永遠の0 (講談社文庫 ひ 43-1)

著者 :
  • 講談社
4.42
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本棚登録 : 50068
感想 : 5865
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764131

作品紹介・あらすじ

日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。 人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。 元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り……それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか?
健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。

アクションコミックスにて、須本壮一により漫画化される。
映画化も決定。2013年公開予定。

感想・レビュー・書評

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  • 凄い作品だった。
    間違いなく自分が今まで読んだ作品の中で最上級の作品であるだろうと感じている。
    はじめて喉元まで込み上げてくるような苦しさも味わった。

    戦時中故の深く感じさせられる「生と死」、そして「愛」
    80年位前の日本はこんなにも「生と死」が生活に隣接していて、だからこそ「愛」の形も純粋で深く重い。

    自分自身を見つめ直す機会もくれた。
    今日という日の意味や明日という日の大切さ。周りにいる人達の大事さ。
    気づかないというより気づこうとしない事の多さが嫌という程感じさせられる。
    もう少しだけ噛み締めながら生活していかねばと感じた。

    「平和」と「戦争」
    賛否分かれるテーマではあるが、平和の中にも気持ち悪いくすぶる違和感のような気持ちがあるのも事実。戦争の中にもこの作品のように深い純粋な心があるのも事実。どちらも甲乙つけるものではないのだろうと考えた。

    こうして読後、感想を書いてはみているもののなんだか上手く書けない。
    自分の言葉や感情に深い純粋さが足りない事に気づいているからだと思う。


  • 戦後60年という節目に、姉の仕事に関わることになった青年。実の祖父の痕跡を辿るため、祖父を知る人々への取材が始まる。それぞれの視点から見た祖父のこと、戦争のことが語られた。

    本作を読んだならば、冷静ではない何かしらの感情を抱いた方も多かったのではないだろうか。
    参考文献は多岐に渡り、事実も多く含まれているものと思う。
    軍国主義へと突き進んでいた日本。当時のメディアの大衆扇動も一考されるべきである。そして戦後にメディアがどう戦争を解釈したか。メディアの功過については伊丹万作の『戦争責任者の問題』という作品も併せて読んでもらうと更に興味深くなる。国民を巻き込んでの大きなうねりがあったのだろう。

    正に私は、現代を生きる戦争を知らない世代の象徴である。安寧の日々の中で、戦争というものは限りなく遠くに置かれ、昨今の日本を取り巻く国際情勢を心配していたかと思うと、1分もすれば他人事に変わっている。そんな自分に感慨は無い。しかし短い時間だが、やはり妻のこと、我が子のことを想うのだ。

    戦争に纏わる話を聞くたびに、肯定も否定もひっくるめて、やはり戦争は愚かな行為だと思う。その中に色々なドラマがあり、多くの人生があったに違いない。戦争を経験した人たちにとっては、終戦は二度と訪れないのかもしれないな、と考えてしまう。

    歴史に事実として残る戦争。日本で過去の大戦を知る人は本当に僅かだろう。今の我々の生活は何の上に築かれているか。戦後、日本は誰に救済されたか。

    戦争を茶化す者なんていない。それは戦争を知らないから何も言えないのかもしれない。ただ学校で学び、断続的に入る情報に辟易してしまう。その繰り返しである。
    だからこそ一つの視点として戦争をテーマにした小説を読むのはすごく意義があると思う。
    ただこれが商業的なものであるということは、忘れてはいけない。そこに冷める自分を否定してはいけない。現実である。当然、小説という枠を脱することは決してない。あくまで創作でありエンタメ作品である。また、著者自身がマスメディア業界の人物であることも付け加えたい。

    以下、ネタバレあり。(備忘録)

    実の祖父、宮部久蔵の生前を追う。
    宮部を知る人物たちが語る回想を読んでいく。それぞれの視点で宮部という男の人物像が浮かび上がってくる。

    一番最後に語るのは、祖母の再婚相手である現在の祖父。実際に血のつながりは無いが、母親を含め姉弟たちを愛し育てた人物だ。祖父の語る実の祖父の話はクライマックスに相応しいものだった。
    戦後にヤクザに囲われていた祖母を助けた青年の件は鳥肌ものだった。

