赤い指 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 22905
感想 : 1683
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764445

作品紹介・あらすじ

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 加賀恭一郎シリーズ第7弾。
    今日今現在、私にとってはシリーズの中で1番の作品。
    サスペンスでありながらもヒューマンドラマの要素が強かった印象。
    家族の在り方、親子の在り方、今となっては父親であり息子でもある私自身が、もしも本作のストーリーのそれぞれの立場だったなら…。そう考えると非常に感慨深いものがあった。

  • 「しっかり、加賀君のやり方を見ておくんだぞ。おまえはこれから、すごい状況に立ち会うことになるからな。」加賀刑事の慧眼ぶりに心が沸き立ってしまいます。これから何が起こるのかと。
    東野圭吾さんのミステリーはとても読みやすく、すいすい頭に入ってきます。少しずつ、でも確実に真相へと近づいていく。鮮やかに場面の推移が浮かんでくる。
    その間の心理の読み合いは見ごたえがあり、相手の遥か上を行っているのも面白いです。得られる深い人間への洞察はミステリーならでは。
    しびれるやりとりに、あっという間に読了してしまいました。

  • 加賀恭一郎シリーズ。
    表向きは平穏そうな家庭でも、それぞれに悩みや問題がある。
    その中のひとつ家庭の物語。
    殺人事件に絡み明かされる複雑な家族の肖像。
    その結末はやはり…
    「彼ら自身の手によって明かされなければならない」
    この言葉に尽きると思いました。
    この家庭には本当に胸糞感しかなかったけど、最後には…。
    ラストは加賀自身の家族の事も。
    これには心打たれました。

  • 加賀恭一郎シリーズ7作目は、家族の問題を扱った作品。嫁・姑の確執、母親の溺愛と父親の無関心が生んだ精神未熟なモンスター、そして父・息子の反発。

    中学生の息子(直巳)が少女を絞殺。息子を溺愛する母親(八重子)に懇願され、隠蔽工作に奔走する父親(昭夫)。人倫にもとるシナリオ。昭夫は、果たして人の道を踏み外してしまうのか。全てお見通しの加賀恭一郎はどう裁く?

    所轄の刑事加賀と組んだ捜査一課新米の松宮(加賀の従兄弟)は、父親に対する加賀の態度に反感を覚えつつも、加賀の捜査手腕に舌を巻く。芝居じみたちょっと出来すぎな展開で、やや興ざめ。

  • 加賀恭一郎シリーズ 7作目

    嫁姑問題・老人介護問題・少年犯罪等、解決するのが難しい問題を織り交ぜて、息子が犯した犯罪を、有る手段--それは人間として絶対にしてはいけない手段を思いついた両親を「彼ら自身によって明かされなければならない」と、加賀恭一郎は、両親の良心に訴えて、見事に、解決する。

    それと同時に、恭一郎の父親・隆正の最後が描かれる。

    病室で、隆正が看護師と打っていた将棋の相手が実は、恭一郎が一手ずつ、看護師に指示していた事。
    最後まで、自分に会いに来るなと言った、隆正・恭一郎親子が決めた事。
    感動的だった。

  • 【感想】
    何度か読んだ本で、本当に面白いのだけど、読後のこのモヤっとした陰鬱な感じは変わらない・・・
    どの家庭でも起こりうる、そして起きれば防ぎようのない、決して「対岸の火事」ではないトラブル。
    「仕事三昧で家庭を顧みる事が出来ない」という点、「親の介護」という点、「実子が犯す犯罪」という点。
    非常にデリケートで、これって事故のように回避することが中々難しいのではないかと思う。
    自分に子どもができて家庭を持った際、果たしてうまく生きる事ができるのかなぁ?

    本作品は、加賀恭一郎シリーズの中でも、トップクラスにメッセージ性のある作品だと思う。
    また、加賀親子のギクシャクとした中にも、お互いを知り思いやる気持ちが垣間見えたあたりは、本当に面白かった。


    【あらすじ】
    どこの家でも起こりうること。
    だけどそれは我が家じゃないと思っていた。
    平凡な家庭で起こった、2日間の悲劇

    人は事件の裏側にある別のものを隠し、苦しんでいる。
    加賀恭一郎は、その苦しみから救済し、人の心を解きほぐす。
    「刑事の仕事は、真相を解明すればいいというものではない。いつ、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ」

    少女の遺体が住宅街で発見された。
    捜査上に浮かんだ平凡な家族。
    一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。
    「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。
    刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は? 
    家族のあり方を問う直木賞受賞後第1作。


    【引用】
    p80
    怖い理由はそれだけではない。
    もし警察に通報するのであれば、これほどの恐怖は感じないはずだった。
    正当な理由のもとでなら、死体を段ボール箱に入れることも、さほど苦痛ではないと思えた。
    自分のやろうとしていることのあまりの非道徳さに怯えているのだ、と昭夫は気づいた。


    p129
    「事件に慣れることなんてない。殺人を担当している間は特にそうだ。
    遺族が泣く姿を見るのに慣れるようじゃ、人間として問題がある。
    俺が訊いたのは、刑事という立場に慣れたかという意味だ。」

  • この作品で東野圭吾にはまりました。
    単なるサスペンスではなく、人の切ない心の機微が伝わってくる作品でした。

  • 衝撃だった。父母も絶賛していた。
    家族のお話、である。

    東野圭吾さんはどうしてこうも「どうしようもなく悲しい人間の性」を映し出すのが上手いんだろう。
    これは実写化でも観たが、本でもテレビでもとにかく良かった。良かった、というのは…悲しいのと、悲しいのと、本当の愛の痛さと……

    東野圭吾さんシリーズで1作選べと言われたら、
    私はこれを選ぶかもしれない。

  • シリーズ物だったから買った一冊。

    事件は読者は犯人がわかっている状態で、どう警察が事件を解決するかの話しだった。

    こうゆう構成だと、事件解決のドキドキが薄れる感じがするが、自分は好きな構成だった。

    罪を犯した我儘な息子、隠そうとする母親、言い返せず流される父親
    父親がしっかりしていれば、よけいな罪を犯さず済んだのに

    嘘をついたことでいろんな人を傷つけた事件だった。

    主人公とその父親の関係には感動した。

    表面上ではぎくしゃくしたように見える親子関係だが、実は父親と繋がっていた。
    涙がでそうになる最後だった。

    主人公の洞察力はすごい。
    このシリーズだんだん面白くなってきたと感じた小説でした。

  • 1番悪いのは殺人を犯した息子だけど、元凶は八重子。

    悪意に次いで2度目の加賀刑事だったけど、これを気に加賀シリーズは全て読まなきゃなと思った。
    過去に読んだ東野圭吾の作品の中で1番好きな話だった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

「2022年 『希望の糸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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