一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4980
感想 : 306
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764070

作品紹介・あらすじ

オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、二年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る!「努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない」。まずは南関東へ-。新二との連の第二シーズンが始まる。吉川英治文学新人賞、本屋大賞ダブル受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 新二は2年生になる

    春高の陸上部を、才能のある者もそうでない者も全ての人を受け入れ、伸ばしてやれる場所にしたいと自ら日々精進を怠らなかった守屋部長の後を引き継ぎ、部長になる

    県総体で3位 春高新記録42秒01 南関東出場というこれ以上は望めないような好記録を出すも、連の故障で、なかなかチームとしての記録が安定しない

    特別メニューを自らに課しひたすら努力を重ねる新二に思いがけない不幸が襲いかかる
    幼い頃から憧れ尊敬してきた兄の健一の交通事故による大怪我 

    怪我をしたのが兄ではなく自分だったらよかったと自分を追い詰め、苦しみ、練習にも出られない日々が続く

    新二の「俺」目線で語られるので、心情がぐいぐい伝わってくる

    兄はサッカーの天才、幼なじみの連は短距離走の天才。
    天才二人に挟まれてきた新二であるが、タフで僻むことなく、前向きにひたすら努力を続ける姿に胸を打たれる

    ああ、こんな息子が欲しいとさえ思ってしまう

    最後が良かった!
    兄のことで陸上に参加できずに、隠れて駅伝を応援していた新二を探し当てた連
    連の前で、今まで堪えていた涙が溢れ出す新二
    「つまんねえのよ。おまえ、いねえと」
    「俺さ、おまえとかけっこしたくてこの部に入ったんだよ」
    と、新二に練習に戻ってくるよう促す

    天才一ノ瀬連のそばにいるのが幸運なのか不運なのか
    それは考え方一つで変わってくるぞと監督のみっちゃん(三輪先生)は言う

    確かにあまりにもすごい存在がそばにいると、普通なら妬みや落ち込みに苛まれ、ダメになってしまうケースもあるだろう

    しかし、新二にとっては、幸運以外の何ものでもないというか、新二が幸運に変えている
    新二と連は、互いの闘志を掻き立てるエネルギーの源泉であり、またとないライバルであり、最も信頼できる親友なのだと思った

    いよいよ第三部、春高は、鷲谷高の4継チームに勝って
    南関東大会を勝ち抜き、インターハイに出場できるのだろうか

  • 主人公の新ニや、チームメイトの成長。友情。
    淡い恋愛なんかも入りつつ、もう待って!やめて!っていう出来事も起こり、二部も楽しく読んだ。

    旧キャプテンから、新キャプテンへの引き継ぎの様子に涙し(涙もろすぎかな)
    顧問の三輪先生の生徒を思う言葉や行動にハートを掴まれた。こんな先生と部活やってみたかった。

    なんだか無性に坂道ダッシュをしたくなった。
    三部も楽しみ。

  • 後半でまさかの出来事もあり、涙が止まらず夢中になって読みました。新二の周りの仲間や友情が温かく、読んでいる時は自分もその中にいるように必死に応援し、読み終えたら羨ましく感じました。

  • 「突出した選手が低いレベルの環境に入っていくと、全体がいい選手のレベルにアップしていくより、いい選手がまわりに合わせてレベルダウンしてしまうことのほうが多い。ウチの部はあいつを育てられるんだろうかってね。」
    「特に、部長になってからは、俺に何ができるんだろうって真剣に考えたね」
    「結局、自分のできることをせいいっぱいやるしかないって当たり前の結論に落ち着いたよ。1日、2日じゃない、毎日、毎日、三百六十五日だ。どんな日のどんな練習もおざなりにしない。どんな試合もきちんと走る。毎日、ベスト更新だ。練習も試合も。気持ちだけはな。そうすれば、俺も選手として伸びるし、皆もついてきてくれるだろう。気まぐれな天才、一ノ瀬でもだ」
    「ここをいい場所にしたかったんだ。どんなすごい奴でも、癖のある奴でも、力のない奴でも、堂々と受け入れて伸ばしてやれる場所。みっちゃんがああいう性格で、人数も少ないから、ウチはけっこう自由だろ。アットホームでのびのびしてて。でも一歩間違うと、馴れ合い集団になっちまう」
    「頼んだぞ、神谷、ここをいい場所にしてくれ」