    やっぱりあれだ、各国の首脳全員を肝っ玉母ちゃんたちに変えれば良いと思う。男は野蛮だ。そしたら世界は変わるんじゃないだろうか。本当にそう思う。

    読了。

  • 世界史の授業で世界大戦について習っています。
    私たちの世代は戦争を全く知りません。当時の考え方など、教科書を数ページ読んだところで理解できたとは言えません。でもいつかはちゃんと知りたいと思っていたので、良いタイミングだと思いました。

    この本について賛否両論あるということに、とても驚きました。
    批判される点として、反戦のふりをした戦争肯定作品だ、戦争を美化していると言われているそうです。
    実際に読んでみて、そんなことは微塵も感じませんでした。
    戦争の話なのは勿論ですが、この作品は宮部さんの生き方にもっと注目するべきだと思います。
    肯定側を擁護するつもりはありませんし、戦争なんかしない方が良いと軽々しく言うつもりもありません。

    作者さんはこの作品が賛否両論になることを当然わかっていたはずです。それでも永遠の0を書いたのはなぜでしょうか。伝えたかったこととはなんでしょうか。文庫600ページに及ぶ、大量の文献から、作者さんは相当の努力や熱意があって取り組んでいたことを想像するのは容易でしょう。
    ここから私の独断と偏見になりますが、逆に賛否両論、様々な意見を交わして欲しいと考えていたとも思えます。現代の人にとって戦争とは未知です。勿論私も。人間は知らないことに対して恐怖を感じるものです。ですが、知らないまま時が過ぎると、必ず過ちを犯す時が来ます。また、忘れた時もです。忘れないため、知らない人が居ないようにと、戦争から数十年経った今も戦争について熱く語る人たちがいて、TVや新聞でも定期的に目にするのです。

    知らぬが仏という言葉がありますが、全くそんなことはないと思います。戦争について、いや、どんな些細なことでも目を向けて、生きる大切さをこの本を読んで学びました。
    全ての人に読んでもらいたいですが、特に戦争について知らない世代に読んで欲しい。
    戦争の残酷さ、昔の日本人の考え方を目に焼き付けて欲しい。そして、個々人の意見を沢山の人に共有して欲しい。

    (追記)
    調べていたら、「黒い雨」という邦画も戦争について勉強になるそうです。永遠の0より残酷な表現だそうです。
    機会があれば…いや、近いうちに必ず観ます。

    • ふでやすさん
      コメントしていただきありがとうございます!
      「日本のいちばん長い日」は聞いたことがあります!
      松坂桃李さんが好きなので、「ラーゲリより愛を込...
      コメントしていただきありがとうございます!
      「日本のいちばん長い日」は聞いたことがあります!
      松坂桃李さんが好きなので、「ラーゲリより愛を込めて」も観たいと思っていたのですが、そちらも出演されていたのですね!
      これは勉強する良い機会になりそうです。
      「二百三高地」や学校の先生の話なども聞いて、戦争に対して自分の意見をしっかり持ちたいと思います。
      2023/11/19
    • ふでやすさん
      「日本のいちばん長い日」は二つあるのですね!
      「日本のいちばん長い日」は二つあるのですね!
      2023/11/19
    • yukimisakeさん
      2つあるんですが、どちらも出来が良いのでお好きな方を選んでもらって大丈夫だと思います。
      「ラーゲリより愛を込めて」は映画は観ていないのですが...
      2つあるんですが、どちらも出来が良いのでお好きな方を選んでもらって大丈夫だと思います。
      「ラーゲリより愛を込めて」は映画は観ていないのですが、内容はかなり良かったです!
      知らない世代だからこそ、勉強したくなりますよね。共に色々と学んで行きましょう!
      2023/11/19
  • 太平洋戦争、、、特攻、、、お国のため天皇のためと洗脳され散っていった命。戦闘機は備品、人は消耗品と思っている上層部の考え方が異常で腹立たしい。無能な上官の無謀な作戦せいで散っていった若者の命は痛たまりなくてしんどいね、、、
    私の祖父も戦争体験者で、唯一聞いた話が「戦争が終わって九州に帰国し各駅列車で日本を渡り、ひとりひとりと自分の土地に帰って行くのを見送ったのが寂しいような嬉しいような気持ちだった」と酔っ払いながら言っていたのを思い出しました。まだ戦後100年も経っていない、遂この間のことなのが信じられなくて、この時代があって沢山の人々のおかげで今があること、過去は変えられないけど未来は変えられること、事実を知り教訓にするためにも読んでほしい作品です。

