小説 盛田昭夫学校(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763578

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  • ソニー創業期のお話の続き(下巻)。

    ※小説 盛田昭夫学校(上)
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4062763559#comment

    上巻はまさにベンチャーだったのが、
    下巻からはベンチャースピリッツは失わないまでも、
    中小企業から大企業への仲間入りまでの軌跡を
    たどる形になっています。

    やはり一番の読みどころは、ウォークマンのくだり。
    これまで記事なんかで何となく知っていた
    ウォークマンの開発秘話がこうやって一連の流れで
    読み返せたのは何とも言えない幸せな気分。
    ある程度知っていたとしても、鳥肌物の感動を味わえます。

    ちょっと残念なのは、ベータvsVHSの戦いの結末が
    省略されているところ。
    これはソニーの社史ではなく、盛田氏の伝記だからなのか!?
    それでも負け戦も最後まで描き切って欲しかった。
    勝ったり、負けたりの繰り返しが企業の存続だったりするので。
    とはいえ、上下巻ともに500ページを超える大作。
    どこかは分量をカットしないと、、という
    プレッシャーはあったのかもとも推察します。

    別の視点からもう一つ良かった点は、
    主人公の盛田氏の視座の高さというか、
    スケールの大きさというか、物事の考え方。
    段々年を取ってくると、
    守りに入ってきがちになるものだと思うのですが、
    盛田氏は全然そんなことがない。
    あるべき理想像を掲げて、
    それに向かって周囲を鼓舞して、
    モチベートして突き進む。
    原点はいつも一緒。

    古い話ではありますが、改めて視座の上がる本でした。
    著者の江波戸さんの企業小説物って、
    熱狂するほどの面白さまでは
    これまであまり感じたことがなかったような
    気がするのですが、この本は良かったです。
    読むのが大変だけど、読む価値はある本だと思います。

  • 小説からも盛田氏から出てくる人を元気にさせるようなオーラを言う物を感じ取ることができた。これはひとえに盛田氏の凄さと著者の取材、構成力の高さが要因だと思った。

    本書は盛田氏、ソニーの歴史を知ることが出来るだけでなく、日本の戦後産業についても幅広く知ることのできる大変良書だと思う。特に、普通取り上げられることが少ない商標問題や規格における海外裁判についても詳しく記されており、ソニーを扱った本の中でも珍しいのではないだろうか。

    盛田氏の旺盛なエネルギーとその壮大なビジョン、そしてなにより人を身につける魅力などの素晴らしい才能。それに少しでも近づきたいと心から思うし、熱意を持って明日を生きるエネルギーをもらった。

  • この本を読む前に楽天のファーストペンギンを読んだ。現代のベンチャー企業家よりも先駆けて、世界に打って出ていた際の方策が、今の時代でも通じる非常に開明的な事に驚きを覚えた。これが盛田昭夫さんか!と思い知らされた。

  • タイトルに、小説と学校が入っているのが象徴しているように、
    ボヤけた感じの内容だった。
    へ~っと思うことも、小説っていうからには、
    脚色入っているんだよね、って思ってしまうし。
    ソニーの歴史については詳しくなった気がするけど、
    ゲーム機については全く触れられてなかったのも気になった。
    「発明1、開発10、商品化100」という言葉は気に入った。

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著者プロフィール

1946年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。都市銀行、出版社を経て、’83年作家活動を本格的に始める。政治、経済などを題材にしたフィクション、ノンフィクション両方で健筆をふるっている。『銀行支店長』と『集団左遷』が2019年4月からのTBS日曜劇場「集団左遷!!」のドラマ原作に決まる。近著に『ジャパン・プライド』『起業の星』『新天地』『定年待合室』など。

「2020年 『リストラ事変 ビジネスウォーズ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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