スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765572

作品紹介・あらすじ

莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に百二十八通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った一人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った一つの荷物が彼らの時間を動かし始める。

感想・レビュー・書評

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  • そう、現代版トキワ荘物語だと思って読み始めた。
    あらでも男女間の話なの...?いや男の友情...?違うな女の友情...?そしてだんだん謎解きみたいになってきたよ...?が上巻までの話。
    これ下巻でどうなるんだろうと思っていたら!

    細かく散りばめられていた謎がほろほろと解けていき、最後はハートウォーミングかよっ!!って目に涙を滲ませながら、興奮して読了。ページが少なくなっていく毎にこの世界が終わっちゃうんだ〜とどんどん寂しくなった。

    コウちゃんの、環に会った時の言葉「お久しぶりです」がくる〜〜。そういうことね〜って。

    小説って、文字だけの(言い過ぎ?)表現なのに人の人生、思想に多大な影響を与えるものですね。まあそういう自分も充分に享受しておりますが。
    そしてその時の自分の状況で、本から受け取るメッセージが変化するのがまた面白いんだよなあ。
    自分の現状と合った本との偶然(いや必然かも)の出会いを大事にしていきたい。
    ああーもっと沢山の本を読みたいよー!(多忙)

  • 下巻に入っていよいよ核心部、スロウハイツで10年前の集団自殺を彷彿させるような殺人事件が起こると思っていたのですが違ってました。敏腕編集者の黒木と環が共謀して起こした事件で、人気作家のコーキと彼のファン加々美ちゃんが202号室で心中してて漫画家の狩野がアリバイを崩してゆくって感じだと思ってたんですけど青春ものだったんですねファンの皆様大変失礼いたしました。ジョン・ウィックみてたので、心が淀んでいたのかもしれません。マトリックスのネオの頃はクールにカッコよかったのに随分と月日が流れてあきれるほど復讐の鬼に変わっちゃてるし。

    スロウハイツの住人たちはそれぞれ秘密にしてる部分があるのですが、文章に書かれてない行間の空白部分から掬おうとすると、疑いから破滅的な思考になっちゃったり。逆に希望もって夢が膨らんだりするけど。どっちに振れるかは何処に違いがあったんだろう。
    それにしても、漫画家志望の狩野って実は金持だったってちゃっかりズルそうな設定でした。
    登場人物の視点に惑わされることなく事実を捉えてゆけば真実に辿りつけるのかな。とりあえず見事に伏線回収されたけど、彼のしたことって彼女に知れることないんだろうなと思うとは歯痒いけど、互いを大事に思うことは相手にしれなくても無性に至福なんだなあてところで涙腺崩壊でした。
    大人になれば忘れられてしまうと思ってたのに彼女しっかり追いかけてきて、もう感動しかないのに。
    「レディ・マディ」チヨダコーキ
    「ハロー・レイチェル」 鼓動チカラ
    「ダークウェル」 幹永舞
    これらみんな黒木プロデュースって抜け目なかったな。
    二人の純愛も黒木プロデュースでまとめないとこのまま交わらないんじゃないかな。それはそれで良さそうだけど。

    • かなさん
      しじみさん、おはようございます(*^^*)
      下巻の読了、お疲れさまでした。
      私ね、この作品ものすごぉ~く、衝撃を受けて…
      感動して、涙...
      しじみさん、おはようございます(*^^*)
      下巻の読了、お疲れさまでした。
      私ね、この作品ものすごぉ~く、衝撃を受けて…
      感動して、涙、涙でした。
      その感覚ってずっと残っているもんですねぇ~!
      しじみさんにも、読んでいただけて嬉しかったです。
      2023/10/22
    • つくねさん
      かなさん、こんにちは♪

      後半で一気に盛り上がってきましたね。
      涙、涙の衝撃でしたww
      かなさんが読まれたのはずーと前なんですよね
      ...
      かなさん、こんにちは♪

      後半で一気に盛り上がってきましたね。
      涙、涙の衝撃でしたww
      かなさんが読まれたのはずーと前なんですよね
      それでも残る感覚って凄ーいなあ。
      シャールさんみたいにですかね (^_^)a
      誰も死ななくてハッピーになれてグッときました。


      2023/10/22
  • 下巻の展開でスッキリ!