  • 映画化された年に読み、何年振りかの再読です。もうこれは泣きます。大号泣です。内容がわかっていても泣かずにはいられません。

    最近修学旅行ぶりに、広島の平和記念館、原爆ドームに足を運びました。そしてふと読み返したくなったのです。フィクション小説なのに、永遠の0の宮部久蔵という人はね…と、史実みたいに語りたくなってしまいます。彼たちに思いを馳せ、想像しますが、決して現代を生きる私たちには到達できない境地でしょう。そして「それが普通」の世に産まれたら、世が言う普通を受入れ、そこにそれぞれの意味を見い出すことができるのが人なのだと思うと、人って本当に凄いとも思いました。

    日本軍が自国の兵隊を粗末に扱い、人の命よりも航空機や武器を温存した話。人が操縦するロケット爆弾の桜花。アメリカの博物館に展示されていた桜花の名前がバカボム、すなわちバカ爆弾であったという…。人間魚雷の回天。脱出装置はなく、一度出撃すれば攻撃の成否にかかわらず乗員の命はなかったという。死ぬための訓練…。こんなモノを考えた人は同じ人であろうか?自分と身内のこと以外は同じ人とすら思っていないのでしょうか。兵隊の命を大事に扱ったアメリカ軍との対比がなんとも言えない気持ちになります。ですが、発案した方たちがまずは乗って試したと言う史実があれば、前言撤回しなければならない感想です。

    またメディアの欺瞞や、責任を取らないエリート層が作中でも描かれている。メディアと官僚の組織体制の良くない部分は現在も昔と変わってないのかな?と思わされます。大衆を動かしたい方に動かすにはどうしたって仕方のないことなのかもしれません。第九章カミカゼアタックの武田貴則と新聞記者のやり取りは何度も読み返したい。

    永遠の0の映画公開が2013年なので、この小説を初めて読んだのがもう11年も前になります。当時今よりも遥かに戦争や歴史に対して無知だった私が映画を観て、原作を読み、もっと知らなければと思ったことを思い出しました。エンタメ小説といえど学びの一冊です。宮部久蔵、景浦介山、大石賢一郎、みんなかっこよすぎました。

    • hibuさん
      あささん、おはようございます!
      この作品映画にもなって内容もわかってるはずなのに泣けますよね!
      ウチの息子の再読率NO.1の作品です^_^
      あささん、おはようございます!
      この作品映画にもなって内容もわかってるはずなのに泣けますよね!
      ウチの息子の再読率NO.1の作品です^_^
      2024/03/16
    • あささん
      hibuさん、こんばんは!
      ですよね( ; ; )私も何年後かにまた読みたいです。息子さんと本のお話を共有できるの素敵ですね。憧れます。
      hibuさん、こんばんは!
      ですよね( ; ; )私も何年後かにまた読みたいです。息子さんと本のお話を共有できるの素敵ですね。憧れます。
      2024/03/28
  • この作品は映画化されるらしい(2013年12月公開)。読んで分かったが、ヒットする要素が満ちている。一つは、ジブリプロデューサー鈴木敏夫の云う二つの要素がある。「一人称の目でつくった映画。これは観客が感情移入できるんです。しかも、ここには現実ではありえない感動がある。この二つの要素をかね揃えれば映画はヒットする」(「映画道楽」39p)もう一つこの作品には小説としてヒットする要素があり、映画にもそれは有効だろうと思う。それは「主人公の宮部久蔵とは何者なのか」という謎を最後まで引きずることに成功したからである。神風特攻隊員にあるまじき死ぬのを恐れる臆病者、しかし天才飛行士、彼はなぜ零戦搭乗員になり、「必ず生きて帰る」と言っていたのにも関わらずなぜ特攻隊員に志願したのか。その謎を宮部久蔵の孫が生き残りの戦争体験者の話を聞く中で、解明していく。と同時に、とても過酷で生き残った兵士はほとんどいなかったといわれる海軍戦闘機乗りたちの現実と、彼らから見た第二次世界大戦を浮き上がらせてゆく。

