スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

  • 講談社 (2010年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784062765572

作品紹介・あらすじ

莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)


莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。
そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる
。彼女は誰なのか。
そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。

みんなの感想まとめ

人の心を揺さぶる感動的な物語が展開され、登場人物たちの絆が深まっていく様子が描かれています。新たな居住者莉々亜の登場によって、コーキとの関係が変化し、彼らの生活に新たな風が吹き込みます。感情が高まる瞬...

感想・レビュー・書評

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  • やられた!!下巻の熱量に感情を持っていかれました

    チヨダ・コーキはいつか抜ける
    必要な年齢を過ぎると、その人の本を卒業する
    私が辻村深月さんの本を読む前に思っていた事が、そのまま文章になっていた

    でも今回とても感動したし、こんなに引き込まれるなんて思ってもいなかったから、辻村深月さんはすごい人なんだなと心から尊敬

    人の心理を知っていて、心を鷲掴みにされました

    コーキは知ってたんだね
    それがわかったとき、涙が止まらなかった

    子供にもいつか読んで欲しいな!

  • 今年こそは読もうと決めていた作品。

    人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ──あの事件から十年。
    アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、彼らの友人たちが共同生活を送っていた。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは…。

    「スロウハイツ」みたいな共同生活、憧れるなぁ(*ˊ ˋ*)
    憧れるだけで、他人との共同生活は私にはきっと無理なのだろうけど←

    上巻では登場人物たちの背景や、「スロウハイツ」の成り立ちが描かれ、下巻ではあらゆる物事の真相が明らかになっていく。

    クリエイターである彼ら。
    クリエイターというと、自分からはすごく遠い存在のように思えるが、彼らの言動があまりにも人間的で、彼らを身近に感じられた。
    時にはクリエイターとして、仲間の活躍に嫉妬してしまったり、衝突してしまったりすることもあるけれど、そんな中でも、彼らの間には確かな絆があり、それを思わせる数々の場面では胸が熱くなった。

    下巻からの伏線回収が本当にお見事…!
    何気ない会話、小道具があとで全部繋がっていく構成力に圧倒された。
    これは読後、読み直したくなるなぁ。
    読みやすいが故に、サラッと読んでしまって、読了まで真相に気付けなかったところが一箇所あったのが悔しい…!
    思い返せば、あの言葉が伏線だったのに…!
    (ネタバレサイトにお世話になりました)

    心に支えがあることの大切さ、尊さ、人と人が支え合って生きていくことの大切さを改めて感じる作品だった。
    絶望の淵に立たされても、それがあれば、きっと人は何度でも立ち直れるはずだ。

    ✎︎____________

    恋愛は、同じ人間が陥るのであっても、相手次第でいくらでもその形を変える。(p.54)

    いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず、絶対にそうなるんです。(p.82)

    不幸に依存する人間は、誰かにその状態を見せるところまで含めてが、一つの儀式なのよ。(p.121)

    今日まで、支えがなければとても生きてこられなかった。そんなものが支えだなんて、それをどうかと思う人もいるだろう。けれど、それがあることがどれだけ幸せなことか(p.235)

    人間は、「優しさ」か「強さ」か、そのどちらかを持っていなければ生きていくことなどできず、たいていはそのどちらか片方だけに目が行きがちだが、けれど人は意外とその両方を持ち合わせている(p.250)

    人間の行動の真意なんて、所詮は受け取る側の気持ち一つによる。そしてそれはきっと、どれもがどれもそれぞれに正しい。(p.257)

    怒りだけでは、持続しない。ユーモアや、愛だとかで支えないと。(p.280)

    擁護する目線と、非難する視線とでは、いつだって後者の方が優位だ。お前、そんなものが好きなのか、とばかにする目線の前に、それを庇う反論の声はあまりに無力だ。(p.333)

    そのために、負けず嫌いが高じて人に会えなくなったり、衝突したり、自分自身を磨り減らしたり。そうしながら、生きていく。この方法で世界に関わりたいと望んでしまったから。
    それが叶う場合も、叶わない場合もある。けれどそれにより挫折し、諦め、折り合いをつけることは、嘘をついて手に入れた幸せや楽しみよりきっと価値がある。(p.342)

    道のりを楽しむ者は強くなる。行く手に敵が増えれば増えるほど、達成した時に返ってくるものもまた、大きいはずだ。(p.464)