    コーキが初めて、環と公式にあった時「お久しぶりです」って、変だなぁと、でも、絶対に意味があるはずと思いながら読み進めたので、その意味がわかった時は感動した。

    あの事件の直後にコーキを助けたいがために送った128通の手紙を毎日送り続けた環のコーキへの憧れと、コーキの環さんへの感謝の気持ちが、ふたりを絆をより強くし、そしてその絆が恋愛の絆へと変わっていったと感じる。これって、やっぱり恋愛モノだよなと、改めて意識する。

    コウちゃんを模倣した作品に対しての環のコーキの編集者・黒田智志への対抗も環の少女時代がわかれば納得もいく。『ダークウェル』の原稿が、作者のいるはずのない『スロウハイツ』に送られてきたこと。
    この時を境に流れが変わり、もしかしてという想像を楽しみながら読んでいくことになった。

    推理小説でもなく、展開の意外性もないが、こうあって欲しいなぁという着地点に到達した感が残る作品であった。
    少し、ウルウルしそうにはなりながら、スッキリとした後味で終わった。

  • 4度目の再読♪

    何度読んでも、分かってても、泣くうぅ〜〜(TT)
    "こうちゃ〜〜ん"って心の中で叫んでしまう

    あらゆる物語のテーマは結局愛だよね。。

    不器用なみんなが大好き。

    下巻は怒涛の伏線回収!
    辻村作品、これがたまらんのよね〜♡♡


  • あまりにも激しい衝撃の前には逆に言葉がすぐには出なくなる。辻村さんの作品では「かがみの孤城」でも感じたことですが、この作品でもそんな事を感じてしまいました。

    『いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。』、いつまでも変わらないかのような日常、でも毎日毎日何かしら変化は訪れる。みんなの夢を乗せたスロウハイツにも変化が訪れていきます。何だかほんわかとした上巻に比べて、下巻では登場人物の内面にどんどん光が当てられていきます。綺麗事ではすまない日常。ツケの精算を求められる日々。でもそんな中でも、みんなもがき苦しみながらも遠くに見えるそれぞれの夢に向かって歩み続けていきます。

    彼らのそんな日々を見ていて、スロウハイツの間取りの絶妙さに感心してしまいました。トキワ荘は建物の二階にある10部屋が舞台でしたが、実際にはその内の7部屋に漫画家が暮らしていたと思います。一方、スロウハイツはそれを三階建てにして、奇しくも7部屋で構成されています。色んな見方ができると思いますが、私には、根の部分、幹の部分、そして大きく葉を広げる三階、そんなイメージを持ちました。一見目立つのは大きく葉を広げた赤羽環ですが、それを強く支え樹の象徴としての幹をどっしり構える千代田公輝。でもそんな彼らの活躍の影に力の元を送り入れ続ける狩野、正義、スーの存在は欠かせない。みんなが揃ってスロウハイツを構成している。こんな風に考えだすともう本当にこれしかない絶妙な間取り、配置だと思いました。

    作品は最後になるにつれ、どんどんスピードを上げていきます。予想の数段上、はるか上空を駆け抜けていく伏線回収の妙。全てのことが明らかになっていく。全てのことが繋がっていく。チヨダ・コーキが神様になっていく瞬間。でも、神様ってなんだろう。何を神様と考えるのだろう。

