新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2735
レビュー : 251
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763479

感想・レビュー・書評

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  • 米人達との乱交描写は読んでいて胸が悪くなってくる。力がこもっている。
    どうしようもなく落ちてしまった(ように見える)主人公たちに救いはくるのか?という思いで読み進めた。最後の場面で主人公が感じた光を私自身は感じることが出来なかった。しかし、そこに彼が希望を見たのなら少しこちらも救われた気がする。

  • 2014/10/9読了。

    心をかき混ぜられたような、何とも言えない読後感。平日の仕事終わりに読むのではなく、休暇の一人旅行のときに読むべき一冊。

  • リュウは底の底まで堕ちていってしまった。そこで彼が見た限りなく透明に近いブルーは、私の心にまで染みわたっている。言いようのない安心感に、なぜか包まれたような気がした。

  • クスリと暴力とドラッグ。ありきたりな日常とはかけ離れた、彼らにとっては普通の日常が、蝕んでいく。

    普通って何だ?正しいって何だ?どうすればどこへ行けるんだ?何もかもが閉ざされた世界で繰り広げられる侵食という、静かな暴力。

    綿矢りささんの解説が素晴らしくって、そこですんなり懐に落ちる。

  • 描かれていることが、自分の生活とは遠くはなれていて、表現や行動は異なるが、根底は同じ悩みかもしれない、と思うと、全く共感できないということではないと思った。

  • まだ読んでなかったのかと突っ込まれそうですが、今更ようやくとうとう読みました。限りなく透明に近いブルー。本篇というより、綿矢りさの解説がよかった。10代の後半の、見たくないものを見てしまう目。子どもではないからいろいろ分かるのに、大人ほどこれはこれと分けて見られない、子どもみたいに見てしまうこと。

  • 世の中を不感でしか語れないリュウ。情緒の安定しない仲間の行うことも、自分が行うことにもどこか退廃的。語り口は写実的で感情を伴っていません。カメラのシャッターを切るように物事が細かく蘇ります。だからこそ、映し出す文章は凄みと臨場感があります。ゴキブリの腹から出る黄色い液体。黒色のペニス。そして限りなく透明に近いブルー。これらの色がとても印象的でした。赤く染まる夕焼け。輝く青い海。陽光に照らされる緑の葉っぱ。これらの本当の美しいを言葉で表現することは不可能です。実際に見た人にしか共有出来ない美しさがそこにはあります。しかし、今作はそれらを限りなく再現しようとしています。全ての客観的な表現、辛辣なストーリーは「限りなく透明に近いブルー」を導入する装置です。今作は言葉の壁を超える挑戦、綿矢りささんの言葉を借りればテレパシーに挑戦したのだと思います。文豪である夏目漱石も川端康成も太宰治もリュウと同じくニヒルな人物でした。世の中に斜に構え、苦しみながら、世界を諦観していました。だからこそ、物事を違う視点で描き、紡ぎ出される言葉は読者の心を震わすのでしょう。以後、解釈となりますが、リュウにとって鳥とは自由の象徴です。でも、リュウにとっては自由は恐怖です。それはリュウは痛みとか苦しみでしか生を感じれないから。そしてラストで見た「限りなく透明に近いブルー」。やはりこれは極限の中での希望の光だとは思う。でも、限りなく透明。物凄く淡い希望。それでも、ブルーだ。透明にはなり得ないブルーだ。冷めたように見えるが、実はレッドよりも温度の高いブルーとして希望を与えたのは村上龍の優しさなのでしょうか。本当は、リュウの秘めたる想いは途轍もないのかもしれません。

  • 本編を読み終わった後の、綿矢りさの解説がなかったら理解出来なかった。解説で使われている「テレパシー」の意味がすごくわかる。見たこともない景色とか嗅いだことない臭いとかが伝わってくるすごさ。

  • 息苦しそうに快楽に溺れる若者たち。
    歪んだ顔、濁った目。澱んだ水はどんどん腐る。その様子がたんたんと語られる。
    それはきっと貧しい時代の醜い汚れ。

  • 爽やかなタイトルとは裏腹に
    ドラック、暴力、セックス・・・。
    縄張りに徐々に去っていく仲間と
    そして壊れていく主人公
    もの凄いデビュー作だな

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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