真夏の島に咲く花は (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 621
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765701

感想・レビュー・書評

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  • 切ないなぁ。

    恐ろしく読みやすいので、一気に読んで
    読後、気持ち的にウツっぽくなった。

  • 南太平洋上の国、フィジーを舞台としたストーリー。
    日本から両親と移住してきたヨシ、ガソリンスタンドで働くフィジアン・チョネ、父のお土産物屋を手伝うインド人・サティー、ワーキング・ビザでフィジーに来た茜の4人の若者。
    ある日フィジー人によるクーデターが起き、首都から離れた4人の暮らす街でも影響が出始めた。
    そんな時、チョネの元恩師のトラブルが起き・・・。

    最初の100ページくらいは、主人公4人の日常風景が丁寧に描かれ、フィジー現地ののんびりとした雰囲気のように、物語はゆっくり進んでいきます。
    彼らの恋愛模様が描かれていく中で、価値観や性質の違うインド系移民と元々フィジーに住んでいた現地人の共存の様子や、フィジー人ののんびりすぎる気質や個人所有という概念の無さからくる二つの民族の葛藤などが織り込まれ、自然とフィジーの社会構造が頭に入ってきます。

    クーデターが起こってからも、首都とは離れているせいかゆったりとしたテンポでお話は進んでいきます。
    こういう場合、日本だともっと大騒ぎになると思うのですが、主人公たちの生活にじわじわ影響が出てからもテンポはあまり変わらないので、その感じが妙にリアルでした。

    他の垣根作品のような圧倒的なスピード感と緊迫感を求めていると肩透かしを食らうはめになりますが、人間の幸せについて熟考させられる良作だと思います。

    資本主義社会にどっぷりつかっている私たち日本人と、お金も所有概念もないフィジー人のどちらが幸せなんでしょうね。
    民族が異なると価値観も違うように、幸福のものさしは人それぞれなのかなあ。

    どれも正解で、今いる場所が楽園だと、ゆるく考えればいいんじゃないと垣根さんは言いたいのかもしれないですね。

  • この本、スゴイおもしろいです。
    生きるとは、自由とは、幸せとは、といったことを考えるきっかけを与えてくれます。


    --
    フィジーでは、先住民であるフィジー系住民と移民であるインド系住民との間で対立が深まっていた。

    村落共同体がほとんどの資源を共有財産として所有するフィジーでは、フィジー系住民は自由に家を建て、自生する食物を食べることができる一方、インド系住民はわずかに所有が認められる土地を借りて商売をしながら、共同体に借地料を払わなければならない。

    そんな中、クーデターが起きてしまう。

    51%を占める陽気でおおらかなフィジー人、44%を占める真面目で几帳面なインド人、マイノリティである日系と中国系の若者たちは何を思い、何を決断するのか。

  • 2011年9冊目

  • クーデターが起こったときのフィジーを舞台に繰り広げられる若者たちの群像劇.フィジー人,インド系フィジー人,日系フィジー人,日本人の4人の視点から構成されている.資本主義の浸透により失われつつあるものを浮き彫りにしている.

  • 表紙が綺麗だったので気になって手にとった。
    長いので読み始めるのに時間がかかったが、登場人物4人の立場からの見方で、視点が変わりながらストーリーが進んでいくので読みやすかった。
    フィジー島の陽気で明るい雰囲気のお話かと思ったが、人種、出身、性格、考え方など様々なものを感じながら恋愛、友情関係、商売など、、キャラクターがとてもよくわかるからこそ、後半は感情移入してとても胸が痛くなった。
    代表的な登場人物ではなかったが、茜の友人の和子が日本の会社を辞めた理由の、『日常にある大切なものに気づいてしまったとき、日常には戻れない。目をつぶって自分を誤魔化し続けるか生活を根本から変えていくしかない』というフレーズが心に残った。登場人物ふくめ、フィジー島で暮らしてる人たちが羨ましく思った。。

  • 可もなく不可もなく。

  • 舞台はフィジー。スペイドたちのクーによって、国民の中でくすぶっていた民族対立が表面化する。背景には、「自分の家に間借りした人間が、その家の持ち主以上の暮らしを始めたら、誰だっていい気はしないだろう。本質はたぶん、そんなところにある。嫉妬だよ」というラトゥの言葉が印象的。

  • ワイルドソウルとはまた全然趣が違うけど これはこれで面白かった。
    垣根涼介って ほんと外国を舞台にしたり 外国の人を描くのが上手い。
    国民性って ほんといろいろだなぁ。
    どの民族が優れてるとか いいとか 悪いとかじゃなく やはり生まれ育った場所や環境で 育まれるものが確実にあるんだろう。

  • 安定を保っていたフィジーが、クーによって、少しずつ変化し、それによって運命が変わっていく若者たちの姿は、切なくてスリリングで、なかなか興味深かった。
    が、正直、チョネの良さがいまいち解らなくてなー。
    そこだけ、物語にのめりこめなかった。
    文化の違いかな。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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