追跡・「夕張」問題<財政破綻と再起への苦闘> (講談社文庫)

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  • 講談社 (2009年4月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763394

作品紹介

地方財政制度の間隙を衝き「隠れ借金」を重ねた夕張市。気づいたときにはもはや手遅れの状況に陥っていた。事態を黙認してきた道や総務省、みずからの儲けを優先し過剰な融資を続けた銀行。「わが町」の破綻がもたらす苛酷な現実をレポートし、地方自治体の抱えこむ矛盾と課題を摘出する。

追跡・「夕張」問題<財政破綻と再起への苦闘> (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 当然、市長はじめ市の幹部に問題があったのだろうが、ここまでくると道と国の対応次第なんだろうな。今の夕張がどうなっているか調べてみる

  • 『夕張市長まちおこし奮戦記』のアンサー本。夕張市の破綻前後を追跡したルポルタージュです。
    2006年、北海道新聞による夕張市の財政難の取材からはじまり、財政再建団体への転落、そしてその直後の市の状況を丹念に追っています。
    夕張市を巡る過熱報道ぶりがまだ記憶にあるためか、当時の状況とすり合わせながら、報道だけではうかがい知ることのできなかった当事者の苦悩とか、動向が読み取れます。
    また、財政難から破綻に至る経緯は、巻末にある解説を読めばざっくりとわかるように編まれています。
    特に金融機関の「追い貸し」の件は、『夕張市長まちおこし奮戦記』での大言壮語ぶりと合わせて読むと、まさに鬼畜の所行。
    このように読み応えがあり、これはこれでいいのですが。
    一つ腑に落ちないのは『夕張市長まちおこし奮戦記』の時点で、すでに夕張市は起債制限されており、さらには1982年の段階で財政再建団体への転落が危惧されていました。
    にもかかわらず、なんでこんなことになったのか?
    あたかもバブル崩壊が引き金で財政が悪化したかのような分析がされているけど、それより前から危ない橋を渡っていたんじゃないの? と思うのですが…。
    1980年代当時のエライ人やメディアの方々、そして当事者たちはどんな感じで、夕張の観光開発を見ていたんでしょうか。

  • 夕張の破綻を契機に全国の自治体で財政健全化への緊張が高まり、現在もその潮流は続いている。その契機となった夕張の実態を詳しく知ることで、よりいっそう財政健全化の必要性を痛感した。
    しかし、行政や銀行に大きな責任が有ることは議論の余地がないが、市民には民主主義の仕組み以上の責任は無いのだろうか。つまり、それほど受け身な責任しかないのだろうか。それはこの本の中にある、印象的な市民の声が答えを示唆しているのではないか。
    「市に金がないなら、頼みごとをしても無駄。それなら市議を応援する意味はない」…
    この声が市民のなかに有る限り、議会も首長も官僚も夕張と同じような状況に動かざるを得ないのではないか。
    市民の責任の取り方は、まず行政への依存体質から脱却することから始まるのではないだろうか。それは全国の自治体に当てはまるはずだ。

  • かつて全国を騒がした夕張市の破綻問題、本書は当時と2年経った現在を追ったドキュメントである。
    当時の報道でも何も知らなくて可哀相な市民ととんでもない市役所(公務員)といった対比が見られた。
    本書でも、市や国や北海道の責任を問うている部分がある。再建計画の有効性を疑問視している部分もある。感想としては多少違和感を感じた。外的要因があるにせよ責任は首長と議会にある。そして選出した市民にもあるはずである。市民は知らなかったでは許されない。知る努力をして一票を投じる必要がある。それが民主主義であり選挙ではないか。市は歯を食い縛って借金を返す責任がある。いつまでも可哀相な市民といったステレオタイプの報道が続くとしたら残念な事である。

    何故、借金が増えたのかにも踏み込み不足な点がある。なぜ借金をしなくてはならなかったのか金子勝の解説を読まないと画竜点睛を欠くのが残念であった

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