一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 373
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764087

作品紹介・あらすじ

いよいよ始まる。最後の学年、最後の戦いが。100m、県2位の連と4位の俺。「問題児」でもある新人生も加わった。部長として短距離走者として、春高初の400mリレーでのインターハイ出場を目指す。「1本、1本、走るだけだ。全力で」。最高の走りで、最高のバトンをしよう-。白熱の完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 最終学年。最後のインターハイに向けて予選が始まる。

    新二、連にとって100M,200M,4継の最後の戦いがはじまる。
    レースのスタートラインに立つ緊張感。私までもがそのスタートラインに立ってるかのようにドキドキする。なんともいえない高揚感。

    関東大会の4継決勝。
    アンカーの新二と一緒に私もみんなのバトンが繋がっていくのをドキドキしながら見守った。ゴールした瞬間 息するのも忘れて読んでる自分に気付き、苦しかった~疲れた・・・一緒に走ってる感覚だった。
    読んでて涙でてくるし、隣にいてた子どもに不思議そうな顔された。
    子どもが中学になったらぜひ読んでほしいな~

    3部作だし長いかな~と敬遠してたけど、長さを感じさせない。本当によかった。目標にむかって仲間たちと努力をする姿がキラキラしてて こちらまで清々しい気持ちになるし元気をもらえる作品でした。

    最後に、根岸君が素敵でした。自分も4継に出たかっただろうに、チームが勝つために身を引く潔さ、そしてチームを支えていく彼がかっこいい~!!

  • 本気で面白かった!試合が終わるたびにすごく込み上げてくるものがあった。やっぱり4継のシーンが1番好き!クールな蓮がだんだん本気になるところ、鍵山が打ち解けていくのも嬉しかったし、桃内はふざけてるけどいい後輩で、根岸の試合は悔しかった、でも根岸のおかげでこの4継は実現したんだと思う。新二は本当にみんなをひっぱっていったすごく素敵な人!!!読めてよかった!!!!!!!

  • ここまでストレートにリアリティを積み上げた作品が辿りつく結末は、ある程度予定調和が成り立っているもの。でも、コンプレックスを抱えた新二が、今までの生きかたとは別の方向で、どのようにハートの弱さと折り合いをつけ、スプリントへ昇華していくのか、その様を見届けないわけにはいかなかった。この本を読み終えた後、そのリレーの終わった競技場の静けさをも味わうことができた。陸上への、そして人生へのひたむきさを眩しく描いた作品。 淡い恋物語もいいアクセントになっている。

  • 三部作ついに完結。GW中に読もうと思っていたけど、一日ずれ込んでしまった。

    4継はネギが走ったり1年の問題児が走ったり紆余曲折があったけど、ネギが素敵。鍵山の代わりに4継に出るときは自分のできる最大限のことをすると早朝にラインをひいてカーブ走の練習をし、鍵山復帰後は自分とチームメイトの実力や適性を知った上で、「俺は走らねえ」「守るなよ。ガンガン攻めろよ」と他のメンバーの背中を押す。実力云々でなくチームの一員として素晴らしい姿勢だと思う。

    あと、鍵山への指導。「ここが悪い」じゃなくて「どうすればできる」ってことだけを言う。これは仕事とかいろんな場面で通用することのような気がする。というか、自分も新二のように言われれば言われるほどひどくなるという経験があるし。

    100mのレースも良かったけど、やっぱり最後の4継がいい。全然陸上の知識なかったけど、臨場感があって熱くなった。
    陸上は個人競技というイメージが強かったけど、こんなに人と人のつながりが強いとは。

    「人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。」(P.275)

  • 青春小説。主人公の新二の成長、連の覚醒。南関東大会で最高の結果を出して、インターハイへ。100m×4人の4継。陸上とその団体競技の面白さや魅力を存分に伝えた作品。作者の佐藤多佳子さんは陸上経験者かと思いましたが、取材で書き上げたんですね!すごいです!
    この作品を早く読んでいたら、部活は陸上にしたかもしれません。こういった仲間を高校生活で持てた新二とか連は、素晴らしい人生を切り開いていけますね!

  • 陸上短距離の高校部活の話。部活の代々の先輩の思いも受け継いでいてリレーを走っている所は陸上の奥深さを知ることができた。個人スポーツって思ってたけど、男女種目関係なく一致団結している姿はいいなって感じた。谷口との恋愛描写も青春って感じですげえ良かった。陸上を知らない人にも読みやすく熱い作品になってます!

