新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3278
レビュー : 282
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764162

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わりました、、
    読むのにエネルギーが要りました、、
    すごく深い本で抉られる本でした、、
    読む進めてもずっとずっと深くに沈んで行って息が詰まって苦しくるような、、浮き上がれるのか不安で途中怖くなりました。
    キクとハシ、対称的な性格の2人。
    普通の人はみなこの2人の特性を持ち合わせてうまくバランスを取りながら生きていると思う。

    ハシが誰かに求められるために生きるようになり、求められなくなる不安で自分を見失って行くのが読んでて辛いしハシが壊れていくのが怖かった。

    キクの印象的だったセリフ「自分の欲しいものが分かっていない奴は石になればいい〜」。
    キクの実行力がすごい。

    島の恥とされるキクと島の自慢だとされるハシ。
    噂やニュースなどで周囲から見えるものは違ってくる。

    自分のやりたい事に気づくこと。実行できること。

    ミスターD「エアコン付いてたやろ里親に可愛がられて最初だけ寒くてずっと暖かく過ごして甘ったれるな〜」






  • 辛かった。悲しかった。目が離せなかった。
    昔は読めなかった。今は読めた。こういうことがあるから本はおもしろい。

  • 村上龍さんの作品は過去に何作か読んでいるけれど、何故かこの作品は有名なのに読んでいなかった。

    やはり村上龍さんはいわゆる「醜悪」なものや様態を描くのがひたすら上手いです。(いまだに「イン・ザ・ミソスープ」の圧倒的な猟奇性はトラウマものですが。笑)
    なので読むのにはかなりエネルギーが要りますが、ただ醜悪なだけでは終わらないこの感じ、好きです。

    とにかく文体のトリップ感がすごいです。酩酊感というかスウィング感というか、悪酔いします。いやむしろバッドトリップとか悪夢そのものだと思います。良い意味で。笑
    本当にこの人は、端から見て「狂ってる」としか思えない人や世界をここまで緻密に描けてしまうんだろう。延々と続くグロテスクな描写の中で、素直に生きようとするあまり狂っていく人々がいる訳ですが、そんなのってひょっとして、ある意味そのままこの世界であって、自分たちが生きている有り様でもあったりして、とか思うとなんだか悩ましくなります。笑 
    それって何ていうかいわゆるセカイ系的な感覚にも通じるところがあったりするのですが、一方で退廃的美学というか、死への陶酔みたいなところもあるような気がします。あれだけ救いのないラストシーンが何故か美しいと思ってしまうのは、村上龍さんの術にハマったということなのかも?

    もちろん冷静に見るとSF、サスペンス、バイオレンス、恋愛、色んな要素が詰まってて楽しいですが、やっぱり読むべきは主人公2人とその周りの人たちがこの世界とどう向き合うかとか、何を失い何を得ようとするのかみたいなピュアな部分だったりするのだと思います。

    子供が大人になって世界と向き合って生きていくことはとても大変なことだし、そこに暴力や恐怖や罪のようなものが伴うのは確かにそうなんだろうと思うのですが、この小説はそのあたりが極めて過剰です。

    でもこの小説全体が語るものは、想像力という点において中途半端は許されず、とにかく過剰でいることがこの世界では必要ということであって、だからこそこの小説もここまで過剰に語っているのかもしれないな、と思う訳です。

    あと個人的にアネモネちゃんがとても魅力的でした。
    ワニとか全く興味がなかったけど、今度動物園とか行く機会があったらしげしげと見てしまいそう。笑

  • 卑猥で暴力的で差別的で狂っている描写が最初から最後まで貫かれ、読み手の僕には全くついて行けいない世界が描かれている。想像力を働かせて何とか楽しむ努力をしてみたけど、最後まで読んでひとつも面白くなかった。久しぶりに長く辛い読書になった。

  • 1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。母親を探して九州の孤島から消えたハシを追い、東京へとやって来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会うー。
    ようやく読むことができました。予想以上に疲労たっぷりな読後感。体中に毒が回っています。。
    【第3回野間文芸新人賞、おくダマ賞2017】

