永遠の0 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.42
  • (8999)
  • (4586)
  • (1543)
  • (298)
  • (107)
本棚登録 : 38912
レビュー : 5385
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764131

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ミーハーですが、TVの某番組で紹介されていたので
    図書館ではなく、久しぶりに本屋さんにて購入。

    全くの予備知識がなかったので
    正直、戦争の話だと分かった時は「うわ、どうしようかな」と読むのをためらいました。

    情けない話ですが、私は戦争ものの本や映画が苦手で
    今までまともに見たことがなかったのです。

    けれど、せっかく買ったし…と読み始めました。

    戦時中どころか、戦後すら知らない時代に生まれた私が
    あの太平洋戦争をあれこれ論議することはできません。
    あれだけの大きな戦争だったのですから
    様々な意見があって当たり前だし
    一体何が真実で、何が真実ではないのか。
    ある人にとっては正義でも、ある人にとっては完全な悪であることもあっただろうと思います。
    そんな時代のことを、今の私たちがああだこうだ言う資格など
    あるはずがないと思っていたし
    何より、戦争のあまりの残酷さに、直視できないでいました。

    けれど、この本を読んで
    それはただの逃げであり、平和な世の中に生まれた私達だからこそ
    あの戦争を知らなくてはいけないと強く感じました。

    宮部久蔵という人物は、優しくて、強くて
    うまく言葉に表すことができませんが
    本を読み進めるうちに、どんどん惹かれていきました。
    いつの間にか、宮部久蔵にどっぷり感情移入してしまい
    後半は泣きながら読んでいました。

    「感動した」とか「悲しい」とか、
    涙の理由は明確ではないのですが、何故か涙が止まらず
    本を読み終えた後も10分くらい泣き続けました。
    こんなに泣き続けた本は、初めてかもしれません。
    本当に沢山の事を考えさせられた本でした。

    今ある、「当たり前」と思われている生活が
    どれだけ幸せなことか、改めて感じました。
    隣ですやすやと寝ている息子の寝顔が
    本当にたまらなく愛おしく、また涙があふれました。

    今はもう天国にいってしまった祖父達に逢いたくてしかたありません。
    ありきたりですが、今の私があるのは両親や、そのまた両親が
    必死で生きてきてくれた結果なんだと、感謝の気持ちでいっぱいです。