  • 「俺は不言実行のコーチだからな。ハッタリはかまさんよ」
     三輪先生は俺の頭をハタきながら、そんなことを言う。
    「実行するのは選手だ。コーチが不言でどうする? そんなコーチはいらんだろう」
    大塚先生がイライラしたような口調で言った。三輪先生は笑っている。
    「何が不言実行だ。いつも適当な目標をぺらぺら言って、ろくにクリアしたことないじゃねえか」
    「そりゃ、選手時代の、高校の時の話でしょう、先生」
    「指導者になって変わったか?」
    「そりゃ違いますよ! 自分のことはいいですけど、生徒は傷つけたくないですよ。適当なことなんか言いませんって」
    「高い目標を立ててやれ。引っ張り上げてやれ。尻を押してやれ。それが指導者だ。不可能を可能にしてやれ。夢を持て。おまえが一番大きな夢を持て」
     大塚先生は厳しい口調で静かに言った。くぼんだ目が三輪先生に食いつきそうにギラギラ光っている。
     夢は各自が持てーーというのが三輪先生の持論だった。自分から強く望まなければ絶対に実現しないからと。だから、先生の言葉には本当にびっくりした。

    「やったなあ…」
     根岸は低くつぶやいた。
    「見たか? おまえ、蓮が思い切り出たぞ」
     根岸は泣きそうな顔をしていた。
    「俺ん時はな、あれがあれができなかったんだよ。蓮は俺を待ってて、すげえゆっくり出てくれたんだ。そんなの4継じゃねえんだよ。やっと本物になった」
    「ああ、そうだな」
     俺はうなずいた。総体優勝云々より、何より根岸が望んでいたことなのかもしれない。蓮がリミッターをはずし、持てる力のすべてを出すこと。4継のメンバー全員がMAXの力で走れること。それが根岸の夢だ。

  • 3部作完結。
    健ちゃんのその後がきになってしかたがない私には、続編がほしい。
    とうとう、進路問題が一度も出てこなかった。
    医学部を狙う先輩がいるくらいの高校なら、1年の時から具体的に考えさせるはず。走りさえしてりゃいいみたいなことが、あるはずないんだけど…。ま、部活視線の小説だから、うるさいことは言わずにおこう。
    孤独の意味。
    3冊読んで、それがわかるなら、読む価値ありだ。

  • 青春最高!春高ファイ!
    今からでも間に合う。ここまでレベルの高い話にならなくてもいいから、自分も何かしら夢中になろう。夢中。夢の中。夢じゃなくなる日。

    とても自分のためになったのは「だめなとこを指摘するのではなく、こうしたら良くなるということを言う」というとこ。
    確かになんにでも言えるけど、教えてる時は意外と盲点。

    あと、新二は初心者だから初心者の気持ちがわかったり、アガリ症だった過去、’出来ない’感覚を覚えている点、が強み。弱みを強みに変える力。

    私も頭で考えたり研究したりするのは好き。新二の頭の中は私の頭の中か。と思うほど共感した。

    新二、立派なランナーと部長になったなあ。
    で。連に恋した。爆●~*♡

  • 高校の部活、きつい練習、恩師、部内恋愛、挫折、他校のライバルたち、そして天才の幼馴染と最高のチームメイト。話の内容は、ベタな青春スポーツ小説です。なにも捻っていません。ですが、いままで読んだ小説のなかでも指折りの面白さでした。

    陸上短距離というスポーツを題材に物語を書くのは、とても難しかったのではないかと思います。さまざまな球技と違って競技自体が一瞬で終わってしまうので、試合の面白さを伝えるのが難しいからです。事実、この小説でも、ラストの4継南関東決勝ですら2ページ半くらいの分量でしか書かれていません。

    むしろしっかり書かれているのは、試合前の緊張感だとか、日ごろの練習に対する考え方だとか、チームメイト(特に連)に対する気持ちだとか、レース後にタイムが少し上がった喜びだとか、そういう面だったように思います。新二たちのようにインターハイに出る実力がなくとも、部活などでスポーツ(吹奏楽とかもそうかも?)をやったことがある人たちなら、誰もが一度は抱きそうな「等身大の高校生」が書かれているように感じました。それはもう感情移入しまくりましたよ、えぇ!(笑)

    守屋先輩の引退、谷口の地区大会3000m決勝、マイル県決勝、4継南関東決勝、どのシーンでも泣いてしましました^^;

    真剣に頑張っている姿を見ると応援したくなるし、自分も頑張ろうと思えるようになります。
    自分も頑張ろう、と思わせてくれる、そんな小説でした。


    「楽しみだ。神谷新二は、どんなふうに走れるだろう?」

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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