獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 490
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764476

感想・レビュー・書評

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  • 2016.7.10読了。久々に本に夢中になり過ぎて電車乗り過ごした。いやー流石私にとっての特別な本!(笑)改めて読むと時間軸早い物語だな。そして文が本当に巧妙。リランの出産が描かれなかったことが意外だったが、今読み返すと著者がわざと省いたのかなと思う。この物語で描きたいのは人と獣の絆だとあとがきにて述べていたように交合は物語の上で大きな意味を持つが出産は実はほとんど関係の無いのだ。個人的には胎生で羽毛のある生物の誕生はかなり気になるのだがな。王獣って授乳するのか?幼獣を雛、体毛を羽毛と書いてる時もある。エクがもともと別の子の父親であったことから王獣は一夫一妻制ではない。でもつがいの時の仲睦まじさと雄が子育てに参加している点で多妻制でもない。一夫一妻制は鳥類に多いけどそれに哺乳類を合わせた性質って感じだよなぁ。実在しないのだけれどリアル過ぎてついつい推測を立ててしまう。そして今の私はエリンよりもエサル寄りかもしれない。森でのアーリョの忠告で行動できずに色々思いを燻らせたまま生きているとことか。そしてエリンは凄いな、なんだかんだでちゃんと首席になるんだから。私も事実上の首席になったことがあるからわかるけど、あれは本当に誇らしいくて親に伝えて喜んでほしくなる。それができないエリンは切ないなぁ。そういや異色の容姿や孤児や首席とかの点で赤毛のアンのような要素もあるんだな。イアルとエリンの初対面の時に初めてエリンの髪の色が麦藁色と出てくるんだけど、後の『刹那』で亜麻色とも出ていた気が…とりあえず薄い茶系ってことか?ところでダミヤがイアルに盛ったのは致死毒のはず。遅効性にしたのは他者に襲わせて大公かサイ・ガムルの仕業に見せる為だろう。イアルはきっと毒に耐えられるように鍛えてはあると思うけどエリンは特別解毒はしていない。消毒に使ったのは特滋水だけだ。でも特滋水って生物の性質を変えてしまうほどの劇薬なのだから傷口から体内に入れただけでも致死毒くらい解毒できるのかも…そう思うと相当恐ろしい液体だよなぁ。そしてイアルとエリンの会話の時イアルがセ・ザンとしての時の発言は一人称が私なんだけど私的なことというか素の時はおれなのがなんか良い。てかエリンの名前呼んだの旗の時だけだったのね。セィミヤは初め読んだ時頼りない姫だなと思っていたけど改めて読むと見聞や経験が浅いだけでちゃんと王女なんだなぁと思った。ラストシーンにてエリンが思う事は本当に胸に沁みる。知りたくて、知りたくて…ついでにアニメ版も一気見した。原作とは違った良い作品ではあるのだけど、個人的に蛇足に思う部分や不満がある。けどどうしてこうしたかの理由も推測できるからなんとももどかしい作品だったなぁ。ところで本屋で初めて文庫版の表紙を見て手にとって闘蛇編と王獣編を合わせた時、鳥肌がたった。頭の中で風の音が響いた。内容を知っていたからこそだったのだと自分では思うけど、表紙見て鳥肌たったのはやはりこの作品だけだなぁ。

  • 覚書
    王獣を操る竪琴を奏で、操るエリンは自身の望まない運命の道を歩かされる。奇しくも対立する国の存亡を左右する存在になってしまう。
    その後の物語も気になる。

  • あとがきでは ここで完結、とありましたが
    まだあと二冊ある喜び(笑)ここで終わったらだめでしょ~

  • 上橋菜穂子による壮大なファンタジー大河第2弾。
    闘蛇衆だった母を闘蛇に屠られたエリンは一族を憎みこそすれ、何の未練もなく育っていく。ある時、怪我をして瀕死の王獣をそれまでの規範からかけ離れたやり方で救って以来、エリンを取り巻く環境が大きく動いていく。
    闘蛇や王獣というファンタジー特有の生き物が人間とどのように関わっているのかも非常によく練られた設定の上に描かれており、物語中でそれらの存在を疑うような展開は全くない。むしろ、今それらの獣たちがここにいてもおかしくないくらいのリアリティをもって描かれている。
    それらの獣たちがエリンの住む世界で政治の道具として扱われるさまは、現実世界でいえば警察や自衛隊のような武力をどう制御していくのか、という問いかけと無縁ではないように思う。
    武力のバランスというのは現実でも非常に危ういせめぎ合いの中で成り立っているが、本作中でも同様で、そのバランスを崩そうという勢力と何とか立て直そうとする人々の良識の戦いを描いていると言っても過言ではない。驚くほど現実世界に当てはまる物語が展開する。
    エリンがおかれる立場は相変わらず過酷で、読者としては何とか幸せになれるよう祈りたいが、なかなか作者はそうはいかせない。とはいえ、この先のエリンの行く末も気になるので、相変わらずすぐに続巻に手を伸ばすことになる。

  • 早く続きが読みたい。でも、元々はここで完結なんですね。たしかにここで完結となっても、エリンやリランの先が気になって仕方ない。

  • エリンは少し青すぎる。
    もちろん物語は青すぎるのをよしとする流れなんだけど。そんなこんなで、国を巻き込む物語へと発展。ちょっと消化不良な感じで終わりました。

    人より獣の描き方が秀逸だと思った。
    リランがこの物語の中で一番美しい心を持っている。

  • 面白い!どんどん引き込まれました。ストーリーとして楽しんだけど、もっと裏に表現されたものを感じられる人間力を高めたいなー。続きがあるようだから、楽しみ。2016/5/24完読

  • リラン!

  • 人には決して馴れないはずの王獣と心を通わせてしまったことが、王国全体を揺るがすことになると知り、エリンはさらに過酷な運命を辿っていく。エリンは、運命に翻弄されながらも、人と獣、この世に生きるものがなぜこのように在るのかを知りたいと思う。

    とてもおもしろかった。壮大な異世界ファンタジーで、やはり上橋さんのこの世界観の構築はすごいと思う。闘蛇編で各所に散りばめられた謎や伏線、過去の言い伝えや伝説、王獣や闘蛇、王や国のもつ矛盾がだんだん解き明かされいき、どんどんページをめくる手がとまらなくなってくる。

    エリンが心を通わせる王獣のリランがとてもすき。ただ心を通わせるだけでなく、獣と人とのあいだの壁も、そう簡単になくなるものではないとしっかり描いているのがいい。別々に語られていたイアルの物語がエリンの物語に少しずつ重なってくるのもすき。

  • うーん、色々想いが詰まっていることはよく分かるんですが、何と言うかカタルシスが不足しているというか、、、しかもこの2巻で終わらせればいいのに、続きを書いてしまったらしいことも減点材料、この2巻だけなら★4でも良いかな。
    続きを読んでいないのに減点って言うのはどうかとは我ながら思うんだけれども、物語を切るという小説として重要なファクター(と当方が勝手に思っている)の欠落は、ファンタジーものの最大の弱点ではないかと思われ。そこを作家自身が認識していないようでもある事実は、冗長さこそがファンタジーの醍醐味ということの証かもしれんですが。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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獣の奏者 II 王獣編 単行本 獣の奏者 II 王獣編 上橋菜穂子

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