボさん、こんばんはー♪

      辻村作品、分厚い上下巻が多いですもんね。辻村ワールドすごろく順ですと「子どもたちは夜と遊ぶ」の方を先に読むのを推奨されているのですが、さくっと一冊のこちらから手にとってしまいました。上下巻ものは絶賛積読中です。(p`・_・´q)

      ありがとうございますー!お互い熱中症に気をつけて、夏を乗り切りましょうー(^o^)
      2023/08/05
  • 1本の映画を観ているようでした。
    面白かった、と言うよりは、最後まで考えさせられる内容です。
    大切なものを傷つけられた時、許せるのか、それとも罰を与えるならどの程度が適当なのか。
    特別な力があったとき、使った方がいいのか、使わない方がいいのか。

    特に、P250の"もし、子どもに『どうして蠅やアブラムシを殺してもいいのに、蝶やとんぼを殺しちゃいけないの』と聞かれたらどう答えるか"という問いかけは難問だと思いました。
    実際に聞かれたら、私はどう答えるんだろう…
    おそらく正解はないけれど、考えることは必要なんじゃないかなと思います。

    ※物語の前半に少し残酷な描写があるので、苦手な方はご注意下さい。

  • 大好きな「凍りのくじら」にも少しだけ出てくるふみちゃん。なぜふみちゃんの声が出なくなってしまったのかが書かれた作品。
    という前情報のみで読みだした。

    前半は、うさぎ殺しの書き方がグロくてきつかった。ただ、あそこで市川のしたことがきちんと書かれていることで、読者は市川=悪という構図を頭に入れられる。
    グロいけど、ふみちゃんとぼくと同じように、私たちも予期せぬできごとに向き合わなければならない。

    一貫して、ぼくからふみちゃんへの愛が溢れている。小4だとか、子どもだとか関係ない。その想いはホンモノだし、とっても素敵。誰かのことを想って行動するってすごいことだ。とても考えさせられる作品だった。
    最後は泣きそうになったけど、電車だったから耐えた!

    辻村さん、素敵な作品をありがとうございます。

  •  命の重さ、罪と罰、人間の悪意。答えは出ないけれど、いろいろなことを考えさせられた。それにしてもサンタクロースがいるかどうかの話のときの「ぼく」に対するふみちゃんの言葉はすごい。自分だったら「ぼく」に何が言えただろう、と思った。
     読後、心に引っかかっていることが二つ。「自分」をしっかり持っているふみちゃんが、何故ピアノの発表会で、上手な子の次になるのをあんなに嫌がったのだろう。先生は何故、好きな人を庇って亡くなった学生のことを「ぼく」に話したのだろう。そのことが「ぼく」をぎりぎりの状態に追い込んでしまったのではないか、と思った。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。23年に発表された『この夏の星を見る』は映画化された。
そのほか『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』『噓つきジェンガ』など著書多数。

辻村深月の作品

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