愛でもない青春でもない旅立たない (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 240
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764926

作品紹介・あらすじ

何が愛で何が青春か?そして旅立つと言っても一体どこへ?主人公の「僕」は大学に通い、さしあたって大きな悩みもなく、健康で何不自由のない生活を送っている。しかし一体なんだこの得体の知れない恐怖は。焦燥感はどこから来るのか。寂しさは?東京生まれ東京育ちの著者による初めての青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • なんだこれは
    泣ける恋愛小説とか言ったの誰
    意味のない本。
    意味がないというのは、考えたらダメな本というのと。意味不明な世界観にそのまま浸からなきゃいけない、俺だってわからないんだよって言われてる感じ。
    まぁとにかく

    ちんこ。

    ちんこが何かの存在を物語っている
    ダリの美術館に行ったの思い出した

  • 愛でもない青春でもない旅立たないのなら
    一体なんなんだろう。

    でも確かに、この物語では以上のものはすべて否定されている。
    そこに残されていたものは、空虚というには
    少々グロテスクな自意識の視線と、
    それを跳ね除けてあまりある馬鹿馬鹿しいほど神々しい人生だと
    言わんばかりのラストだが、これも正直ポーズだ。

    その地点に至ってなお、視線は冷めている。

    むしろ、それでもなお他者がいるということの
    恩寵の方が際立っているが、そこへは旅立たない。

    それは不条理な殺人よりも一層タチがわるい気もする。
    それは作品の価値に対する評価ではない。
    よくこんな物語にしづらい部分を取り上げたものだと感心さえする。

    まぎれもなく人生の忘れ去られた裏路地のような物語である。

  • 大学時代は誰ひとりとして、自分が何者でどこに向かうべきか教えてはくれない。

    そういう中で手に負えない大きな自己と、それでは生きていけないという現実の狭間でさまよう。

    その刹那的な思いの断片がこの小説からは溢れてくる。

    愛も青春も旅立ちもここにはない。

  • 何年ぶりかで読み直したけれどやっぱりおもしろい。
    私が主人公と同じ大学生だったのは遥か昔だけれど、彼の世界をみつめるちょっと意地悪な視線には共感してしまうし、それをとらえる作者の自意識の記述にはうならされる。
    『恋愛の解体…』の方がまとまりは良い。でもオススメ。

  • いつだったか
    表紙とタイトルに魅せられて購入。
    自分の読書力がないだけなのか、特に引き込まれることもなし、面白いとは思わなかった。

  • どうも入り込めなかったという印象。
    こういった(いい意味で)青臭い作品を読む時期は過ぎてしまったのかな?

  • 感情の表現が生々しい。
    現実の延長線上のような夢が出てきたり、夢みたいな少し不思議な現実があったりする。
    それでも(それだから?)感情はそういう不安定な不思議さを含めて生々しくて繊細だった。背伸びしない姿勢を感じて、それが素直でよかった。

  • 大学に行って、彼女と会って、
    バイトに行って、友達とやって。
    不満はないけど満足でもないうっすらと広がる"何してんだろ"って気持ち。
    その日その日の数珠繋ぎの先で「僕」が辿り着く場所とは。

  • 大学生が読んで感銘を受けるのか?
    モラトリアムを過ぎ去って久しい大人が読んで思い出す程度じゃないのか?
    それは定かではありませんが、読んでいるあいだに、大学の友人たちが瞬く間に目の前を通り過ぎていったような気がします。ぐにゃりぐにゃりと泳ぐ魚たち。

    大学1,2年生くらいの人たちに読ませて、「ねぇ、自分たちてこんな感じ?どう?」と聞いてはみたい。でも、言葉にされて「えぐられた!」と思うには、いまひとつパンチ不足のような。

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著者プロフィール

1977年生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)で三島由紀夫賞候補。『夏の水の半魚人』(扶桑社)で第22回三島賞。その他の著書に、『逆に14歳』(新潮社)などがある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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