  • 陸上部短距離走者のお話の第二部
    やっぱりマイナスな出来事は起きてしまうものなんだね
    物語ってでもそういうものなのかもしれない
    でも・・・
    第二部でもところどころで熱くなるところがありました
    すごい

  • 一文一文が瑞々しいです。読んでいると自分が追い風をうけて走っているような爽やかさと一緒に、ひとつひとつの忘れられない時間、出来事が終わっていってしまう苦い寂しさがやってきます。まだ彼らの青春を見ていたい。第三部読みたいけど読みたくないなあ。

    この第二部でも、何せ博打的な力を持つ主人公の新二の走りは上手くいったり全然上手くいかなかったりを繰り返します。焦ったいけど、それでも彼は着実にヨウイのところまできていたんだ、と最後のページまで読んでわかって胸がグツグツしました。

    この青春小説はきっと、高校生のためだけのものではなくて。
    大人になるまでにやり残したこと、間違ったこと、もう取り戻せないことたちを忘れられないまま、癒えないまま、大人の顔をしている私たち大人に、今という青春を教えてくれる作品ではないかと思います。

    「俺さ、おまえとかけっこしたくて、この部に入ったんだよ」
    帯にもあったこの台詞に鳥肌が立ちました。
    耳触りのソフトなこの言葉に、なぜここまでゾクゾクするのか、彼らを見守ってきた人ならわかると思います。

    この青春話の結末を見守る、ヨウイ。できました。最後まで一文一文大切に読ませていただきます。

  • 第一部を読んですぐに第二部も読んだ。
    時間を忘れて一気読みした。泣いた。
    最後の連くんの「つまんねえのよ。おまえ、いねえと」。
    こんなことを言ってくれる友達がいる新二は幸せだ!!
    第三部も早く読みたい。

  • 昔はスポーツものと言えば週刊コミックが相場だった。陸上テーマで思い出すのがアジア選手初の9秒台到達を描いた小山ゆう『スプリンター』。結構楽しんで読んだが記憶が。漫画の場合、超人化しがちだが、小説である本作では10秒台への壁をきっちり描いていて好感が持てる。ここまで順調だった高校生活だが、最後に、幼少期からの偶像であった兄の事故とそれに伴う感情的対立、精神的混乱…一時、部活を離れた主人公が私服にまま、駅伝の応援に出かける場面は、感動させようという著者の意図が見え見えにも拘わらず引っ掛かってしまった。歳かな?

    • hs19501112さん
      小山ゆう「スプリンター」懐かしい(笑)。

      陸上モノでは・・・
      (著者名失念)少年チャンピオン連載の「めざせ1等賞」も好きだったかも。...
      小山ゆう「スプリンター」懐かしい(笑)。

      陸上モノでは・・・
      (著者名失念)少年チャンピオン連載の「めざせ1等賞」も好きだったかも。(マラソン)
      2012/05/22
  • 3部作の2作目、あっさり読めるのは変わらないが、情景が浮かびやすい描写で、楽しい時は思わず笑い声が出てしまい、悲しい時は涙が出てウルウルしてしまう。
    いつの間にか陸上がなくてはならなくなった新二と輝かしい未来が一瞬で消えた健一とのやり取りは、どちらの気持ちも分かるがゆえに苦しい。
    さて、3部目でどんな結末を迎えるのか、楽しみだ。

  • 後半のまさかな出来事に胸を打たれました…
    第3巻を読むのが楽しみです!

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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