赤い指 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 17783
レビュー : 1471
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764445

作品紹介・あらすじ

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    何度か読んだ本で、本当に面白いのだけど、読後のこのモヤっとした陰鬱な感じは変わらない・・・
    どの家庭でも起こりうる、そして起きれば防ぎようのない、決して「対岸の火事」ではないトラブル。
    「仕事三昧で家庭を顧みる事が出来ない」という点、「親の介護」という点、「実子が犯す犯罪」という点。
    非常にデリケートで、これって事故のように回避することが中々難しいのではないかと思う。
    自分に子どもができて家庭を持った際、果たしてうまく生きる事ができるのかなぁ?

    本作品は、加賀恭一郎シリーズの中でも、トップクラスにメッセージ性のある作品だと思う。
    また、加賀親子のギクシャクとした中にも、お互いを知り思いやる気持ちが垣間見えたあたりは、本当に面白かった。


    【あらすじ】
    どこの家でも起こりうること。
    だけどそれは我が家じゃないと思っていた。
    平凡な家庭で起こった、2日間の悲劇

    人は事件の裏側にある別のものを隠し、苦しんでいる。
    加賀恭一郎は、その苦しみから救済し、人の心を解きほぐす。
    「刑事の仕事は、真相を解明すればいいというものではない。いつ、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ」

    少女の遺体が住宅街で発見された。
    捜査上に浮かんだ平凡な家族。
    一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。
    「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。
    刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は? 
    家族のあり方を問う直木賞受賞後第1作。


    【引用】
    p80
    怖い理由はそれだけではない。
    もし警察に通報するのであれば、これほどの恐怖は感じないはずだった。
    正当な理由のもとでなら、死体を段ボール箱に入れることも、さほど苦痛ではないと思えた。
    自分のやろうとしていることのあまりの非道徳さに怯えているのだ、と昭夫は気づいた。


    p129
    「事件に慣れることなんてない。殺人を担当している間は特にそうだ。
    遺族が泣く姿を見るのに慣れるようじゃ、人間として問題がある。
    俺が訊いたのは、刑事という立場に慣れたかという意味だ。」

  • 加賀シリーズは業の深い人間がしばし出てきて、ともすれば人間不信になりそうだけど‥‥今回は加賀シリーズ最悪、いや東野圭吾最悪の嫌な人間が登場する。

    事件に関係しているある一家の話がクローズアップされている。中学生の息子はどうしようもないバカで、父親も家庭を省みない無責任な所がある。でも私が一番不快感を感じるのは母親だ。

    文句ばかり言って、自分が幸せになるための努力を全くしない。子どもを溺愛していて一見愛情深い母親のようだけど依存しているだけ。

    なんともやるせない話だった。最後の認知症のおばあちゃんと加賀の両親の話があったので、救われた気がした。

  • この本を読んで思ったのは、問題を先送りにしていると雪ダルマ式に大きくなって結局自分に降りかかってくるということ。

    主人公は40代の中年男。
    オタクの息子が少女を殺したという事実を痴呆症の母親がやった事にしようと工作する。

    家族との関係に絶望をしてしまい自分の世界に入ることにしたという母親の気持ちが理解できた。
    ただずっと痴呆症のふりなんて出来るものかなと疑問に思った。

    • 風太郎さん
      フォローありがとうございました。
      「赤い指」も好きな作品の一つです。
      katatumuruさんの読書量には驚きました。
      こんなに読めるなんて...
      フォローありがとうございました。
      「赤い指」も好きな作品の一つです。
      katatumuruさんの読書量には驚きました。
      こんなに読めるなんて、うらやましいです。
      2013/07/22
    • katatumuruさん
      風太郎さん、コメントをいただきありがとうございます(^^)

      読書量・・・とんでもないです!
      こちらには他の読書サイトに載せていたレビューを...
      風太郎さん、コメントをいただきありがとうございます(^^)

      読書量・・・とんでもないです!
      こちらには他の読書サイトに載せていたレビューを移行している最中なんです。

      所で、風太郎さんのお名前は山田風太郎さんからつけられたんでしょうか?
      私はまだ一冊しか読んでないんですが、ものすごいインパクトのある本ですごく印象的でした。
      2013/07/23
  • この作品で東野圭吾にはまりました。
    単なるサスペンスではなく、人の切ない心の機微が伝わってくる作品でした。

  • 殺人犯の家族の隠蔽工作から物語が始まり、犯人が糞ガキな事もあって最初は嫌悪感いっぱいで読むのが苦痛でした。
    加賀がなぜ病気で余命幾ばくもない父親に会わないのか苛つきもありました。
    しかし、最後まで読み進めて、涙がでてきました。
    世間の認知症のご老人に対する態度に対する反感が感じられました。
    初の東野圭吾でしたが、とても読みやすく、先が気になり夢中で読めました。他の作品も手にとってみます。

  • 「赤い指」は認知症を演じたお婆ちゃんの必死の訴えだった。自分の子供が自ら正しい道に戻るように。でも、どうして認知症を演じていたのかは少し謎。

    家族って何だろう。子供を育てるって何だろうと考えながら読んだ。

    正直、直己の考えが分からなかった。どうして何もかもを親のせいに出来るのか。どうして人を殺しておきながら自己嫌悪に襲われないのか。それは無意識のうちに人を見下す態度や、人に対する愛情をみて育ったからだと分かった。子は親の鏡というけれど、その通り。
    親も親で特に母親が典型的な毒親。子供を守るということをはき違えてるな、と。父親も自分の都合主義で家庭のことは放置。母親のストッパーにも母親の異常な愛し方にも気がつかなかった。この家族についての話は読んでいて正直気分がよくなかった。

    その一方で、卒業以来、ようやく加賀恭一郎の核心に迫ってきた。お父さんとの関わり、人には見えない柔らかな優しさや絆ってやっぱりあるんだなって思った。加賀の周辺のことが少し分かってきて、そういう意味で次を読むのが楽しみ。

  • 警察側と犯罪者側と両方の視点から描かれる本作は、先が気になって仕方がなくなるような、犯人探しのミステリーではなく、家族を題材としたヒューマンドラマを描いたものだった。
    内容は介護や子育てといった、家庭を持つ人なら誰もが一度は通る道であろう家庭問題に紐づけられた犯罪で、重たい内容だった。また、それが重たいと感じるのは、少なからず自分にも当てはまる部分があるからであり、犯人の心情を考えると同時に自分自身を振り返えらされるものであった。
    全体的にモヤモヤする内容であったが、最後の最後にとった犯人の行動に、少しだけ気持ちが晴れた。逃げる事は何も解決に繋がらないということを考えさせられる内容だった。

  • 刑事の名推理を楽しむというよりは、犯人サイドの葛藤や、いかに刑事の追求から逃れようとするかといったところに焦点が当たっている。
    事件としてはモヤモヤが少し残るところですが、短篇として読みやすいと思います。

  • 事件自体は嫌な話だが、かなり面白かった。
    最近偶然録画していたドラマ化された作品を見ても面白かったし、シリーズの他のを是非読んでみたいと思った。

  • 加賀恭一郎シリーズ再び。

    ある少女殺害事件を加賀と従兄弟の松宮がコンビで捜査することに。

    事件自体より、その背景にある複雑な家族関係がメインだったけど、だからこそ心理描写が細かく、ラストの衝撃も大きかった。

    あと、すでにシリーズラストの『祈りの幕が下りる時』を読んだ後だからこそ、加賀の家族の話もつながりを感じれて面白かった。これもシリーズ物の楽しさ。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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