    いつも図書館で本を借りる私が
    何故か買ったしまったのも、何か縁を感じます。
    今の私が、読むべき本だったのだと思います。

    戦争用語があり、かなりのボリュームなので
    普段本を読まない人には、少々読みづらいかもしれませんが
    日本人なら、絶対に一度は読んで欲しい一冊です。

  • FBをしていなければ、こんな大切な本を見過ごすところでした。
    売れているのはよく知っていました。書店に平積みになって派手なポップや推薦文で飾り立てているのを見ると、かえって辟易してその場を通り過ぎる天邪鬼な自分。
    でも、FB友達が手放しで称賛しているのだけは無視できませんでした。そして手にした初めての百田作品。感動しました。
    本書で大きなテーマとなっている「特攻隊」については、高校時代から購読している、やや右寄りの雑誌「SAPIO」でたまに特集を組んでいて、割と予備知識はある方だったと思います。特攻隊員の遺書も読んだことがあります。靖国神社も参拝し、英霊の御霊に哀悼の誠を捧げました。
    それでも本書の感動は変わりません。いえ、特攻隊員の遺書を胸を熱くしながら読んだ経験があるだけに、その感動はひとしおだったかもしれません。
    以下、感じたことを脈絡なく書き綴ります。
    読み進めながら、まず胸躍らせたのは、戦闘機乗りのカッコよさ。これはもう男なら逃れられない魅力なのではないでしょうか。かつて世界最高の戦闘機と言われた零戦をまるで手足のように操り、敵機を葬り去るシーンには何度も快哉を叫びました。
    しかし、戦況が悪化すると、軍事にはド素人の自分でも目を疑うようなバカげた作戦が軍上層部によって次々と立案され、実行に移されていきます。
    人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」…。
    およそ人を人とも思わない軍上層部には激しい怒りを覚えました。自らの出世のために、みすみす好機を逸する場面も出てきます。では、彼らは無能の徒なのでしょうか。そんなことはありません、れっきとしたエリートです。
    主人公の姉・慶子が語ります。
    「そう。つまり試験の優等生がそのまま出世していくのよ。今の官僚と同じね。あとは大きなミスさえしなければ出世していく。極論かもしれないけど、ペーパーテストによる優等生って、マニュアルにはものすごく強い反面、マニュアルにない状況には脆い部分があると思うのよ。それともう一つ、自分の考えが間違っていると思わないこと」
    たびたび指摘されることかもしれませんが、説得力があります。
    そして、何より許せないのは、彼ら高級エリートたちの中には、戦後も責任を取っていない者が大勢いることです。
    翻って前線で戦った戦闘機乗りの何と清々しいこと。
    特に感動したシーンの中に、戦後、米国で開催された「第二次世界大戦航空ショー」で、かつて戦火を交えた日米両国の戦闘機乗りが再会したシーンがあります。お互いを称え合う場面は深い感動を呼び起こさずにはいられません。
    何だか戦争を賛美しているように受け取られる方もあるかもしれませんが、それは私の本意ではありません。私は「平和ボケ」「一国平和主義」と罵られても、平和な社会を希求します。
    あの戦争で、特攻で散って行った方たちの思いも同様だと推察します。
    実は昨年から今年にかけて戦争経験者2人と会い、取材しました。
    一人は海軍工廠というところに配属され、後にあのトラック島で任務に従事していました。もう一人は海軍の通信員です。
    2人からは貴重な証言をいくつも聴きましたが、それをいちいち書くことはここではしません。私が強調したいのは、2人とも「戦争は二度としてはいけない」とはっきり口にしたことです。
    翻って今の政治状況、世相はどうでしょう。好戦的なムードが日に日に強まっていると感じるのは自分だけでしょうか。「普通の国」になるということは、戦争ができる国になることと同義です。
    一方で、ためにするような議論ばかりしている左翼にもくみしません。身体を賭すような真剣な言葉を、彼らの口から聴いたことがありません。
    ですが、今の好戦的な政府よりは、実害がないだけまだましかもしれません。
    いみじくも、その元海軍通信員は言いました。
    「今の政権を見ていると、戦争を知らない人たちばかりなだけに危なっかしい」
    勘違いしてもらっては困ります。元海軍通信員は筋金入りの保守派です。
    私も彼の意見に同意します。
    話がやや逸れました。
    戦前には勇敢に戦った兵士たちを「英雄」と持て囃し、戦後は「職業軍人」などと軽蔑交じりの呼称で呼ぶ人たちの姿には、失望を覚えました。国のために戦った人たちを蔑むすべての人たちを、私は軽蔑します。
    英霊に哀悼の誠を捧げるとともに、国のために戦った男たち、銃後を守った女たちに深い感謝の意を表し、不戦の誓いを新たにした読書体験でした。

  • 今まで読んできた本で1番考えさせられたし、今普通に生きてる事に改めて感謝できた。最後は泣きながら読みました。高校生ですが、教科書で戦争について勉強するよりこの1冊で学べると思います。この本に出会えて感謝。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「教科書で戦争について勉強するより」
      そうですよね、、、教科書は「国」と言う大きな組織を維持するために、チェックされた本だから、真実や、人の...
      「教科書で戦争について勉強するより」
      そうですよね、、、教科書は「国」と言う大きな組織を維持するために、チェックされた本だから、真実や、人の「心」に迫るのは難しい。。。
      2013/04/26
  • 間違いなく、ここ数年の私の中のベストワン!
    戦争に対する知識もない自分が孫の視点と重なり、
    徐々に…
     -その時代はどういったものだったのか。
     -その時代に生きた人たちはどういう想いだったのか。
    ということが無理なく頭と心にすーっと入ってきた。
    そのためか、かなりの厚さではあったが、
    通勤電車の中で一気に読み上げた。
    そして中盤からは涙なしでは読めなかった!!!電車の中で!!!

    ちょうど色々悩ましい事が発生していた時期だったが、
    この本を読んで「あぁ、こんなたくさんのこんな気持ちの上に
    今の自分がいるんだな。」と思い知らされた。
    だからこそ読後には「がんばろう、精一杯今を生きよう」と思えた一冊。
    本当に出会えて良かった!

    長い話ではあるが、非常に読みやすい一冊なので、
    この本は子供も大人も、日本人だけでなく海外の方々にも読んで欲しい。
    そうすれば、戦争がない、今以上に平和な世界がつくれると思う。

  • 太平洋戦争の様子を詳細に描いていて、それでいてこんなにも面白い物語を書けるこの筆者はスゴイと思う。航空兵たちの命のやりとりの緊張が生々しく描かれていて、読んでいるだけで体が熱くなった。太平洋戦争のことをほとんど知らなかった私も、この本を読んではかなりの知識を得ることが出来たと思う。
    それと、最後の児玉清の解説も至高。
    今まで読んだ本のなかでも、五本の指に入るくらいの面白い本だった。