    • mariさん
      Super8さん

      なんか、すごくいいように捉えてくださって、恐縮です…( ..)՞ありがとうございます♪

      こちらはネタバレサイトのおか...
      Super8さん

      なんか、すごくいいように捉えてくださって、恐縮です…( ..)՞ありがとうございます♪

      こちらはネタバレサイトのおかげで、読み逃していた真相の確認ができたのですが、ネタバレ厳禁の作品だと、そもそもネタバレサイトが存在しないので、真相が分からないまま、モヤモヤを抱えたまま、で終わることもありますよ( 'ᵕ' ; )

      「何がきっかけで、本を好きになったのか」と聞かれても、困るくらいの本好きではあります( ᵕᴗᵕ )
      2025/10/20
    • どんぐりさん
      あー読み終わったんですね(*´∀`*)
      めちゃくちゃ好きだけど
      細かいこと忘れてるから
      私ももう一度読みたくなってきました〜♡


      mari...
      あー読み終わったんですね(*´∀`*)
      めちゃくちゃ好きだけど
      細かいこと忘れてるから
      私ももう一度読みたくなってきました〜♡


      mariさんの本棚見て
      そうよね、次はV.T.Rよねってなってます( ̄∇ ̄)
      2025/10/22
    • mariさん
      どんぐりさん

      私にしては早く読み終わりましたよー(˶'ᵕ'˶ )‪︎
      こちらは何回読んでも新たな発見があって楽しめそうな作品ですよね♪
      私...
      どんぐりさん

      私にしては早く読み終わりましたよー(˶'ᵕ'˶ )‪︎
      こちらは何回読んでも新たな発見があって楽しめそうな作品ですよね♪
      私もいつかは再読したいです!

      そうなんですよ!
      続編は熱いうちに読め!ですよね?(*ˊ ˋ*)笑
      どんぐりさんのこの言葉に、分かるー!と頷きつつ、私は熱いうちに読めていないシリーズ物が実はたくさんあることに気付いちゃいました…( 'ᵕ' ; )
      2025/10/22
  • 雨上がりの虹のようなエンディング。今はこの余韻を味わいたい。いや余韻という言葉では静か過ぎる。今はこの激しい感動に身を任せていたい。

    新聞社に届けられた手紙が
    打ちひしがれた公輝を救う。
    一回目よりも二回目、謎が解けてさらに言葉が響いてくる。
    プラズマテレビやクリスマケーキの奇跡が
    少女達を救う。
    誰かを思う強い気持ちが奇跡を起こす。
    太宰府天満宮の飛梅のように。

    人を傷付けず、闇を覗き込まずに、人の心を揺さぶる漫画。そんなこだわりと決意で生きる住人がいる。
    誰かがピンチの時に、パッと結集する仲間がいる。
    それがスローハイツだ。

    「たまちゃんは気が強くて、こうって決めたら絶対そうする子だから。おばあちゃんは、たまちゃんのそういうところも好きだけどね」
    じわっとくる。いつの間にか妹思いの環と姉思いの桃花を応援している。

    公輝が言った言葉の一つ一つが心に残る。
    「( 創作意欲を)持続させたいなら、怒り以上のもっと別のことをそこに織り交ぜないと。ユーモアとか愛とか」
    「僕らが、それになれているんだとしたら嬉しいです」

