ふりむく (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 515
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765923

作品紹介・あらすじ

絵と文章が互いに広げあう21の物語。

この本は薄くて小さな本ですが、分厚い長編小説よりも、ずっと長い時間、ぼくたちを楽しませてくれることでしょう。――永江朗(「この本のつかいかた」より)

さようなら。私はもうあなたのものではありません。たぶんもともとあなたのものではなかったのです――空港、波、木漏れ日、女性……「ふりむく」というテーマで描いた松尾たいこの絵から、江國香織が文章を紡いだ21の物語。繰り返し読めば読むほど、自分だけのストーリー(ふりむく)まで動き出す、不思議な1冊。

※本書は2005年9月15日にマガジンハウスより刊行されたものに解説を加え、文庫化したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 松尾たいこの絵を見て江國香織が短文を書いた作品集

    小説を読んでその挿絵を書くという順番ではなく、絵を見て作家が文章を書くという試み

    絵と文章の見開き1ページで、ページ数も少ないのでサクッと読める

    江國さん好きとしては、「この絵で朝食を想像するのか」とか「旅館からの風景を思い浮かべるんだ?」とか「猿って発想はなかったわ。ただ、言われてみれば確かにそう見えてくる」と江國さんの感性の一部を垣間見たような気分になれる
    作家さんには、自分が絵を見て想像したものとは違ったバックボーンが見えているんだなぁと改めて思う

  • 儚くて爽やかです。

  • 絵に短い文章を添えた作品集。
    松尾たいこさんの絵、初めて見たけど結構好き。
    江國さんの言う”不安定”なところに含まれる余韻がすごい。
    その余韻の味わいで好きにも嫌いにもなる絵たち。

  • なんだかすごく満ち足りた、贅沢な時間を過ごした気がします。松尾たいこさんの絵に、江國香織さんが文を書かれている本です。この絵からこんな文が出てくるのか、と、面白く読みました。どのお話も、寂しかったり清々したりといろいろ思い浮かぶのですが、1番初めの犬のお話が好きです。時々本棚から取り出して、ぱらぱらめくると素敵な時間を過ごせそうです。

  • 絵を見て作家が文章を付ける、と言う少し変わった試みの本。
    絵と文章にしっかりとした繋がりは感じさせず、しかし文章はその絵の醸し出す雰囲気をしっかりと纏って。
    この絵にこう文章を持ってくるのか、と思いもよらぬ方向の言葉に唸ったり「ああ、たしかにそんな感じ」と納得したり、色々な見方やイメージが膨らむ本でした。

  • 2016 7/24

  • 松尾たいこさんの美しい色合いに
    やさしくて甘い江國香織さんの言葉が
    のせられ。

    やわらかい気持ちになりたいとき、
    パッとあけたページから
    甘さや苦さや、いろんな味が
    ふんわりひろがる。
    そんな心持ちになれる一冊。

  • 一枚の絵から広がる文章。
    短い文章だけれど、絵と絡み合って深い物語になる。

  • わたしはうしろむきでオッケーなわけですが、みんなにはふりむいて欲しいと願っていますよ。
    ひとはみんな孤独なんですよね。
    うんうん。よかった。ちょうどよかった。お風呂でその行間を読みました。

  • 一枚の絵に、一枚の物語。

    このコンセプトがすばらしいと思いました。


    さようなら、
    からはじまり、

    でもすこしだけ、誰かのものになれてうれしかった。

    で終わる話が一番好きでした。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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