ハヅキさんのこと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1084
レビュー : 117
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765060

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美は,はなしの終わり方が好き。床の間がよかった。

  •  瞬間の重ねあわせで時間は成り立っている--と、ドゥルーズはいった。そのとおりだ。思い出してみれば、過去は瞬間の重ねあわせでできている。過去をタイムラインで考えるなんて、できることなんだろうか。印象的な出来事が数珠繋ぎになっているだけなんじゃないだろうか。

     数ページの超短編には、川上弘美の魅力がぎゅぎゅっと凝縮されている。彼女の瞬間を見つめる能力が、最大に生かされている。いままで読んだ、どの作品よりも。

     過去は、超短編のつなぎあわせでできている。きっと、ゆっくりじっくり思い出せば、どの瞬間も小説になる。時間の糸がつないでくれているだけだ。一つひとつの珠に思いを馳せれば、過去と未来と現実が詰まった美しい出来事があるとわかる。誰の人生にもいくつもの珠があって、たくさんの人々が輝かしい瞬間を持っていると思うと、わくわくする。

     ひさしぶりに、ゆっくり自分の過去を思い起こしてみたくなった。

  • 掌編集。恐らく雑誌掲載時は1~2ページ分だったのだろう分量。
    昔の知人のことを、ふと思い出す瞬間。男と女の心の機微、中年と呼ばれる年代の恋情。それらを独特のたゆたうような筆使いで表す。特に後者は自分と全く離れた世界なのに、すっと心に沁み入る。これが巧さか。

  • 可もなく不可もなく、いつのまにか年齢を重ねて、ただただ過ぎ去っていく日常。日々の暮らしに潜む、漠然とした不安、怖れ、寂しさ、せつなさ、やるせなさ・・・・・そんな言葉にならない感情の機微が、ひとつひとつのお話にぎゅぅっと凝縮されています。
    川上さんらしい、静かなふんわりした浮遊感をともなう文体。掌編であるだけに、なおさらしんみり胸に迫ります。

  • 読みやすい川上弘美ワールドです!

  • p.16「『り』が悦之とミー、『し』が咲子。」
    『ストライク』が好き。はっとした。ひらがなの音のひびき。

  • '10.2.24読破

  • 淡々とした文章だけど、感情はその裏に沢山こもっていて、そこが感情移入できる。読んだ後、静かな気持ちになって周囲の音に敏感になる感じ。

  • ゆらり

  • 短編だからこそ、味わえる切なさがつまっています

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著者プロフィール

川上 弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞と紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨、15年『水声』で読売文学賞を受賞。ほかの作品に『風花』『どこから行っても遠い町』『神様2011』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『水声』などがある。2016年本作で第44回泉鏡花文学賞を受賞した。


「2019年 『大きな鳥にさらわれないよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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