新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3276
レビュー : 282
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764162

感想・レビュー・書評

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  • p552「俺は跳び続ける、ハシは歌い続けるだろう、夏の柔らかな箱で眠る赤ん坊、俺たちはすべてあの音を聞いた、空気に触れるまで聞き続けたのは母親の心臓の鼓動だ、一瞬も休みなく送られてきたその信号を忘れてはならない、信号の意味はただ一つだ。」
    孤児、養子に入った家庭、絶望などから、破滅の予感にハラハラしながら読んでいたが、危ういところで健全、というか前向きな登場人物たちだった。あんな終わりなのに読後感は割と良い。
    ハシもキクも、コインロッカーで見つけられた孤児という生い立ちから、常に孤独でなにかを縋るように探していて、その二人の結びつきであったり異常な行動とその下の哀しさみたいなものをひしひしと感じた。

  • 生理的嫌悪を細部まで積み重ねてゆく。終盤、ハシの幻想からキクの内面に移っていくシーンがよかった。自己言及が多いあたり、ちょっと大衆向けになったなとも思う。

  • 2018/04/09-05/01

  • とりあえず一言。ダイビングやっててよかった。より面白く読めた。

  • 衝撃としか言いようがない。小学生の時に図書室で読んだのが本当に忘れられない。よく挫折せずに読了できたなぁ。
    読み終えた後もなかなか抜け出せなくて、何故かすごく落ち込んでて学校のトイレとかに1人こもってた覚えがある。
    あと、当時意味もなくダイビングやりたいって無性に思ってた。笑
    また人物とか名前も良くて。キクもハシもダチュラもアネモネも、どこかで聞けば今でもすぐこれを思い出す単語です。

  • コインロッカーに捨てられた2人の少年が辿る、毒々しい運命の物語……と一言でまとめるのは簡単だが、読む側の心を掻き毟る凄まじさは尋常ではない。極端に少ない改行で、頁が真っ黒になるほど埋め尽くされた文字また文字。描写するというより、叩きつけると言ったほうが似合いそうな筆致に圧倒された。

  • 2~3年ぶりに読んだ「コインロッカー・ベイビーズ」。自分が読んできた小説の中でも間違いなく特別な作品。
    初めて読んだのは中学の頃だったはず。それまでにも物語に感動したことはあったがそれとは全く別物の衝撃を受けた。
    まるで文章が叫んでいるような錯覚と世界観に呑み込まれる奇妙な快感を覚えた。それから何度となく読み返している。手に取るとき若干の覚悟をしながら。
    キクの抑えきれない激情、ハシの狂気を孕んだ歌声、アネモネの持つ不思議な色香。何度読んでも登場人物たちの魅力は全く色褪せない。むしろその時の自分を投影するように彼等は様々な表情を見せてくれる。
    決して読みやすくないし、人にも薦めにくい。
    それでもこの小説に出逢えたことは(それもキクやハシと同年代の頃に)、自分にとって大きな意味があったと確信している。
    何度でも向き合いたくなる、そして心を揺さぶられる僕にとっての人生最高の一冊。

  • SF?純文学?ジャンル分けはわからないけど、とにかく描写がすごい。炭鉱街の廃墟、薬島の部分がとくに好きでした。たぶん気が狂ってる、そういう登場人物ばっかりなんだけど、みんな目指してるのは「コインロッカーから出ること」なのかななんて思ったりしました。狭くて暑くて苦しいコインロッカーから脱出するのに、ハシは歌を歌ったし、キクはダチュラを求めた。ところで話のラスト、キクとアネモネはやったってことでいいんですかね!?そしてハシもやった。読後感は良くはない。だけど好きなお話でした。読むのは少ししんどいけど。

  •  再読、某書店(BOOK・OFF)で新装版をやっと見つけたので即買い。単行本は1980年10月28日発行、当時、新刊で本屋に平積みされていた。読んだという記憶があるだけで、内容はすっかり忘れ、本もすでに手元にはない、ずっと気になっていた作品である。

     周期的に村上龍を読みたくなる病にかかっているわたしだが『コインロッカーベイビーズ』を再読しみて、著者を代表するこの大作で、村上龍は完結してるとあえて言い切ってみる。この1冊を読んで魅力なしと感じるなら、別の作品を読んでも時間の無駄かも、☆3つの理由は・・・

    この物語は、コインロッカーにすてられれても尚、生きながらえた二人。その後の人生を描く、汚染された東京など、近未来を舞台にしていることもあり、多分に夢心地な内容を含でいる。題名から社会派な問題をなげかえているかに思えたが、ただただ、登場人物の奇怪な行動が目立ってしまった。この小説を皆にすすめられない理由がそこにある。

  • 2017.9.28

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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