書物狩人 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766432

感想・レビュー・書評

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  • この前に読んだ本が文書を巡る話で、しばらく積読していたこの小説を読む事に…(全く、関連性はないです〜!)
    世の中には、人目に触れてはならん書物はいっぱいあるねんな。
    そんな書物を探り出すお仕事が、「書物狩人」。何か本探すのが本業とはいえ、ヤバいヤツなんで、関係者がヤバい!
    諜報機関から、マフィアまで色々取り揃えてます!

    色んなヤバい事が記載されている書物。これからは、書物ではなく違う記憶媒体になる?
    前に、何かで聞いた事があるんやけど、一番長持ちする記憶媒体は何か?ディスクなりのデジタルもんかと思ってたけど、紙が一番みたい。って事は今後も書物は活躍するのか…私の記憶が正しければやけど…私の記憶媒体(脳味噌)は、長持ちなんかしないから怪しいかも(^^;;

    歴史に埋もれた事実を収めた古書を巡り、国、はたまた、諜報機関を相手に活躍する「書物狩人」。古書ミステリーって言うみたいやけど、なかなかでした。

    確かに過去の書物持ち出して、ごちゃごちゃ言う国あるしな。近所に。
    「書物狩人」さん!何とかして〜!

  • ル・シャスールがちょっと感じ悪いところがナイス。
    わたしが買った本の表紙はこのイラストじゃなかった。この表紙だったら買ってないわ。作品の世界観と合わない気がする。
    柳広司のジョーカーシリーズを思い起こさせる。結城中佐よりは人間くさいけど。

  • 初読みの作家さん。
    古書をめぐる歴史ミステリのような、スパイ小説のような短編4編。

    ケネディ大統領の暗殺や、カトリックの教義を記した福音書、ナポレオンの遺髪、陸軍中野学校など史実と絡めながら、世界を揺るがしかねない秘密をはらんだ曰く付きの本を手に入れるため、手段を問わず暗躍する〝書物狩人〟の話。

    西洋史好きなので、やはりヴァチカンやナポレオンが絡んでくる「神々は争う」「Nの悲喜劇」が面白かった。
    フィクションなんだけど、あり得そうな設定にどんどん引き込まれる。
    主人公ル・シャスールの正体も謎に包まれたまま。シリーズ化してるらしいので、今後その辺りの謎が少しずつ明らかになることも期待しつつ、読んでみたい。

  • たかが本。されど本。
    なんて生易しいものではありませんでしたぁ~
    依頼に応える為には、どんな手を使ってでも!
    とは書かれていたけれど、騙しっぷりがすごい。
    しかも表面は極めて紳士的!
    けれど腹の中はコールタール並みのクロドロ!
    そして久しぶりの敬語萌え。
    命より本が大事と言ってのけるル・シャスール
    最後の「実用的な古書」が気に入りましたぁ~
    こんなこだわりもあるんだと、溜息出ました。

  • 文庫なので待ち時間潰し用に
    読み始めたら、存外に楽しめた。
    全ての描写が良い意味で
    淡白気味であり、その加減が
    この作品を好ましいものに
    していると思う。
    この種のペダンティックな作品では
    やり過ぎると物語の本筋が
    何処か遠い処へ行ってしまう場合が
    多々ある(QEDシリーズの大半とか)
    のは嫌という程皆様ご承知のこと
    であろう。どうか、作者には
    このままあっさり路線で
    是非ともお願いしたい。
    おそらく、シリーズ続編も読ませて
    頂きます。

  • シリーズ1作目 短編集4話収録
    積読の山から発掘し、ようやく読みました。 こんなに面白い本はさっさと読めよ、と自分を叱咤しながら読了。
    古書の世界は奥深くアタシなんぞには到底わからないのだが、本書を読んでいると簡単に古書の世界に、それを巡る歴史の中に入っていけます。「九割の事実に一割の嘘を組み込んで、矛盾のないパズルをつくりあげる」あとがきにある作者の言葉通り、上手く紛れ込んだ「嘘」をうっかり信じそうになる程リアル。 主人公である「書物狩人(ル・シャスール)」の、”目的の為なら手段は選ばず”って所がいい。けれど、書物に対する深い愛情は伝わって来て、そこも好ましい。寂しい晩年を送ろうとも、そのままでいて欲しいです。 
    本好きの方、歴史好きの方、そうでない方にもどうぞ。

  • 「本好きにはトリビアが嬉しい本にまつわる軽い日常系ミステリ」
    は割とよく見かけるし最近増えてきていますがこれは
    「書籍が関係する歴史の謎に挑むミステリ」
    と少々おおがかり!

    ケネディ暗殺、雷帝の書庫、正教会が隠匿した福音書、ナポレオンの蔵書などなど
    世界史になだたる偉人・事件に関わる壮大な謎…
    それらに圧倒的な知識をもって挑むのが書物狩人です。
    (別に謎に挑んでるわけじゃなく依頼で書物を探し出すとたどり就くのだけど…)

    コンパクトな短編でありながら、
    さながら洋画の歴史アドベンチャーを見ているような、
    謎解きのワクワクさとダイナミックさすら感じます。
    元々は冒険小説を書かれていた、と解説を読んで納得!

    銀髪の書物狩人に美貌の人間コンピュータ…など
    エンタメがかった登場人物ながら、
    詳細な史実解説と緻密な歴史考察で胡散臭さを感じさせない
    骨太なミステリーに仕上がっています。
    そのほとんどがしっかり根拠に基づいているのも凄い!
    世界史に疎い私には驚きの連続。

  • 中編集。
    古書に関わるミステリーというか、謀略小説的な感じ。
    タイトルほどには古書そのものの秘密がどうこうする感じではなく、どちらかというと歴史ミステリー的な要素が大きいのかな。
    とはいえ、現実に即したところはないのですが、そういったことがあってもおかしくないという程度には、話のなかでは整合性があります。
    まぁ、作者の印象には合っている話だと思いますね。

  • キャラクターの設定は面白い。
    だが、狩人の狩人たる所以が描かれていないのが残念。
    どこにあるのかを探しだすまでを読みたかった、短編じゃ無理もないのかな?
    本自体の来歴のミステリーというのも面白いんだが、探書ミステリーを期待してただけにねぇ。

    日下氏の解説はそのままビブリオ・ミステリーのリストになってて参考になります。

  • 薦められて。
    どこまでが事実でどこまでが嘘?といった短編集です。
    すべて書物が絡む。世界史、日本史に通じているといっそう楽しめそうです。
    手持ちの本にはキャラクターは印刷されていません。なんかラノベっぽい表紙ですね。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。立教大学卒業後、ドイツに留学。帰国後、大学講師として教鞭をとるかたわら、1998年に『魔大陸の鷹』でデビュー。その面白さに、田中芳樹氏、荒俣宏氏らがお墨付きを与えた。近著に『氷海のウラヌス』『書物審問』『天皇の代理人(エージェント)』などがある。

「2013年 『書物奏鳴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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