  • 勢いで一気に読んだけど、なんだろう?
    なんとも言えない読後感。不快ではないけど良くもなく、つまんなくもないけど面白かったというのも少し違うし、まったく理解できないわけじゃないが説明もできない。
    爽快なような、グロテスクのような。濃厚でエネルギーに溢れてて、映像が浮かぶので映画みたいだった。あんまり温度は感じなかったけど。
    時間をおいて再読したいかも。

  • 捨て子の生き様。過去とどう向き合い、どう処理していくのかについて、同時に捨てられた2人の別々の生き方を通じ、描き出されていきます。テーマの重厚性と照らし合わせた場合に、然るべき文体なんだけど、カッコ付きの会話文が殆どなく、殆ど句点で繋がれながら続いていく文章は、読む側にも結構な踏ん張りを要求する。単に自分の持久力のなさかもしれないけど、当初上下巻に分かれていたのもむべなるかな、と思ってしまいました。一冊モノではありながら、途中で一休みして、別の小説を挟んでしまいました。それでも読了の価値はあったし、更には、中高生くらいの時代に、頑張って読んでおくべき作品かな、と感じました。

  • 15.nov.17

    1/4くらい読んだけど耐えられなくなって読むのやめた!最近こういうの多い…

    又吉先生が推薦してたおかげで平積みしてる本屋もあったけど、私には合わないかな。
    ダイナーもそうだけど、私にはこういう小説が暴力的だったり退廃的「だけ」に見えちゃうのかもしれない。残念。

  •  作者特有の長いセリフの言い回し、ムカムカするような状況説明、言葉の羅列には意味のあるものと無いものが長々と続く。
     はっきり言って、読みにくい。読み進めるのに時間がかかった。

     しかし、この読後感はなんなのか。評価しづらい作品である。
     この本に限ってはインターネットで「コインロッカー・ベイビーズ 評価」と検索してしまった。
     自分の物差しでは評価できないと思ったからだ。

     ジャンルはSFだが純文学に値するらしい。普通の娯楽小説とは一線を画す。

     村上龍の本は今まで読んだのは、「半島を出よ」「希望の国のエクソダス」だがこれは娯楽小説だった。
     今作は「歌うクジラ」の系統だ。本当に読みにくい。進まない。

     しかし、何かのメッセージ性はある。キクとハシが閉じ込められていたコインロッカーは閉鎖を表すが、そのまま世の中を表している。
     世の中を破壊するために行動するキク、世の中に順応し成功したが精神を病んでしまうハシ。
     
     方向性のない若者の怒り、単純化すると「ライ麦畑でつかまえて」のホールデン少年を思い出す。

     つまり、この作品はもしかしたら若い時に読むのと、年をとってから読むのでは感想がまるっきり変わるものだったのかもしれない。
     若者にしか分からない、若者に寄り沿う小説だったのではないか。

     
     コインロッカーに置き去りにされた赤ん坊のうち、生き残ったのはキクとハシの二人だけだった。
     二人の精神的成長は遅かったが、特別な「音」を聞かせたことにより劇的に改善された。

     成長した二人は里親に引き取られたが、ハシは母親を追い、キクはハシを探して九州の孤島を離れた。そして鰐を飼う少女アネモネと出会う。

     歌手として成功をおさめるハシ、一方で刑務所に入れられるほどの罪を犯すキク。
     東京を破壊するという一心で、小笠原の深海に沈むダチュラを目指して脱獄する。


     若者特有の有能感と世の中に対する怒りが向かう結末は。

  • コインロッカーで世に産み落とされた子どもが、未だ知らない母親の胎内を探す。探せど探せど見つからなくて、破壊と再生を繰り返して、最後には「死んで」、「産まれる」。

    この先彼等がどうなるのか、或いは彼等を捨てたが故に破壊される世界がどうなるのかは解らない。この先にあるのが絶望なのか希望なのかも解らない。

    ただ単純なことを言えば、苦しんで苦しんでここまで生き抜いて、一つの答えを見つけた彼等に、小さな幸せのある未来があるようにと祈るばかりである。

    そして私達も同じ。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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