赤い指 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 17515
レビュー : 1458
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764445

作品紹介・あらすじ

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    何度か読んだ本で、本当に面白いのだけど、読後のこのモヤっとした陰鬱な感じは変わらない・・・
    どの家庭でも起こりうる、そして起きれば防ぎようのない、決して「対岸の火事」ではないトラブル。
    「仕事三昧で家庭を顧みる事が出来ない」という点、「親の介護」という点、「実子が犯す犯罪」という点。
    非常にデリケートで、これって事故のように回避することが中々難しいのではないかと思う。
    自分に子どもができて家庭を持った際、果たしてうまく生きる事ができるのかなぁ?

    本作品は、加賀恭一郎シリーズの中でも、トップクラスにメッセージ性のある作品だと思う。
    また、加賀親子のギクシャクとした中にも、お互いを知り思いやる気持ちが垣間見えたあたりは、本当に面白かった。


    【あらすじ】
    どこの家でも起こりうること。
    だけどそれは我が家じゃないと思っていた。
    平凡な家庭で起こった、2日間の悲劇

    人は事件の裏側にある別のものを隠し、苦しんでいる。
    加賀恭一郎は、その苦しみから救済し、人の心を解きほぐす。
    「刑事の仕事は、真相を解明すればいいというものではない。いつ、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ」

    少女の遺体が住宅街で発見された。
    捜査上に浮かんだ平凡な家族。
    一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。
    「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。
    刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は? 
    家族のあり方を問う直木賞受賞後第1作。


    【引用】
    p80
    怖い理由はそれだけではない。
    もし警察に通報するのであれば、これほどの恐怖は感じないはずだった。
    正当な理由のもとでなら、死体を段ボール箱に入れることも、さほど苦痛ではないと思えた。
    自分のやろうとしていることのあまりの非道徳さに怯えているのだ、と昭夫は気づいた。


    p129
    「事件に慣れることなんてない。殺人を担当している間は特にそうだ。
    遺族が泣く姿を見るのに慣れるようじゃ、人間として問題がある。
    俺が訊いたのは、刑事という立場に慣れたかという意味だ。」

  • この本を読んで思ったのは、問題を先送りにしていると雪ダルマ式に大きくなって結局自分に降りかかってくるということ。

    主人公は40代の中年男。
    オタクの息子が少女を殺したという事実を痴呆症の母親がやった事にしようと工作する。

    家族との関係に絶望をしてしまい自分の世界に入ることにしたという母親の気持ちが理解できた。
    ただずっと痴呆症のふりなんて出来るものかなと疑問に思った。

    • 風太郎さん
      フォローありがとうございました。
      「赤い指」も好きな作品の一つです。
      katatumuruさんの読書量には驚きました。
      こんなに読めるなんて...
      フォローありがとうございました。
      「赤い指」も好きな作品の一つです。
      katatumuruさんの読書量には驚きました。
      こんなに読めるなんて、うらやましいです。
      2013/07/22
    • katatumuruさん
      風太郎さん、コメントをいただきありがとうございます(^^)

      読書量・・・とんでもないです!
      こちらには他の読書サイトに載せていたレビューを...
      風太郎さん、コメントをいただきありがとうございます(^^)

      読書量・・・とんでもないです!
      こちらには他の読書サイトに載せていたレビューを移行している最中なんです。

      所で、風太郎さんのお名前は山田風太郎さんからつけられたんでしょうか?
      私はまだ一冊しか読んでないんですが、ものすごいインパクトのある本ですごく印象的でした。
      2013/07/23
  • 加賀シリーズは業の深い人間がしばし出てきて、ともすれば人間不信になりそうだけど‥‥今回は加賀シリーズ最悪、いや東野圭吾最悪の嫌な人間が登場する。

    事件に関係しているある一家の話がクローズアップされている。中学生の息子はどうしようもないバカで、父親も家庭を省みない無責任な所がある。でも私が一番不快感を感じるのは母親だ。

    文句ばかり言って、自分が幸せになるための努力を全くしない。子どもを溺愛していて一見愛情深い母親のようだけど依存しているだけ。

    なんともやるせない話だった。最後の認知症のおばあちゃんと加賀の両親の話があったので、救われた気がした。

  • 加賀恭一郎シリーズ再び。

    ある少女殺害事件を加賀と従兄弟の松宮がコンビで捜査することに。

    事件自体より、その背景にある複雑な家族関係がメインだったけど、だからこそ心理描写が細かく、ラストの衝撃も大きかった。

    あと、すでにシリーズラストの『祈りの幕が下りる時』を読んだ後だからこそ、加賀の家族の話もつながりを感じれて面白かった。これもシリーズ物の楽しさ。

  • 吐き気のする話だった…。
    書かれている犯罪があまりに酷いのも大きな理由だが、面倒くさがって周囲にも自分にも向き合わず、保身のために他者を犠牲にする男の醜さが、自分の中にもあるのを見せつけられたからでもある。
    最後は出来すぎだろうとも思うけれど、あんまりに救いのない話なので、このくらいの和らげがなかったらもっと落ち込んだね…。

  • 親子の情愛の深さを感じました。と言っても、親の子に対する気持ちの深さですが...自分も親になり子どもには、より良い人生をと思い日々接しているわけですが、一方親に対しては...自分勝手に振舞っているにではと反省させられました。親の心子知らずですね。加賀さんの刑事としての資質の素晴らしさとともに、深い優しさを感じ加賀親子の背負った親子の距離感に想いを馳せました。

  • 子を思うゆえに、、、という一心が、ただの自己満足になっている。子から見れば、親のせいで、、、というわがままになっている。
    それを見限っているその親が、その娘が、「どうして気づかないの?」と問いかけるラストが印象的だった。
    大切なことほどみんな蓋をして見ようとしない、そんな現実を突きつけられたようだった。

  • 東野圭吾はやはり絆というテーマを大事にしていると思った。息子の犯した罪を隠そうとする妻に協力する夫。妻と息子に対して怒る気持ちも共感できたし、息子と妻には腹が立った。しかし、夫も結婚しているのにもかかわらず女遊びをしており最初から破綻した家族だったなと読み終わって感じた。そんな男である夫の母が一縷の望みでボケたふりをしていたと知った時は心が痛かったし、私がその立場なら逃げ出してしまいと思ってしまうと思う。何より息子が捕まってせいせいした。
    事件の合間で出てくる恭一郎の父親の描写もうまくできていたと思うし、正直最後は感動した。恭一郎の振る舞いの意図がわかり、病室にやってきた時の恭一郎の気持ちを考えると非常にやるせなくなった。

    犯人によって真実が明かされなけばならないと言った恭一郎。
    やっぱかっけぇっす。

  • ミステリー家族小説。息子の犯した罪をごまかそうとする家族と加賀刑事の攻防。短絡な犯人達だよな〜。いつ嘘がバレるかとビクビクする生活に耐えられるはずないのに。加賀刑事と父親の事情も外からはわからないものがあったのね。新キャラ松宮くん、これから成長するの楽しみ。

  • 悲しい家族だなぁ。
    家族って強固なようで脆弱だったり、繋がっていないように見えて繋がっていることもある。
    ミステリーとして読む一方で、そんなことを考えてしまう作品だった。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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