スカーペッタ (上) (講談社文庫)

制作 : 池田 真紀子 
  • 講談社
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本棚登録 : 475
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765305

感想・レビュー・書評

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  • 出会った時からずっとケイに恋焦がれていたのに、一瞬たりとも異性としての好意を受けたことがなく、ばかりか、一緒に組んで仕事をしていたベントンに横からさらわれ、二人が結婚したことを指輪で知らされたマリーノ。
    酔った勢いでケイをレイプ(未遂)し、酒が醒めた時、彼はみんなの前から姿を消した。

    というのが前作の最後。
    みんなの前から姿を消した…はずなのに、いるよ、マリーノ。ニューヨークに。

    ベントンがマリーノを入院させてアルコールから手を切らせ、旧知の検事ジェイミー・バーガーにろくすっぽ経緯の説明もせずに雇ってもらうよう頼んだのだそうだ。
    マリーノよ、どの面さげてベントンのお世話になったんだ。
    全てはケイの知らないことである。

    相変わらず人間関係はどろどろしているけれど、今回の事件はちょっと今までと違う。
    被害者がちゃんと人間として書かれているから。
    今までは、名前・年齢・性別のある書割みたいなものだったから、これは新鮮。

    近所の人が見ている彼女と、恋人の見ている彼女の姿が重ならない。
    そしてケイに身の潔白を晴らしてもらおうとする恋人は、ケイの身に覚えがない、ケイが言ったはずがないケイの言動にすがっている。
    被害者のパソコンには、ケイに関する論文が大量に保存されており、ネットにはケイにまつわるスキャンダルが世界中に垂れ流される。
    さて、下巻でどう落とし前をつけるのか。

    いつものように肩すかしの可能性もあるけれど、今のところはいろいろ推理しながら楽しく読めております。

    セラピストのナンシーがマリーノにアルコール依存について語る。
    “ナンシーは解読が必要な略号を使いながら、一時間近くかけて彼の失敗人生の図表を作った。そうまでして彼にわからせようとしたのは、要約すれば、人生最初の一杯を飲んだ日をスタート地点として、他者への攻撃、性的無規律、続かない友情、離婚、暴力などに彩られた怒りと危険の道を歩み始め、年齢を重ねるごとに一つのトラウマと次のトラウマの間隔が狭まっていったということだ。彼が患っているのはそういう病気なのだ。“病気”に感染した者は、病気に人生を乗っ取られる。年齢が進めば進むほど、病気の侵略に抵抗する体力は衰えていく。”

    なんかすごいタイミングでアルコール依存の説明を読んじゃったなあ。
    どうかマリーノが立ち直れますように。

  • 少し読み始めたらなんか??で、よく良く振り返ったら、その前の「異邦人」読んでなかった。また後日それを読んでから
    下巻でまとめて

  • マリーノが無事で良かった。
    死体で発見されたりするのかと、
    心配してたので。

    ケイやルーシーたちとも仲直り、できたかどうかは別として、
    また一緒に働けるようになったみたいだし。

    (下巻に続く)

  • 検屍官シリーズは全部読んでるけど、もう習慣というか惰性で読んでるような感じで、このところあまりおもしろくないなーと思ってました。でも本作は初心にかえってシンプルな推理小説になっている感じで、久々におもしろかった。シンプルな普通の推理小説とはいえ、ケイ、マリーノ、ルーシー、ベントンには深い歴史と深いキャラがあるので、やっぱり全部読んでる人の方が楽しめるんだろうなとは思うけど。

  • あまりのダメさに読むのを控えてましたが、タイトルと、意気込みに負けて読んでみた。久々に心ときめきます。下巻が楽しみです!

  • リンカーン・ライムシリーズのあとに読むと、まだるっこしくてかなわん……
    ライムシリーズは会話に無駄がないんだよね。
    こちらの方は、より人間の普段の会話に近い気がする。なので、ヒントなのかも知れないけど、無駄会話が多い。しかしその分、キャラクターがわかりやすい。

    作品はおもしろいし話がうまいから、やっぱり読んでしまうんだけれども、ルーシーが大きくなったり、スカーペッタを若返らせたりしてから、かなあ……人間関係がドロドロしてきて、疲れる。
    スカーペッタとマリーノの縁が切れたあたりから、余計にかなあ。
    初期の方がおもしろかった。