    日常生活の中でちょっとした良い事、こうなったらいいな、こんな風にならないかな。誰にでも些細なこと含めそんな小さな望み、夢ってあるように思います。そんな小さな事だから、あまりに日常のちょっとした起伏に過ぎないから、そんなことが叶っても夢が叶ったなんて思わないかもしれません。でも、日常が基本だから、毎日過ごすのが日常だから、そこが一番幸せであって欲しい。そこに喜びを感じたい。そんな日常の小さな希望が叶うことの裏に実は誰かの存在があったなら、あったとしたら。普段なかなかそんな風に考えることもなく過ごしていますが、もしかすると自分の今日までのあの瞬間、この瞬間に神様がいたのかもしれない。あれは偶然なんかじゃなくて誰かが支えてくれていたのかもしれない。手を差し伸べていてくれたのかもしれない。あの人が、あれってもしかして…。実は我々の日常にも隠された真実、網のように伏線が張り巡らされている。神様って思った以上に身近にいるのかもしれません。

    そして、物語は未来の予感を感じさせつつ終わります。チヨダ・コーキが人間に戻る時間。また、次の日常のために。

    時間が経てば経つほどに、思い返せば返すほどに、あのことはこうだったのかもしれない、ああだったかもしれないと想像力を喚起し続ける作品。
    とても大切な作品に巡り会えました。

    • koshoujiさん
      ナイスなレビューです!
      ナイスなレビューです!
      2022/09/29
    • さてさてさん
      koshoujiさん、ありがとうございます。
      大好きな、また大切な作品です!
      koshoujiさん、ありがとうございます。
      大好きな、また大切な作品です!
      2022/09/29
  • 上巻で好みとは違うかな?と思ったことを激しく訂正!最終章の『二十代の千代田公輝は死にたかった』がもう最高!あぁ、終わってほしくない。この2人をもっと見てたい。登場人物みんなを愛しく感じ、すっかり大好きになっていました。コウちゃんの人柄と人生が素敵すぎます。上巻で正義の台詞「愛は執着だよね」には深く頷きましたが、最後「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」で落ちるところも最高でした。


    「いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず、絶対にそうなるんです。僕、結構知ってます。」

  • この本もきっと誰かにとっての「辻村ブランド」になるのだろう。

    学校と家庭が世界のほとんどを占める十代前半にとって、この二つに居場所を見いだせなければ、これほどつらいことはない。
    そんな時、息苦しい密閉空間に小さな窓を開いて風を通してくれるのが物語の存在だ。
    生きるか死ぬかの瀬戸際(比喩ではなく)に、あの本の続きが読みたい、次号の漫画が待ち遠しい、来週のアニメが気になる、やりかけのゲームをクリアしなければ、などが明日へのモチベーションになるというのは決して大袈裟な話ではないことを僕は知っている。

    古いかさぶたを剥がされ、むき出しの柔らかい部分をなぞるようなひりひりとした感触。
    そのかさぶたを集めて作った甲冑をまとい、血を流しながら行軍する赤羽環。
    暗く冷ややかな泉を湛えつつ空を仰ぐ狩野荘太。
    封印しながらも大切に抱えていた箱から、ようやく鋏を取り出す長野正義。
    はじめからわかっていた森永すみれ。

    苦手だと思っていた人々はいつしか気になる存在になり、やがて愛おしくなっている。どうでもいい人ならば最初から心に引っかからない。そういうものだろう。
    大人になったいまでは、アクロバティックな綱渡りを繰り返しながらもぎりぎり魂は売っていない(いや悪魔と契約はしているのか?)黒木がかわいく思える。
    千代田公輝はずっと格好良かった。

    何かを生み出す人(クリエイター)はそれだけで偉い。
    感想を言ったり、批評したり、あるいはケチを付けたり、そんな人達よりも圧倒的に偉い。
    脳みそを絞り、体を動かし、0を1にする。
    それだけで尊敬に値する。

    何の意図もなく書いていた物語でも、どこかの誰かの力になっている。もし作者がそれを知り肌で感じた時、その何倍の力を生み出すのだろうか。
    その力がリングのように巡って広がっていけばいい。
    世界は家と学校の往復だけじゃない。
    スタートダッシュは負の感情でもいいから、はやく大気圏を突破して太陽の光をエネルギーに代えてほしい。

    僕は誰に向かって言っているのだろうか。
    それでも、どこかの誰かに届いてほしい。

    (物語はもちろん素晴らしいが、ミステリとしても一級品だと思う。最終章の伏線回収は言うに及ばず、その他さまざまな「正体」を示唆する描写や表現の細かさに、上下巻を読み返してみて驚く。
    あと『とっても!ラッキーマン』を急に読みたくなったのは僕だけだろうか。)

    • kwosaさん
      koshoujiさん!

