新装版 動く家の殺人 (講談社文庫)

  • 講談社 (2009年8月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784062764391

作品紹介・あらすじ

青年探偵・信濃譲二シリーズ
青年探偵はなぜ殺されなければならなかったのか!?「家」シリーズ完結! 傑作本格推理第3弾

名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。6年前の稽古中の死亡事故と関係が? 信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第3弾。

そこには生涯をミステリに捧げることを誓った若き推理作家の、並々ならぬ決意が読み取れる。確かなものは残り続け、読まれ続けなければならないのだ。――霧舎巧氏「解説」より

※本作品は、1989年8月、講談社ノベルスとして
初版刊行され、1993年に文庫版として刊行した作品の新装版です。

みんなの感想まとめ

探偵・信濃譲二が劇団で巻き起こる殺人事件を解決する本作は、緊迫感あふれるストーリー展開が魅力です。特別公演の初日に発生した惨劇を背景に、過去の事故と絡む複雑な人間関係が描かれ、読者は推理を楽しむことが...

感想・レビュー・書評

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  • 最初の一文と最後の一文が本当に光った。切ない終わり方ではあったが、これはこれできっちり纏まったのかな。これでこのシリーズ終わりだと分かりつつもこの主役の探偵が好きで読みたくなる。

  • 割と古典的?殺人事件。

    会社の方からお借りした一冊。
    少し時代は古いが十分楽しめる作品だった。

    信濃譲ニが殺された。
    話はそこから展開していく。

    信濃譲ニ?
    この作家さんの名探偵なのかな?
    自分には記憶が無く、取り敢えず御手洗清とかそういう位置付けで読んでみる。
    多分その読み方が正しいのだろう。

    劇団の中で起こる殺人事件。
    事件が起こった小屋は、かつて劇団の中での事故で娘の命を失った、建築家の父親が建てた小屋だった。

    犯人は誰なのか!?何故殺されなければならなかったのか!?

    いくつかのどんでん返しがあり、ミステリ好きには十分楽しませてもらえる作品だった(*^▽^*)

  • 劇は面白いと思わなかった。信濃目線に違和感があったのでおおよその想像はついた。動く家は結局動かないし、犯人も分かりやすい。そして、信濃、退場。
    そこそこ楽しんだが、家シリーズ(信濃譲二シリーズ)はどれも「そこそこ」止まりだった。発表された当時だったら違う感想を持ったかな。

  • 「結論からいおう。
    信濃譲二は殺された」で始まり、
    「手摺の向こうに、彼」で終わる。
    始まりも終わりも印象的。
    ミステリとしてはトリック、真相は正直大したことはないのだが、やはり歌野晶午の作品の雰囲気が好きだ。
    初期の作品、中期の作品、最近の作品、作風は変化しているが、どこか共通する雰囲気がある。

    歌野晶午然り、有栖川有栖然り、独自の雰囲気を持っている作家は強いのかもしれない。
    "歌野晶午好き"を再認識。

  • 名探偵・信濃譲二を知らない。それはこの本を読む上で関係あるのだろうか?ある劇団内で起きる死亡事件。謎解きをしていく信濃なのだが。私にとってはしっくりこないのでした。

  • 信濃譲二シリーズ3作目。
    深水黎一郎『トスカの接吻』や森博嗣『笑わない数学者』を思い出す。が、途中から全然別の方向に。
    これはユーモアミステリー!

  • 『犯人を捕まえ、社会的な制裁を加えることに意味はない。何故なら、事件が起きた段階ですべてが終わっているからだ。

    犯人を捕まえたところで事件以前の状態に戻すことができないのがなによりの証拠じゃないか。

    重要なのは事件を未然に防ぐことで、それがかなわず事件が起きてしまったのなら、犯人捜しはただのゲームさ。だったら、事実から真実を導き出すまでの過程をゲームとして楽しもう。』