    『スロウハイツの神様』に浸りきったこの二日間。
    辻村深月さんのこの本との出会いが
    幸せを運んできてくれた。

    人を強く思う気持ちの中に神様が宿る
    きっと無償の行為、思いの中に
    神様が宿る
    それが奇跡を起こす。

    この本を推して推してくれた次女と
    インターネット黎明期からの友人に感謝。

    • koshoujiさん
      こんにちは。あらためて思い出しますが、この本を初めて読んだ10年ほど前、とにかく感動の号泣でした。人間とは本を読んでこんなに泣けるものか、と...
      こんにちは。あらためて思い出しますが、この本を初めて読んだ10年ほど前、とにかく感動の号泣でした。人間とは本を読んでこんなに泣けるものか、と驚くぐらい、涙が止まらなくなったのを覚えています。それから毎日のように十章と最終章だったかな? を読み続け、2週間以上幸せな眠りについてました。
      2025/08/04
    • まいけるさん
      この小説に出会えたのはまこぱぱさんのおかげです。
      ありがとうございます。
      先日、『凍りのくじら』を読んで、辻村深月さんの小説にまたはまりそう...
      この小説に出会えたのはまこぱぱさんのおかげです。
      ありがとうございます。
      先日、『凍りのくじら』を読んで、辻村深月さんの小説にまたはまりそうです。
      2025/08/05
    • koshoujiさん
      同志が増えて嬉しいです。この作品は、本当に日本中のすべての人に読んでもらいたいぐらいの感動作品ですね。
      同志が増えて嬉しいです。この作品は、本当に日本中のすべての人に読んでもらいたいぐらいの感動作品ですね。
      2025/08/06
  • そう、現代版トキワ荘物語だと思って読み始めた。
    あらでも男女間の話なの...?いや男の友情...?違うな女の友情...?そしてだんだん謎解きみたいになってきたよ...?が上巻までの話。
    これ下巻でどうなるんだろうと思っていたら!

    細かく散りばめられていた謎がほろほろと解けていき、最後はハートウォーミングかよっ!!って目に涙を滲ませながら、興奮して読了。ページが少なくなっていく毎にこの世界が終わっちゃうんだ〜とどんどん寂しくなった。

    コウちゃんの、環に会った時の言葉「お久しぶりです」がくる〜〜。そういうことね〜って。

    小説って、文字だけの(言い過ぎ?)表現なのに人の人生、思想に多大な影響を与えるものですね。まあそういう自分も充分に享受しておりますが。
    そしてその時の自分の状況で、本から受け取るメッセージが変化するのがまた面白いんだよなあ。
    自分の現状と合った本との偶然(いや必然かも)の出会いを大事にしていきたい。
    ああーもっと沢山の本を読みたいよー!(多忙)

  • 下巻に入っていよいよ核心部、スロウハイツで10年前の集団自殺を彷彿させるような殺人事件が起こると思っていたのですが違ってました。敏腕編集者の黒木と環が共謀して起こした事件で、人気作家のコーキと彼のファン加々美ちゃんが202号室で心中してて漫画家の狩野がアリバイを崩してゆくって感じだと思ってたんですけど青春ものだったんですねファンの皆様大変失礼いたしました。ジョン・ウィックみてたので、心が淀んでいたのかもしれません。マトリックスのネオの頃はクールにカッコよかったのに随分と月日が流れてあきれるほど復讐の鬼に変わっちゃてるし。

    スロウハイツの住人たちはそれぞれ秘密にしてる部分があるのですが、文章に書かれてない行間の空白部分から掬おうとすると、疑いから破滅的な思考になっちゃったり。逆に希望もって夢が膨らんだりするけど。どっちに振れるかは何処に違いがあったんだろう。
    それにしても、漫画家志望の狩野って実は金持だったってちゃっかりズルそうな設定でした。
    登場人物の視点に惑わされることなく事実を捉えてゆけば真実に辿りつけるのかな。とりあえず見事に伏線回収されたけど、彼のしたことって彼女に知れることないんだろうなと思うとは歯痒いけど、互いを大事に思うことは相手にしれなくても無性に至福なんだなあてところで涙腺崩壊でした。
    大人になれば忘れられてしまうと思ってたのに彼女しっかり追いかけてきて、もう感動しかないのに。
    「レディ・マディ」チヨダコーキ
    「ハロー・レイチェル」 鼓動チカラ
    「ダークウェル」 幹永舞
    これらみんな黒木プロデュースって抜け目なかったな。
    二人の純愛も黒木プロデュースでまとめないとこのまま交わらないんじゃないかな。それはそれで良さそうだけど。

    • かなさん
      しじみさん、おはようございます(*^^*)
      下巻の読了、お疲れさまでした。
      私ね、この作品ものすごぉ~く、衝撃を受けて…
      感動して、涙...
      しじみさん、おはようございます(*^^*)
      下巻の読了、お疲れさまでした。
      私ね、この作品ものすごぉ~く、衝撃を受けて…
      感動して、涙、涙でした。
      その感覚ってずっと残っているもんですねぇ~!
      しじみさんにも、読んでいただけて嬉しかったです。
      2023/10/22
    • つくねさん
      かなさん、こんにちは♪

      後半で一気に盛り上がってきましたね。
      涙、涙の衝撃でしたww
      かなさんが読まれたのはずーと前なんですよね
      ...
      かなさん、こんにちは♪

