空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

著者 : 池井戸潤
  • 講談社 (2009年9月15日発売)
4.47
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  • レビュー :691
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764537

作品紹介

事故原因の核心に関わる衝撃の事実を知り、組織ぐるみのリコール隠しの疑いを抱いた赤松。だが、決定的な証拠はない-。激しさを増すホープグループの妨害。赤松は真実を証明できるのか。社員、そして家族を守るために巨大企業相手に闘う男の姿を描いた、感動の傑作エンターテインメント小説。

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 上巻でかなりヒートアップしてしまい、子どもに当たったりしたのを反省。ビブリアを挟んでクールダウン、したはずなんだけど、読み出したら加速して熱くなってしまった。
    赤松さんの窮地は中々好転せずヤキモキ。
    それでも踏ん張る赤松さん。自力で、自分の足で真相に近づいていく。
    拓郎くんの男気、はるな銀行の誠実、某運送屋技術屋の意地、PTAの仲間。
    赤松さんを後押しする人たちに胸が熱くなる。

    45.319.そして369頁。
    とにかく今までの悶々がスカッとする。私もなだらかな海面がぐんとせり上がってきた。
    最後は驕りと慢心に足をすくわれたような気がしなくもないけれど。
    とにかく、赤松さんの不器用なまでの潔さが清々しい。
    PTAのことだっていくらでも根廻しが出来ただろう。
    「俺はとことん愚直でいく」
    馬鹿にする人も多いだろうけれど、ラストの爽快感はそれだからこそ。
    御天道様はいつだってみてる。

    「将来を思い描くのは、それがなんであれ、またどんな時であれ、素敵だ。」

  • トラックの脱輪による死亡事故。
    その原因、責任の所在を巡る大手自動車メーカーホープVS赤松運送の闘い。
    面白い!とにかく面白かった。
    正義とは?信念とは?
    言葉で書くと簡単だけど、それを貫き通すことの難しさ。
    ラストには赤松社長、家族、従業員、そして高幡刑事に拍手喝采!

  • うわー、びっくりするくらい面白い!!
    レビューも評価が高めなので期待はしていましたが、想像以上。こういう時、どう表現していいのか…、自分のボキャブラリーの少なさに歯痒くなります。
    心震わすとはこういう事なのでしょうか、とても充実した読後感です。

    池井戸潤の作品は初めてでしたが、序盤から加速度を増すばかり、息つく暇もないです。

    実際に起きた事件が題材になっているという事で、私にもその事件はまだ記憶に残っているし、とてもフィクションとは思えない現実感がありました。

    感動した、とひと言で済ます事が出来ないくらい何度も目頭が熱くなりました。オススメです。

  • 読後に震えるような感動を覚える作品には、なかなか出会えない。この作品がまさにその一つである。

    上巻の感想にも書いたのだが、財閥系大企業のコンプライアンスに深く斬り込んだ傑作小説。赤松という熱血漢の愚直な社長が率いる中小企業と財閥系大企業の闘いが、学校、警察、出版社、銀行をも巻き込み、ダイナミックに描かれている。

    赤松の勝利も嬉しいのだが、事件を巡る被害者遺族、赤松の家族、赤松運送社員の大きな変貌も非常に嬉しかった。

    また、逆の見方をすれば、品質上の大きな欠陥を隠蔽しようとする大企業の失墜の過程も非常に興味深いものであった。

  • この本は電子書籍ではなく、紙ベースの本で読むべきだ。活字を追いながら左手で持つ本の厚みが読み手に大きな不安と安心をもたらすからだ。そしてそれが『今』をとても面白くする。言わば手で読む本なのだ。

  • 池井戸潤さんの「空飛ぶタイヤ 下巻」読了。面白かったというより、清々しい気分になった。たくさんの人に読んでもらいたい作品。部品返還を求める赤松社長と秘策を持って臨んだ沢田の打合せに始まり、読めば読むほど、いろんな分岐点が存在する。中小企業と大企業の内部事情、はたまたPTAの会合に至るまで。立場の異なるたくさんの人物が描かれてます。そのなかでも、赤松社長の人情味あふれる行動が一番♪ページ数は多いですが、読みやすいです。会社勤めの人に特にオススメ。

  • 一級のエンターテインメント。

    重厚だし、とても長い話なんだけど、まったく飽きることなく最初から最後まで楽しめた。

    これほど感動したり、怒ったり、様々な感情を沸き立たせてくれる小説はそうないと思う。

    読めばわかると思うけど、ホープ自動車という、ホープグループを含めた巨大企業の驕りみたいなものが、実在の企業とリンクしているので、そこに現実感があるのだ。

    それにしても、池井戸潤、安心して楽しめるね。

  • 久しぶりに途中で止めることができない小説に巡り合った。
    登場人物それぞれの思惑、立場、感情が交錯し、息をつかせぬほどのドラマを繰り広げる。
    その中でふと出会う人情や、純粋な夢に心を打たれたと思ったら、また暗雲が立ち込める。
    早くハッピーエンドになってくれ、という願いをあざ笑うかのように過酷な現実が主要人物に降りかかるのだ。

    これは、実際に社会で働く男たちにとって少なからず共感せずにはいられない内容だろう。
    正義や野心、それぞれの中にある「軸」がどこにあるかによって、シンパシーを感じる人物は異なるように思う。
    いつの間にか組織に染まったことを自覚しながらも、己の野心のために動く男や、絶望的な状況に何度もさらされ、ボロボロになりながらもすすんでいく男。

    読み進めるごとに、状況が変化し、登場人物の感情が浮き彫りになっていく。

    あまりのリアルさに自分もその潮流の中にいると思わされるのだ。

    まとまらないのだけれど、腐敗した組織とそれに立ち向かう人情や誇りという構図に心を動かされなかったら嘘になりますよ、ということである。

  • 上巻から続けて読了。一中小企業の経営者が国を代表する財閥グループの自動車メーカーに闘いを挑み、様々な苦難の末勝利を勝ち取るストーリーには爽快感を覚えないわけではない。しかし、その陰で犠牲になった母が還ることは決してなく、まだ幼い子供の心の傷が癒えることはない。現実に起きた事故のことを思うと、純粋にエンターテイメントと割り切れない読後感で一杯。そして、ある意味、この物語の中心でキャスティングボードを握っていた東京ホープ銀行が無傷で済むというのにも無常さを感じる。そうした問題提起も含めて渾身の力作と思う。

  • 父親に勧められて読んだ本。
    読み終わって何故父親が私にこの本を勧めたかを考えてぐっときました。
    私の父親は中小の経営者です、この本の主人公は小さな運送会社の社長。


    池井戸さんらしい作品でした。

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