密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1921
レビュー : 255
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765497

作品紹介・あらすじ

"頭狂人""044APD""aXe(アクス)""ザンギャ君""伴道全教授"。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!?歌野本格の粋を心して堪能せよ。

感想・レビュー・書評

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  • …この作品を「面白い」って思ったら自分が不謹慎な人間な気がして、言うのすごく気が引けるんだけど、でも面白かった。
    そう思う自分への嫌悪感に苛まれる作品。

    チャット参加者が、人を殺してはその連続性の法則やらトリックやらアリバイ崩しやらをクイズの問題にして出し合うの。
    人を殺すことへの罪悪感が全くなくて、怖い。
    ある意味みんな狂ってる。
    そして、現代にこういう人達が実際に居そうで、怖い。
    まとわりつくリアリティが怖い。

    はじめは、思い付いたミステリの奇抜な要素を披露し合うだけの連続短編集なのかと思った。
    そしたら、だんだん全てを包み込む大きな物語になっていって、俄然面白くなった。

    考えてみれば、ミステリ作家って、トリックを思い付いたところから肉付けしたりして作品を作ってゆくんだろうから、フィクションの中とはいえ、この登場人物達と同様の行為をしてる訳だよね。
    そういう楽屋裏の作業が作品の核となって表に出てきたところが、この作品の新しさだろう。

    ひとつだけ、頭狂人の殺人は警察にバレちゃうんじゃないだろうか。アリバイ工作したみたいだけど、家の中の人でないと殺せない状況だし、部屋から金品出てきたらアウトじゃないだろうか。

    最後、あれだけ簡単に(知り合いでさえ!)殺してきた人達が、自分の椅子に仕込まれてるかもしれない起爆装置にパニックになるのが興味深い。こりゃ面白いゲームだね~って悪乗りしていいはずなのに。
    多分オフだからだよね。ネットの匿名性というか、ネットで演じている別人格が殺人なんて大胆な行動を後押しするんだろうね…。

  • 初期の家シリーズを読んでいたのだけれど、ちょっと辛くなり最近の作品を摘み読み。面白かった!しかしここで引きとは。続きが気になってしまう。キャラ立ちが素晴らしい。ロジックが毎回気持ちいいし、最後にはちょっとした叙述トリックもあって盛り沢山。ただラストのラストで急にミステリではなくサスペンスになってしまい拍子抜け。願わくば5人の推理ごっこをずっと見ていたかった。

  • いやぁ〜面白かった!

    最初は、一つ一つの事件をゆっくり楽しもうと思ってたのに、気づけば早足で最後まで読み切っていました。

    頭狂人、伴道全教授、ザンギャ君、axe、044APDの五人がネットでの推理ゲームをする。ただし、それは問題の出題者が実際に起こした殺人事件だった。

    頭狂人の正体。
    044APDの正体。

    叙述トリック見事でした!
    続き凄く気になります!!

  • 日常から逸脱してリアルな殺人に手を染めた5人。
    殺人推理ゲームは、彼らが順番に実際に起こした事件をもとに出題され、出題者の求める回答を探り出すゲームだ。
    犯人は最初から出題者だとわかっている。
    被害者はゲームの駒でしかなく、動機はもちろんのこと、罪悪感もまったくない5人。
    インターネットの匿名性を十分に活かし、推理ゲームのためだけに集う彼らは、ゲームのためだけに殺人を犯していく。
    終盤であきらかになっていく彼らのパーソナルデータ。
    意外すぎる結末には衝撃を受けた。
    ただ、最終章に用意されていた「誰が彼女を殺し(救え)ますか?」は必要だったのだろうか?
    続編へ向かう「To Be Continued」のためだけに用意されたように感じてしまった。
    それはそれでいいのだけれど・・・。
    このシリーズは順を追って読まなければ面白さが半減してしまう。
    第1弾から順序よく読むことをすすめたい。