    先の記事(「このろくでもない、すばらしき日本」)で私はこのように書いた。


    いま、百田尚樹の「永遠のO」を読んでいる途中なのですが、この中で現代の姉弟が第二次世界大戦の戦略批判をする場面があります。

    戦争当時の長官クラスが強気一点張りの作戦ばかりとって、主人公の宮部のような優秀な兵士たちをたくさん死なせた一方で、自分が前線の指揮官になった時には突然弱気になる。これは「構造的なもの」があるのではないか。彼らはペーパーテストで出世して来た人間である。彼らはマニュアルには強いが、そうでない場合には弱い、ミスを恐れる。そして自分が間違っているとは思わない。(一方、アメリカは結果責任をきちんと取らせるらしい)そして、高級士官は、尽く失敗の責任を取らなかった。

    まだ結末を読んではいないが、これは現代の合わせ鏡だと作者は言いたいのだろう、と思う。2006年の作品ではあるが、原発事故がそれを見事に証明した。


    ‥‥‥‥最後まで読み切って、多くの若者たちにわかりやすい読み物を提示したかったのだろう、と思った。大きな戦略的な間違いといくつもの戦術的な間違いを犯した戦争指導者たちの愚かさを糾弾するのと同時に、それを遂行した若者たちの名誉を回復したかったのだろう。

    しかし、どこか私には違和感が残る。
    ストーリーテラーとして技巧的なのである。最初に謎を提示して、それを解決してゆく方式を他の著作でも採っているらしいというのがひとつ。官僚主義批判は手垢のついた戦争批判なのだということがひとつ。

    それでも、感動的な物語だったということは変わりない。しかし、この「感動」。作者の「戦略」なのではないか?という気がしてならない。

    もしかして、誰もが感動出来る話で間口を広げて、やがては自分の本当に書きたいものを売ってゆくという「戦略」なのではないか。そうではないことを祈りたいのだが‥‥。というのも、現実世界で、著者は以下の様な発言をしていることをつい最近、知ったからである。


    『Voice』4月号2013/3/9

    憲法改正で「強い日本」を取り戻せ いまこそ誤った歴史観を広めるメディア・教育界に風穴を開けるときだ

     対談「渡部昇一(わたなべしょういち・上智大学名誉教授)×百田尚樹(ひゃくたなおき・作家)」

    〈抜粋〉

    百田 日教組の教職員は子どもたちに、「日本は侵略戦争を行い、アジアの人々を傷つけた」「日本人であることを恥ずべきだ」ということを教えてきましたからね。そのような誤った知識を死ぬまで持ち続ける日本人も多い。広島県のある高校は修学旅行で韓国に行き、生徒たちに戦時中の行為について現地の人に謝罪をさせたとも聞きます。世界中を見渡しても、そのような教育をしている国はどこにもありません。

    百田 「侵略戦争」といっても、日本人は東南アジアの人々と戦争をしたわけではない。フィリピンを占領したアメリカや、ベトナムを占領したフランス、そしてマレーシアを占領したイギリス軍と戦ったわけです。日本の行為を「侵略」と批判するなら、それ以前に侵略していた欧米諸国も批判されてしかるべきでしょう。

    百田 日本の人口1億人に対して、自衛隊の隊員数は25万人です。海外と比較をすると、スイス軍は人口780万人に対して、軍隊は21万人もいます。しかも現役を退いたら、60歳ぐらいまでは予備役として登録される。一家に1丁自動小銃が配布されており、日常は普通の仕事をしていても、事が起きれば戦場に赴く。歴史的には「永世中立国」として200年以上戦争をしていないわけですが、軍隊をもつことは、戦争に対するもっとも有効な抑止力であり、平和の維持にはそれだけの労力がかかることを理解しているわけです。

