獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.47
  • (1137)
  • (658)
  • (186)
  • (5)
  • (5)
本棚登録 : 5033
レビュー : 491
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764476

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  好奇心から、そして、生き物の種を越えた愛情から、音無し笛を吹くことなく、竪琴を奏でてリランに寄り添い続けてきたエリン。
     しかし物語の最後では、自分の身を守るためとはいえ、生き物の冷たさ、「武力で、法で、戒律で、そして、音無し笛で、互いを縛り合ってようやく、わたしたちは安堵する」という「虚しさ」に打ちのめされる。
     そのとき、リランに命を救けられたエリン……。
    「我が子でもなく、親でもなく、伴侶でもないのに、なぜ。あれほど憎んでいる音無し笛を吹き、鞭で叩くようにして従わせたのに、なぜ」。
     そしてエリンの胸には、激しい邂逅が吹き出す。
    「おまえの思いを知りたくて、人と獣の狭間にある深い淵の縁に立ち、竪琴の弦を一本一本はじいて音を確かめるように、おまえに語りかけてきた。
     おまえもまた、竪琴の弦を一本一本はじくようにして、わたしに語りかけていた。
     深い淵をはさみ、わからぬ互いの心を探りながら。
     ときにはくいちがう木霊のように、不協和音を奏でながら。
     それでも、ずっと奏で合ってきた音は、こんなふうに、思いがけぬときに、思いがけぬ調べを聞かせてくれる……。
     つぶった目に涙がにじんでくるのを、エリンは感じた。

     おまえにもらった命が続くかぎり、わたしは深い淵の岸辺に立って、竪琴を奏でつづけよう。天と地に満ちる獣にむかって、一本一本弦をはじき、語りかけていこう。
     未知の調べを、耳にするために。

  • 2013~2016 読了

  • 小学生の頃から何度も読んでいる作品。
    何度読んでも夢中になれる。
    リランに向き合うエリンのひたむきさ。
    何かに真っ直ぐ、一生懸命に向き合うことがどんなに難しいか、小学生の私は知らなかっただろうな。

  • 王獣のための施設にある学校で獣医学を学ぶ少女と王獣の絆の話。
    獣との対話とか、女王様とか陰謀とか、歴史の中の真実とか。
    この2冊目でいったん話が完結していただけあって、ここまででも充分満足感がある。でも続きを読みたいと言った編集者さんの気持ちも凄くわかる。

  • 動物好きの友人におすすめしたい

  • 2013.8/30 闘蛇族にありながら王獣に魅入られ、生来の探究心から傷ついた幼獣リランを治し心を通わせていく過程が素晴らしい。心の栄養、最高級のファンタジーです(⌒‐⌒)

  • Tセレクト

  • 2017/11読了。1巻の1.5倍くらいの分量。内容も急に複雑になってきて、最後まで行き着くと急転直下で物語が完結した。え、4巻セットで買ってきたのになんで? と大混乱してしまったけど、あとがきによると一旦2巻で完結させたのを、アニメ化や続編を望む声に応え、改めて続編を書かれたのだとか。なるほど。

    リランとの絆が深まる前半から、政治メインでどろどろする後半。後半はちょっと複雑で咀嚼し直す必要がありそう。生命を尊重するだけではすまない現実の厳しさと、運命のやるせなさが突きつけられました。

    そして、混乱のなか急に話が終わってちょっと物足りなさを感じたけど(上橋先生は、これ以上の付け足しは不要と思っておられたようだけど)、続編があって良かった。展開がいよいよ楽しみに。

  • 生き物と向き合うのが中心の第1部から、少しずつ様々な思惑に翻弄されてゆく第2部。第3部からもストーリーは続いていくが、ここで一つの区切りを迎える感じ。

  • <内容紹介より>


    ーーーー
    大公と真王の対立が顕在化し、エリンは否応なく巻き込まれていきます。
    「堅き盾」イアルが見る世の「歪み」とは。
    決して人に馴らしてはいけないとされた王獣との絆にひびをいれることになりながらも、自身と王獣、闘蛇の存在意義を模索しつづけるエリン。

    少し重たい部分もありますが、ファンタジーの名作として、語り継がれるに足る作品だと思います。
    作品は全四部作ですが、前半の二作でも一区切りです。

全491件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)のその他の作品

獣の奏者 II 王獣編 単行本 獣の奏者 II 王獣編 上橋菜穂子

上橋菜穂子の作品

ツイートする