- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062765923
作品紹介・あらすじ
絵と文章が互いに広げあう21の物語。
この本は薄くて小さな本ですが、分厚い長編小説よりも、ずっと長い時間、ぼくたちを楽しませてくれることでしょう。――永江朗(「この本のつかいかた」より)
さようなら。私はもうあなたのものではありません。たぶんもともとあなたのものではなかったのです――空港、波、木漏れ日、女性……「ふりむく」というテーマで描いた松尾たいこの絵から、江國香織が文章を紡いだ21の物語。繰り返し読めば読むほど、自分だけのストーリー(ふりむく)まで動き出す、不思議な1冊。
※本書は2005年9月15日にマガジンハウスより刊行されたものに解説を加え、文庫化したものです。
感想・レビュー・書評
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松尾たいこの絵を見て江國香織が短文を書いた作品集
小説を読んでその挿絵を書くという順番ではなく、絵を見て作家が文章を書くという試み
絵と文章の見開き1ページで、ページ数も少ないのでサクッと読める
江國さん好きとしては、「この絵で朝食を想像するのか」とか「旅館からの風景を思い浮かべるんだ?」とか「猿って発想はなかったわ。ただ、言われてみれば確かにそう見えてくる」と江國さんの感性の一部を垣間見たような気分になれる
作家さんには、自分が絵を見て想像したものとは違ったバックボーンが見えているんだなぁと改めて思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
儚くて爽やかです。
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絵に短い文章を添えた作品集。
松尾たいこさんの絵、初めて見たけど結構好き。
江國さんの言う”不安定”なところに含まれる余韻がすごい。
その余韻の味わいで好きにも嫌いにもなる絵たち。 -
なんだかすごく満ち足りた、贅沢な時間を過ごした気がします。松尾たいこさんの絵に、江國香織さんが文を書かれている本です。この絵からこんな文が出てくるのか、と、面白く読みました。どのお話も、寂しかったり清々したりといろいろ思い浮かぶのですが、1番初めの犬のお話が好きです。時々本棚から取り出して、ぱらぱらめくると素敵な時間を過ごせそうです。
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絵を見て作家が文章を付ける、と言う少し変わった試みの本。
絵と文章にしっかりとした繋がりは感じさせず、しかし文章はその絵の醸し出す雰囲気をしっかりと纏って。
この絵にこう文章を持ってくるのか、と思いもよらぬ方向の言葉に唸ったり「ああ、たしかにそんな感じ」と納得したり、色々な見方やイメージが膨らむ本でした。 -
2016 7/24
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松尾たいこさんの美しい色合いに
やさしくて甘い江國香織さんの言葉が
のせられ。
やわらかい気持ちになりたいとき、
パッとあけたページから
甘さや苦さや、いろんな味が
ふんわりひろがる。
そんな心持ちになれる一冊。 -
一枚の絵から広がる文章。
短い文章だけれど、絵と絡み合って深い物語になる。 -
わたしはうしろむきでオッケーなわけですが、みんなにはふりむいて欲しいと願っていますよ。
ひとはみんな孤独なんですよね。
うんうん。よかった。ちょうどよかった。お風呂でその行間を読みました。 -
一枚の絵に、一枚の物語。
このコンセプトがすばらしいと思いました。
さようなら、
からはじまり、
でもすこしだけ、誰かのものになれてうれしかった。
で終わる話が一番好きでした。