      コメントありがとうございます。

      どうしていままで「辻村深月」を読んでこなかったんだろう。
      そんな思いを抱えつつも...
      koshoujiさん!

      コメントありがとうございます。

      どうしていままで「辻村深月」を読んでこなかったんだろう。
      そんな思いを抱えつつも、楽しみがたくさん残っていると考えれば嬉しくなります。
      koshoujiさんのおすすめを踏まえつつ、しばらくは講談社路線を読み進めようかと思っています。

      終盤でたたみかけるように真相が明らかになっていく展開はカタルシスを感じるとともに、まさに「涙腺決壊」ですよね。
      人間の優しさをストレートに描くのではなく、上質のエンタテインメントに仕立て上げる手腕も素晴らしく、多くの方々に愛されるのもよくわかります。

      最新作、楽しみですね。
      これからも辻村深月さんをゆっくりと追いかけていきます。
      2013/03/21
    • koshoujiさん
      こんにちは。返事が遅くなりました。
      「スロウハイツ」の次に好きなのは、何と言っても「名前探しの放課後」です。
      「スロウハイツ」同様、最後...
      こんにちは。返事が遅くなりました。
      「スロウハイツ」の次に好きなのは、何と言っても「名前探しの放課後」です。
      「スロウハイツ」同様、最後は号泣で、涙が止まりませんでした。
      ただ、この作品にはラストの仕掛けに対して予備知識がないと意味が分からない部分があるので、
      その意味を理解するためには、先に「ぼくのメジャースプーン」を読んでおいた方が良いかもしれません。
      まあ、そこをさらりと読み飛ばせば、とりわけ気にすることもないのですが。
      2013/03/26
    • kwosaさん
      koshoujiさん

      お返事ありがとうございます。

      『名前探しの放課後』本当に良さそうですね。
      みなさんのおすすめを総合すると『凍りのく...
      koshoujiさん

      お返事ありがとうございます。

      『名前探しの放課後』本当に良さそうですね。
      みなさんのおすすめを総合すると『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』を読んで『名前探しの放課後』という流れがいいのかもしれませんね。
      せっかくなので存分に楽しみたいと思います。
      おすすめありがとうございます。
      2013/03/26
  • 「下」巻に入り、スローハイツの住人たちが動き出し、徐々に辻村さんの心理描写の細やかさが深くなっていく気がしました。「上」巻を読むのに3日ほどかかったのですが、「下」巻は一気読み。

    場面・時間の展開も前後左右にスピーディに展開していく。そして、目を見張るばかりの伏線回収。「上」巻も丁寧に読んでいたつもりだったけど、「もっと時間をかけてしっかり読んでおけばよかった」とついつい思ってしまうほど様々なことが繋がっていきます。

    なんとなく朧げに記憶していたストーリーの断片が過去の様々な事実によって形を作り出し、現在のありようを鮮明にしてくる。これまでの人間模様に思わず涙してしまう、そんな感じだったでしょうか。

    「スローハイツの神様」と題した背景もしっかりと腑に落ちました。面白かった。

  • 上巻が多少ダレ気味だったが、下巻の半ば以降から一気に加速。
    小さなエピソードも台詞もすべてが、実に鮮やかに回収されてラストへと向かう。
    赤羽環の設定が何故こんなにえぐいのか。
    スロウハウスに作家のチヨダコーキが住まうのは何故か。
    何故登場人物たちの距離がこんなに近いのか。
    今ではよく分かる。
    これは、コーキの純愛をからめたクリエイターたちの成長と再生の物語だ。
    お互いがお互いから何かを受け取り、何かを与え、そして新しい階段を昇って行く。