  • 最初の推理トリックは凝りすぎててちょっと疲れましたが
    色々な謎解きを見れてなかなか読み応えがありました

    最後の流れは完全にそうなるだろうなという流れのまま
    突き進んだので、ちょっとがっかり
    そしてラストの展開、そして続く...エッ、続くのこれ

    という感じでした
    なのでなんていうかモヤモヤした読後感です

    結構なページ数、先が気になるという感じでもなく
    淡々と読み進める感じの作品

    ただ、あのラストからどう続けていくのかが気になるので
    続編も読もうと思います

  • この作品に星5つをつけるととんでもなく倫理観が欠如した人間だと思われそうですが、純粋に面白かったです。

    将棋のことは全く知らないので「王手飛車取り」の意味がわからないまま読みました。将棋の話は一つも出て来ません。読み終るころ、「王手飛車取り」の意味をネット検索したらなぜこのタイトルなのかわかりました。一つの事件で二つの真相が現れます。『十角館の殺人』と『ハサミ男』を足して二乗したような強烈な叙述トリック。顔や本名は伏せてのネットでだけのつながり、という条件だけでなんとなく結末は予想できてしまいましたが、それでも読み応え充分でした。かなり凝ったミッシングリンクやアリバイトリックがあります。

    最後は続きを読ませようとしてくる連載漫画のような終わり方でした。気になるから続編も読むしかないですね。(作者の買わせるトリックにハマってしまったようです)

  • 現代型ミステリー。発刊が2010年とあるが、ネット社会がさらに進歩している今現在でも充分に通用する。

    ハンドルネームを用いてお互いの素性をまったく知らない5人がチャットを通じてサークル活動を行なっていた。

    彼らはそれぞれ1人ずつ出題者として事件を提示して、残りの4人で事件の真相について推理する。いわば推理ゲームである。
    ただし、この事件は出題者が実際の現実世界で実行済みのものとなる。つまり出題者は実際に殺人を犯してきて謎を提示して、他の4人がそれを考える訳である。

    サイコパスな設定のように思えるが、登場人物達は良い意味であっさりと猟奇じみているため、そこまでの不快感はない。それに趣向自体は面白いし、読者も一緒に真相を考えながら読み進めることができるので飽きがこない。
    ただ、難点を挙げるとすればフーダニットが通用しないことになるかな。これは作中でも語っているが、犯人は出題者であることがあらかじめ決まっているので、それ以外のトリックで勝負することになる。
    となれば、王道なのはアリバイか密室。どうしても目新しさには欠けると言わざるを得ない。
    そういった意味では最初のミッシングリンクは非常に面白かった。フルコース料理の前菜としては完璧な采配であっただろう。だからこそそれに続く料理への期待値は高まってしまう。

    気に入らないのはその終わり方。え?これで終わり?と拍子ぬけしてしまった。
    でもどうやら続編があるみたいだ。少し間隔を置いてから読みたいな。

  • まず設定が斬新でありつつも今の世の中こういうこともありそうな妙なリアル感。。
    トリックなどはできるのかなぁとおもったものからぞっとするものなど本当におもしろかった。
    最後が、、、これでいいの?とおもったけど。。
    終盤にかけてはほんとに読む手がとまらず、面白かったです!

  • 推理ごっこじゃない。実際に誰かを殺し、世間を騒がせてもいる。なんとも大胆不敵です。
    密室トリックやミッシングリンクなど、あれこれ意見を戦わせる姿を見ているだけで面白く
    一緒になって推理してみたり、彼等の正体を想像してみたり、ほんとに色々と楽しめます。
    続編を読む予定はなかったのですが…こんな終わり方されたら読むしかないじゃないか!

  • 2017年63冊目。
    今年最後にこれまた面白い作品に出会えた。
    今までいろいろ読んできたけどこういうスタイルは斬新。トリック当てだけだと思ってたら、まさかの叙述トリックまで飛び出して、044APDの正体が分かった時には思わず息を呑んだ。
    ただ、最後のTo Be Continuedはなぁ・・。
    続き気になるから2.0とマニアックスも読むけども。

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著者プロフィール

1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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