風俗ライター、戦場へ行く (講談社文庫)

著者 : 小野一光
  • 講談社 (2010年3月12日発売)
3.60
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765930

風俗ライター、戦場へ行く (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 内容はタイトルそのまま。
    人妻風俗などの取材を主にしていた風俗ライターの著者が、手痛い失恋などして「もうやだ!」と思い立って行った先が海外の戦場取材だった。

    行った先はアフガニスタンがもっとも多いが、カンボジアやイラク戦争開戦後のイラクなども。当初は右も左もわからず、行き当たりばったりで密入国を図ろうとしていた著者が、様々な経験を踏む中でジャーナリストのつてなどを使って、強かに取材を進められるようになっていく。

    僕がこの本を読んでもっとも強く思ったのは、「状況がよくわからない」ということ。戦場に行くということは、そこで戦争をしているわけで、それなりの政治情勢というものがあると思われるのだが、つまり戦争の背景のようなものがよく見えない。

    これが出版された当初は、そう昔のことでもなかったということで、カンボジアの内戦やアフガンの政治状況、イラク戦争開戦時の動きなど、「時事問題についての常識」の範囲だったのかもしれないが、911でさえ15年も前のこととなってしまった現在では、「知ってて当たり前でしょ」という感覚ではないし、説明されないとよくわからないなぁとも思う。

    これは僕が無知なだけという言い方もできるのだろうが、しかし戦場にかぎらず、現場で取材をするということは、実はそういうことなのかもしれないと思ったりもある。状況というのは、外部からは俯瞰して見えるようなことでも、その時、その場にいる人間にとっては全体像が見えない。
    もちろん、著者の小野がなにもわからない状況で取材しているとは思わないし、単に細かいことをここで説明していないだけということもあるだろうが、しかし刻一刻とかわる戦場の、しかもデマなども飛び交う環境にあって、むしろ「全体がよくわからない」というのは一つのリアリティなのかもしれない。

    そういう意味で、この本は軽薄な文体でありながらも、戦場の一つのリアリティを伝えているのかもしれない。

  • 風俗ライターの著者が、ふとしたきっかけでカンボジア、イラク、アフガニスタンの戦場報道にかかわっていく。戦争中毒という言葉は悪いけれど、戦争を忌み嫌っていても、病み付きになってしまうものらしい。不肖宮嶋氏や渡部陽一氏、イラクでその後殺害された橋田信介氏らがちらっと登場。

  • タイトルに興味をひかれて読み始めたら、軽いノリでびっくり。でも、戦場の状況をこういう風に伝えるエッセイに出会えたのは、よかった。ユーモアを感じるところもいっぱいあって、リアルだけれど心構えなく読めます。

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