    物語が人生を支える。
    そんなことを言うと陳腐に聞こえるが、誰の人生の中でも、一冊の本や一本の映画が、あるいはひとつの曲が、心の支えだった時があることだろう。
    大人になっても忘れらない名作や名曲も、ひとつやふたつではない。
    それは、間違いなくあなたの一部となり、成長を後押ししてくれたものだからだ。

    『私は虚構と現実がごっちゃになったりはしていないし、自分の現実をきちんと捉えたその上で、チヨダブランドを読むのが何よりの幸せです。
    (中略)読んでもいないのに、本を悪く言う人もいるだろうし、読んでも心に響かない人もいると思う。
    だけど、私には響いたんです。
    あの時期に、チヨダ先生の本を読んでいなければ、私は今、ここにいませんでした。』

    ・・その著作に影響されたという殺人事件から、作家チヨダ・コーキは筆を折る。
    そこに届いたのがこの手紙だった。
    『コーキの天使ちゃん』と呼ばれたこの手紙の主に秘かに会いに行き、そこでコーキが見たもの。
    もうここから先は涙が滲んで読めなくなるほどだった。
    『天使』どころではなかった。
    手紙の主の、あまりに過酷な現在。
    離ればなれで暮らす妹との、週一のわずかな逢瀬。ここは泣けた。たまらなく泣けた。
    そしてコーキもまた、そこから再生していく。

    『大人になるのを支える文学。・・・それで構わないんです。
     (中略)その時期を抜ければ、それに頼らないでも自分自身の恋や、家族や、人生の楽しみが見つかって生きていける。それまでの繋ぎの、現実逃避の文学だと言われても、それで構いません。自分の仕事に誇りを持っています』

    良いことばかり書いている作品では決してないし、善人ばかりが登場するわけでもない。
    殆ど漫画だなと思いながら、それでも惹きつけるものがあるのは確か。その時代、その年ごろを思い出すからだろう。
    もしかしたら、誰もが誰かから何かを受け取り、何かを与えているのかもしれない。
    そう思うことが、私をつつましい気持ちにさせる。
    創作に関わることを、どうか諦めないで欲しいという作者の願いが痛々しいほどに伝わってくる。
    そしてこの作品もまた、誰かの心の支えになっていくことだろう。

    • 大野弘紀さん
      高校生の時に、この小説に出会いました。

      表現と、戦い
      孤独と、共闘

      独りじゃないって、そういうことかなって。
      高校生の時に、この小説に出会いました。

      表現と、戦い
      孤独と、共闘

      独りじゃないって、そういうことかなって。
      2020/06/21
    • nejidonさん
      大野弘紀さん、こんにちは(^^♪ご無沙汰しております。
      若松英輔さんがとても好きで、思わずクリックしました。
      そうですね、辻村さんの本は...
      大野弘紀さん、こんにちは(^^♪ご無沙汰しております。
      若松英輔さんがとても好きで、思わずクリックしました。
      そうですね、辻村さんの本は高校生くらいで読むのが妥当かもしれません。
      凄まじいエネルギーがあるので、気力と体力がないと入り込めないのです。
      「表現と、戦い
       孤独と、共闘」
      はい、私もそう思います。
      独りじゃないということを、若い日に学べるのは素敵なことですね。
      ありがとうございました。



      2020/06/21
  • よかった!の一言につきます。
    淡々と読み進めた上巻、あらゆるところに散りばめられた伏線を
    下巻では見事に回収され、その素晴らしさに一気に読みぬけました。
    さすが!!辻村さん。

    コウちゃんの環に対する、無償の愛っていうのかな、不器用なんだけど必死なところがなんとも愛おしい。環のコウちゃんへの思いも、これもまた不器用なんだけど一途で、後半は読んでいて涙がポロポロこぼれてきました。

    スロウハイツの住人もみんな素敵で、スーと環の関係もすごく好き。
    こんな女友達っていいなぁと思う。

    愛がいっぱいつまった本でした。人を愛するってことはなんて素敵なことなんだろう♫とあらためて感じました。
    下巻を読み終わったうえで、もう一度上巻から読み直したくなります(#^^#)

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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