獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764476

感想・レビュー・書評

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  • 違うところしかない。
    それでも思いやる気持ちが行き交えば、織り成す関係はうつくしく煌めく。

    (以下抜粋)
    ○曲がり角はひとつではなかった。運命によって強引に曲がらされた角もあり、自分で切り開いてしまった道もあったのだと。(P.42)

  • ジョウンと一緒に暮らし始めたエリンは、あるとき山の中腹で野生の王獣の親子を目にする。エリンはその美しさに心を奪われた。

    成長したエリンの行く末を考えた結果、 ジョウンは獣ノ医術を学ぶ学校に、彼女を入学させることにした。そこでは真王に捧げられた王獣の世話をしていたが、昔見た野生の王獣とあまりにも違うみすぼらしい姿にエリンは疑問を持つ。
    そんな折、傷ついた王獣の子ども、リランが運ばれてきた。光を怖がり、何も食べようとしないリラン。このままでは死んでしまう。エリンはある方法を思いつき、自分に世話させてくれと学長であるエサルに頼み込む。

    エリンとリランの間に芽生え始める絆。
    しかし、もともと獣と人は決して合い入れないもの。いや、そうしてはいけないもの。それは昔からの決まりであり、昔から道具を使って王獣を操ることにより、彼らを支配してきたのだ。
    生きるものすべては、本来のまま生きる権利があるはずだという真っ直ぐなエリンの想いが、またあの悲劇を引き起こすことになるのだろうか。

    確かにエリンの言っていることは正しいことだと思うけど、歴史から人は学ばなきゃいけないし、同じ悲劇は繰り返してはいけない。
    でもエリンは全然言うことを聞かないのだ。彼女のしていることが、彼女の命だけなく、王国の人々の未来をも脅かすかもしれないということを、周りの人たちから何度説得されても聞く耳を持たないのだ。
    個人的にはそこが気になり始めて、終いにはエリンのことがあまり好きではなくなってしまった。

    ラストはファンタジーならではの壮大な終わり方。
    続きもあるようなので、是非読んでみようと思う。その後の彼女の人生は大いに気になるところだ。

  • やっぱり、人物の苦悩とかが薄い分、選択に説得力が欠けるような気がする。
    その選択をするだけの背景を描き切っていないというか、
    そこでなんでそんな選択をするの?もっと違う風にするんじゃないの?みたいな感じが残る。

    思わせぶりな書き方で、物語を小出しにしたわりに、
    あとになって出てきた話が、結局想像したとおりだったり、

    まま物足りなさを感じる部分はあるんですが、それも「十二国記」と比べてしまうからでしょうか。

    ファンタジーだから、楽しいし読みやすいのはいい。
    まだ、3と4があるから、しばらくしたら読んでみよう。

  • まだ続く。エリンが少女から大人へ

  • もし、自分1人だけが最強の力を持った獣を自由に操れるとしたら、その力をどう使うだろう。 獣と共に人に仕えるのか、その力で他を従えさせるのか・・・。 それとも、その力を誰も使えないよう、封印すべく身を隠すのか・・・。 やはり、持ってる力は使ってみたくなるから、何らかの形で行使するんだろうな〜。 誰もが知ることとなった王獣を操れるエリンの術は、戦いの道具となっていくんだろうか。上橋さんは、どう描くのだろう。とっても楽しみ・・・。(o^^o)v

  • エリンが過酷な道に進んでいるのを苦しく読み進めた。なかなか、報われることがないのと、バルサみたいに相手に武術で勝つというようなスカッとすることがないので、読んでいて辛かった。まだ、前巻の方がエリンの成長が素晴らしく、読んでいる方もワクワクする内容だったので、今回が暗く感じてしまった。

  • 指笛で母のように闘蛇を操って王獣も両方操れるんかーいという期待を裏切る作品

  • どうしてこういうファンタジーが発想できるのだろうと、ただただ感心せざるを得ない

  • 1巻に記載。

  • 五分作の二作目。いったんの完結作。一作目の伏線が回収されていく。真王と大公を巡る政治的な闘いと、過去の闘蛇、王獣による国レベルの闘いに基づく王獣の取り扱い方などが明らかになっていく。最後はエリン、リアン、セイミヤ、イアン、シュアンがどうなるのかまでわからずに終わる

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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