      後半で一気に盛り上がってきましたね。
      涙、涙の衝撃でしたww
      かなさんが読まれたのはずーと前なんですよね
      それでも残る感覚って凄ーいなあ。
      シャールさんみたいにですかね (^_^)a
      誰も死ななくてハッピーになれてグッときました。


      2023/10/22
  • 伏線を回収する感動の嵐のような下巻でした。
    自分の行動は誰かしらに影響を与えることになる。
    その影響はプラスのものであってほしいと願いたくなりました。

  • よかったぁ。
    それぞれの登場人物がとても魅力的で愛着が湧いちゃったな。
    後半、全部が繋がっていくところは惹き込まれた。
    展開は予想を超えることはなかったけど、「コーキの天使ちゃん」の真相エピソードには、胸がキュッとなって、後からじんわりときた。
    ふたりとも、愛に関しては不器用だなぁと思いつつ、そこがまた愛らしいなぁと。
    千代田公輝も、赤羽環も、狩野壮太も、長野正義も、森永すみれも、とっても魅力的、みんないいやつだったなぁ。
    爽やかな読後感。
    チヨダ・コーキの小説『V.T.R.』も気になる!

    • かなさん
      ひろさん、こんばんは!
      このお話…ホント好きなんですよ(*´∀`*)
      途中、涙が止まらなくなりました!
      ひろさん、「V.T.R」読むの...
      ひろさん、こんばんは!
      このお話…ホント好きなんですよ(*´∀`*)
      途中、涙が止まらなくなりました!
      ひろさん、「V.T.R」読むのなら
      文庫本をおすすめします。
      図書館にあるといいのだけれど…。
      2025/02/10
    • ひろさん
      かなさん、こんばんは♪
      よかったですよね!もうコーキも環もみんな愛おしい気持ちになりました(*˘︶˘*)
      残念ながらうちの図書館も文庫ではな...
      かなさん、こんばんは♪
      よかったですよね!もうコーキも環もみんな愛おしい気持ちになりました(*˘︶˘*)
      残念ながらうちの図書館も文庫ではないようです…
      ノベルズでもとりあえず物語は楽しめるし…でもでも文庫でリクエストしたら取り寄せてもらえるかなぁ…と悩み中です!
      2025/02/10
  • あまりにも激しい衝撃の前には逆に言葉がすぐには出なくなる。辻村さんの作品では「かがみの孤城」でも感じたことですが、この作品でもそんな事を感じてしまいました。

    『いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。』、いつまでも変わらないかのような日常、でも毎日毎日何かしら変化は訪れる。みんなの夢を乗せたスロウハイツにも変化が訪れていきます。何だかほんわかとした上巻に比べて、下巻では登場人物の内面にどんどん光が当てられていきます。綺麗事ではすまない日常。ツケの精算を求められる日々。でもそんな中でも、みんなもがき苦しみながらも遠くに見えるそれぞれの夢に向かって歩み続けていきます。

    彼らのそんな日々を見ていて、スロウハイツの間取りの絶妙さに感心してしまいました。トキワ荘は建物の二階にある10部屋が舞台でしたが、実際にはその内の7部屋に漫画家が暮らしていたと思います。一方、スロウハイツはそれを三階建てにして、奇しくも7部屋で構成されています。色んな見方ができると思いますが、私には、根の部分、幹の部分、そして大きく葉を広げる三階、そんなイメージを持ちました。一見目立つのは大きく葉を広げた赤羽環ですが、それを強く支え樹の象徴としての幹をどっしり構える千代田公輝。でもそんな彼らの活躍の影に力の元を送り入れ続ける狩野、正義、スーの存在は欠かせない。みんなが揃ってスロウハイツを構成している。こんな風に考えだすともう本当にこれしかない絶妙な間取り、配置だと思いました。

    作品は最後になるにつれ、どんどんスピードを上げていきます。予想の数段上、はるか上空を駆け抜けていく伏線回収の妙。全てのことが明らかになっていく。全てのことが繋がっていく。チヨダ・コーキが神様になっていく瞬間。でも、神様ってなんだろう。何を神様と考えるのだろう。

