空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.41
  • (1580)
  • (1170)
  • (285)
  • (20)
  • (5)
本棚登録 : 7557
レビュー : 690
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764520

作品紹介・あらすじ

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 上下巻通しての感想
    横浜市内で実際に起きた事故をモデルにした物語。
    何の罪もない。何の過ちもない。
    突然に事故の加害者となった者。被害者となり命を失くし、家庭のあたたかさを失った者。
    絶対にミスをしてはならないとは言わない。
    けれど、ミスをしてしまったときの対応が企業の価値を決めると思う。
    企業を守るためにリコール隠しに必死になるようすは嫌悪感しかわかない。
    あらゆる手を使ってなりふり構わずに責任逃れをしようとする姿からは、大企業の間違った論理が大手を振ってまかり通る世の中の矛盾しか感じない。
    自動車のない日常なんて想像もできない。
    しかし、一瞬にして便利な生活アイテムも凶器に変わるということを忘れてはいけない。
    企業はいったい誰を相手に商売をしているのか?と問いたくなる。
    会社を、従業員を、そして家族を守ろうとする赤松。
    どんな妨害を受けても、ただひたすらに信じる道を進もうとする姿には痛みすら感じた。
    潔白を証明するためには企業の協力が必要だと・・・非を押し付けた相手は企業なのに・・・理不尽だ。
    企業の態度に憤慨しつつ、赤松を応援しつつ、被害者に涙しつつ、読み終えた。
    とても中身の濃い物語。
    何故「直木賞」が取れなかったのか不思議なくらいだ。
    どんなに険しい道であっても、必ず正しい者が勝つ。
    そんな世の中であってほしい。

    【横浜母子死傷事故】
    2002年1月10日、神奈川県横浜市において起きた事故。
    綾瀬市内の運送会社が大型トレーラートラックに自社所有の重機を積載して走行中していた。
    突然左前輪が外れ約50mを転がり落ち、ベビーカーを押して歩いていた母子3人を直撃(ガードレールはなかった)。
    母親は死亡、長男と次男も軽症を負った。
    事故車両はハブが破損、タイヤやホイール、ブレーキドラムごと脱落したことが判明。
    三菱自工が欠陥を認めるまでの間、事故車両を運転していた運転手自宅には嫌がらせが相次いだ。
    男性が営んでいた運送業は結果廃業に追い込まれる。

  • 親父の後を継いで懸命に運送業を営んできた赤松さん。
    突然、社のトラックの前輪が外れて主婦を直撃。即死。
    銀行は融資を差し止め、子供はイジメに合い、辞めて行く社員。
    窮地に追い込まれていく。
    一方、赤松のトラックを製造するホープ自動車の内部でもきな臭い動きが。
    暗躍する雑誌記者。
    真実はどこに?
    下巻へ続く!

    うおー!お弁当箱でも一冊で読むべきだった。
    下巻は会社に置いてきちゃったし。
    上巻はひたすら忍耐の赤松さん。
    同業者に助けられたり、若い整備工モンタがいい奴だったりで救われるところもあるものの。
    確かにジャッキー・チェンじゃないけどさ、苦しみが深いほど逆転したときは爽快だけど、上下巻でこれはちょっとキツイ。いや、私が二冊持ち歩けばよかったんだけどさ。

  • 自分の利益を優先し、やってはいけないことはしない組織の一員でいたいと思う。しかし、赤松社長や沢田のように、強く行動できるだろうか。正しい行動をするのは難しいのかもしれない。さて、悪は一掃されるのか、ちゃんと痛い目を見てくれるのか、後半に注目だ。

  • 退屈な場面がなく、一気に読み切ってしまった。銀行、ホープ自動車、イライラが止まりません!笑
    はやく下を読み切りたい

  • 予備知識がなく、タイトルを聞いただけで全く内容を知らなかったのですが
    三菱自動車のリコール隠しが下敷きになっていると聞いて手に取りました。

    正直、読んでいて辛い話ばかりで気が滅入ります。
    もちろん、小説としては大変面白いです。
    赤松氏だけが”まとも”であり、リコール隠しに挑む人々は他にもいますが
    正義感からストレートに立ち上がるわけではないので
    勧善懲悪のわかりやすいストーリーではなくどす黒いものがうずまいた
    複雑な物語に仕上がっています。

    ”加害者”の子供が学校で虐めに遭うというパターンに
    放置子やモンスターペアレントの問題も織り込まれ
    非常に読み応えがある内容です。

    弁護士がつき、なんとか部品返却をホープ自動車に迫っており
    学校の事件もなんとか片が付きそうではありますが
    まだまだ二転三転しそうなところ。
    下巻が気になります。

  • 2018/08上下巻読了。半沢直樹然り、スカッとくる作品。リコール隠し、グループ会社の関係など勉強にもなる。赤松の信念ある行動、社員を大切にする気持ちが強く感じられて読み応えのある作品と感じた

  • 大企業ならその力で事を隠蔽出来ると思っているホープ自動車は腐った組織。今後、どう崩壊していくのか見ものだ。
    対する小さな運送会社の社長赤松は社員想いの人。逆境に負けないでほしい。下巻ではどんなどんでん返しが待っているのかワクワクする。
    何時もながら安定した面白さでした。では、下巻を読みます。

  • しっかりした話だけど、池井戸さんの話のパターンに少し食傷ぎみだったので。お話は本当に面白いと思います。

  • 文句なしの星5つ。面白い。下巻読むのが楽しみ。

    池井戸さんって不正とか腐った組織とか書くのがすごい上手(ありそう…っておもってしまう)。そしてそこに立ち向かう人間が、情熱的で魅力的。スーパーマン的なありえない設定でなく、ふつうにいそうな会社員とかが自分の正義とか使命感のようなもので自分を奮い立たせ、立ち向かっていく様が描かれているからこそ、多くの普通の人たちがハマるんだろうね。

    私も普通の会社員のため、自分の中の何かがくすぶられ、たくさん感情移入してしまった。

    映画観に行こうかな。

  • 映画の公開に合わせて観ました。
    原作があるものは、できるだけ原作を読んでから映画を観ることにしているのですが、すでに公開され、予告も流れているので赤松、沢田、井崎は、それぞれ配役が頭の中で動いています。
    リコール隠し、欠陥隠ぺい、どれもが当時のことを思い出させます。
    迷い揺れながらも大企業に抗う赤松の姿は
    企業人としての良心であり
    譲れない生き方は思わず応援したくなります。
    記録になく、記憶になければないということが通る世の中で
    映画が公開され、再び原作が読まれる意義を感じます。
    さあ、下巻です。

全690件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

池井戸 潤(いけいど じゅん)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部および法学部を卒業。子供の頃から本に親しみ、作家になりたいと思っていた。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。

以降、2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を、2011年『下町ロケット』で直木賞をそれぞれ受賞。他の代表作に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』など。多くの作品がドラマ化・映画化されており、非常に高い人気を誇る。
2018年10月、『下町ロケット』ドラマ放送中。

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)のその他の作品

空飛ぶタイヤ 単行本 空飛ぶタイヤ 池井戸潤
空飛ぶタイヤ(上) Audible版 空飛ぶタイヤ(上) 池井戸潤

池井戸潤の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
池井戸 潤
宮部 みゆき
東野 圭吾
池井戸 潤
有効な右矢印 無効な右矢印

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする