- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062766357
作品紹介・あらすじ
地上の一隅にたしかに存在する影の王国、すなわち人外境。そこへの扉は容易に開かれないし、かりに偶然彼ら人外の宴にまぎれこんだとしても、人は気づかず通り去るのだ。これから著者が招待するのは、その秘められた宴…。イマージュに光沢と飾り付けを与え、短篇の至芸を示す作品集。連作とらんぷ譚3。
感想・レビュー・書評
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やや失速気味だが。
「幻想博物館」同様、連関のない短編集。
あちらよりもコント色が強い。
しかし冒頭の「薔薇の縛め」は最高。
オチは驚愕に近い。 -
とらんぷ譚 三巻。
前回は全体を通して一つの物語になってましたが、今回のは完全な短編。
と思いきや少し何処かが繋がってたりなかったり。
相変わらずの病的な、それでいて引き込まれる文章がとてもいい! -
後半に進むにつれて、読後の感慨が薄くなってしまった…
薔薇と精神病院と猫と。
時間や人間を混ぜこぜにして立ち位置を幻惑するような終わり方が多いような。
で、どういうこと??って居心地の悪さばかりが先行して、「分からないけどイイ」読後感というものが少なかった。
あとがきにもある通り体調も意欲も下がり気味の時期に書かれたせいなのかしら… -
中世ヨーロッパの寓話風の短編から、お馴染みの精神病院・狂人ものまで、いかにも中井英夫らしいモチーフの詰まった作品集。
薔薇の縛め/被衣/呼び名/笑う椅子/鏡に棲む男/扉の彼方には/藍いろの夜/青猫の惑わし/夜への誘い/美味迫真/悪夢者/薔人/薔薇の戒め/解説:出口裕弘 -
再読。「とらんぷ譚」第3巻にあたる作品です。
今までの2巻と同じで、各短編が独立していながら通して読むとひとつながりの物語になるような連作短編集の形をとっていますが、完成度や統一感と行った部分では前2巻にはやや劣るかもしれません。
とは言え、「笑う椅子」のような傑作もあり、全体に漂う耽美性と病的な妄念に取り憑かれた人々をどこか共感を持って語っているあたり、並の短編集から抜きんでた出来になっているのは間違いありません。
猫をテーマにした「青猫の惑わし」「夜への誘い」2篇の不気味で奇妙な味も好みです。 -
ぼーっと毎夜少しずつ読んだが、この読み方をしたせいで時間軸があやふやになってしまった。大事な仕掛けを見落としたような。
中井英夫は一気に読んでしまうのがよい。 -
相変わらずぶっとんだ文章書いてますね。
読むのには体力がいるので、まだ読破してません。
とりあえず、世界観が異なる場所で話が綴られているので
幻想博物館よりかは読みやすいかな。
幻想博物館の悪夢の連鎖を読んだあと、これを読んでいるので
ちょっと身構えてます。1話1話を読んでますが
どうも読むのが進まない。
まあ、だいぶマシ?な感じもしますが、やはり病んでる。
幻想博物館は下手なホラーよりホラー。
真珠母の匣は読破できるのだろうか心配です。
なんというか、非常に難解になるんですよね。
文章自体は難しくないのですが、その世界観が
酷く病的なので・・・。 -
うんうん。やっぱ短編の連作のほうがしっくりくるなぁ。
暗黒な世界観はあいかわらず いい!!
ただ「幻想博物館」に比べると、完成度が今ひとつかも。