空港 25時間 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765695

感想・レビュー・書評

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  • パイロット、フライトアテンダントのことはよく紹介されるが、本書はそれ以外の色々な「空港・飛行機を支える人々」についても紹介している。
    機長、パーサーのほか、機内クリーニング、整備士、運行管理者などへのインタビュー集。

    1996年初版の本なので、内容的にはやや古め?
    当時のベテランの方々に話を伺っているようなので、出てくる機体名などが古い。今現在とはシステムや仕組みもちょっと違っているかもしれない。

    著者のコメントや感想などが入らない、各インタビュー協力者による一人語りのような形をとっている。
    仕事それ自体の内容ばかりでなく、その人がその仕事につくまでの経緯や一人前になるまでの修行時代のことなども語られており、おもしろい。

  • 私の尊敬する鎌田さんのご本を読む時には、気合いを入れて「読むぞぉ~、たるんだ日常の自分の目を覚まさせるぞぉ~、世の中にはまだまだオマエの知らない社会問題がいっぱいあるんだぞぉ~」という心構えをしているのですが、このご本は鎌田さん自身が「わたしは飛行機が大好きなのだ」(あとがき)と書かれているように珍しく肩の凝らない読み物で、楽しく読ませていただきました。
    私はめったに乗れない飛行機よりも「バス」がとっても好きなんですが、飛行機に乗ったらずっと窓から外を眺めていたいという気持ちはよくわかります。でも出張なんかだと飛行機の中までその日の仕事の準備でテンぱってたりするんですよねぇ~。
    この本は「飛行機は誰が飛ばしているのか」を描いた本です。
    books183

  • パイロット、CAなどの飛行機の乗務員だけが飛行機を飛ばすのではない。
    空港カウンター、貨物の搭載、機内クリーニング、整備、運航管理、航空管制、税関など、空港で働く人々が携わる仕事のすべてを取材。
    あらゆる箇所で、ドッグイヤーした。
    現場で働いていながら、知らない世界がたくさんあることに気づかされた。
    ぐっときて胸が痛むシーンも。
    飛行機好き、空港好きの人にぜひ読んでもらいたい一冊。

  • 誇り高き職能集団。彼ら彼女らがいるからこそ、空の旅は快適になる。仕事のプロフェッショナルが大勢いるのに、なんで日本航空はあんなことになっちゃったのかなぁ。残念。

  • 空港・航空機で働く人々のインタビュー集。
    それぞれの仕事の手続きや考え方をかなり細かいところまでフォローしており、興味を持って読めた。

    ただし、話す人のパーソナリティーなのか、事実を淡々と話し続ける時もあり、もう少し構成のために手を加えるなり、インタビュアーのコメントを入れるなりしたほうが読みやすく、ポイントも把握できたのではないか。

  • 空港で働く様々な人々のインタビューをまとめたもの。パイロットやフライトアテンダントだけでなく、裏方の視点も備え、「飛行機を飛ばすとはどういうことか」を多角的に捉えた本。たなぞうで教えていただいた本。おもしろく読めました。単行本として出たのが1996年であり、取材はそれより前なので、幾分(いや、かなりか?)昔の「現状」で、今はいろいろと違っている部分が増えているのでしょうが、それにしてもおもしろかった。カウンター業務、航空管制くらいは何となくイメージが沸くけれど、運行管理者(ディスパッチャー)という仕事はなじみが薄い感じ。燃料計算やコースの決定など、地上からの支援を行うものなんだそうです。パイロットにしろ、整備士にしろ、自衛隊経験者が多いのも本書で知りました。言われてみればもっともな感じはします。どの職種も大変だけれど、達成感が大きいであろうことも想像がつきます。もう10数年(!)、飛行機に乗っていないけれど、そのうち乗ってみたいなぁ。*でも犬は置いていこう・・・。貨物積載担当さんの話を読むと、積まれた犬たちは結構不安な思いをしているみたいだし。映画『ハッピーフライト』がおもしろかったという方も是非!

  • パイロットから税関の人まで、空港で働くいろいろな人々のインタビューを集めた1冊。飛行機が安全に快適に飛ぶために、これだけ多くの人が関り、それぞれの職種でベストを尽くしているということが分かり、とても興味深かったです。作者の主観的文章が一切入らず、それぞれの人のインタビュー内容のみで構成されています。このあたりもなかなか好感が持てました。お仕事柄、国内海外ヒコーキで飛び回ってるような方などは、ゼヒ読むべし。

  • 快適に飛行機の乗れるのはこれだけ多くの職種の人達あってのことなのかと,考えさせられました。仕事をこなすだけでも大変だろうに,その上,お客のことを思って働こうとしている姿には頭が下がります。
    飛行機に乗るときは,感謝の気持ちを忘れないようしないといけないな。

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著者プロフィール

鎌田 慧(かまた さとし)
1938年青森県生まれ。ルポライター。
県立弘前高校卒業後に東京で機械工見習い、印刷工として働いたあと、早稲田大学文学部露文科で学ぶ。30歳からフリーのルポライターとして、労働、公害、原発、沖縄、教育、冤罪などの社会問題を幅広く取材。「『さよなら原発』一千万署名市民の会」「戦争をさせない1000人委員会」「狭山事件の再審を求める市民の会」などの呼びかけ人として市民運動も続けている。
著書は『自動車絶望工場―ある季節工の日記』『去るも地獄 残るも地獄―三池炭鉱労働者の二十年』『日本の原発地帯』『六ケ所村の記録』(1991年度毎日出版文化賞)『ドキュメント 屠場』『大杉榮―自由への疾走』『狭山事件 石川一雄―四一年目の真実』『戦争はさせない―デモと言論の力』ほか多数。

「2016年 『ドキュメント 水平をもとめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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