    百田 だからこそ安倍政権では、もっとも大きな政策課題として憲法改正に取り組み、軍隊創設への道筋をつくっていかねばなりません。世界の約200か国のうち、軍隊をもっていない国は、モナコやバチカン市国、ツバルといった小国をはじめとする27か国しかない。日本のような経済大国がそれに当てはまるのは異常なことです。

    百田 世間では、「憲法は神聖で侵さざるべきものである。改正するなんてもってのほかだ」という、「憲法改正アレルギー」のような意識が蔓延しているようにも感じます。しかし世界中のどの国も、憲法改正はごく普通に行っている。アメリカは18回、フランスは24回、ドイツは58回、メキシコに至っては408回も改正しており、世界最多の回数といわれています。(略)

    百田 アメリカも大東亜戦争で痛い目に遭っていますから、もう二度と日本が立ち向かえないようにした、ということですね。9条で「交戦権の放棄」を押し付けたのもそうです。いまの日本には自衛隊がありますが、9条を厳密に解釈すると、相手に銃を向けられて引き金に指がかかってもいても抵抗できない。向こうが撃ってくれば初めて反撃できますが、それも最低限のものに限られ、たとえば一発撃たれて十発撃ち返したら、過剰防衛として処罰される。こんな馬鹿なことはないでしょう。


    小説は所詮エンターテイメントの世界、普通はこういう「時評」にその人のリアルな認識が出ると思う。「侵略の定義は決まっていない」と宣ったのは、現在の日本国首相ですが、本屋大賞受賞者のこのお方も「本気で」そう思っているようです。なおかつ、手垢の付いた「憲法改正アレルギー批判」もなされており、自民党の憲法改正草案も全面的な賛成に回りそうです。

    おやおや、と言いたい。

    • 土瓶さん
      だから、この人の本は一冊も読まない。
      読まないから批判もしない。
      好きな人には申し訳ないとは思う。
      でも、自分には無理だ。
      うん。う...
      だから、この人の本は一冊も読まない。
      読まないから批判もしない。
      好きな人には申し訳ないとは思う。
      でも、自分には無理だ。
      うん。うまく言えないな。
      2022/03/18
    • kuma0504さん
      土瓶さん、こんにちは♪
      私も、本屋大賞シリーズコンプリート計画の中で、この人の作品だけは読むつもりはありません。よってもう批評しない。どころ...
      土瓶さん、こんにちは♪
      私も、本屋大賞シリーズコンプリート計画の中で、この人の作品だけは読むつもりはありません。よってもう批評しない。どころか、毎月500-1000程はレビュー読んでいるけど、この人のレビューだけは読まない。評価しない。あと橋下徹のやつ。この2人だけ。
      2022/03/18
  • 特攻とは、非人道的な恐ろしい作戦。

    特攻要員は本当に死を恐れなかったのか—。

    改めて戦争について考えさせられる作品。




    私は『永遠の0』を実話だと思って読んでいました。

    しかし違ったようで、特攻作戦に関わった実在の人物のエピソードをオマージュしている小説です。

    大筋はフィクションですが、登場人物は実在するので、特攻隊を中心として見た太平洋戦争の様子を知ることができます。
    (小説であるという事を忘れてはいけない。真実を知りたければ記録を読み学ぶべし。)

