新装版 動く家の殺人 (講談社文庫)

著者 : 歌野晶午
  • 講談社 (2009年8月12日発売)
3.14
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  • 本棚登録 :291
  • レビュー :46
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764391

作品紹介・あらすじ

名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。六年前の稽古中の死亡事故と関係が?信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第三弾。

新装版 動く家の殺人 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 名探偵・信濃譲二を知らない。それはこの本を読む上で関係あるのだろうか?ある劇団内で起きる死亡事件。謎解きをしていく信濃なのだが。私にとってはしっくりこないのでした。

  • なるほどなー。
    彼の印象がちょっと違うよねーと思いながら読んでましたが、(これは某館の彼にも共通するけど)
    こういうオチだったのね。

    でもって、本当に作者は信濃譲二を捨てたかったんだね。
    何とも後味の悪い作品ですが、これは歌野ならではって感じで、嫌いじゃないですw

  • 信濃譲二シリーズ3作目。
    深水黎一郎『トスカの接吻』や森博嗣『笑わない数学者』を思い出す。が、途中から全然別の方向に。
    これはユーモアミステリー!

  • 『犯人を捕まえ、社会的な制裁を加えることに意味はない。何故なら、事件が起きた段階ですべてが終わっているからだ。

    犯人を捕まえたところで事件以前の状態に戻すことができないのがなによりの証拠じゃないか。

    重要なのは事件を未然に防ぐことで、それがかなわず事件が起きてしまったのなら、犯人捜しはただのゲームさ。だったら、事実から真実を導き出すまでの過程をゲームとして楽しもう。』

    ミステリの存在論ですね。
    このシリーズは好きだったんだけど、長編3作で終わりだなんて残念だ。

  • そういう展開かい!って思わずツッコミを入れたくなる最後でした。

  • 信濃譲二が殺された。

    最後に会った時に酒に酔っていた彼のことを思い出しながら、市之瀬は真相を知りたいと家を飛び出した。

    マスターストロークという売れない劇団が募集していた製作に応募した信濃。

    何でも係りと言われる製作のポジションである信濃は、劇が成功するために効率よく仕事をこなす。

    一方で、劇団員である毛利恭子と深い関係に。

    今回の舞台はユーモアを交えた犯罪劇で、本を書いている滝川陽輔は癪に触る男だった。

    他にも、劇団の代表の風間、顔色の悪いひょうきんな住吉、<ブースカ>こと斎木、恭子と違い大根のみさと、という一癖も二癖もある劇団員達だった。

    そしてとうとう彼らが作り上げてきた舞台が、ようやく晴れの日を迎える。

    上演の舞台は、以前劇団に所属し、稽古中に事故で亡くなってしまった女性の父親が設計した豪華な建物だった。

    ゆで卵好きの彼女にちなんで、ゆで卵型の構造になっている。

    そして、上演が始まり、事件の幕があがった。


    名探偵信濃譲二シリーズの第三弾にして、最後の事件、のようです。

    最初にネタバレしますが、本を読み進めて8割ぐらいのところで、<製作をしていた信濃譲二>は偽者だった、ということが明らかにされます。

    この<信濃譲二>の正体は、冒頭で本物の信濃が酒を飲んでよっぱらってるうちに落とした鞄から保険証を盗み、<信濃譲二>として劇団員を欺いていた詐欺師、というのが最大のトリックでした。

    物語は、上映中に住吉が刺され無事命は助かるものの、次は滝川が本当に亡くなり、犯人は誰か?という所を<信濃>が推理していくのですが、その<信濃>が偽者だった、というのは読者が驚く仕掛けになっていて面白かったです。

    さらに<信濃>が披露した特殊な建物を利用した殺人、というのも間違いだった、というのも面白かったです。

    歌野氏のデビュー作であり、信濃シリーズの最初の作品である『長い家の殺人』がとても読みたいです。

  • 信濃のキャラが崩壊しているので、なんとなく嫌な予感はしてたけどその通りだった。もう探偵ものはしばらくいいや。

  • 三部作の中で一番良かったと思います。構成やプロットの切り口が良く、ミステリー作家としての力量を感じさせます。
    衝撃的な冒頭から始まり、ぐいぐい物語に引き込まれていきます。著者らしいどんでん返しもあり非常に楽しめましたが、殺人事件の真相はちょっとがっかりさせられました。

  • 前半がたるむが、後半の流れは面白い。ただよくある流れな気がして、行き詰まった感がある。

  • 3- 

    【完全ネタバレ感想】
    本編のほとんどは信濃譲二?の一人称で語られるのだが、『長い〜』や『白い〜』の既読者からしてみれば(先に『放浪探偵〜』も読んでいればなおのこと)、こいつは違うなという印象を早々に抱くのではないだろうか。書かれて然るべきことが書かれていないと読み手に気付かれると、作者の作為は簡単に見抜かれてしまう。途中、容易に考えつきそうな自作自演説に一切触れず、物理トリック推理合戦に突入するのも腑に落ちない。そもそも残り頁数からこれが茶番だと察せられて空しいし、何しろ事件の真相は、その真っ先に想像のつく最もありそうな結末に落ち着くのだから、拍子抜けもいいところだ。

    ミステリの創作は難しいな、と思い至っても不思議ではない。結局この路線に閉塞感を覚え、名探偵を捨て、新たな地平を切り開こうとした作者の決断は、その後の作品の受け入れられ方を見るに正解だったのかもしれない。しかし信濃譲二はどこか憎めないキャラクターだけに、少し残念でもある。本作でも、終盤に本物の彼が登場し語り出すと、あーこれこれ、と思わずニヤリとしてしまう。シリーズ・キャラクターがもたらす安心感、名探偵への信頼感、それによりもたらされる説得力は作品にとって大きな力となる。もう少し彼の活躍を読んでみたかった。常にタンクトップでも笑って済ませて。

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