    日常生活の中でちょっとした良い事、こうなったらいいな、こんな風にならないかな。誰にでも些細なこと含めそんな小さな望み、夢ってあるように思います。そんな小さな事だから、あまりに日常のちょっとした起伏に過ぎないから、そんなことが叶っても夢が叶ったなんて思わないかもしれません。でも、日常が基本だから、毎日過ごすのが日常だから、そこが一番幸せであって欲しい。そこに喜びを感じたい。そんな日常の小さな希望が叶うことの裏に実は誰かの存在があったなら、あったとしたら。普段なかなかそんな風に考えることもなく過ごしていますが、もしかすると自分の今日までのあの瞬間、この瞬間に神様がいたのかもしれない。あれは偶然なんかじゃなくて誰かが支えてくれていたのかもしれない。手を差し伸べていてくれたのかもしれない。あの人が、あれってもしかして…。実は我々の日常にも隠された真実、網のように伏線が張り巡らされている。神様って思った以上に身近にいるのかもしれません。

    そして、物語は未来の予感を感じさせつつ終わります。チヨダ・コーキが人間に戻る時間。また、次の日常のために。

    時間が経てば経つほどに、思い返せば返すほどに、あのことはこうだったのかもしれない、ああだったかもしれないと想像力を喚起し続ける作品。
    とても大切な作品に巡り会えました。

    • さてさてさん
      koshoujiさん、ありがとうございます。
      大好きな、また大切な作品です!
      koshoujiさん、ありがとうございます。
      大好きな、また大切な作品です!
      2022/09/29
    • まいけるさん
      まいけるです。さてさてさんのおっしゃる通り、感動の嵐でした。
      出会えてよかった!心からそう思える本です。
      私が今生きている日常の奥に神様がい...
      まいけるです。さてさてさんのおっしゃる通り、感動の嵐でした。
      出会えてよかった!心からそう思える本です。
      私が今生きている日常の奥に神様がいるのかもしれませんね。
      人を強く思う心の中に神様は宿るように思えた小説でした。
      さてさてさんのレビューのおかげで読後感がさらに豊かになりました。
      2024/07/01
    • さてさてさん
      まいけるさん、コメントありがとうございます。
      感動の嵐…まさしくおっしゃる通りだと思います。傑作ばかりの辻村さんの作品の中でもこの作品は本...
      まいけるさん、コメントありがとうございます。
      感動の嵐…まさしくおっしゃる通りだと思います。傑作ばかりの辻村さんの作品の中でもこの作品は本当に素晴らしいと思います。私たちが神様を感じる瞬間、神様を思う瞬間、良い作品に出会えました。
      やはりまた読みたくなってきましたね。ただ辻村さんの場合、「凍りのくじら」から順番に沿って全部読み返したいです!
      2024/07/01
  • 下巻の展開でスッキリ!

    コーキが初めて、環と公式にあった時「お久しぶりです」って、変だなぁと、でも、絶対に意味があるはずと思いながら読み進めたので、その意味がわかった時は感動した。

    あの事件の直後にコーキを助けたいがために送った128通の手紙を毎日送り続けた環のコーキへの憧れと、コーキの環さんへの感謝の気持ちが、ふたりを絆をより強くし、そしてその絆が恋愛の絆へと変わっていったと感じる。これって、やっぱり恋愛モノだよなと、改めて意識する。

    コウちゃんを模倣した作品に対しての環のコーキの編集者・黒田智志への対抗も環の少女時代がわかれば納得もいく。『ダークウェル』の原稿が、作者のいるはずのない『スロウハイツ』に送られてきたこと。
    この時を境に流れが変わり、もしかしてという想像を楽しみながら読んでいくことになった。

    推理小説でもなく、展開の意外性もないが、こうあって欲しいなぁという着地点に到達した感が残る作品であった。
    少し、ウルウルしそうにはなりながら、スッキリとした後味で終わった。

  • 4度目の再読♪

    何度読んでも、分かってても、泣くうぅ〜〜(TT)
    "こうちゃ〜〜ん"って心の中で叫んでしまう

    あらゆる物語のテーマは結局愛だよね。。

    不器用なみんなが大好き。

    下巻は怒涛の伏線回収!
    辻村作品、これがたまらんのよね〜♡♡


  • ラスト、2人がニューヨークで再会できて、ほんとに良かったなぁ。時間を経ても変わらない愛!