    太平洋戦争を生き残った零戦パイロット、坂井三郎中尉の実戦の記録『大空のサムライ』が元になっているようです。


    死んだ実の祖父の生涯を調べる事になった主人公健太郎。

    戦友会で祖父の事を知っている元軍人達から祖父の素顔が語られる。

    「臆病者」と言われた祖父が生に執着する理由。

    それは、愛する妻と娘のためだった—。

    ラストは意外な展開でした。


    私は実在の話だと思っていたので、ラストを読んで「あれ?」と違和感を感じました。

    あまりにも出来すぎな展開…。

    フィクションでしたら、納得です。

    泣きました…。
    ラストで…と言うよりは、海軍の特攻隊に対する仕打ちの酷さに涙が出ます。

    軍人達の非人道的な扱いや悲惨さは描かれているものを上回る見方をするとしても、私たちの想像以上に辛い経験であっただろうと思いました。

    戦後民主主義国家となり平和な時代を生きる主人公(健太郎)は26歳。
    特攻で亡くなった祖父(宮部久蔵)の生涯は26年。

    生きて帰りたいと願う宮部の軍人として弱腰な態度に、部下達の評価は冷たい。

    元海軍飛行兵曹長、井崎源次郎が病院で語った話。

    ーーーーー

    「たとえ敵機を撃ち漏らしても、生き残ることが出来れば、また敵機を撃墜する機会はある。しかし—」
    小隊長の目はもう笑っていませんでした。
    「一度でも墜とされれば、それでもうおしまいだ」
    「はい」
    小隊長は最後に命令口調で言いました。
    「だから、とにかく生き延びることを第一に考えろ」
    この時の宮部小隊長の言葉は心の底にずっしりと響きました。
    (本文より)

    ーーーーー

    生き延びなければ無駄死にである。

    祖父の生き方、考え方を知り主人公は成長します。

    日本軍の戦術である特攻は、零戦で突撃するだけではありませんでした。

    人間が操縦するロケット爆弾の『桜花』
    人間魚雷の『回天』
    (回天に関しては最近知りました。この小説ではあまり触れられていませんが、名称は出てきます。)

    よくもこんなに非道な作戦を考えだしたなと思うほどです。
    100%生きて帰れません。
    これらを操縦する為、若い兵士達が一年かけて特訓するのです。

    死ぬための訓練なんて、どんな気持ちか想像もできません。
    当時はそれが当たり前という教育が施されていました。

    特攻も志願という形をとっていましたが、希望しない申請をした兵士は上官に呼ばれ説得されます。
    最終的には半ば強制的に志願兵という事になるのです。

    桜花に関しての作中でのエピソードは心を抉られます。

    (アメリカのスミソニアン博物館に展示されていた『桜花』を見た岡部。
    そこに書かれていた名前は『バカボム』だった。)

    ーーーーー

    「BAKA-BOMB、すなわちバカ爆弾です。私は息子夫婦が隣にいるにもかかわらず、声を上げて泣きました。悔しくて、情けなくて—いくら泣いても涙が止まりませんでした。しかし本当のところは、『BAKA』そのものずばりだったのです。すべての特攻作戦そのものが、狂った軍隊が考えた史上最大の『バカ作戦』だったのです。しかしそれだけで泣いたのではありません。そんなばかな作戦で死んでいった高橋たちが、ただただ、哀れで、哀れで、涙が止まらなかったのです」
    (本文より)

    ーーーーー

    帝国主義思想の当時、反対の声を上げることなんて軍部に反する行為。
    とてもできません。

    酷すぎて泣けてきます。


    私達が中高で教わった『歴史』は、近代になるにつれ大雑把な印象です。

    大昔の歴代将軍名や年号の暗記等は何かの役に立つのでしょうか?
    教員や作家になればもちろん暗記していて当たり前なのかもしれません。
    ですが大抵は役に立ちません。

    時代の流れを知ることは大切ですが、現代に最も近い時代に重点を置くべきだと思います。
    道徳や総合の時間に、学ぶべき事はたくさんあったのでは?と今となっては疑問です。


    この小説は、フィクションという形であっても、特攻隊目線での太平洋戦争の悲惨さが流れでわかる1冊となっています。
    子供達が手に取って読んでくれるなら、エンタメという形であれど、必要なのではないかと思いました。