    毛むくじゃらの狼男な犯人の話、あれが確かセーヌ川で泳ぐんだよ。先天性多毛症の身体を厭って、自分なりの信仰心というか儀式のようなもので、その毛がなくならないかと願って。
    暗い夜に、きれいでもない川に身を浸して……
    当時は今よりもニキビにひどく悩んでいたので、あの場面には、犯人であるにも関わらず、ものすごく同情出来てしまった。
    あくまでも、そこのくだりだけね。


    以下、盛大にネタバレ含みで。

    ルーシーとジェイミーの仲ににおわせてるなあ、と思っていたら、くっついてしまった。
    これくらい頭のいい相手でないと、ルーシーにはダメだろうから、ちょうどいい。

    マリーノとスカーペッタの再会で、ベントンやら周囲の方がギスギスしていたけれど、大団円になってよかった!
    ルーシーには新しい恋人も出来たし、マリーノにもよさげな恋人が出来たし。
    久しぶりに、こんなに平和な雰囲気で終わったんじゃないだろうか。
    カタルシス!という感じだった。

    天気が悪いシーンから始まって、段々に天気がよくなって、快晴になった印象。

    モラレスが犯人なのはいいとして、ゴッサム・ガッチャの記事のあたりの関連が色々謎。
    テリーが家をもう一軒借りて、シュルーに給料まで支払えていたのは、実家が裕福だったから?
    モラレスがスカーペッタ612を名乗って、テリーに流していた情報は、嘘が大半に真実を織り交ぜていたとして。出身地や少女時代の話はどうやって知った?
    ドクター・レスターから? でも、レスターもスカーペッタとそんなに深いつきあいじゃないんだから、細かい話は知らないんだろうに。
    モラレスとテリーはどうやって知り合ったんだ?

    犯人はわかったけど、このシリーズ、あまり謎解きが親切じゃないよなあ……こっちが読みが浅いだけか?

  • 人間関係がめちゃくちゃで、犯罪がドロドロで、勘弁してほしいなぁ、と前作思っていましたが、なんか少し改善されつつあります。
    良かった。

    私はスカーペッタの作る料理が好きです。
    手の込んだイタリアン。
    時間をかけて、材料を吟味して、美味しいものを作る、そして、どのワインに合うかを真剣に考える。
    ・・・私の考える幸せの一つの形かな。
    スカッペータの料理本出ています。
    こちらもお勧め。

  • 2010.9.6

    久しぶりに読んだシリーズ。

    前作を思い出せないのですが、ここ最近は吐き気がする程に物凄く凶悪で、いろんな事が起こり過ぎてた感じがありました。

    今回はとてもシンプルで分かりやすい気がします。
    すんなり読める。

    お医者さん的にもパソコン的にも警察•検察的にも専門用語が多いのに、眠たくなる事なく引き込まれる。
    情景が浮かぶ。

    作者の方と訳者の方の力が凄いんだなぁと思います。

    間を空けずに下巻スタートします。

  • 最近の作品の中では一番。ハラハラドキドキ、一気に読んでしまうほどの筆力をだった。

  • 検視官シリーズはこうでないと。

    と、思うところに戻ってきてくれたような感じ。

    ほんと最近はグダグダでハッキリ言って全然面白くなかった。
    訳のせい?とも思ったけど、原文をチラ読んでも面白くなかったし。
    ここまで人間変わるか??みたいなところもそうだったけど、初期から出ているキャラクターたちに飽きたのだろうか(海外にそういう作家がいる)?と思うような感じだったのが、本作では見られず、「作者の愛情復活か(笑)?」なんて思ってしまった。
    良かった良かった。これで次作も買うかもしれない。
    ちなみに前作の異邦人は読んだけど買わなかった。あまりに面白くなさ過ぎて。

    内容的には帯を見れば予想できる範囲。

    ページ数稼ぎみたいなグダグダもあったけど、人間なんだからそれぞれのグダグダがあってそれがぶつかりあったらページ数も増えちゃうと思うからそれはしかたないかな。

著者プロフィール

マイアミ生まれ。警察記者、検屍局のコンピューター・アナリストを経て、1990年『検屍官』で小説デビュー。MWA・CWA最優秀処女長編賞を受賞して、一躍人気作家に。ケイ・スカーペッタが主人公の検屍官シリーズは、1990年代ミステリー界最大のベストセラー作品となった。他に、『スズメバチの巣』『サザンクロス』『女性署長ハマー』、『捜査官ガラーノ』シリーズなど。

「2015年 『標的(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

パトリシア・コーンウェルの作品

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