    ミステリの存在論ですね。
    このシリーズは好きだったんだけど、長編3作で終わりだなんて残念だ。

  • そういう展開かい!って思わずツッコミを入れたくなる最後でした。

  • 信濃譲二が殺された。

    最後に会った時に酒に酔っていた彼のことを思い出しながら、市之瀬は真相を知りたいと家を飛び出した。

    マスターストロークという売れない劇団が募集していた製作に応募した信濃。

    何でも係りと言われる製作のポジションである信濃は、劇が成功するために効率よく仕事をこなす。

    一方で、劇団員である毛利恭子と深い関係に。

    今回の舞台はユーモアを交えた犯罪劇で、本を書いている滝川陽輔は癪に触る男だった。

    他にも、劇団の代表の風間、顔色の悪いひょうきんな住吉、<ブースカ>こと斎木、恭子と違い大根のみさと、という一癖も二癖もある劇団員達だった。

    そしてとうとう彼らが作り上げてきた舞台が、ようやく晴れの日を迎える。

    上演の舞台は、以前劇団に所属し、稽古中に事故で亡くなってしまった女性の父親が設計した豪華な建物だった。

    ゆで卵好きの彼女にちなんで、ゆで卵型の構造になっている。

    そして、上演が始まり、事件の幕があがった。


    名探偵信濃譲二シリーズの第三弾にして、最後の事件、のようです。

    最初にネタバレしますが、本を読み進めて8割ぐらいのところで、<製作をしていた信濃譲二>は偽者だった、ということが明らかにされます。

    この<信濃譲二>の正体は、冒頭で本物の信濃が酒を飲んでよっぱらってるうちに落とした鞄から保険証を盗み、<信濃譲二>として劇団員を欺いていた詐欺師、というのが最大のトリックでした。

    物語は、上映中に住吉が刺され無事命は助かるものの、次は滝川が本当に亡くなり、犯人は誰か?という所を<信濃>が推理していくのですが、その<信濃>が偽者だった、というのは読者が驚く仕掛けになっていて面白かったです。

    さらに<信濃>が披露した特殊な建物を利用した殺人、というのも間違いだった、というのも面白かったです。

    歌野氏のデビュー作であり、信濃シリーズの最初の作品である『長い家の殺人』がとても読みたいです。

  • 信濃のキャラが崩壊しているので、なんとなく嫌な予感はしてたけどその通りだった。もう探偵ものはしばらくいいや。

  • 三部作の中で一番良かったと思います。構成やプロットの切り口が良く、ミステリー作家としての力量を感じさせます。
    衝撃的な冒頭から始まり、ぐいぐい物語に引き込まれていきます。著者らしいどんでん返しもあり非常に楽しめましたが、殺人事件の真相はちょっとがっかりさせられました。

  • 前半がたるむが、後半の流れは面白い。ただよくある流れな気がして、行き詰まった感がある。

  • 3- 

    【完全ネタバレ感想】
    本編のほとんどは信濃譲二?の一人称で語られるのだが、『長い〜』や『白い〜』の既読者からしてみれば(先に『放浪探偵〜』も読んでいればなおのこと)、こいつは違うなという印象を早々に抱くのではないだろうか。書かれて然るべきことが書かれていないと読み手に気付かれると、作者の作為は簡単に見抜かれてしまう。途中、容易に考えつきそうな自作自演説に一切触れず、物理トリック推理合戦に突入するのも腑に落ちない。そもそも残り頁数からこれが茶番だと察せられて空しいし、何しろ事件の真相は、その真っ先に想像のつく最もありそうな結末に落ち着くのだから、拍子抜けもいいところだ。

    ミステリの創作は難しいな、と思い至っても不思議ではない。結局この路線に閉塞感を覚え、名探偵を捨て、新たな地平を切り開こうとした作者の決断は、その後の作品の受け入れられ方を見るに正解だったのかもしれない。しかし信濃譲二はどこか憎めないキャラクターだけに、少し残念でもある。本作でも、終盤に本物の彼が登場し語り出すと、あーこれこれ、と思わずニヤリとしてしまう。シリーズ・キャラクターがもたらす安心感、名探偵への信頼感、それによりもたらされる説得力は作品にとって大きな力となる。もう少し彼の活躍を読んでみたかった。常にタンクトップでも笑って済ませて。