  • ずっと読みたかった本でしたが、なかなか読む機会がなく積読状態が続いていました。
    岡田准一主演で映画化されるということで、読んでみました。
    主人公の宮部を岡田准一がやるようですが、この役は彼には荷が重いのでは?あの宮部の誠実さ、ストイックさを出せるとは思えない。
    宮崎葵(当時まだ人妻)と不倫疑惑を報じられるような人に宮部を演じて欲しくない。
    もっと、真摯で透明感のある役者さんに演じていただきたい。
    坊主頭になってもいいとか言ってるらしいですが、そんな表面的な問題ではないし。
    坊主になる、ならないとかを話題にしてる時点で、きっと、この映画は原作を越えることはないだろう…と思った。
    是非とも、小説で読むべき!!

  • この本に感情移入するにあたって、僕には取り払うべき気持ちの垣根があった。

    ―戦争は愚かなことだから、そこで日本人が犯したことは決して正当化されない。

    子供のころから学校で教えられていたことで、大人になった今でも僕の心の中に居座り続ける。
    それはもちろん、一部、正しい。

    だが、そんな風に戦争を生き抜いた人々の行為を一緒くたに全否定するのはどうか?そんな道徳的観念で、特攻で犠牲になった多くのいのちを「戦犯」として取り扱うのはどうなのだろう?だから、今の子供たちは戦時中の人たちについて驚くほど無関心だ。

    「おじいちゃんたちは戦争で精いっぱい戦った。」
    そう語ったところで現代人はしらけたり、人殺し扱いするだけに違いない。
    第一、目の前の老人の当時の精悍さや情熱を思い浮かべるのにはかなり想像力を働かせないとならない。

    そこには戦争に行った人たちを手放しに侮蔑する気持ちはないか?
    この小説は僕にその敷居をまたぐ手助けをしてくれた。

    はじめの方では、ゼロ戦の美しさに心躍るたびに自分の中に葛藤がおこり、高揚する気持ちにはブレーキがかかった。
    しかし、クライマックスでは僕の目には涙が溢れ、喫茶店の中にあって、声を出して泣きそうになっていた。
    宮部の存在が、精神が、戦後の日本人たちを救ったのだとさえ思った。

    ―お国のため

    そんなことをかきつづり、敵艦に向かって飛んで行った若者たちの考えに僕は違和感を持っていた。しかし、本書を読み進めるプロセスで彼らの一人一人が死に向かって研ぎ澄ましていった清々しいまでの感性に当時の日本の美しい情景が重なった。彼らが何をみていたのか、理解できた気がした。

    ―お国のため―なんかではなかった。

    それはまた、物語のラストの方で語られる九州の地の青雲(しののめ)の情景と重なる。彼らが自分たちとしっかりと対峙していた。限界まで研ぎ澄まされた心で。

    それらしい読後感を書くのはたやすい。
    ―感動した
    ―胸がいっぱいになった
    ―涙がでた
    みんな正しいがどこか足りない。
    それらを現代人の精神世界と比較するのもまあ、間違ってはいない。

    だが、宮部が口ではなく、行動で語った、「生きる」ことへの「賭け」の美しさを語ることは難しい。

    戦争で散って行ったひとりひとりは、死と生のはざまで見出したコタエをよりどころに精いっぱい「生きた」―そう願い、結びの言葉にかえさせていただきます。

  • 読んでる間中、涙涙。哀しくて悔しくて切なくて。
    戦争もの、というのかな?歴史は苦手なので勉強もしてこなかったのが恥ずかしくなりました。
    読みやすく引き込まれ、史実を織り交ぜながらの物語は圧巻というか感動でした。
    歴史の事実は人の数だけあるんだろうから、この本をきっかけに少し勉強したくなったな。中学生・高校生くらいの必読書にしてもいいと思うけどなぁ、日本という国を考えるうえで。
    零戦ってすごかったんやね。
    あと宮部久蔵さんはウチの次長とイメージがラップする

  • 独特の文章の癖が若干読みづらく読み終えるのに1年以上かかったけど、読んで良かった。現代を生きる、日本に縁がある人は必ず読むべき本だとも思った。
    歴史モノが苦手な私もあまり抵抗なく読める。それは、この物語の中で人間が生きているからだ。
    宮部少尉は血の通った人物で、彼の生き様がとてもリアルに書かれている。誰もが彼に出会うべきだと思う。

  • これは凄いな…(しかも、デビュー作か)。涙が止まりませんでした。たくさんの人に読んで欲しい本ですね。

全5385件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

永遠の0 (講談社文庫)のその他の作品

永遠の0 (ゼロ) 単行本 永遠の0 (ゼロ) 百田尚樹

百田尚樹の作品

ツイートする