    大好きな辻村さんだけど、過去と現在が入り混じったり、語っている人が度々変わったり、私には読みづらいなと感じる文章が多かったです。

  • 良かった!暫くは上巻同様、各人物描写中心ではあるものの、ちょっとずつ動きが出てきます。スロウハイツ住人の人となりがわかってきたというか、入り込んでいける感じが徐々にしてきました。そして、中盤から最後にかけては、話の展開が急加速的に進んでいった印象。結果的に最終章がとても良かった。この最終話を読む為に読み進めてきたと言っても過言ではないかと、、散りばめられている伏線をしっかり回収した感じです。個人的にはちょっと長かったなという印象は否めません。

  • 上下巻の感想です。
    ひとつの建物に既に成功している小説家、脚本家、これから漫画家、画家、映画監督を目指すクリエイターが一緒に生活していく。
    ブクログで評判が良い作品なのですが、終盤までは、自分には合わないのかと思うほど、引き込まれなかったんだけど、最終盤に話が繋がる繋がる。結果、良い話でした。

  • 上巻では環は自由奔放で、その周りの優しい仲間たちという感じでしたが、実は環が一番優しい人だと思いました。
    スーの将来の為に本気で喧嘩したり、母の行動でおばあちゃんの立場が悪くなった事の怒り、そして、コーキの為にスロウハイツに仲間を集めるなど、自分の事以上に本気になるって素晴らしい人ですね。だから、お母さんは許さなかったけど、お父さんは許したんでしょう。

    それにしても、正義、狩野、スー、コーキ、そして拝島さん、皆んないい人ですよね。
    最後、拝島さん以外、ハッピーエンドになって良かったですが、このメンバーで続編があると嬉しいです。







  • 下巻で一気に物語が進んで、読み進める手が止まらない。そして伏線回収が凄い。気づいた所もそうでない所も楽しめた。素敵すぎる。

  • 「下」巻に入り、スローハイツの住人たちが動き出し、徐々に辻村さんの心理描写の細やかさが深くなっていく気がしました。「上」巻を読むのに3日ほどかかったのですが、「下」巻は一気読み。

    場面・時間の展開も前後左右にスピーディに展開していく。そして、目を見張るばかりの伏線回収。「上」巻も丁寧に読んでいたつもりだったけど、「もっと時間をかけてしっかり読んでおけばよかった」とついつい思ってしまうほど様々なことが繋がっていきます。

    なんとなく朧げに記憶していたストーリーの断片が過去の様々な事実によって形を作り出し、現在のありようを鮮明にしてくる。これまでの人間模様に思わず涙してしまう、そんな感じだったでしょうか。

    「スローハイツの神様」と題した背景もしっかりと腑に落ちました。面白かった。

  • この本もきっと誰かにとっての「辻村ブランド」になるのだろう。

    学校と家庭が世界のほとんどを占める十代前半にとって、この二つに居場所を見いだせなければ、これほどつらいことはない。
    そんな時、息苦しい密閉空間に小さな窓を開いて風を通してくれるのが物語の存在だ。
    生きるか死ぬかの瀬戸際(比喩ではなく)に、あの本の続きが読みたい、次号の漫画が待ち遠しい、来週のアニメが気になる、やりかけのゲームをクリアしなければ、などが明日へのモチベーションになるというのは決して大袈裟な話ではないことを僕は知っている。

    古いかさぶたを剥がされ、むき出しの柔らかい部分をなぞるようなひりひりとした感触。
    そのかさぶたを集めて作った甲冑をまとい、血を流しながら行軍する赤羽環。
    暗く冷ややかな泉を湛えつつ空を仰ぐ狩野荘太。
    封印しながらも大切に抱えていた箱から、ようやく鋏を取り出す長野正義。
    はじめからわかっていた森永すみれ。

    苦手だと思っていた人々はいつしか気になる存在になり、やがて愛おしくなっている。どうでもいい人ならば最初から心に引っかからない。そういうものだろう。
    大人になったいまでは、アクロバティックな綱渡りを繰り返しながらもぎりぎり魂は売っていない(いや悪魔と契約はしているのか?)黒木がかわいく思える。
    千代田公輝はずっと格好良かった。

    何かを生み出す人(クリエイター)はそれだけで偉い。
    感想を言ったり、批評したり、あるいはケチを付けたり、そんな人達よりも圧倒的に偉い。
    脳みそを絞り、体を動かし、0を1にする。
    それだけで尊敬に値する。

    何の意図もなく書いていた物語でも、どこかの誰かの力になっている。もし作者がそれを知り肌で感じた時、その何倍の力を生み出すのだろうか。
    その力がリングのように巡って広がっていけばいい。
    世界は家と学校の往復だけじゃない。
    スタートダッシュは負の感情でもいいから、はやく大気圏を突破して太陽の光をエネルギーに代えてほしい。

    僕は誰に向かって言っているのだろうか。
    それでも、どこかの誰かに届いてほしい。

    (物語はもちろん素晴らしいが、ミステリとしても一級品だと思う。最終章の伏線回収は言うに及ばず、その他さまざまな「正体」を示唆する描写や表現の細かさに、上下巻を読み返してみて驚く。
    あと『とっても!ラッキーマン』を急に読みたくなったのは僕だけだろうか。)

    • kwosaさん
      koshoujiさん!