  • 信濃譲二もの。マスターストローク(神業)という小劇団の制作を信濃譲二がやることになる。その小劇団は、近く6年前に事故死した所属団員の清美をなくしていたが、その追悼公演で清美の父の小屋で演劇をやることになるが、その劇中に事件が起きる――。
     信濃譲二最後の事件で、冒頭の「信濃譲二は死んだ」にはやられました。読み始めた瞬間から「えっ」となって、とても惹きつけられました。本作品は信濃視点で物語が進行していくので、冒頭のこの部分は感情移入しやすくなりましたね。
     物語としては、ラストまでの流れが少々長く、前半は退屈していた部分も多くあったものの、後半はとてもよかったです。前半も意味はわかるのだけれど、長すぎたかなあという印象です。最後のはしてやったりと思っていたら、衝撃が来たのでやられました。やっぱり、そんな単純に行くわけはないですよねえ……。
     なんだかんだ信濃のことが好きではなかったのですが、こう退場するとなると寂しいものです。復活の予定もない彼ですが、いずれ「おう久しぶり」と帰ってくることはあるのでしょうか。

  • 家シリーズ第3弾。信濃譲二が死んだ、のか。うーん、どうもぼくにはこの作品はよくわからなかった。前後の部分は省いて中にある劇中殺人部分に関しては、ドタバタの脚本部分も含めまあそれなりにおもしろく読めたので、そのまま動く家の殺人で終わってくれた方がすっきりしたのでは。こういう荒唐無稽な機械的トリックはあまりにもつくりものではあるけれど、どだいこういう小説自体がつくりものなんだから、ぼくには全然許容だ。そもそも小説に現実的でないとか不可能だとかいう批評は的外れなのだ。
    まあそれではあまりに底が浅すぎるといえばそうではあるけれど。でもそれならそれで本編最後の純愛仕立て部分を取り込むこともできたのでは。
    なのでプロローグとエピローグの叙述トリック?は蛇足ではないか。新本格のなかで歌野晶午はわりと買っていたんだけど、これはなんだかなあ。

  • 「葉桜~」が良かったので読んでみましたが、島田荘司直系の型破りなトリックが良かった。残念ながら本作のトリックをそのまま流用したドラマ「ケイゾク」を既に見ていたので、驚きが半減していたのだが・・・その手の免疫が無い方にはお勧めです。プロローグから始まって至る所にミスリードの工夫がなされていて、楽しいです。

  • 前2作とはちょっとテイストが異なる。
    なんせ、最初の2行で探偵役の信濃が死ぬんだから。
    主人公も今回は迷探偵の徹ではないしねー。

    ただ、最初から違和感がありましたよ。
    で、やっぱりそうかと。
    この作品がきっと『葉桜~』の基になったんだろう。

    ミステリとしてかなり楽しめますが、タイトルはちょっといただけない。
    反則でしょーってかんじ。

    「きっとこうなんだろうな」
    「あー、やっぱり」
    「・・・ち、違うのか。。。」
    こういうところはさすが歌野さんです。

    なんだか良し悪しの混じったレビューになったけど、
    全体的には面白かった。
    そして、最後の1行が醸し出す余韻は、ミステリにはもったいない。

  • 譲二についてより、最後の一文にざわっとした。
    あとタイトルにちょっと笑った。

  • 9月9日読了!信濃譲二シリーズ第三段!だまされた!ジョージが死んだって時点で、半分読む気が失せ…でも手が止まらなくて…最後にそう言うことだったの!で一安心wでも最後は…やってくれるぜ、信濃譲二!

  • 「手摺の向こうに、彼」

    この一言に、歌野晶午先生の変革期を感じますね…。
    まだ初期のものではあるけれど、変わりゆく歌野先生を感じることができる作品になってます。

    特に…ね、読者にたいしての裏切りが、「あ、歌野先生だ」と思わせてくれました。

    おすすめです。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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