  • どんなに多くの人から支持されようとも、ベストセラー作品にはなかなか手が出せないたちである。そんなあまのじゃくが一転、何故本書を選んだかというと…テレビ番組で某ミュージシャンがこの作品を絶賛していたことがきっかけだった。何ともたどたどしくグダグダな紹介だったんだが、その熱さが妙に印象に残り、翌日には購入していた。
    生きて帰ると絶えず言い続けた天才パイロットは終戦の年、特攻で命を散らした。実はその人が本当の祖父・宮部久蔵だと知らされた、終戦から60年の夏。司法試験浪人の健太郎とフリーライターの慶子の姉弟は、宮部の足跡を辿るべく、彼を知る人物を訪ねて歩く。
    「今」を生きる若者が「過去」の身内の生涯を探る…正直、ありがちな設定とは思った。だが読み進めていくうち、「今」の場面位はベタでもよいのではと感じるようになった。宮部の旧知の人物達から語られる戦時下の話が大きく比重を占め、その重さ、今更知る当時の過酷さには愕然とする。これまでいくつもの戦争の本を読んできたが、海軍を詳細に描いた作品を読むのはほぼ初めてと言ってよい。真珠湾、ラバウル、ガダルカナル、レイテ…概要しか知らなかった戦いの現実を知り、壮絶さ、理不尽さに体が震えた。空での戦いのすさまじい緊迫感。零戦がどれほど優れた戦闘機だったかも改めて知った。
    読んでいくと、撃墜王と呼ばれた日本海軍の戦闘機搭乗員・坂井三郎など、実在の人物らとの絡みも見られる。まったく違和感がなく読めて、どこまでがフィクションだかノンフィクションだかわからなくなるほどだった。徐々に明らかになっていく宮部の人物像。臆病者と揶揄された彼の信念。天才的な空戦技術。彼の人間性に、読むほどに惹かれていく。それは、宮部との日々を語る元兵士たちもであった。ただただ、目の前の戦いに必死な彼らを襲う数多の悲劇。その都度涙腺は決壊し、時には怒りでページを繰れなかったりもした。「桜花」という人間爆弾は初めて知ったが、その非人間的発想、命をあまりにも軽視した当時の海軍上層部に対し、はらわたが煮えくり返って…何ともやりきれない思いで、読みながら苦しく、猛烈に悲しかった。
    結末に向けての伏線の張り方は見事だ。胸が張り裂けそうに辛かったクライマックスを経て、ラストへの展開はやはりまた涙涙の連続。戦争の悲惨さを伝えつつも、エンタメ作品としてしっかり仕上げたところに、放送作家時代に培った百田氏の底力を実感した。
    文庫売上数で驚異的な数字を叩き出しているようだが、映画公開に向けてさらに数字を伸ばすことでしょう。売れるのも納得です。今出会えてよかったと心から思う。某ミュージシャンに感謝。
    読み終えてから映画の公式サイトで予告編を見て、そこでもまた号泣。映画公開が本当に楽しみだ。

  •  今年一番感動した本。
     太平洋戦争や特攻隊については人並み以上の知識があり、隊員の遺書を目にしたこともあって、かなり深く知っていたつもりであったが、隊員一人ひとりの心情をここまで心から考えさせられる本に出会ったことはなかった。
     本書はフィクションであるが内容がリアルで、涙なくして読めない。また臆病といわれる主人公が、実は神業を持つエースパイロットで、家族や同僚を思い、周りを助けていくという王道の伏線回収が物語としても楽しめる内容であった。

  • 一言ではとてもまとめられないのですが、
    読み終えた今感じたことを、書き留めておきます。

    はじめ本を手に取った時は、タイトルの「0」の意味さえ分かりませんでした。
    理解したのは、宮部久蔵が零戦の搭乗員だったと知ってからです。

    この宮部という人物がなぜ軍に入り、最期特攻を志願して亡くなってしまったのか。
    なぜ特攻隊に志願したのか、本には描かれていませんでしたが、
    太平洋戦争の最後はもはや特攻は命令されて行われていたという事実から、望まないものだったんじゃないかと思います。

    宮部は決して国のために命を張るような人ではありません。
    それよりも自分を待つ妻と娘のために、自分を愛してくれている人のために生きて帰りたかった。
    そのために、ラバウルやガダルカナルでの過酷な日々を乗り越えてきたのです。

    しかし、最期は自分と引き換えに教え子の命を守り、
    特攻隊として人生を終えました。

    あまり戦争のことは詳しくなく、途中で何度も辞書を引きながら読み終えましたが、
    それでも特攻隊として亡くなった人の無念さ、当時の大本営の作戦の稚拙さ、人名軽視の愚かさは充分に伝わってきました。

    旅行で訪れたこともあるアメリカと、つい75年前には戦争をしていたなんてどうしても想像がつきません。

    でも、当時を知り、もう二度と悲しい歴史を繰り返すまいとするのは日本人としての義務なのではないか、と今は思います。

    そう思うきっかけを、この本は私に与えてくれました。



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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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