      コメントありがとうございます。

      どうしていままで「辻村深月」を読んでこなかったんだろう。
      そんな思いを抱えつつも...
      koshoujiさん!

      コメントありがとうございます。

      どうしていままで「辻村深月」を読んでこなかったんだろう。
      そんな思いを抱えつつも、楽しみがたくさん残っていると考えれば嬉しくなります。
      koshoujiさんのおすすめを踏まえつつ、しばらくは講談社路線を読み進めようかと思っています。

      終盤でたたみかけるように真相が明らかになっていく展開はカタルシスを感じるとともに、まさに「涙腺決壊」ですよね。
      人間の優しさをストレートに描くのではなく、上質のエンタテインメントに仕立て上げる手腕も素晴らしく、多くの方々に愛されるのもよくわかります。

      最新作、楽しみですね。
      これからも辻村深月さんをゆっくりと追いかけていきます。
      2013/03/21
    • koshoujiさん
      こんにちは。返事が遅くなりました。
      「スロウハイツ」の次に好きなのは、何と言っても「名前探しの放課後」です。
      「スロウハイツ」同様、最後...
      こんにちは。返事が遅くなりました。
      「スロウハイツ」の次に好きなのは、何と言っても「名前探しの放課後」です。
      「スロウハイツ」同様、最後は号泣で、涙が止まりませんでした。
      ただ、この作品にはラストの仕掛けに対して予備知識がないと意味が分からない部分があるので、
      その意味を理解するためには、先に「ぼくのメジャースプーン」を読んでおいた方が良いかもしれません。
      まあ、そこをさらりと読み飛ばせば、とりわけ気にすることもないのですが。
      2013/03/26
    • kwosaさん
      koshoujiさん

      お返事ありがとうございます。

      『名前探しの放課後』本当に良さそうですね。
      みなさんのおすすめを総合すると『凍りのく...
      koshoujiさん

      お返事ありがとうございます。

      『名前探しの放課後』本当に良さそうですね。
      みなさんのおすすめを総合すると『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』を読んで『名前探しの放課後』という流れがいいのかもしれませんね。
      せっかくなので存分に楽しみたいと思います。
      おすすめありがとうございます。
      2013/03/26
  • 上巻で好みとは違うかな?と思ったことを激しく訂正!最終章の『二十代の千代田公輝は死にたかった』がもう最高!あぁ、終わってほしくない。この2人をもっと見てたい。登場人物みんなを愛しく感じ、すっかり大好きになっていました。コウちゃんの人柄と人生が素敵すぎます。上巻で正義の台詞「愛は執着だよね」には深く頷きましたが、最後「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」で落ちるところも最高でした。


    「いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず、絶対にそうなるんです。僕、結構知ってます。」

  • やっぱ、仲間っていいな!
    みんな素敵です。

    最終章
    コウちゃん、グッジョブ!お疲れ様!
    って言いたい。
    この時の展開、凄く共感出来た。
    お巡りさんから逃げきって、やり遂げた達成感や、草地に倒れこんで見上げた美しい空を、自分も一緒に見た気分になった。
    その時、彼に押し寄せた感情…喜びや嬉しさ、感動、やるせなさ、切なさ、苦しみ、悲しみ、あらゆることに対する怒り。
    この小説のこれまでの色々なシーンが蘇ってくるようで胸がいっぱいになる。

    そうそう。
    あらゆる物語のテーマは愛だと思う。
    特にこの小説においては。

  • ページをめくる手が止まらなかった…!
    後半につれて伏線回収の連続で、驚きつつも公輝の事を考えると切ない気持ちになった。それぞれが苦しみや悩みを抱えつつも、共同生活を通して乗り越えたり、そんな住民を受け入れる皆の暖かさにふれることができた。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。23年に発表された『この夏の星を見る』は映画化された。
そのほか『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』『噓つきジェンガ』など著書多数。

辻村深月の作品

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